コハク
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コハク(琥珀、amber)とは木の樹脂が地中に埋没し、長い年月により固化した宝石である。
半化石樹脂もしくは半化石の琥珀はコーパルと呼ばれる。
ペンダント、ネクタイピンなどの装飾品に利用される。鉱物ではないが、硬度は鉱物にも匹敵する。色は、黄色を帯びた水あめ色のものが多い。世界的には、リトアニア、ポモージェ、東プロイセンなどバルト海沿岸地域が主な産地である。日本国内では、岩手県久慈市近辺で産出される。
上述したように琥珀は、樹脂が地中で固化してできるものである。そのため、石の内部に昆虫(ハエ、アブ、アリ、クモなど)や植物の葉などが混入しているものも珍しくない。マイクル・クライトンは小説『ジュラシックパーク(Jurassic Park)』において、琥珀に閉じ込められた蚊から恐竜の血液を採取し、その中に含まれているDNAを採取することで恐竜を蘇らせるという設定を用いた。だが、実際にその年代の蚊が琥珀に閉じ込められていたとしても、長い年月の間に石の中で化石化するため、現実にはそのアイデアは実現し得ない。
販売されている虫入り琥珀の中には、コーパルなどを溶解させ、現生の昆虫の死骸などを封入したものもあるので注意が必要である。
西欧語の電気(electricity、electrum など)の語源は、琥珀を意味するギリシャ語のelektronである。琥珀を擦ると静電気が発生することが由来とされる。
[編集] 琥珀色
英語でコハクを意味するアンバー(amber)は、コハクの色も意味する。琥珀色は透明な黄褐色を指すのが普通で、マツの樹脂成分であるロジンも同様の色をしている。琥珀色と聞いてよくイメージされるものにウイスキーがあるが、これにも樽に含まれる樹脂が関係している。
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