ドラえもん (ファミコン)
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ジャンル | アクションゲーム& シューティングゲーム |
対応機種 | ファミリーコンピュータ |
発売元 | ハドソン |
人数 | 1人 |
メディア | 1.25Mbカセット |
発売日 | 1986年12月12日 |
価格 | 5500円(税抜) |
売上本数 | 約115万本 |
『ドラえもん』は、ハドソンから発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト。
目次 |
[編集] 概要
日本国内で1986年12月12日に発売。漫画やアニメで広く知られた『ドラえもん』を題材としたキャラクターゲームである。発売本数は115万本を記録。
ゲームファンの間ではカセットの色から「白ドラ」と呼ばれる。これは原作となる漫画やアニメの他、後にエポック社から同じくファミコンで発売されたゲームソフト『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』などと区別する目的で与えられた俗称である。一般には「ハドソンのドラえもん」などと呼ばれ区別される。
アニメーション映画として公開された『のび太の宇宙開拓史』、『のび太の大魔境』、『のび太の海底鬼岩城』の大長編ドラえもん3作品をモチーフとしたゲームである。
当時ファミコンブームに乗じて多数のキャラクターゲームが発売されたものの、原作とゲーム内容との不適合、ゲーム内容の練り込み不足、対象年齢を考慮しない難易度設定などの理由により、万人の支持を集めた作品は少数であった。そんな中、本作は、人気キャラクターであるドラえもんの採用に加え、ゲーム上における世界観再現の成功、変化に富んだゲーム内容で子供達から絶大な支持を受け、ファミリーコンピュータ初期から中期を代表する人気作品の1つとなった。
しかし、バランスの取れた優良ゲームであると同時に、「ランダム性のあるワープ」など分かりづらい点も多く、クリアに要する技量レベルも高かったため(同じファミコンアクションゲームの代表作であるスーパーマリオブラザーズシリーズと比べると遥かに難しい)、対象となる小学生ユーザーには、いささか酷とも言える設定ではあった。
[編集] ゲームシステム
このゲームは、各作品を舞台とした3つのワールドに別れているが、ワールドごとにシステムがまったく異なり、各ワールドがそれぞれひとつの独立したゲームのようになっている。この形式は、翌年同社より発売された『ミッキーマウス 不思議の国の大冒険』にも取り入れられた。
プレイヤーは全てのワールドにおいてドラえもんを操作する。各ワールドを順に攻略し、仲間を救出する事がゲームの目的となる。
ライフ制と残機制が採用されている。ライフが0になると1ミスとなって残機が減少し、残機が0になった時点でゲームオーバーとなる。ライフはドラえもんの好物である「ドラヤキ」を取得することで回復することができる。
[編集] ワールド
[編集] ワールド1 開拓編
トップビュー方式のアクション面。「ガルタイト工業」に囚われたのび太を救出するのが目的。ボスは「ブルロボット」。
メインマップは大きく分けて「トカイトカイ星」と「コーヤコーヤ星」の2つだが、マップ中の数箇所にあるマンホールに入るとサイドビュー方式のマップに切り替わり、その中ではアイテムを入手できたり、通路を抜けて別のマンホールに移動できたりする。また、メインマップには数箇所に「どこでもドア」があり、それを使うと他の場所にワープすることができる。
スタート時は武器を所持していない。先に行けば行くほど武器を使って隠しアイテム・マンホール・どこでもドアを出現させるポイントが増えるため、最低1つは武器を取得することが不可欠となる。
武器は「ショックガン」→「空気砲」→「強力うちわ」の3段階。飛ばしての入手はできない。空気砲はショックガンの1/2、強力うちわは空気砲の1/2で敵を倒せる(いずれも小数点以下切り上げ)。ただし、敵・味方とも攻撃を受けた直後に無敵時間があり、この間はいくら攻撃を受けてもダメージにならない。
裏技として、敵を一定の順番で倒すと(コブーン→コブーン→ナーメ→ゴズラ→ユーボウ→コブーン)チャミーが出現する。取ると一定時間無敵となる。
[編集] ワールド2 魔境編
シューティング面。ワールド2は大きく3つのエリアに分かれており、各エリアの最後にエリアボスが待ち受けている(第1エリアはオロロン岩、第2エリアはビッグロボシップ(コス博士))。第3エリアのボス・ケンタウロスを倒し巨神像の心(ハート型の鍵)を動かすことが目的である。
