ドラえもんの道具 (ひ)
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ドラえもんの道具 (ひ) では、藤子・F・不二雄の漫画およびアニメ『ドラえもん』に登場するキャラクターであるドラえもんが、腹部の4次元ポケットから出す道具(ひみつ道具)のうち、読みが「ひ」で始まるものを列挙する。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ピーアール
ピーアールは、『な、なんと!!のび太が百点とった!!』(てんとう虫コミックス第25巻)に登場。
どんな出来事でも人に知らせて望み通りの反応をさせることができる、文字通りピーアール用の道具。ピーアールの段階には並・中・上・特上の4種類があり、好きな段階を選べる。
のび太が珍しくテストで100点をとったことを、ドラえもんが皆に感心させるように特上設定で使用したところ、このことがTVニュースで流れ、大学教授にはコロンブスのアメリカ大陸発見やアポロ11号の月面着陸と同等の大偉業とまで言われる。しかも近隣住民総出の特別番組が製作されることになったり「のび太記念日」という祝日が制定されたりとピーアール効果で大騒ぎになってしまった。なお、このようにやり過ぎになった場合でも、人々の記憶から知らせた内容を取り消すことができる。
[編集] ひい木
ひい木(ひいき)は、『ひい木』(てんとう虫コミックス第18巻)に登場。
木の形をしたバッジで、着けている人は何にでも自分がえこ贔屓されるようになる。例えば、物をあげようとする人がいれば着けている人にだけあげようとするし、着けている人が悪さをしても近くにいる別の人が責められる。
[編集] ピーヒョロロープ
ピーヒョロロープは、『ピーヒョロロープ』(てんとう虫コミックス7巻収録)に登場する。
笛とロープが出る籠がセット。笛を付属の楽譜の通りに吹くと、ロープが荷造りをしたり、物を取ってきたり、宿題をしたり、トランポリンになったりする。
[編集] 光りごけ
光りごけ(ひか -)は、『のび太の地底国』(てんとう虫コミックス26巻収録)に登場する。
22世紀のバイオテクノロジーが生み出した新種のコケ。日光のように明るい光を出す性質があり、強い繁殖力を持つ。瓶の中に入っており、真っ暗闇の中でも周囲にこれを植えれば、周囲一面にどんどん繁殖して光を出すので、太陽の下と変わりなく生活できる。
『のび太と竜の騎士』では、同様の道具「日光ゴケ」が登場。コケの発する光が太陽光と全く同じ性質の光であり、24時間ごとにしぼんで光がやむので日光同様に昼夜が訪れるという設定が付加されている。原作漫画ではスプレー状の道具で周囲に吹き付けるようになっているが、映画では「ピッカリゴケ」とも呼ばれ、袋入りのものを周囲に蒔くようになっている。
また、アニメオリジナル作品『ポンプ地下室で街をつくろう』では「インスタント光りごけ」が登場。インスタントというだけあって、蒔くと暗闇の地中でもあっという間に地上同様の明るさとなる。さらに「青空」と「緑の平原タイプ」が用意されており、これを蒔くと地中でも天井が雲の浮かんだ青空同様、床面が木や草の生えた平原同様になり、まったく地上と同様の光景に作り変えることが可能になっている。
[編集] 光ファイバーつた
光ファイバーつた(ひかりファイバーつた)は、『光ファイバーつた』(てんとう虫コミックス『ドラえもんプラス』2巻収録)に登場する。
テレビ状の機械から無数のツタが生えている。数字が書かれたシール「チャンネルシール」をどこかに貼ると、ツタが天井や壁にもぐりこんでそのシールの場所まで伸びる。ツタの先端がレンズ状になっていてシールの場所の映像を捉え、ツタが光ファイバーのように伝送して、根元のテレビに映像を映し出す。映像を拡大表示することも可能。球根の中に映像情報がたくわえられるので、ビデオのように過去の映像を見ることもできる。
[編集] ひきのばしローラー
ひきのばしローラーは、『やきゅうそうどう』(「小学二年生」1970年2月号掲載)に登場する。
