ダイコン
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ダイコン | ||||||||||||||||
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![]() アオクビダイコン |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Raphanus sativus | ||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||
ダイコン | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
daikon radish |
ダイコン(大根)はアブラナ科の野菜。主として肥大した根、茎、胚軸を食用とするほか、種子から油が取れ、土壌改良にも利用される。
形状や色も多様で、皮の色は主に白(ハツカダイコンは赤など、白でないものも多い)。
地中海地方や中東が原産で、古代エジプトから食用としていた記録がある。ユーラシアの各地でも利用されており、日本では弥生時代には伝わり、在来種と中国ダイコンの交雑で栽培品種が成立。江戸時代には関東の江戸近郊である板橋・練馬・浦和・三浦半島あたりが特産地となり、その中で練馬大根は特に有名であった。
野菜としての位置づけにおいては、カブとの類似性が高い。なお、サトウダイコンとは基本的に別物である。
目次 |
[編集] 学術
- 学名:Raphanus sativus L. var. longipinnatus L.H.Bailey
- 英名:daikon radish、Japanese radish
アブラナ科の植物であり、越年草で春に放置すれば塔が立ち、枝の先にアブラナに似た紫がかった白い花がつく。
根出葉は羽状複葉、頂小葉は大きい。地下に垂直に根が伸び、主軸が肥大して、食べられる。ちなみに肥大部は根と言われるが、発生学的には全てが根ではない。畑での栽培時における、大根の地上に現れている部分と地下部がおおよそそれぞれ胚軸と根に相当する。肥大部の茎頂側(上側)の2次根の発生が認められない部分は胚軸である。根からは両側一列づつ2次根が出る。店先のダイコンではその痕跡がくぼんだ点の列として観察できる。
日当りのよい砂浜などに自生する近縁のハマダイコンやノダイコンなどは、野菜のダイコンが逸出したものが起源と考えられている。
[編集] 主な品種
- 桜島 (胴回りが巨大)
- 聖護院 (京野菜)
- 辛味 (見た目はカブに近いが、汁気が少なく辛味が強い。主に蕎麦などの薬味に用いられる。京野菜など。)
- 守口 (きわめて細長い。守口漬に使う)
- 源助 (加賀野菜。短く太い。甘味が強く煮崩れしにくいことから、おでんに向いているとされる)
- 練馬・三浦 ・浅尾 (いわゆる白首大根)
- 宮重 (いわゆる青首大根)
今は宮重系の青首大根が主流。これは白首大根が長いため農家が収穫に手間取ることを敬遠したためと言われる。現在の練馬や三浦では、一部の農家が品種保存を兼ねて白首大根を栽培している。
[編集] 利用法
- 調理法は生食として大根おろし、サラダ、繊切りにして刺身のつまなどに使われるほか、漬物として沢庵漬け(たくあん)、べったら漬け、いぶりがっこ、浅漬けなどに、またおでんやブリ大根などの煮込み料理、味噌汁の具としてなど幅広く使われる。
- 葉の部分はスズシロ(清白)と呼ばれ、春の七草のうちのひとつである。市販されている大根はほとんどが葉の部分は捨てられたり、販売の際に葉を切り落とされたりしてしまうが、葉の部分の栄養価が高いことはあまり知られていない。時には野菜として葉の茂った、まだ根の発達しないダイコンが販売されていることもある。炒め物にして食べると栄養の吸収が良いといわれる。間引きをした大根の葉は間引き菜(まびきな)と呼ばれ、おひたし、みそ汁の具として用いられる。
[編集] 保存法
菜付きの大根は、買ってすぐに菜を切り落とし、適当な長さに切って、密封し、冷蔵庫に立て置きにする。