スクロールは一方向ではなく、曲がり角に到達すると自動的に方向が変化する。また、隠し部屋も数箇所に用意されており、隠し部屋の最深部では囚われているスネ夫やジャイアンを助けたり、アイテムを手に入れたりすることができる。第2エリア以降は無限ループも存在し、正しいルートを選ばないと先に進めない。
ここでのドラえもんの武器は通常はショックガンだが、「スモールライト」を入手すると広範囲の敵を攻撃することができ、しかもボス以外なら一撃で倒すことができる。また、スネ夫やジャイアンを助けると、彼らはドラえもんと共に行動し、ショックガンや投石によって援護攻撃をする(攻撃の強さはドラえもんの所持武器に準ずる)。
アイテム・仲間の取得順は以下の通り。
ただし、ジャイアンを無視してスネ夫が先に加わり、以降も次のアイテムを入手していくことがあるが、突発的にジャイアンが現れることがある。また、※がついているものは4回ダメージを受けると(ヒラリマントは、5回使用すると)記載の入手順とは逆の順番で手放してしまう(ジャイアンがあとから加わった場合でもスネ夫の離脱が先)。このダメージ(回数)はドラヤキを取得するか次のポイントでアイテムを取得するかすれば0になるが、10万点ボーナス取得時はリセットされない。
第3エリアのボスを倒した時点でジャイアン・スネ夫がいない場合は、その直後に加入する。
また、ジャイアンがいる時にボス戦でコントローラIIのマイクに向かって叫ぶと、ボスを瞬殺できる(1回のみ)。この裏技はコロコロコミックで読者公募したものが採用された。
また、タッコンを4匹連続で倒すと、外からドラ焼きが来て体力を回復する(ハラペコドラやき)。
このステージは、敵には無敵時間はない。一方のドラえもんはダメージ判定は受けた瞬間だが、ライフが減るのは無敵時間終了後である。このため、無敵時間中に回復アイテムを取得すると、終了後にライフが減ることになる。
[編集] ワールド3 海底編
これまでに助けたのび太・スネ夫・ジャイアンが再び囚われてしまう。第1ステージ(開拓編)からスタートした場合の一部を除き、殆どの場合に於いて取得したスコア・残り数がリセットされて0点・残数2からのスタートとなり、魔境編までにアップした分は当該スコアに到達してもアップしない(例えば、魔境編までに10万点取っていた場合、2万点・8万点での1UPがない)。
サイドビュー方式のアクション面だが、スクロールはせず、一画面ごとの画面切替方式となっている。海底編の目的は、宝箱からのび太、スネ夫、ジャイアンを助けること。救出後はのび太たちを鬼岩城の門の前に連れて、鬼岩城の門を開けること。その後は鬼岩城のラストボス・ポセイドンを倒してしずかを救出することである。
「とりよせバッグ」「通り抜けフープ」「鍵」「お守り」などのアイテムが登場し、ドラえもんはこれらのアイテムを手でつかんで持ち運ぶ。宝箱から助けた3人の仲間もアイテム扱いとなり、1画面内には、仲間救出直後を除き3つまでのアイテム・仲間を配置できる。とりよせバッグを持っていると、他のアイテム・仲間を2つまで一緒に運ぶことが可能。宝箱の中には時折敵キャラの「海ヘビ」が配置されている場合がある。この敵はMAPを切り替えてもまだ消滅しない場合も多く、ドラえもんの前に立ちふさがると厄介な存在になる。「お守り」が無ければ倒せない。海ヘビはエリアをまたいで移動することができ、時間の経過と共に出現したエリアから離れて移動し続けるため、早期に倒さなければ非常に厄介な存在となる。
なお、このステージでは1機ミス後は通り抜けフープの置かれた場所からの再開となる。通り抜けフープを隠し部屋などに置き忘れ、手詰まりになってしまった場合はわざとミスすることにより脱出可能である。
このステージは、敵味方ともダメージ後の無敵時間が存在しない。ダメージを受けた隙に敵の間を潜り抜けるということもできない。大ダコのように、ダメージを受けながら攻撃しないとまず倒せない敵もいる。
また、ダイヤ・金塊を累計20個取ってしまうと、ガイコツとドラヤキが乱れ飛ぶ拷問部屋に飛ばされてしまい、この場合中でドラヤキを20個(ライフは回復しない)取るか1機ミスするとすぐ脱出できるが60秒耐えてドラヤキ・ガイコツを出し尽くさせても脱出できる。ダイヤ・金塊の取得数は、宝箱の仲間を救出するとリセットされる。
また、裏技として特定エリアで3秒ほど2コントローラーのマイクに叫ぶと、ドラミちゃんが現れ、4つのアイテムをすべて集めてくれるというものがある。
[編集] 関連項目
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