このローラーを転がすと、物、場所などを何でも引き伸ばすことができる。
てんとう虫コミックスでは、6巻収録『ドラえもん百科 すばらしい道具のいろいろ』で紹介されている。
[編集] ひきよせカガミ
ひきよせカガミは、『ひきよせカガミ』(藤子不二雄ランド13巻、カラー作品集5巻収録)に登場する。
一見、化粧用のコンパクトのようだが、この鏡が発する光を物に浴びせると、その物を手元に引き寄せることができる。コンパクトを閉じると、効き目は消える。
その力はかなり強力で、スネ夫がこれを空に向けた拍子に、飛行中のヘリコプターまで地上へ引き寄せられてしまった。
[編集] 秘剣“電光丸”
※ 名刀“電光丸”を参照。
[編集] 飛行スカーフ
飛行スカーフ(ひこう -)は、『のび太と雲の王国』に登場する。
伝承上の天人が纏っている羽衣のような布で、これを身に付けると思いのままに空を飛べる。破れてしまうと効果は消える。
ほとんど同様のものに、「フワフワオビ」がある。
[編集] ひさしぶりトランク
ひさしぶりトランクは、『ひさしぶりトランク』(てんとう虫コミックス30巻収録)に登場する。
このトランクを人が持っていたり、トランクの上に物を乗せたりすると、周囲の人はその人や物を懐かしく感じる。懐かしさぶりはトランクに付いているダイヤルにより、数日ぶりから数十年ぶりまで調節できる。ただしトランク所持者の年齢を越える年代に設定した場合、周囲の人は「知らない人」と認識してしまう。
のび太はこれを使ってしずかを懐かしがらせようとしたものの、ダイヤルを20年前に設定していたため、そんな昔にはのび太は産まれておらず、しずかに「あなたどなた?」と言われる始末であった。
[編集] ビッグライト
※ビッグライトを参照。
[編集] ビッグボール
※乗り物ボールを参照。
[編集] びっくりばこ
びっくりばこは、『びっくりばこ』(「小学二年生」1973年9月号掲載)に登場する。
この箱を開けると、開けた者にとって最も恐いものが出てくる。たとえばジャイアンが開ければ自分のかあちゃんが出てくる。
[編集] びっくり箱ステッキ
びっくり箱ステッキ(びっくりばこすてっき)は、『びっくり箱ステッキ』(てんとう虫コミックス16巻収録)に登場する。
このステッキで触れたものは、それが箱でなくとも開ける部分さえあれば、開けたときびっくり箱のように中から人を驚かせる仕掛けが出てくる。一つのステッキにつき、約100箱の違ったびっくり箱を作ることができる。このステッキでびっくり箱のようにしたものは、一回開けると元に戻ってしまう。
[編集] 日づけ変更カレンダー
日づけ変更カレンダー(ひづけへんこうカレンダー)は、『日づけ変更カレンダー』(てんとう虫コミックス3巻に収録)に登場する。
腕時計のような道具で、これに表示されている日付を変更すると、周囲にいる人たちも今日がその日だと思い込んでしまう。効果の及ぶ範囲は不明だがそれほど広くなく、日付を変更した後、テレビで変更前の本来の日付を喋っているなどのトラブルが生じることもある。
[編集] 日づけ変こうチョーク
日づけ変こうチョーク(ひ - へん -)は、『日づけ変こうチョーク』(カラー作品集2巻収録)に登場する。
片方が太く、もう片方が細くなったチョーク。太い方で描いた円の中に入ると明日の世界へ行くことができる。細い方だと昨日の世界へ行くことができる。
[編集] ひっこしセット
ひっこしセットは、『あちこちひっこそう』(てんとう虫コミックス17巻収録作品)に登場する。
家の引越しを手軽に行うことのできる道具で、テレビモニター状の道具と、手のひらサイズの家にヘリコプター状のローターが付いた端末「ミニハウス」で構成される(てんとう虫コミックス21巻で登場する「ミニハウス」とは別物)。
ミニハウスはモニターからの操作で操縦して好きな場所へ飛ばすことができ、飛んで行った場所がモニターに表示される。適当な場所にミニハウスを着陸させ、モニターの操作で瞬間移動能力を発動させると、操作している人物が現在いる家が、ミニハウスのあった場所へと丸ごと瞬間移動する。
引越し先でトラブルが起きた際は、モニターを操作すれば即座に家を元の場所へ戻すこともできる。
