スズキ・ジムニー
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ジムニー (Jimny) は、スズキが市販している軽自動車である。車名の由来はJeepとMiniをあわせた造語から。北米発の愛称は「Suzi(スージー)」。
小型で軽量のパートタイム4WD車であり、オフロードでの高い走破性も評価されている。また、オフロード車も車台のモノコック化が進む今日にあって、今なおラダーフレームを使い続け、低級振動や重量増などのネガを克服し、強度や耐久性の面で独自性を有している。
2000年に2WD(FR)車が発売されたが、現在は4WDのみのラインナップとなっている。
マツダへOEM供給されたモデルはAZ-オフロードの名で販売されている。
また1977年に発売されたSJ20以降、普通車登録のジムニーも発売され、海外でも販売されている。海外では、輸出、ノックダウンを含め、多くの国で販売されており、現地で荷台や車体を架装したピックアップやワゴン(4ドアもある!)など、ロングホイールベース車の比率も高い。車名も、「ジムニー」のほか、時期や仕向け地によって、「ブルート」、「サムライ」、「シエラ」などを使い分けている。
目次 |
[編集] 歴史
[編集] 初代
[編集] 初代第1期(1970年~1972年)
LJ10
1970年4月に軽自動車初の本格四輪駆動オフロード車として発表。
誕生のきっかけは、ホープ自動車が開発した、「ホープスター・ON360」の製造権を、現会長である鈴木修が、社内の反対を押し切る形で買い取ったことに端を発する。このとき幹部は「もしジムニーが売れたら社内をちょうちん行列で歩いてやる。」といっていたという話もあり、鈴木修氏以外からは期待はされていなかった模様である。
極少量が生産、販売されたホープスター・ONの組み立ては、ほとんどが手作りで、三菱エンジンのものが15台(40台、50台説もある)、検討用にスズキから依頼された、スズキエンジンのものが3台生産されたにとどまった。スズキはこれに大幅な設計変更を施した。ドライブトレインは、前後リジッドアクスル、16インチホイール、2速のトランスファーなど、ジープ同様の本格的な構成であったため、ONの高い機能はそのままに生かし、それに自社のキャリィ用のエンジンとトランスミッションを組み合わせ、軽自動車の枠内に収めた。規格品の鋼材を積極的に導入し、他の部品も自社の既存のものをなるべく流用することでコストを抑えた。その一方で、スタイリングを重視し、販売価格を抑えるなど、購買、設計、生産技術、デザイン、営業などとの全方位的な折衝の末、商品として成立させることに成功した。
当時のキャッチコピーは「自然に挑戦する男のくるま」「男の相棒☆ジムニー」「最前線志願」など。
[編集] 初代第2期(1972年~1976年)
LJ20
1972年5月に発売。 LJ10との主な違いは、エンジンが空冷から水冷に変更したこと。
- 全長 2,955mm 全幅 1,295mm 全高 1,670mm
- エンジン L50型 水冷直列2気筒2サイクル
- 排気量 359cc 最高出力 28ps/5,500rpm 最大トルク 3.8kg-m/5,000rpm
[編集] 初代第3期(1976年~1981年)
SJ10
1976年6月に発売。 昭和51年の法律改正により、軽自動車の規格変更されて排気量が550ccとなる。
- 全長 3,170mm 全幅 1,395mm 全高 1,670mm
- エンジン LJ50型 水冷直列3気筒2サイクル
- 排気量 539cc 最高出力 26ps/4,500rpm 最大トルク 5.3kg-m/3,000rpm
SJ20(ジムニー8)
1977年7月に発売。 輸出仕様を基にしたもの。軽自動車の枠には納まらず普通車登録。SJ10の車体に排気量800ccのエンジンを搭載した。
- 全長 3,170mm 全幅 1,395mm 全高 1,845mm(幌) 1,685mm(バン)
- エンジン F8A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 797cc 最高出力 41ps/5,500rpm 最大トルク 6.1kg-m/3,500rpm
[編集] 2代目
[編集] 2代目第1期(1981年~1984年)
SJ30
