コンプティーク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンプティーク(Comptiq)は、角川書店発行・角川グループパブリッシング発売のゲーム・漫画雑誌。ザ・テレビジョンの別冊として1983年に創刊された。通称は「コンプ」。雑誌名「Comptiq」は「コンピューター(Computer)」と「ブティック(Boutique)」を組み合わせた造語。マニア向け雑誌の先駆的存在でもある。
目次 |
[編集] 概要
キャッチコピーは「パソコンと遊ぶ本」「戦うパソコンゲームマガジン」。
創刊当時はゲーム記事は勿論のこと、パソコン本体の購入ガイドなどマニア向けの「コンピューター」雑誌傾向にあった。また、ロードス島戦記の元となったテーブルトークRPGリプレイ記事や「ロボクラッシュ」「トップをねらえ!」などの読者参加型ゲームなど、テーブルゲームに関する記事、ライトノベルなども掲載されていた。
一方で、「福袋」と呼ばれる袋とじのアダルトゲームのページも組まれていた。元々は年数回の定期企画だったのが後に毎号連載となり、アダルトゲーム以外に18禁アニメやHコミック、AV女優紹介のコーナーも載っていた。毎年1月号には「Hコミックアドベンチャー」というゲームブック形式のゲームが欄外にあり、内容は官能小説並みの極めて過激なものだった。
1992年、角川春樹と歴彦の対立(お家騒動)により、編集を担当していた角川メディアオフィスのほぼすべてのスタッフがメディアワークス設立に参加。編集長以下ほとんど同じスタッフにより電撃王を創刊する。コンプティークは外部編集プロダクションにより続けて作られたものの、連載記事も含めてかなりの部分がそれまでと異なる別の雑誌となった。
その後も幾度かのスタッフ入れ替えやマイナーチェンジを繰り返した後、2003年9月号から「MediaMix Game Magazine」と題し、それまでのゲーム紹介記事中心の構成からギャルゲーを原作とした漫画を中心とする構成に変わる。角川エース新人漫画賞の広告でも、「少年エース/ガンダムエース/コンプティークなどのコミック誌に掲載されるチャンス!」と謳っており、本誌の位置付けがメディアミックス主体の漫画雑誌へ移行したことがわかる。
[編集] 連載された漫画
- IZUMO2 (シナリオ:高橋直樹 作画:山本和枝 制作協力:UTATA)
- らき☆すた (美水かがみ)
- 機神咆哮デモンベイン (シナリオ:種子島貴 作画:たなか友其)
- AIR (桂遊生丸)
- SHUFFLE! -DAYS IN THE BLOOM- (日下皓)
- Fate/stay night (シナリオ:久我城貴哉 作画:鳴瀬ひろふみ)
- D.C. ~ダ・カーポ~ (原案:CIRCUS 作画:たにはらなつき)
- D.C.S.G ~ダ・カーポ セカンドグラデュエーション~ (原案:CIRCUS 作画:Cherish)
- D.C.II ~ダ・カーポII~ (原案:CIRCUS 作画:龍牙翔)
- ヱデンズボゥイ (天王寺きつね 後に月刊少年エースに移動、現在も連載中)
- ムーンクエスト (桐嶋たける 後に電撃王に移動、タイトルはムーンヴォイスに変更)
- ダンジョンマスター (栗橋伸祐 単行本はメディアワークスより刊行)
- リスティス (わたぬきほづみ(うたたねひろゆき) 後に電撃王に移動)
- ルーンワース -星の勇者- (迎夏生)
- イース (羽衣翔)
- トップをねらえ! NeXT GENERATION (そうま竜也)
- ロマンシア―浪漫境伝説 (円英智)
- 神星記ヴァグランツ (原作:ヴォクソール・プロ 画:麻宮騎亜)
- ヤミと帽子と本の旅人~ロマンス~ (原作:ROOT 作画:桜井綾)
- 英雄伝説ガガーブトリロジー 白き魔女 (シナリオ:森瀬繚 作画:永倉由紀)
[編集] 逸話
- ファミコンゲーム「ゼビウス」の無敵コマンドを最初にとりあげた本でもある。
- 以前はアイドルを表紙に起用しており、アイドルグループ「セイントフォー」(岩男潤子らが所属)やブレイク直前の森高千里などが表紙を飾ったことがある。
- 深沢美潮、榊涼介、中村うさぎなどはコンプティークのライターをしたことをきっかけにして、角川スニーカー文庫や電撃文庫などで作家デビューしている。また、板場広し(板場広志、伊多波広)や井上純弌(希有馬、井上けうま)などはハガキ職人だった。
- 分裂以前の名物コーナーのひとつ、三国志や信長の野望などのSLGリプレイは、秋葉原助手や御茶ノ水教授、ドクター四谷、九段南、イボンヌ木村など複数のライターが参加したことになっているが、榊涼介がすべて書いていた。イボンヌ木村(もしくはイヌボン木村)は実在のライター(後の中村うさぎ)であるが、実際にはゲームには参加しておらず、そのキャラクター性のみが使われたものである。
- 人気コーナーの1つ「SLG劇場」の登場人物には東京都内の地名が使われていた。上記以外では千駄ヶ谷君、飯田橋君など。また、別コーナーのライターで「市ヶ谷クン」と呼ばれている人がいた。
[編集] 関連項目
- 増刊・姉妹誌
- 現存しない増刊・姉妹誌
- 分家筋
- 電撃王(旧編集部スタッフがメディアワークスへ移籍して創刊)