[編集] ひっこし地図
ひっこし地図( - ちず)は、『ひっこし地図』(てんとう虫コミックス9巻収録)に登場する。
地図上の建物をシールのように台紙からはがすことのできる地図で、この地図上で建物を入れ替えると現実の建物も地図どおりに入れ替わる。
[編集] ひっこしひも
ひっこしひもは、『ひっこしひも』(カラーコミックス2巻、藤子不二雄ランド6巻に収録)に登場する。
この紐の両端を入れ物に触れさせ「ワン・ツー・スリー」と言うと、両方の内容を入れ替えることができる。たとえば人が乗っている自家用車と木箱を紐で繋ぐと、その人が木箱に詰まっている状態となる。
「ワン・ツー・スリー」は紐の使用者が口で言う必要はないようで、作中ではのび太のズボンのポケットからはみ出た紐がゴミバケツに踏みつけられ、のび太に犬が「ワン」と吼えかけ、驚いたのび太がバナナの皮で「ツー」と滑り、「スルリー」と転んだところ、のび太のズボンのポケットに大量のゴミが詰まった状態になってしまった。
[編集] 羊とび式さいみん機
羊とび式さいみん機(ひつじ - しき - き)は、『ねむれぬ夜に砂男』(てんとう虫コミックス18巻に収録)に登場する。
人を眠くする道具「さいみん機」のバリエーション。眠れないときに羊を数えると眠くなるという言い伝えを再現したもので、小さな木、柵、小屋がセットになっており、木の洞から次々に羊が飛び出し、柵を飛び越えて小屋へと入っていく。この羊を数えていくと、次第に眠くなる。
[編集] 必中けん賞ハガキ
必中けん賞ハガキ(ひっちゅうけんしょうはがき)は、『だせば当たる!! けん賞用ハガキ』(てんとう虫コミックス33巻収録)に登場する。
どんな懸賞でも必ず当てることのできる葉書。切手の代りに、矢で射止めた的の絵が描かれている。この葉書を懸賞に出すと必ず賞品が当たり、しかも賞品はすぐに届く。
ドラえもんがポケットから出した道具ではなく、この「必中けん賞ハガキ」自体を賞品とした懸賞に応募して入手したもの。何百枚も葉書を出して苦心の末に当てたものだが、のび太がそれと知らずにこの葉書を友達にあげてしまったため、ドラえもんは烈火のごとく怒り出すことになった。尤も、のび太のハガキを勝手に使いその理由も話していなかったため自業自得ともいえるが。
[編集] 必中ゴムパチンコ
必中ゴムパチンコ(ひっちゅう -)は、『のび太とブリキの迷宮』に登場する。
狙った的に必ず当てることができるパチンコ。外観は普通のゴムパチンコと変わりない。また、撃つものはパチンコ玉でなくても構わないらしく、劇中では最終盤に登場。コンピュータウイルス入りのフロッピーとその上に乗ったミニドラを正確にナポギストラーに命中させ、ウイルスに感染させた。
[編集] ビデオ式なんでもリモコン
ビデオ式なんでもリモコン(- しき -)は、『ビデオ式なんでもリモコン』(てんとう虫コミックス32巻収録)に登場する。
ビデオのリモコンのような道具で、これを人や物に向けて操作すると、その動作に対してビデオ同様に早送り、巻き戻し、一時停止を行うことができる。
ビデオの効力は鏡で跳ね返すことができ、のび太は自分の悪戯を諌めるドラえもんを、この道具で静止させようとしたが、鏡で反射され、自分の動きが止まってしまった。
[編集] 人がたスタンプインクと用紙
人がたスタンプインクと用紙(ひと - ようし)は、『人気スターがまっ黒け』(てんとう虫コミックス30巻収録)に登場する。
手形ならぬ「人がた」をとるための道具。ホースのような道具から吹き出す「人がたスタンプインク」を人にたっぷりと浴びせ、すかさずその人を「用紙」に押しつけることで、人がたができあがる。なるべく迷惑がかからないよう、本人の身についたインクは3分で跡形もなく消える。
[編集] 人さがしがさ
人さがしがさ(ひと -)は、『おかしなおかしなかさ』(てんとう虫コミックス19巻収録)に登場する。
普通の傘の上に矢印がついている。この矢印は探している人物のいる方向を示しており、矢印の通りに進めば探している人物の居場所にたどり着くことができる。