1981年5月に発売。 11年ぶりにフルモデルチェンジし、快適性や操作性など、乗用車としての性能を向上させた。
同時期、すでにスズキの軽自動車のほとんどは4ストロークエンジン「F5A」に移行していたが、ジムニーではトルクが不足する為、LJ50が継承された。日本では最後の2ストロークエンジン搭載の4輪自動車となった。
エンジン出力も28Psに向上した。
※SJ30型は同じ軽自動車規格のJA71型登場後も内装等のマイナーチェンジを行いながら、 1987年まで生産が続けられ併売された。
- 全長 3,195mm 全幅 1,395mm 全高 1,690mm
- エンジン LJ50型 水冷直列3気筒2サイクル
- 排気量 539cc 最高出力 28ps/4,500rpm 最大トルク 5.4kg-m/2,500rpm
SJ40(ジムニー1000)
1982年8月に発売。
先行して輸出されていたSJ410が、ユーザーの希望にこたえる形で国内販売された。
SJ20に搭載されたF8Aをボアアップし970ccとしたF10Aを搭載した。2代目となるボディは、このF10A搭載を前提として設計されている。また、国内では初めてピックアップモデルが設定されたが、この形式のみとなっている。
標準装着としてSJ30とは違い、15インチホイール(5.5Jオフセット+10)と195SR15タイヤが装着されたが、6穴(PCD139.7mm)仕様のホイールだった。これは、ホイールを軽モデルに流用できないようにするために、当時の運輸省の指導があったためとされる。
(ピックアップモデルのみ16インチホイールを採用するため軽モデルと同じ5穴ホイールとなっている)
1986年の貨物自動車排ガス規制をクリアできずJA51に移行。 (軽貨物車は昭和53年規制で乗用車同様に規制されていた)
国内では2年ほどの販売だったが、海外モデルであるSJ410は、スペイン・インドなどで1998年頃までノックダウン生産されていた。
- 全長 3,355mm 全幅 1,465mm 全高 1,690mm (バン)
- エンジン F10A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 970cc 最高出力 52ps/5,000rpm 最大トルク 8.2kg-m/3,500rpm
[編集] 2代目第2期(1984年~1990年)
JA71
1986年1月に発売。
それまでの2サイクルエンジンから変更され、初めて4サイクルターボエンジンが搭載された。 550ccのターボエンジンと、5速トランスミッションの組み合わせにより、高速走行は楽になったが、オフロードなどでの、低回転の扱いはシビアになった。スズキ自身もその点を把握しており、実用グレードとして、従来の2サイクルエンジンを搭載した、SJ30型も併売されることになった。
- 全長 3,195mm 全幅 1,395mm 全高 1,680mm (M-JA71V(バン))
- エンジン F5A型 水冷直列3気筒4サイクルターボ
- 排気量 543cc 最高出力(グロス) 42ps/6,000rpm 最大トルク 5.9kg-m/4,000rpm
1987年11月 インタークーラー装着車登場 出力が向上したもののドッカンターボ的な特性が強まった。当初は点火カットなどのリミッターを装備しておらず、連続高負荷、高回転運転でピストンが溶解することがあった。 JA51で登場していたパノラミックルーフ車も登場。 サイドブレーキもセンターブレーキから通常の後輪2輪制動式に変更され、フロントフェイスもJA51型同様樹脂別体式の上級グレードでフォグランプ内蔵のものになった。 1989年11月軽ジムニー初の特別仕様車ワイルドウインドリミテッド(1000台限定)発売。
- 全長 3,195mm 全幅 1,395mm 全高 1,825mm
- エンジン F5A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 543cc 最高出力(ネット) 52ps/5,500rpm 最大トルク 7.2kg-m/4,000rpm
JA51 ジムニー1300
1984年11月に発売 カルタスに搭載されていた3気筒のG10Aエンジンに1気筒を足して1300となったG13Aエンジンを搭載。 また、普通車ジムニー初の5ナンバー登録車が登場。 1985年12月にはルーフを高くしたパノラミックルーフ車が登場した。 1986年10月には普通車ジムニー初の特別仕様車ウインターアクションスペシャル(100台限定)が発売。
