トキハ
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株式会社トキハ(TOKIWA Co.,Ltd.)は、大分県を中心に百貨店やスーパーマーケットを展開している流通企業。社名の「トキハ」は歴史的仮名遣いであり、「ときわ」と読む。「ときわ」は常緑樹の「常葉」に由来している。
百貨店の「トキハ」を営業している。百貨店は大分市や別府市を中心にドミナント出店している。 なお、総合スーパーの「トキハインダストリー」、食品スーパーの「アテオ」の運営は、グループ会社のトキハインダストリーが行っている。
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[編集] 概況
トキハは1936年創業。大分市中心部の本店・別府市中心部の別府店・大分市郊外のわさだ店など複数の店舗を展開しているが、売上高では九州で5位、全国で27位の中堅地方百貨店である。グループ全体で1,200億円を誇り大分県の商業販売額の1割を占める。 人口50万人以下では珍しいフルライン都市型百貨店が展開可能な売り場面積を誇る本店と結婚式場を備えたトキハ会館に加え、地方百貨店では宇都宮の福田屋百貨店以外では初となる本格的な郊外型百貨店わさだタウンを開設し話題となった。 しかし、地方都市の限られた商圏の中で自社競合に苦しみ、わさだタウン開設後には初の店舗撤退を行う等、生き残りを掛けた事業再編が続いている。
[編集] 主要店舗の概要
- 本店(大分市府内町)
- 年間売り上げ490億円・売場面積43,000m(本館)(地上8階・地下2階)売場面積23,000㎡(トキハ会館)(地下2階・地上6階)の売場面積を誇る地方百貨店であり、大分駅前繁華街の集客に貢献している。2005年末から地下1階・地下2階を大改装し地下1階の食品売場を強化。書籍、CD・DVDを販売していた地下2階は、「街の駅 トキハ」として大分の名産品を取り扱っている。別府店開店当時は「大分店」であったが、同じ大分市内にわさだ店が開店後、「本店」と呼称されるようになった。年間売上は約600億円台。
- 別府店(別府市北浜)
- 1988年10月、別府市の駅前再開発計画の中核店舗として開業。別府市による第三セクター別府商業観光開発公社が運営する「別府ショッピングプラザ コスモピア専門店街」から成る専門店棟(地下1階・地上13階、5階~13階は駐車場)とトキハ別府店の百貨店棟(地下1階・地上8階)の2棟で形成された複合商業施設である。売場面積は28,000m2。開業初年度から売上が低迷し断続的な赤字体質であった。98年コスモピアが経営破綻し専門店棟はトキハが数十億円で買取る。しかし依然赤字体質から脱却できず2005年11月から開店以来17年ぶりに大規模改装を行った。地下1階の食品売場は子会社のトキハインダストリーが運営し、旧コスモピア側にはRight-onなどのテナントを誘致。地元のサンヨーコーヒー直営店KIHEI CAFE、スターバックスコーヒーをカフェとして新たに誘致して抜本的な改装、2006年1月末には7階に新設されたレストラン街まで直通するシースルーエレベーターが完成した。年間売上は100億円台。
- 本店・別府店のキャッチコピーは「ふるさとのデパート 世界の商品」「いい品で永もちさせましょう」「今もこれからも「こころはずむ」百貨店」。
- わさだタウン(大分市玉沢)
- トキハグループが大分市南部の郊外に出店したモータリゼーション対応の郊外型ショッピングセンターであり、大分市役所稙田(わさだ)支所の移転(現:大分市稙田市民行政センター、わさだタウンに隣接している)等を含む「稙田新都心計画」の一環として計画された。デベロッパーが地方百貨店企業であることは珍しい。核店舗のトキハわさだ店(百貨店ゾーン)のほか、準核店舗のトキハインダストリー(食品スーパー)や専門店ゾーン、シネマコンプレックス「シネフレックス東宝11」を核とするレジャー・飲食ゾーン「フェスティバルタウン」からなる。年間売り上げ240億円・売場面積64,000m2・駐車場4,700台。わさだタウン全体での年間売上は800億円台。
- 規模の大きさからすると宇都宮の福田屋百貨店の本店格のFKDショッピングプラザを上回るにもかかわらず、都心の本店を残して住み分けを目指したことから、百貨店としての品揃えが中途半端であると指摘されている。
- トキハわさだタウンのキャッチコピーは「この街は21世紀の贈り物」「「毎日の素敵」に出会えるわくわくタウン」。
- トキハインダストリーあけのアクロスタウン(大分市明野) トキハインダストリー運営
