メディアミックス
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メディアミックス(Media Mix)は、広告業界の用語で商品を広告する際に異種のメディアを組み合わせることによって、各メディアの弱点を補う手法のことを指す。
よく誤解されるが、これは現代芸術の「ミクストメディア」とは全く違う。
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[編集] 概要
[編集] メディアミックスの起源
日本においては、角川書店が1970年代において、自社発行書籍(小説作品)の映画化を行い、その原作作品を売り込むことにより業績を伸ばした事で注目された宣伝手法であり、これを日本のメディアミックス商業展開の代表的な成功例とする場合が多い。この事により、現在でも角川書店とその関連会社(富士見書房など)は「日本のメディアミックス商業展開の元祖的存在」と見られることがある。
但し、それ以前にもニッポン放送と平凡出版(現・マガジンハウス)のタイアップで、『平凡パンチ』の専属グラビアタレントであるモコ(高橋基子)、ビーバー、オリーブ(シリア・ポール)の3人が、グラビア撮影時のエピソードを(「今週号の○○ページをご覧下さい」などと言いながら)ラジオで振り返る『パンチ・パンチ・パンチ』という番組に出演し、その番組発の企画としてレコードを発売するという実験的なメディアミックスが行われてもいた。
[編集] 近年のメディアミックス
近年は、「メディアの組み合わせ」という「手法」だけではなく、元々一つのメディアでしか表現されていなかった作品(原作)を、小説、漫画、アニメ、ゲーム(コンピューターゲーム)、音楽CD、テレビドラマ、映画、タレント、キャラクターグッズ販売などを通じて、多方面に商品展開することも指す。合わせて、作品を複数の観点から描く手段として、メディアミックスが用いられることもある。
1995年以降、漫画原作の「映画・ドラマ」のメディアミックス化が活発となっている。満足度・視聴率とも、非常に好成績を得ている事が多い。しかし、あまりに「漫画原作のドラマ化」が多くなったために、新鮮味がなくなりつつある事も事実である。
2006年現在において、大抵の作品が「何らかのメディアミックス展開」を導入しており、2ジャンル程度のメディアミックスでは、大衆の関心を引くことは難しくなってきている。そのため、手間やコスト負担が増して、メディアミックス自体の費用対効果にも、疑問を持つ企業が出てきており、「新たなメディア展開」を考えるべき時期にさしかかっている。
[編集] 代表的な作品
[編集] 漫画が原作である場合
アニメ化・ドラマ化・ゲーム化・ノベライズなど、漫画の原作から派生した作品は非常に数が多く、メディアも多岐にわたる。特に漫画のアニメ化作品では、魔法使いサリーのように原作の知名度が低いが、アニメとしては大ヒットする作品も少なくない。従って、しばしば漫画原作である作品が、アニメ原作と混同されがちである。
- 鉄腕アトム
- 同名の漫画を特撮ドラマ化、テレビアニメ化。アニメとしては、「日本で最初の1話30分の連続テレビアニメ」といわれることが多い(wikipedia「鉄腕アトム」の記事より)。
- ルパン三世
- 何度もアニメ化・映画化され、現在も続編が製作されている。他にもゲーム化やノベライズなど多数。原作漫画は完全な大人向け漫画(とくに性的描写が多い)であり、アニメになったときも最初はハードな路線で製作されようとしていた。しかし、PTAなどから苦情が来たため、徐々に子供向けな内容が多くなりながら最初のアニメシリーズは23話で終了した。なお、その後は放送上問題ない程度にお色気シーンが含まれている。
- 美少女戦士セーラームーン
- 同時期にアニメ化され映画化やミュージカルもされ、後にテレビドラマ化もされた。
- DEATH NOTE
- 同名の漫画をノベライズ、実写映画化、テレビアニメ化。
- KAIKANフレーズ
- 漫画『快感♥フレーズ』をアニメ化、作中のロックバンド「Λucifer」が実際にデビューし話題になった。
[編集] アニメが原作である場合