- 全長 3,355mm 全幅 1,465mm 全高 1,700mm (E-JA51W(ワゴンGWL))
- 車体重量 870kg
- エンジン G13A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1324cc 最高出力(グロス) 70ps/5,500rpm 最大トルク 10.7kg-m/3,500rpm
[編集] 2代目第3期(1990年~1995年)
JA11
1990年2月に発売。
軽自動車の規格拡大により110cc排気量がアップされ、前後バンパーも大型化された。
リーフサスペンションにも改良が加えられ、オンロード・オフロードでの性能も向上。
モデルチェンジでパワーステアリングや3速ATの採用、パワーアップ等年々進化した。
低速トルク向上による扱い易さに定評があり、多くのアフターマーケットパーツにも恵まれるためオフロードユースのユーザーに多くの支持を得ている。
1990年10月 限定車のワイルドウインドリミテッド(1000台限定)
1991年6月 2型となり、グリルなど変更し58psにパワーアップ
1991年11月 限定車のワイルドウインドリミテッド(2400台限定)発売。パワーステアリングが初装備される。
1992年7月 3型となり3速AT車が設定された 。限定車スコットリミテッド(3000台限定)発売。キャリアベース標準装備。
1992年11月 限定車のワイルドウインドリミテッド(3500台限定)発売。
1993年6月 限定車のスコットリミテッド(3000台限定)発売。
1993年11月 限定車のワイルドウインドリミテッド(5000台限定)
1994年4月 4型発売。一部パワステ標準化他、安全装備関連の変更。
1994年6月 限定車のサマーウインド(4500台)発売。JA11唯一の赤系塗装車設定。
1995年2月 5型発売。先行として特別仕様車ランドベンチャー発売。フルトリム内装を採用し64ps/10kg・mにパワーアップ。追って標準車も64馬力化される。
- 全長 3,295mm 全幅 1,395mm 全高 1,680mm(バン)
- エンジン F6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
-
- JA11-1型 排気量 657cc 最高出力 55ps/5,500rpm 最大トルク 8.7kg-m/3,500rpm
- JA11-2型 排気量 657cc 最高出力 58ps/5,500rpm 最大トルク 8.8kg-m/3,500rpm
- JA11-5型 排気量 657cc 最高出力 64ps/6,000rpm 最大トルク 10.0kg-m/4,000rpm
-
JB31
1993年5月に発売。
エスクードの登場でJA51以降途絶えていた国内用普通車ジムニーの復活。
北米で改良され、ワイドトレッド化、更なるハイギア化、インジェクション化されたサムライをベースに日本市場に再投入され、名称もオーストラリア仕様で使われていたSIERRA(シエラ)となった。
※サムライマイナーチェンジで、G13A型エンジンはわずかに1.3Lを越え、仕向け地によっては、税金や保険の区分で不利益をこうむるため、排気量を1.3L未満に抑えたG13B(G13BA)型へ変更された。
なお、JA51までの小型登録(登録車)ジムニーは、一輪あたりの荷重負担値(強度)の関係から、軽ジムニーのホイールを流用できないよう、国内仕様のみ6穴ホイールであったが、新規格の軽ジムニー用ホイールの強度が上がったことと、規制緩和でその縛りが無くなり、JB31からは、再び5穴ホイールとなっている。
1993年11月から3速AT車設定。
1994年6月 限定車エルク(1000台限定)発売
1995年5月 「シェラデザインズリミテッド」発売
- 全長 3,470mm 全幅 1,545mm 全高 1,670mm
- エンジン G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
-
- 排気量 1298cc 最高出力 70ps/6,000rpm 最大トルク 10.4kg-m/3,500rpm