[編集] 人払いごへい
※ ぐ~たらお正月セットを参照。
[編集] ヒトマネロボット
ヒトマネロボットは、『プロポーズ作戦』(てんとう虫コミックス1巻収録)に登場する。
このロボットに誰かの姿を見せて命令すると、その人そっくりに変身する。専用のマイクでロボットを操り、台詞を喋らせることもできる。
[編集] 人よけジャイロ
人よけジャイロ(ひと -)は、『人よけジャイロ』(てんとう虫コミックス19巻収録)に登場する。
地図を広げた上にこの道具を乗せて作動させると、道具の放つ電波によって、その場所にいる人はそこにいたくなくなり、他の場所にいる者はそこへ行こうとする気が失せ、結果的にそこには誰1人いなくなってしまう。効き目は強力で、たとえば家の中に対して使用すれば、その家の人たちはたとえ雨が降っていようとも家に入りたくなくなる。人がいなくなる時間を指定を作動させることもできる。
専用のバッジをつけた者は、電波の影響がなくなる。どこか遊び場に対して使用し、バッジをつければ誰1人いない遊び場をひとりじめできるが、遊戯施設で働いている人たちまでいなくなってしまったりもする。
道具を本来の逆向きに使用すると、電波が逆転されて放たれるらしく、その場所がまるで満員電車のように人々でごった返してしまう。
[編集] 一人遊びマシーン
※ ぐ~たらお正月セットを参照。
[編集] ヒトリントン
ヒトリントンは、『ドラえもん大事典』(てんとう虫コミックス11巻収録)に登場。
その名の通り1人用の遊具。バドミントンに似ている所が多い。遊ぶ人自らがバドミントンにあたる羽根の役になり、1つの台座についた2つの巨大ラケットを、自分でラジコンで操りながら、地面に落ちないようにしてバドミントンのように遊ぶ。ラケットで打たれながらのリモコンの操作をせねばならず、かなり痛くて大変な遊びだと思われる。
雑誌掲載時は、名称が単に「バドミントン」となっていた。
[編集] ヒミツゲンシュ犬
ヒミツゲンシュ犬(- けん)は、『ヒミツゲンシュ犬』(てんとう虫コミックス『ドラえもんプラス』1巻収録)に登場する。
ブルドッグの形をした人形で、他の人に知られたくない秘密や内緒ごとを紙に書いて食べさせると、秘密を守ることができる。たとえば秘密がママの目に触れそうになっても、台所で鍋がふきこぼれ、慌ててママが台所へ飛んで行く……と言った具合に、偶然の状況の積み重ねによって秘密が守られる仕組みになっている。
秘密を食べさせる量には限界があり、限界を超えると秘密はばれてしまう。犬の秘密を知ったジャイアンが、大量の自分の秘密を食べさせたところ、犬が全部の秘密を吐き出してしまい、のび太の秘密まで全てばれてしまった。
[編集] 秘密書類やきすて銃
秘密書類やきすて銃(ひみつしょるいやきすてじゅう)は、『大ピンチ! スネ夫の答案』(てんとう虫コミックス28巻に収録)に登場する。
スパイに盗まれた秘密書類を遠方から狙撃して処分するための道具。その威力はただ書類を焼却するだけでなく、周囲の人物や物を吹っ飛ばすほど強力。
作中では、勘違いでスネ夫の答案を焼却した。
水田わさび版アニメ『大ピンチ! スネ夫の答案』(2007年2月2日放送)では、道具名を「秘密情報焼き捨て銃」(表記は文字放送にて確認)としている。テレビ朝日のサイトでは「秘密書類焼き捨て銃」としている。
[編集] ひものゆうれい
ひものゆうれいは、『ゆうれいの干物』(てんとう虫コミックス12巻収録)に登場する。
普段は煮干のように干からびているが、水をかけると膨らんで人間大の幽霊となる。幽霊と言っても宙を舞える程度で、特別な能力はない。時間が経つと水分が抜け、もとの干からびた状態に戻ってしまう。
[編集] 百万ボルトひとみ
百万ボルトひとみ(ひゃくまん-)は、『百万ボルトひとみ』(てんとう虫コミックス「ドラえもんプラス」4巻に収録)に登場。
目玉の形をしたシールで、これを眼鏡のレンズに貼って瞬きをすると、それを見た相手は百万ボルトの電圧にかかったような感激を受けて、百万ボルトひとみをつけている者に対して好意を抱くようになる。ただし眼鏡を外したり、ある程度距離おくと効果はなくなる。また鏡ごしでも効果は及ぶが、この場合百万ボルトひとみをつけた者ではなく、映った鏡に対して好意をもってしまう。
