ナイジェル・ケネディ
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ナイジェル・ケネディ(Nigel Kennedy, 1956年12月28日 - )はイギリスのヴァイオリニスト。ブライトンで母と祖母がピアノ教師という音楽一家に生まれたケネディははじめにピアノ、さらにヴァイオリンを習い、7歳の時からメニューインが主宰する音楽学校で学ぶようになる。在学中の10歳の時に学校にジャズ・ヴァイオリニストの巨匠、ステファン・グラッペリが来訪する。当時の担任の推薦でナイジェルはグラッペリと個別指導、共演する機会を得ている。
15歳の時に渡米、ジュリアード音楽院で名教師として知られるドロシー・ディレイに師事したものの、彼は自伝の中で、自分にはこの種のアカデミックな教育と肌が合わなかった事を告白しており、この頃から後年の型破りな音楽活動の萌芽を見せはじめていたようだ。
1977年にリッカルド・ムーティ指揮フィルハーモニア管弦楽団との共演でプロデビューを果たす。 ロンドン公演当日の朝、燕尾服をニューヨークに忘れて来た事に気付いたケネディは古着姿で演奏した。この出来事をきっかけとして、1980年代頃から燕尾服を着なくなり、パンク・ファッションや平服をステージ衣装として用い続けている。
1984年にはヴァーノン・ハンドリー指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団と共演したエルガーのヴァイオリン協奏曲のCDがグラモフォン誌の『ベストレコード・オブ・ザ・イヤー』に輝き、1989年に発売されたヴィヴァルディの『四季』のCDはリリースされるや、クラシックのヒット・チャートでは1位、ポップスまで含めたヒット・チャートにも6位に顔を出し、彼の名はクラシック楽壇以外の場でも広く知られる事になる。この『四季』で、クラシック作品として史上最高の売上(200万枚以上)を達成したとギネスブックに認定された。
彼の演奏活動はこの頃からポップ・ミュージシャン(ポール・マッカートニーやケイト・ブッシュなど)との共演、ジャズやジミ・ヘンドリックス作品をフィーチャーしたアルバムの発売、自身のコンサートを『ギグ』と称するなど音楽ジャンル間のクロス・オーバー的、音楽思想家的な色彩を濃厚に帯びはじめる。
そんな中、1992年に突然の引退声明を発し楽壇から姿を消すも、5年後には復帰を果たす。(この時名のナイジェルを取り去り姓のみにした『ケネディ』を芸名としたが、現在はナイジェル・ケネディに戻っている) 5年の沈黙を破った後の1997年、待ち望まれたケネディのロイヤル・フェスティバル・ホールでの復帰コンサートは、英国総選挙の選挙運動期間中に行われたにもかかわらず、ケネディ復帰のニュースとして全国紙の第一面を飾った。「ザ・タイムズ」で評論家は『私の人生の中で、これほど大胆で心を高揚させるようなものを生み出した英国人ヴァイオリニストはたった1人だけだ。』ケネディの新たな成熟ぶりについては、『作品が要求する驚異的スタイル上の移行をやってのけられるヴァイオリニストは、世界中に彼の他にいない』と断言した。「デイリー・テレグラフ」は、『ケネディは100万人に1人のヴァイオリニストだという事実を、改めて思い知らせてくれた』と述べた。
2002年からはポーランド室内管弦楽団の芸術監督に就任、このポストはかつての恩師メニューインがかつてつとめていたものである。
シベリウスの協奏曲、二回目の録音のエルガーの協奏曲はサイモン・ラトルと共演。最近のアルバム『四季』、『ヴィバルディⅡ』にはベルリン・フィルの他、日本のリュート/バロックギター奏者竹内太郎が参加している。
2005年、『ヴィバルディⅡ』は、ベルリン・フィルとともにドイツの『Echo prizes』、オーストリアの『Klassik Amadeus Prize』を受賞。
2006年、所属レーベルEMIのグループレーベルであるブルーノートヨーロッパの提案で、ロン・カーター、ジャック・デジョネットらとともに初のジャズ・リーダー作『ブルーノート・セッションズ』を発売。ケニー・バレルやデューク・ピアソンらの名曲と共に自作曲にも挑戦。ジャズの作曲にも優れた才能があることを発揮。話題となると同時にジャズファンからも好感を得る。
[編集] 楽器
- 使用楽器は、ガルネリ・デル・ジェス「Lafont」。一時は、ストラディヴァリ「カテドラル」を使用していた。(現在は川久保賜紀が使用している)
- 弓はFinkel社製。(en:Johannes Finkel)
- 弦はWestminster(e)とDOMINANT(a,d,g)。
- 『ブルーノート・セッションズ』収録時にはVIOLECTRA社のエレクトリック・ヴァイオリンを使用。
[編集] 受賞歴
- 1984年: グラモフォン誌 ベストレコード・オブ・ザ・イヤー: CD『エルガー・ヴァイオリン協奏曲』
- 2000年: ECHO Klassik: Instrumentalist of the year (violin) album "Classic Kennedy"
- 2001年: Classical BRIT Award - Male Artist of the Year
- 2001年: ECHO Klassik: Instrumentalist of the year (violin)
- 2002年: ECHO Klassik: Sonderpreis Ambassador of Music
- 2005年: Echo prizes:CD『ヴィバルディⅡ』
- 2005年: Klassik Amadeus Prize:CD『ヴィバルディⅡ』