チキンライス
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チキンライスとは、鶏肉を使った米飯料理。日本風のものと海南風のものがよく知られており、両者は全く別物である。
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[編集] 日本風チキンライス
鶏肉、玉葱、マッシュルーム、グリーンピース、コーンなどを米飯やトマトケチャップとともに炒めた料理。そのままを食べるだけでなく、溶き卵を薄く焼いたもので包み、オムライスにすることもある。
作り方は、フライパンにサラダ油またはバターをひき、鶏肉を入れて色が変わるまで炒め、その他の具を入れて、しばらくしたら炊いた米の飯を入れる。塩、こしょうなどで味付けし、最後にケチャップを入れ、暫く炒めたらできあがりである。 具のうちマッシュルーム、グリーンピース、コーンについては入れるべきでないとの意見も根強くある。
名門洋食店として知られる、東京の資生堂パーラーのチキンライスは、鶏肉と玉葱、マッシュルームをトマトソースで煮込んだものを米飯と炒め合わせてつくる[1]。
[編集] 海南風チキンライス
海南風チキンライス(海南雞飯、カオマンガイ)はマレーシアやシンガポールでよく見られる料理。当地では、専門店や屋台で食べることができる庶民的な定食のひとつである。香港の茶餐廳やマレーシア料理店などでも一般的である。
ニワトリを下ごしらえし、丸ごと茹でてとったスープで炊いたご飯に、蒸した、または、茹でたとり肉のぶつ切りが添えられ、多くの場合チキンスープもついて供される。鶏肉の旨味がご飯につけられ、あっさりとした上品なうま味が特徴。
海南島出身者がマレーシアやシンガポールに伝えたとされる。海南省文昌市の「文昌鶏」という料理が元になっていると考えられる。広東料理で一般的な「白切鶏」(広東語 パーッチッカイ)と基本的に同じだが、文昌の鶏は味が良いといわれている。マレーシアやシンガポールではショッピングセンターのフードコートなどで必ず見られるため、マレーシア名物あるいはシンガポール名物という紹介のされ方をすることも少なくない。多民族国家のマレーシアやシンガポールでは宗教上の理由で牛肉や豚肉を禁忌とする人が多いのも鶏肉料理が好まれる一因である。
海南島の「文昌鶏」または「白切鶏」は、まるごと蒸した鶏の料理で、加熱しすぎてぱさぱさにしないようにするのにテクニックが要る。とり肉は、切り分けて塩と油とおろしショウガを合わせたたれで食べる。しかし、丸ごと1羽か半羽単位で注文せねばならず、ご飯も普通の白ご飯で、別途注文するため、ひとりでは注文しづらい。この問題を解決し、一人でも気軽にたべられるようにし、ご飯もチキンスープで炊くなどの改良をしたのが「海南雞飯」である。また、チリソースを付けながら食べることもあるが、これももとの海南島の料理からは変わっている。店によってはローストチキンを添える場合もあるが、本来の姿ではない。
[編集] 脚注
- ^ SHISEIDO PARLOUR GINZA TOKYO: チキンライスのこと 煮込んでつくる、チキンライス
[編集] 外部リンク
- Flickr: Photos tagged with: chickenrice(写真)