ゴイサギ
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?ゴイサギ | ||||||||||||||||||||||||
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![]() ゴイサギの成鳥 Nycticorax nycticorax |
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Nycticorax nycticorax (Linnaeus, 1758) |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
ゴイサギ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Black-crowned night heron |
ゴイサギ(五位鷺、学名Nycticorax nycticorax)は、鳥綱コウノトリ目サギ科ゴイサギ属に分類される鳥。
目次 |
[編集] 分布
北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、東南アジア等の熱帯、温帯に広く分布するが、寒冷地で繁殖するものは冬には暖地に移動する。
[編集] 形態
体長58cm。カラスより少し大きい。足や嘴はアオサギやダイサギ程は長くない。成鳥は背中が黒っぽく、胸や腹が白い。虹彩は赤い。頭頂部には長く白い冠羽がある。
幼鳥は褐色の体に白い斑点があり、成鳥とは全くちがうもようをしている。そのため「ホシゴイ」(星五位)と呼ばれることもある。
[編集] Sibley分類体系上の位置
Sibley-Ahlquist鳥類分類 |
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コウノトリ亜目 Ciconii
コウノトリ下目 Ciconiides
コウノトリ小目 Ciconiida
サギ上科 Ardeoidea
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[編集] 生態
森林に生息する。英名Night heron(夜のサギ)の通り夜行性で、昼間は樹上等で休んでいる。雨天や曇りの日は昼間でも活動することがある。雨の夜にはカエルを狙って水辺近くの路上に現れることもある。鳴き声は大きく「クワッ、クワッ」ときこえ、夜に飛びながら鳴くので不気味である。
食性は肉食性で魚類、カエル、甲殻類等を食べ、夜のうちに養殖池のコイやキンギョを食べて損害を与えることもある。水辺で静止し、獲物が通りかかるのを待ち伏せる。獲物が通りかかると普段は折りたたんでいる頚部を伸ばして捕食する。
繁殖は集団繁殖であり、他のサギ科の鳥と共に行うこともあるが、その場合は繁殖地の一角にゴイサギだけが集まる区画を作るという。繁殖期は昼間も採食行動をおこなう。
[編集] Status
LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
[編集] 人間との関係
[編集] 伝承
名前の由来は、平安時代に「五位」の爵位を授けられたことから、という物語伝承がある。
「大鏡」によれば、醍醐天皇が京都、神泉苑に遊んだとき、池に一羽の鷺が見えた。天皇は下人に鷺を捕獲するよう命じたが、鷺は飛び回りかなわなかった。廷臣の一人が「勅なれば畏まれ」と叫ぶと、鷺は天皇の下へ飛来し、羽根をたたんだ。天皇はこの鷺の行動を喜び、「従五位」の官位に叙したという。
この故事ちなんで、能楽「鷺」がある。
[編集] 関連項目
- ゴイサギ属