-
[編集] 2代目第4期(1995年~1998年)
JA12 / JA22
1995年11月に発売。
ジムニー史上初めてコイルスプリングを採用し、主にオンロード走行における快適性を向上させたモデルである。
パワーステアリング車には電動式(JA12は油圧式)が採用されている。
JA22にはツインカムのK6Aエンジンが搭載され、パワーの向上が図られた。
それまで軽モデルは4ナンバー登録のみであったが、同年に三菱からパジェロミニが出たことを受け、5ナンバー登録車も登場した。
後期型ではエアロッキングハブによるドライブアクション4WDシステムが搭載された。
JA22に搭載されたDOHCターボエンジンはオンロードでの動力性能向上をもたらしたが、同時にドライブトレーンのハイギア化も進んだ。
※F6A型 SOHCエンジンを搭載したJA12に設定される、バン、および幌モデルは、従来どおりのギアリング。
1型をもって、軽モデルとしてはJA71-3型からの設定であった、パノラミックルーフ車が廃止された。
1997年ごろのCMソングにPAMELAHの「やさしいキミ」が起用されていた。
全長 3,295mm 全幅 1,395mm 全高 1,680mm(バン)
- エンジン
- JA12:F6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 657cc 最高出力 64ps/6,000rpm 最大トルク 10.0kg-m/4,000rpm
- JA22:K6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 658cc 最高出力 64ps/6,500rpm 最大トルク 10.5kg-m/3,500rpm
- JA12:F6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
JB32 ジムニーシエラ
JB12/22の登場に合わせて1300シリーズもサスペンションがコイル化された。
G13Bエンジンは1カム16バルブ化され出力が向上した。
すぐに特別仕様車ELK(エルク)仕様が発表されたため、実際販売された車輌はこの仕様ばかりである。
JB31では軽モデルとスプリング取付位置が異なっていたが(サムライの訴訟による改良)、JB32はJB12/22とコイルスプリングの位置は共通で、アクスルハウジング(ホーシング)の延長でワイドトレッド化している。広いトレッドど狭いスプリングスパンを持つため、オフロードのクローリングでの脚の伸び(接地性)が向上したと言われている。
- エンジン
- G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1298cc 最高出力 85ps/6,000rpm 最大トルク 10.8kg-m/3,000rpm
- G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
[編集] 3代目(1998年~)
JB23
1998年10月に発売。
軽自動車規格の改正に伴いフルモデルチェンジされた。
デザインはそれまでの箱型から丸みを帯びたものに大きく変更され、車体寸法も拡大された。
ジムニー伝統のラダーフレームと、前後リジッドアクスルサスペンションを継承し、フレームは衝撃吸収構造へ、サスペンションは3リンクへと、いずれも新設計され、オンロードでの安全性と、オフロードでの走破性の向上を果たした。
パワーウィンドウや集中ドアロック(1型XAは非装着)、エアバッグとABS(1型はセットオプション)などの装備も、乗用車同様に網羅された。
1999年10月の2型への変更では排ガス規制による排気系の改良が見られる。また、エアバッグ・ABSを標準装備し安全面も向上している。シンプルグレードXAにもパワーウィンドウが装備された。
2000年4月の3型への変更はABSユニットなどの変更が中心。
2002年1月の4型変更の際、独立したグリルが採用され(J2でも採用)エンジンの改良が行われた。
2004年10月5型となりインパネ意匠変更、トランスファーの切り替えがレバーからスイッチへ変更される。
同時にトランスファーの形式が変更になり、Hi/Loのステップ比が大きくされた。
