トレイ・ムーア
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トレイ・ムーア(Trey Moore、1972年10月2日 - )は元プロ野球選手。ポジションは投手。左投げ左打ち。オリックス・ブルーウェーブ時代の背番号は49。
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[編集] 来歴・人物
阪神タイガース時代の背番号は17。バッティングの非常にいい投手として注目されていて、当時評論家だった田尾安志は「フォームにムダがない」と褒めたほど。自身も「ピッチングは教えられないがバッティングなら教えられる」と豪語していた。2003年5月17日の読売ジャイアンツ戦では、木佐貫洋から唯一の得点となる決勝タイムリーヒットを三遊間に放っている。2003年の日本シリーズ第3戦では、和田毅からチーム初ヒットを打った。またヘッドスライディングをするなど、走塁面でも注目された。打撃の良さからオールスターゲームで一塁手代表として票が入ったことがあった。
8番打者の藤本敦士に犠牲バントをさせ、9番のムーアがタイムリーヒットを放ったり、投手では珍しい三塁打を記録するなど打撃での話題には事欠かない。
オーバースロー、スリークォーター、サイドスローと投球ごとに腕の角度が変わる「千手観音」とも呼ばれる投法で相手打者を混乱させ、決め球のスライダーはSSS(スーパー・シークレット・スライダー)と呼ばれた。しかし夏場以降にスタミナ不足で調子を落とすのが難点であり、また葛西稔二軍投手コーチとの確執もあり2003年の日本シリーズでは1勝を挙げたもののそのことが退団につながった。阪神時代は独特のヒゲとスキンヘッドが印象的な選手として知られていたが、オリックスに移籍後、ヒゲを剃った。打撃を生かすために野手として出場するという案も出されたが、伊原春樹監督曰く「野手に失礼」ということで見送られた。
また、ヘルメットには当て字で「夢亜」と書かれており、他のピッチャーが打席に立つ際にヒットやバントを決めたい時はゲン担ぎでムーアのヘルメットを被る事があった。2003年5月6日の中日ドラゴンズ戦で井川慶がいわゆる顔面スクイズを決めた時はムーアのヘルメットを被っていた。
2004年シーズンオフにオリックスから解雇され帰国。2005年はマイナーリーグでプレーしていたがこの年を最後に現役を引退。2006年からは地元テキサスで野球教室のコーチとしてピッチングとバッティングを教えている。
テキサス農工大時代、ピッチャーだけでなく、一塁手としても出場することがあった。
[編集] 略歴
- 1972年 アメリカ合衆国テキサス州ヒューストンに生まれる。
- 2001年 テキサス農工大からシアトル・マリナーズ、モントリオール・エクスポズ、アトランタ・ブレーブスを経て阪神と契約。
- 2003年 阪神を自由契約となり、オリックスと契約。
- 2004年 成績不振により戦力外通告を受け、退団。
[編集] 通算投手成績
年度 | 所属 | 試合数 | 勝数 | 敗数 | セーブ | 投球回 | 奪三振 | 自責点 | 防御率 |
2002 | 阪神 | 27 | 10 | 11 | 0 | 181 1/3 | 116 | 67 | 3.33 |
2003 | 阪神 | 21 | 10 | 6 | 0 | 111 2/3 | 94 | 54 | 4.35 |
2004 | オリックス | 16 | 6 | 6 | 0 | 83 2/3 | 63 | 58 | 6.24 |
通算 | 64 | 26 | 23 | 0 | 376 2/3 | 273 | 179 | 4.28 |