漫画化・ゲーム化・映画化・ノベライズなど。アニメが原作の場合、原作者の記載に当たり、ほとんどの作品で合同のペンネーム(擬人名称)を用い、あたかも個人一人の名前であるかのように見せかけることが多い。これは著作権登録の際、法人の名義が認められず、個人の名義でなければならない時期があった頃からの名残として残されていることに起因する(例:サンライズの矢立肇・東映アニメーションの東堂いづみなど)。 漫画原作と比べ、世界観やキャラクター設定のみを継承したパラレルワールド的な作品が多い。
- 宇宙戦艦ヤマト
- 再編集された映画版が人気を呼び社会現象となった。後に漫画・映画・ゲーム・ノベライズなど幅広い展開を見せた。
- 機動戦士ガンダムシリーズ
- 現在でも漫画化やゲーム化が盛んであり、監督自身による小説版やスピンオフ作品が執筆されている。
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 同名の漫画がアニメ放送よりも先に連載されているが、原作はアニメの方とされている。漫画の他にも映画化、ゲーム化など。
- 交響詩篇エウレカセブン
- アニメ版を元にした漫画化・ノベライズ・ゲーム化などがある
- 天地無用! シリーズ
- OVA『天地無用! 魎皇鬼』を基にテレビアニメ化、ノベライズなど多数。スピンオフ作品も存在。
[編集] ゲームが原作である場合
アニメ化・漫画化・ノベライズなど、特に近年ではアダルトゲームやギャルゲーの原作がアニメ化されるという展開が多い(アダルトゲームのアニメ化の場合、作品の性質上テレビでの放送が不可能なことが多いため、OVA化されることが多い)。
- ドラゴンクエストシリーズ
- アニメ『ドラゴンクエスト』、漫画『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』など多数。
- ポケットモンスター
- アニメはもとより、漫画、アニメ映画、トレーディングカードゲーム、ラジオドラマなどさまざまなメディアミックス(商品展開)がなされている。
- サクラ大戦シリーズ
- 小説、TVアニメ、OVA、アニメ映画、ドラマCD、漫画、舞台など。
- ひぐらしのなく頃に
- 元は同人ゲームであったがコンシューマーゲーム化される。アニメ化・漫画化もされており漫画は各編違う漫画家が作画を担当している。またゲームの設定上様々なスピンオフ作品も生まれた。
- とらいあんぐるハート3
- 同名のゲームをOVAアニメ化。また、脇役のキャラクターをゲームとしてスピンオフさせ、それを更にスピンオフ、これを『魔法少女リリカルなのは』としてテレビアニメ化。
[編集] 小説が原作である場合
漫画化・アニメ化・ドラマ化・ゲーム化・映画化など。特にライトノベルの多くはアニメ化・漫画化の傾向が強い。
- 時をかける少女
- 1972年のNHK『タイム・トラベラーシリーズ』を皮切りに1983年と1997年の映画版、1985年および1994年、2002年のテレビドラマ版、2006年のアニメ映画版と世代を超えて製作され、日本のメディアミックスの元祖的作品として取り上げられる事も多い。
- 赤川次郎作品群。
- 乙一作品群
- 『GOTH』『ZOO』『きみにしか聞こえない』など映画、漫画化だけにとらわれず、舞台化などのメディア展開もある。
- 涼宮ハルヒシリーズ
- 漫画化・アニメ化の際、タイトルは『涼宮ハルヒの憂鬱』(シリーズ第1巻のタイトル)に統一されている。
- ハリー・ポッターシリーズ
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の4作が順次映画化されている。
[編集] 映画が原作である場合
漫画化・ノベライズ・ゲーム化など。
- スター・ウォーズシリーズ
- 映画関係者以外の者によって作られた小説が、多く出版された。非公式の設定であるため、原作である映画とストーリーが矛盾する物も多数存在する。
- また、『エピソードII』と『エピソードIII』の間の話となるアニメ『スター・ウォーズ クローン大戦』という作品がある。こちらのストーリーは公式設定である。
- 七人の侍
- ウォーターボーイズ
[編集] 関連項目
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