マニュアルトランスミッションは、オーバードライブタイプ(1:0.790)を止め、5速を直結(1:1.000)とし、代わりにデフを1:5.375から、1:4.909へと高速化した。これによりシエラを含め、M/T、A/Tの区別無く、デフ比は一種類に統一された。
2005年10月6型となり、ドアミラー変更およびマニュアルヘッドライトレベライザー等の装備がされる。
ジムニーL(2000年9月)およびジムニーJ2(2001年2月)という2WDモデルも存在する(現在廃止)。
- 全長 3,395mm 全幅 1,475mm 全高 1,680mm
- エンジン K6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボ
- 排気量 658cc 最高出力 64ps/6,500rpm 最大トルク 10.5kg-m/3,500rpm
JB33 ジムニーワイド
JB23型ジムニーに先行して1998年1月に発売された。
エンジンはG13B型をJB32型から踏襲したが、点火方式をデスビ+フルトランジスタ点火式から、デスビレスの同時点火化(2コイルプラグヘッドコイル)にした他、カムプロフィールが多少異なる。
4速AT車はロックアップモードを持ちJB23用4速ATと異なる。
「JZリミテッド」という特別仕様車が存在する。
- 全長 3,550mm 全幅 1,600mm 全高 1,670mm
- エンジン G13B型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1298cc 最高出力 85ps/6,000rpm 最大トルク 11.3kg-m/4,500rpm
JB43 ジムニーシエラ(ジムニーワイド)
当初はジムニーワイド名称のまま発売。M13A型エンジンを搭載
その後3型でジムニーシエラに改名。
2004年10月JB23とともに4型となりインパネ意匠変更、ボタン式トランスファなどの変更を受ける。
2005年10月5型となり、ドアミラー変更およびマニュアルヘッドライトレベライザー等の装備がされる。
- 全長 3,550mm 全幅 1,600mm 全高 1,670mm
- エンジン M13A型 水冷直列4気筒4サイクル
- 排気量 1328cc 最高出力 88ps/6,000rpm 最大トルク 12.0kg-m/4,000rpm
【トリビア】
JB33及び3型までのJB43型は、JB23と異なる遮光傘内蔵のヘッドライトを採用している。
JB43-3型からはJB23と共用になったが、海外用は依然遮光傘を採用している。
またJB33のエアロッキングハブのボルトの頭は12星ボルトでJB23で採用された6星ボルトと異なる。
JB23およびJB33のCM等のイメージキャラクターは俳優の織田裕二を起用。ちなみにJB23のCMコピーは「勇気のクルマ。」だった。
[編集] 海外輸出と現地生産
- アメリカでは1971年頃にLJ10が「ブルート」として約2000台が輸出された後、間をあけて(SJ410ジムニー1000はアメリカハワイ州にのみ輸出はされていた)1985年からSJ413ジムニー1300「サムライ」(Suzuki SJ)が販売された。
SJ413ロングホイールベース仕様はその後カナダでは販売されていた。 - インドではスズキの子会社であるマルチ・ウドヨグ(Maruti Udyog)社が「ジプシー」(Maruti Gypsy)という名称で最初は日本でいうSJ40系に相当するモデル(SJ410)を、後にJA51系に相当するモデル(SJ413/413W)を ノックダウン生産している。
日本では販売されなかったロングホイールベース車が中心であり、2WDモデルも多く販売されている。
多くの派生ボディが存在し、4ドアワゴンも存在する。SJ413のフロントマスクは、後期になるとJA11系統のものになっている。
また、インドで生産したSJ410を「SUZUKI STOCKMAN 4WD」として、オーストラリアへ輸出していた。
- オーストラリアでは、日本でいうSJ10に相当するモデルをLJ50として、SJ20に相当するモデルをLJ80として販売された。LJ80には、現地での使用状況に合わせ、日本では販売されなかったピックアップモデルが設定されていた。
後に販売されたSJ410およびSJ413は「SIERRA」(シエラ)という名称で販売された。
