ドン・キホーテ (企業)
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種類 | 株式会社 |
市場情報 | |
本社所在地 | 163-0235 東京都新宿区西新宿二丁目6番1号 新宿住友ビル35階(登記上の本店:東京都江戸川区北葛西四丁目14番1号) |
電話番号 | 03-5381-7532 |
設立 | 1980年9月5日 |
業種 | 小売業 |
事業内容 | ディスカウントストア |
代表者 | 安田隆夫(代表取締役会長兼CEO) 成沢潤治(代表取締役社長兼COO) |
資本金 | 126億7600万円 (2006年3月31日現在) |
売上高 | 2283億8400万円(2005年6月期) |
従業員数 | 1618人 |
決算期 | 毎年6月30日 |
主要株主 | 安田隆夫(CEO)20.40%(2005年12月31日現在) |
主要子会社 | 株式会社パウ・クリエーション 株式会社ディワン 株式会社ドンキコム 株式会社ドンキ情報館 |
外部リンク | http://www.donki.com/index.php |
株式会社ドン・キホーテ(英文表記: Don Quijote Co., Ltd.、略称:ドンキ。)は、関東地方を中心に、日本の主要都市でディスカウントストアをチェーン展開する企業。
目次 |
[編集] 概要
[編集] 特徴
ドン・キホーテの経営方針・店舗には以下のような特徴がある。
※経営方針の特徴
- トップダウン経営
- 法律の抜け穴を利用した利益確保。
- 納入業者への販売応援・リベートの強制等、反社会的経営。
- 従来のしきたり・商慣習に従わない営業姿勢。
- 刺激的な商法。
- 禁制品に近い商品(禁制品も過去には販売あり)、偽ブランド品や商標権侵害品などを日常品と同列に展示することで、若い購買層に背徳的な楽しみを煽り、販売促進につなげる
※店舗の特徴
- 文字の大きい電飾・オブジェを店頭に高々と展示。地域の条例を無視した広告物として、取締りの対象となった事例も多々ある。
- 深夜営業しており、中には24時間営業の店舗もある。
- ロードサイド(郊外)店舗は、巨大な駐車場を用意。幹線道路に沿って運転初心者でも簡単に出入庫ができるが内部はコストカットが明白であり、狭く急なスロープ、非常に少ない誘導警備員などの要素もあり、事故も絶えない。なおアスベストが社会問題となった際に、駐車場内の岩綿が石綿と間違えられ、問い合わせが相次いだ。
- 店舗内では圧縮陳列と呼ばれる、壁や天井まで使い、商品をうずたかく積み上げる方式を採用。
- AKB48を例に、メディアミックスに近い宣伝手法。幅広い大衆購買層に買い求めるだけでなく店舗形成に参加する場を用意している。
- 終日営業なので深夜でも買い物ができる。都心でも(立体化した)巨大な駐車場を用意しているため、若年層や自家用車での往来者に人気がある。結果、売上・店舗数を伸ばした。2003年ころから三大都市圏(東京名古屋大阪)以外の地方にも進出している。
[編集] 沿革
- 1980年9月 - 株式会社ジャストとして設立。卸売業主体。杉並区上荻四丁目(西荻窪)に小規模な店舗「泥棒市場」を構える。
- 1989年3月 - 小売業へ業態変更、第一号店の府中店出店。
- 1995年9月 - 商号を株式会社ドン・キホーテに改称。
- 1996年12月 - 店頭市場(現・ジャスダック証券取引所)に株式公開。
- 1998年6月 - 東京証券取引所市場第2部に上場。
- 2000年6月 - ナスダックジャパン(現・ヘラクレス)市場に上場。
- 2000年7月 - 東京証券取引所市場第1部銘柄へ昇格。
- 2003年8月 - テレビ電話を利用した遠隔薬剤師による医薬品の販売を開始。厚生労働省より指導を受ける。
- 2004年12月13日 - 埼玉県さいたま市内の「浦和花月店」と「大宮大和田店」の2店舗にて連続放火による火災、浦和花月店が全焼し、従業員3人が死亡(大宮大和田店は死傷者なし)。後に浦和花月店は閉店、取り壊しされた。
- 2004年12月15日 - 「大宮大和田店」で再び放火が発生(死傷者はなし)。
- 2004年12月26日 - 「環八世田谷店」(東京都世田谷区)で放火が発生(死傷者はなし)。
- 2005年 - 2つあった営業部が統合。
- 2005年3月9日 - 納入業者に従業員の派遣を強要したなどとして、公正取引委員会に独占禁止法違反で排除勧告を受ける。
- 2005年8月11日 - 「オリジン弁当」を展開するオリジン東秀の株式を取得。安田隆夫社長の個人名義を含めて大株主となり、業務提携の提案を行った。
- 2005年12月8日 - ダイエーが所有しているハワイの子会社および現地の食品スーパー4店舗を買収する事に合意。