おそらく堀内孝雄のヒット曲君のひとみは10000ボルトのもじりと思われる。
[編集] 百鬼せんこう
百鬼せんこう(ひゃっきせんこう)は、『こわ~い! 「百鬼線香」と「説明絵巻」』(「小学三年生」及び「小学四年生」1991年4月号掲載)に登場する。
使い方の説明が書かれた絵巻物「説明絵巻」とセットになっている。線香の煙を粗末に扱われて捨てられた道具類に掛けると、夜(午前2時)に捨てた人の所へ道具が脅かしに現れる。ただし、線香のスイッチを切らないと、捨てた人の所へは行かず線香の煙が出ている家へ道具が出現してしまう。その道具類は朝まで止まらない。
この道具は『ドラえもん』で最も最後に描かれた通常エピソードで使用された道具である。
[編集] 百苦タイマー
百苦タイマー(ひゃっく -)は、『百苦タイマー』(てんとう虫コミックス18巻収録)に登場。
滝にうたれるのと同じように、自分を苦しめることで精神を鍛えるための道具。百苦タイマーのボタンを押した人は百分の間に百回の苦しみ(一分に一回のペース)を受けることになる。一度始めてしまうと百回終わるまで取り消すことはできず、どんな場所にいても必ず時間通りに苦しみを味わうことになる。爆弾でも破壊できないほど頑丈で、回数を重ねる毎に苦しみは酷くなる。
ドラえもんはセワシを呼んで道具の定期検査をしていたが、のび太がこっそり百苦タイマーを持ち出してしまう。何も知らずにボタンを押したのび太は百の苦しみを受けることになる。
- 一回目:ドラえもんとセワシに殴られる
- 二回目:額が頭に落下
- 三回目:ジャイアンに殴られる
- 四回目:鉄骨の下敷きになる
- 五回目:煙草のポイ捨てで火傷
- 六回目:車にはねられる
- 七回目:包丁を持ったしずかちゃんに襲われる(未遂)
のび太が六回苦しみを受けた後でセワシが百苦タイマーを百年後の未来に持っていったため、のび太に七回目の苦しみが訪れるのは百年後になり無事解決した。
弱い人だと十回前後で死んでしまうらしいが、のび太の例を見てみると百回耐えるどころか十回目までに生きているかどうかも怪しいと思われる。人が直接痛めつける苦しみの場合、加害者は体が勝手に動く場合(ドラえもん、セワシ、しずか)と急に腹が立って殴りたくなる場合(ジャイアン)とがある。
このエピソードは『ドラえもん』の雑誌連載百回目にあたり、道具の名称や設定の「百」もそれにちなんでいる。
[編集] 病気ごっこに使う薬
※ いんちき薬を参照。
[編集] 病気になる薬
病気になる薬(びょうき - くすり)は、『け病薬』(藤子不二雄ランド7巻・ぴっかぴかコミックス12巻収録)に登場する。
丸型フラスコに入った丸薬。未来の世界の子供たちがお医者さんごっこに使う薬で、これを飲むと偽の病気となり、顔が真っ赤になって熱が出たり、顔が青くなって体温が氷のように冷たくなったりする。本人の気分は何ともなく、水を飲めば元に戻る。
あまりにたくさん飲みすぎると、効き目がありすぎて偽の病気どころか偽の幽霊となってしまう。ただしこれはコミックス収録時に新たに付加された設定であり、初出時の「小学五年生」1976年2月号では、「おでこにこぶができ、顔が青くなり、鼻水が出て、頬が腫れて、おできが複数できる」というようにいっぺんにいろいろな症状が顔に現れることになっていた。恐らく、その顔が気味悪過ぎるために変更になったと思われる。
[編集] 表情コントローラー
表情コントローラー(ひょうじょう -)は、『表情コントローラー』(てんとう虫コミックス15巻収録)に登場する。
他人の表情を操ることのできる道具。6種類の感情のボタン(笑う・怒る・泣く・無表情・顔をしかめる・アカンベーをする)が備えられており、アンテナを誰かに向けてボタンを押すと、道具から放たれた電波が顔面筋肉を刺激することで、相手をその表情にする。もともと無表情な相手の場合は、ボタンを強く押して電波を強めなければならない。また、普段笑わない人を笑わせすぎるとアゴが外れるなど副作用もある。