ロングホイールベース車も設定され、現地メーカーによるFRPトップを装着した車両もあった。 また、GMとの提携に基づき、GMの現地ディーラーであるホールデン社(Holden)に車体を供給し、「DROVER 4WD」として販売された。スズキブランドである「SIERRA」との違いは、フロントマスクのデザインと、角目のフロントライトである。また、現地の企業のため税金面での優遇措置があり、「SIERRA」より安く販売されていた。
- スペインでは、現地法人であるサンタナ(Santana Motor)が生産を行っている。SJ410から生産を開始し、現在は日本でいうJB33/JB43型に相当する1300モデルが生産され、欧州で販売されている。
サンタナで生産されたSJ410には、「SANTANA」の銘板が付けられた。また、F10Aエンジンのヘッドカバーにも「SANTANA」のロゴが鋳込まれている。
JB43に当たるモデルには、日本仕様には無いカブリオレや、ルノー製コモンレールディーゼルターボエンジン搭載車等が存在する。
2006年モデルからフロントバンパー形状などが変更された。
- タイなど、東南アジアでは日本でいうJA51型系統に相当する1300ccモデル(SJ413W)が「カリビアン」の名称で販売されている。
インドネシア製を含めたこれらのクルマは、参考出品の形で東京モーターショーに展示されている。
ロングホイールベース車で、近年のモデルはJA12/22顔になっているが、現地の道路事情のためか、シャーシ・エンジンはそのままOHC8バルブエンジンとリーフリジット前後サスペンションを踏襲している。
- 2006年モデルからは日本仕様のものとは異なるバンパーが採用されている。
アジア仕様のJB43相当車(SN413-2005モデル)搭載のM13A型エンジンにはVVCが非採用。
※なお台湾には2006年6月現在ATモデルのみの販売。
[編集] 転倒訴訟
1988年6月に「サムライ」が、コンシューマーズレポートにより、横転しやすい危険な車としてアメリカ政府にリコールを要請された。これは「Jターン」と呼ばれる急旋回テストを行った際、タイヤをリフトさせたという実験結果に基づいたものとされている。
さらにこの事がテレビ番組「60 Minutes」に取り上げられたことで、購入代金返還を求める集団訴訟が起こされた。この訴訟は、事故の状況や関係者の証言から、全米ハイウェイ輸送安全局(NHTSA)が、「すべてのサムライの事故は無謀運転が原因」と裁定し、結果的に勝訴となった。
この訴訟は、当時クライスラーの会長であったアイアコッカが、巨額の開発費をつぎ込んだ新型車である、ジープ・チェロキーの販売を成功させるため、ライバル車の「追い落とし」キャンペーンを仕掛け、スズキがそのスケープゴートにされたと、後に言われている。アイアコッカは、以前、フォード在籍時代にジープ・CJ-5を相手取り、転倒訴訟の槍玉にあげた経歴も持つ。
この後サムライは、ワイドトレッド化、左右スプリングの取り付けスパンの拡大、ばねやダンパーレートの見直し、低ハイトタイヤの採用などにより、操安性の向上が図られたが、この訴訟によって、一般消費者の間には危険な車であるというイメージが残り、販売数が激減した。さらに1989年には、ビターラ(エスクード)を含めた小型SUV車の関税が10倍にも増やされたこともあり北米での販売は中止となった。JB33/43相当車の北米での発売はされていない。
[編集] ジムニーが登場する映画、ドラマなど
- ドラマ「太陽にほえろ!」にマカロニ刑事役の萩原健一がLJ20に乗って活躍していた。
- 「仮面ライダーX」 立花藤兵衛車としてLJ20を使用
- 「仮面ライダーストロンガー」 立花藤兵衛車としてLJ20を使用
- 「宇宙刑事ギャバン」
- SJ30FKを使用していたが、撮影用ナンバープレートは普通車仕様であった(窓に貼られていた検査標章は軽自動車仕様)
- 「宇宙刑事シャリバン」 SJ40FKを使用
- 「宇宙刑事シャイダー」 SJ40FKを使用
- 「ナチュラル natural 愛のゆくえ」 SJ30FK+FPRトップ(2型と思われる)
- 「ボーン・スプレマシー」 SJ413ロング相当のマルチ製車を使用
[編集] 外部リンク
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