- 2006年1月15日 - 従来からの業務提携を発展させ、子会社化を目指し、オリジン東秀のTOBをオリジン側の同意なしに発表。事実上の敵対的買収を開始(同年2月10日、同TOBの不成立と撤退を発表。最低でも約43.7万株取得予定のところ、きわめて少ない数であった)。
- 2006年2月15日 - 2月10日から2月15日までにオリジン東秀の株式を15.28%追加取得し、全体の46.21%が取得。
- 2006年2月23日 - 現地時間同日(日本時間24日)、ダイエーのハワイ子会社株式を譲り受け、同時に全従業員を受け入れる形でDon Quijote(USA) Co. Ltd.,が発足し、初の海外店舗となるオアフ島内4店舗を取得。当初2月8日に行われる予定だったが、半月ほど遅れた。
- 2006年2月24日 - イオングループのオリジン東秀に対するTOBに応募し、オリジン東秀株をイオングループに全株譲渡。
- 2006年8月19日 - ドン・キホーテ初のコンビニエンスストアとなる、パワーコンビニ情熱空間を渋谷区西原に開店。
[編集] 社会との衝突
[編集] 販売手法の一環
社会的に事件を惹き起こすことで注目を集め間接的に宣伝につなげるという特徴がある。ただ限度もあり今後の進展に注意が必要。
[編集] テレビ電話を利用した、遠隔薬剤師による医薬品販売
2003年8月、薬剤師がいなければ売れない医薬品を、テレビ電話を使い店舗と薬剤師とを接続することによって販売する事業を始めたが、厚生労働省の指導を受け、深夜早朝帯の緊急時に限り薬剤師がテレビ電話で相談を受け、無料で薬を提供するサービスに変更した。だが、当時の坂口力厚生労働大臣は「薬を有料で販売するか、無料で渡すか、といった問題ではない」とし、薬事法に係る問題は何ら改善されていないことを指摘した(このことに対し東京都の石原都知事は「時代遅れだ」と厚生労働省を批判している)。
テレビ電話を使った遠隔薬剤師による医薬品の販売については、その後厚生労働省が規則を改正し、2004年4月1日より一定の条件下の元で認められるようになった。詳細は厚生労働省の報告を参照。
これだけをみると「融通の利かない行政vsお客のための小売店」という図式だが、ドン・キホーテにとって医薬品は法律(薬事法)に抵触してでも売る価値のある、うま味のある商品だったと思われる事が後に報道される。実際には、多くの物品を扱うドン・キホーテでは医薬品の収益はそれほど問題ではない。2003年10月24日の日本経済新聞で、ドン・キホーテは薬事法で認められている「カタログ販売」と称しながら、実際は深夜早朝帯に店頭で医薬品を販売していたことが報道された。ドン・キホーテは2日後の26日、「本来目的としていたテレビ電話方式が認められる見通しとなり、カタログ販売を継続する必要がなくなった」として同日より問題とされたカタログ販売を中止している。
[編集] 消防法不備と放火事件
ドン・キホーテの特徴である圧縮陳列だが、壁、通路を問わず所狭しと商品を置くその方式は、延焼のし易さ、避難経路確保の困難さなど、消防法上の問題点を度々指摘されていた。そのような状況の中で、2004年12月の埼玉県さいたま市の「浦和花月店」と「大宮大和田店」で連続放火事件が起き従業員3名が死亡。(死亡した3名は一旦外に出て避難したものの、上司の命令から店内に逃げ遅れた客がいるかどうかを確認するため火災現場に戻され、そこで死亡したとされている。)[要出典]この死亡事故をきっかけに、マスコミでも消防法上の不備が大きく報道され、一般にもドンキホーテの違法行為が広く知れ渡ることとなった。
本来ドン・キホーテは放火事件の被害者であったにもかかわらず、アルバイトの従業員に死者が出たことによって、安田隆夫社長(当時)の法令を無視した経営姿勢が強く非難される事となった。この件ではその後、消防庁より安田社長へ是正を求める警告書が渡されているが、ドン・キホーテ側は「当社の圧縮陳列には問題はない。まず放火を非難すべきで、圧縮陳列を問題視するのは筋違い」とのコメントを出している(コメント本文はドン・キホーテのホームページからは既に削除されている。「週刊!木村剛 ドン・キホーテ放火事件で本当に悪いのは誰?」を参照)。
放火事件の犯人として、2005年1月25日、40代の女が容疑者として逮捕され、2007年3月23日さいたま地裁で無期懲役の判決が言い渡された。また、容疑者への捜査および裁判の過程で、模倣犯による犯行である可能性が高いとされた近隣のサティやイトーヨーカ堂への放火も判明したが、それらの放火事件では消防法を遵守した店作り、及び火災時の店側の初期対応と併せ、すべてボヤで消し止められており、改めてドン・キホーテの当時の経営姿勢が批判されるきっかけとなった。