[編集] ひょう本さいしゅう箱
ひょう本さいしゅう箱(- ほん - ばこ)は、『ひょう本さいしゅう箱』(ぴっかぴかコミックス2巻収録)に登場する。
どんな生物の標本でも採集できる箱。採集したい生物の写真を図鑑などで用意し、この箱から伸びているコードをその写真に触れさせて箱のスイッチを入れると、近くにいる同じ生物が瞬時に箱の中に転送され、仮死状態のように動かなくなって標本同様に観察できる。もう一度スイッチを入れると、その生物がもといた場所に瞬時に戻り、元通り生きている状態となる。また、箱から生物を出すとその場でまた生き始める。
人間の写真にコードを触れた場合は、その写真本人が標本になる。作中ではジャイアンの写真を使ってジャイアンの標本を作り出した。
[編集] ひょうろんロボット
ひょうろんロボットは、『ロボットがほめれば』(てんとう虫コミックス8巻収録)に登場する。
評論家の形をした小型ロボット。これに絵を見せて頭のスイッチを入れると、「イーイー」と褒め始める。するとその絵を見たほかの人は、その絵をとてつもない芸術品と思い込んでしまう。
評論の対象は、いわゆる美術品として描かれた絵に限らない。作中ではひょんなことからロボットがパン屋の看板の絵を褒め始めたため、多くの通行人が群れをなして看板に見惚れてしまった。
[編集] ビョードーばくだん
ビョードーばくだんは、『ビョードーばくだん』(てんとう虫コミックス26巻収録)に登場する。
小型の打上花火台のような格好をしており、「平等」の基準にしたい人の爪の垢を煎じて仕込まれた弾頭を打ち上げると、これが上空で爆発し灰をまき散らし、これを被った者は皆、爪の垢の主と同程度の知能、体力になるというものである。
これと似たものに、『人間うつし』がある。
正確な範囲は不明だが、のび太の父親の会社や、作中に出てくるテレビ局に届いていた。
[編集] ヒラリくつ下
ヒラリくつ下(- した)は、『ヒラリくつ下』(「小学二年生」1974年2月号掲載)に登場する。
この靴下を履いておくと、何かにぶつかったり誰かに襲われたりしそうになるたびに、足が勝手に動いてヒラリと身をかわすことができる。
ただし、どこへ身をかわすかは自分でコントロールすることができない。作中ではのび太が身をかわした拍子に電柱の頂上に飛び移り、降りられなくなってしまった。
[編集] ひらりマント
※ひらりマントを参照。
[編集] 昼ランプ
※ キャンプ・セットを参照。
[編集] ひろびろポンプ
ひろびろポンプは、『ひろびろ日本』(てんとう虫コミックス21巻収録)に登場する。
土地をポンプ仕掛けで膨らませる機械。本来は小島を広げるための機械だが、小規模は植木鉢の土から、大規模は日本全体に至るまで膨らませることができる。
作中では日本全体を中国大陸並みに膨らませた。道路や電車のレールなども幅がそのままで長さだけ伸びているが、原理は不明(「説明すると長くなる」らしい)。あまりに無茶に広げたために寒流と暖流がメチャクチャになったり、大洪水が発生したりするなどの異常気象が生じ、ポンプ使用は取りやめられた。
[編集] ピンチランナー
ピンチランナーは、『ピンチランナー』(てんとう虫コミックス『ドラえもんプラス』2巻収録)に登場する。
瓶に入った小さな道具。これを靴につけると、自分の身代りとして意のままに操ることができる。靴だけなので移動のスピードはとても速い。ピンチランナーが捉えた映像や音声は専用のモニターで受信でき、またモニターを通じてピンチランナーに言葉を喋らせることもできる。
遅刻常習ののび太が、取りあえず学校で出席点呼の返事だけするために使用した。
[編集] びんぼう紙
びんぼう紙(- がみ)は、『ぼくのまもり紙』(てんとう虫コミックス23巻に収録)に登場する。
災難から守ってくれる「まもり紙」に似ているが、効果は正反対。うっかりこれを拝んでしまうと、次から次へと災難に遭う。ただ歩いているだけで、階段から転げ落ちたり、道端でドブにはまったり、犬にかまれたり、ボールが飛んできて頭に当たったりと効果は抜群。しかも決して紙から逃れることができない。