- 大分市の中央部の明野団地の中心に位置する。行政の出先機関や郵便局や銀行などの機能を持つショッピングセンター。06年4月には従来の「明野センターアクロス」の店舗改装と同時に隣接地に新館をオープンさせ、名称も明野センターアクロスから「あけのアクロスタウン」へ改称した。新館2階には県内最大の売り場面積を誇る紀伊國屋書店が県内初出店している。またホームセンターのグッデイなども出店し改装完了後は大分県内最大規模の複合商業施設に生まれ変わった。売場面積は30,000m2。
[編集] 閉店した店舗
- 臼杵店
- 1978年同社の完全子会社臼杵トキハ(地上5階)として開業。業績不振のため2003年2月末での撤退を親会社のトキハが表明。しかし地元政財界の要請に応じ臼杵トキハを清算した後、直営店で運営を再開していたが、黒字化のめどがないため、2006年2月28日関係者、市民に見守られ閉店した。跡地は建物を解体し更地にした上で売却する方針。
[編集] 沿革
- 1935年5月 大分市竹町商店街「八千代会」が百貨店建設を計画し、大分駅前の電車通り竹町電停前(現在の本店所在地)に土地を買収。
- 1935年8月 店舗名「トキハデパート」に決定。(候補:八千代デパート、日の出デパート、ときはデパートなど)
- 1935年10月 会社設立、佐伯建設により店舗着工。
- 1936年3月 店舗落成。
- 1936年4月 トキハ(現・本店)開店。
- 1936年12月 玉屋百貨店と資本提携。
- 1937年4月 増築工事完成。
- 1937年9月 玉屋に「大分玉屋」への改称を求められ資本提携解消。
- 1937年10月 熊本市の古荘本店が資本参加。
- 1943年3月 大分市の一丸デパートとの合併を発表。新店名は「ヤマトデパート」。
- 1943年9月 一丸の意向で合併白紙、一丸デパート廃業。商品と従業員は全てトキハへ移る。
- 1945年3月 1-2階に大分郵便局、大分電報局が間借する。
- 1945年7月 大分大空襲により5階部分を焼失、3-4階で営業継続。
- 1949年3月 戦災から完全復興、本店全館で営業再開。
- 1952年3月 別府市に別府店建設を申し入れするも、別府市商店街の反対で中止に。
- 1954年5月 増築工事完成、大分バスのバスターミナル併設。
- 1955年3月 トキハ双葉会が出来る。
- 1956年11月 増築工事完成。
- 1959年12月 増築工事完成、冷房設置開始。
- 1965年4月 本店横に駐車場設置。
- 1970年2月 大規模増築工事完成、店舗面積が2倍に。
- 1970年2月 トキハインダストリー設立。
- 1970年12月 トキハインダストリー明野店、プレハブ仮店舗で営業開始。
- 1971年10月 トキハインダストリー明野店(現・あけのアクロスタウン)開店。以後県内各地でスーパーマーケット展開。
- 1972年4月 本店前を走っていた大分交通別大線廃止。最寄駅が大分交通竹町電停から国鉄大分駅へ。
- 1972年10月 立体駐車場(現・トキハパーキング)完成。
- 1975年10月 大規模増築工事完成、本店本館が現在の姿に。当時としては西日本最大の百貨店となる。
- 1977年4月 大分県北部初出店、トキハインダストリー四日市店(宇佐市)、アイム高田店(豊後高田市)開店。
- 1978年4月 臼杵トキハ(後のトキハ臼杵店)開店。
- 1980年9月 再度の別府店建設計画が明るみに出る。
- 1981年5月 大分県南部初出店、トキハインダストリーアクロプラザ三重(旧三重町)開店。
- 1982年11月 大分県西部初出店、トキハインダストリー玖珠センター(玖珠町)開店
- 1985年8月 CI導入、新シンボルマーク発表。ロゴ色「トキハブルー」制定。
- 1985年10月 本店隣にトキハ会館開店。本店本館、10億円を投じて大規模改築。
- 1988年10月 トキハ別府店開店。
- 1988年11月 明野店増築工事完成。明野センターアクロスとして開店。
- 1991年11月 トキハインダストリーアテオ一号店である石垣店(別府市)が開店
- 1998年10月 別府コスモピア専門店街を買収、トキハ別府店専門店街開店。
- 1998年10月 トキハインダストリー最大規模の店舗(当時)であるトキハインダストリー佐伯店(佐伯市)開店。
- 2000年12月 わさだ店開店、トキハわさだタウン開店。日本最大の郊外型百貨店となる。
- 2005年10月 本店改築、「街の駅トキハ」新設。
- 2006年2月 臼杵店閉店。
- 2006年2月 別府店大規模改築全面完成、シースルーエレベーター新設。
- 2006年4月 明野店大規模増築工事完成、トキハあけのアクロスタウン開店。
- 2007年4月 大規模ショッピングセンター「フレスポ春日浦」の核店舗としてトキハインダストリーフレスポ春日浦店開店。
[編集] 関連会社
- トキハインダストリー
- トキハエンタープライズ
- トキハ会館
- トキハ縫製
- トキハ物流サービス
- トキハキャリアクリエーション