一連の事件を通じ、安田社長が辞任したほか、圧縮陳列の自粛やトイレへの火災感知器の設置等の消防法に抵触する問題を徐々に解決し、過去よりは遥かに店舗の安全性は高まってきたと思われる。しかし2007年2月12日にもパウ北池袋店にてボヤ騒ぎが発生。原因は販売用のライターを無理な扱いにより破裂させ、それが商品に引火したのであるが、もし店内で火災が発生していた場合、それが大火災になった可能性も否定できない。
[編集] 雇用者に係る労働問題・徹底した規律ある勤務形態
社員や契約社員だけでなく、パート・アルバイトにまでサービス残業を課し、従業員の月間労働時間は300時間を超えるが、残業代等は適正に支払われていないとされる。2005年9月よりその改革が進められているが、労働基準監督署やマスコミへの表面上の対応であり、現在も実質的にサービス残業という違法行為は改善されておらず、また、徹底した規律ある勤務形態を導入しており、昼食などの休憩中には、店舗からの外出は一切許されていない。
2005年3月、納入業者に陳列作業を行わせたり協賛金を求めたとして公正取引委員会により独占禁止法違反で排除勧告を受けた。
2006年に退職した総務の人物が労働基準監督署に「賄賂を贈り、サービス残業について便宜を取り計らうよう要請した」と告発した。[要出典]
[編集] 地域との関係・軋轢
ほとんどの店舗で深夜営業を行い、また車での来店を意識し幹線道路沿いへの出店方針を掲げていることから、深夜時間帯の交通渋滞や騒音・振動などのトラブルが多く、テレビ番組などでも取り上げられている。
2005年3月17日には大阪道頓堀に楕円形の観覧車を設置した店舗を開店した。2005年8月31日法善寺の火災の事もあり、当地での消防検査に合格しないと開店出来なかったが、検査は通過した。そして、この観覧車の愛称を公募し、2005年8月31日に「えびすタワー」と愛称が決まった。ちなみに「えびすタワー」の場合は観覧車なので絶叫は出ず、周辺住民は建設反対の声はあえて出すことはなく、不安を伴いつつも監視を続けている状況にある。
更に六本木店屋上において2005年12月21日に営業開始を予定していた「ハーフパイプ」というタイプの絶叫マシンが建設されていたが、地元住民への説明不足や振動並びに騒音の問題により近隣住民や地元商店街から反対運動が起きた。結局その反対運動に対して当初の予定を崩す形で、12月9日営業中止を発表した。だが、営業中止を決めただけで解体は行われずドン・キホーテ側の担当者はマスコミの取材に対し「一部団体からの批難がうるさいからだ」と主張した。
この事業はドン・キホーテではなく、子会社である株式会社パウ・クリエーションが行っている。先述の道頓堀観覧車もこの子会社による事業の一環である。このパウ・クリエーションはドン・キホーテの不動産部門の子会社であるが、ドン・キホーテの企業風土と不動産会社の企業風土を併せ持った会社であり、ドン・キホーテ同様問題視されることがある。柏店テナントでの「脱法ドラッグ」の販売(当時)や、異常に高い賃料によるテナント誘致等が挙げられる。
[編集] その他・関連事項
- 営業本部は、八王子市松木の「ドン・キホーテ京王堀之内店」の3階にある。
- キャラクターは「ドンペン」というペンギン。店内放送およびテレビコマーシャル(アニマル浜口&浜口京子親子出演)では同店のテーマソングが流れている。これは社員の田中マイミが歌っている曲で、タイトルは「Miracle Shopping」。軽快なリズムと詞が印象に残る曲で、ドンキ店舗内でCD販売を行っている上に着うたの配信もされている。
- 音楽グループAKB48が、秋葉原店8階にあるAKB48劇場をホームグラウンドとし活動している。
- 以前、24時間営業が規制されていた店舗で早朝に5分だけ閉店し「23時間55分営業だから24時間営業ではない」と主張し営業を続けたことがある。地元住民から苦情が出たが法令上は違反ではなかった。
[編集] 店舗
全店舗に関する情報など詳しくは、ドン・キホーテ/店舗情報を参照。
[編集] オープン予定の店舗
この項目は予定される事象を扱っています。予想の記載や性急な編集をせず事実を確認し正確な記述を心がけて下さい。この内容は不特定多数のボランティアにより自由に編集されていることを踏まえ、自身の安全利害に関わる情報は自己責任でご判断ください。 |
- 2007年8月
[編集] 関連会社
- 株式会社パウ・クリエーション
- 株式会社ディワン
- 株式会社ドンキコム
- 株式会社ドンキ情報館
- Don Quijote (USA) Co., Ltd.
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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