ニホンイシガメ
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?ニホンイシガメ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Mauremys japonica (Temminck & Schlegel, 1835) |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
ニホンイシガメ イシガメ |
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英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Japanese pond turtle |
ニホンイシガメ(日本石亀、Mauremys japonica)は、爬虫綱カメ目潜頚亜目イシガメ科イシガメ属に分類されるカメ。ゼニガメ(幼体)
目次 |
[編集] 分布
[編集] 形態
甲長11-21㎝。メスの方がオスより大型になる。背甲は扁平で褐色から黄褐色になり不鮮明な模様が入ることもある。近縁種のクサガメと違い椎甲板には断続的に1対の筋状の盛り上がり(キール)があり、縁甲板の後部はのこぎり状に尖る。首に不規則な黒いラインが入る。腹甲と四肢は黒い。
幼体は尾が長く背甲が円形で明褐色。また幼体には3本のキールが見られるが、成長に伴い消失する。
本種とクサガメの種間雑種は「ウンキュウ」と呼ばれる。ウンキュウはニホンイシガメの特徴を多く残す個体と、クサガメの特徴を多く残す個体がいる。
近年、イシガメ科の別亜科として分類されていたクサガメ属、ハナガメが本種に近縁であることが判明している。(クサガメ属、ハナガメをイシガメ属に含める説や、本種をイシガメ属から分割する説もある)
[編集] 生態
山間部の渓流や湖、池沼、水田等に生息する。冬を中心とした寒冷な季節には渓流で、夏を中心とした温暖な季節には食物の豊富な水田等で過ごし、こうした条件の異なる生息場所の間を季節的に非常な長距離歩いて移動することが知られている。
食性は肉食傾向の強い雑食性で、魚類、両生類、昆虫類、節足動物、甲殻類、ミミズ、水草等を食べる。クサガメやミシシッピアカミミガメと異なり食物を飲み込むのに水を必要としないため、陸上でも摂食活動を行い、秋の移動の時期に雑木林の林床で熟して落下したカキの果実を食べているところが観察された例もある。
繁殖形態は卵生で、6-8月に数回、地面に後足で10cmほどの穴を掘って1回に4-10個の卵を産む。産卵は河の土手や田んぼの畦などで行われるが、時には水辺からかなり離れたところで行なわれることもある。産卵後はまた後足を使い、卵を埋める。卵は2-3ヶ月で孵化する。生まれたばかりの幼体は甲長3.5㎝ほどで、体の大きさの割りに尾がとても長い。
交尾の時期は2月頃や季節の変わり目であるが、個体によっては異なる。
[編集] Status
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
情報不足(DD)(環境省レッドリスト)
[編集] 人間との関係
生息地によっては水田等でも見かけることができる。
またペット用として古くから飼育されている。幼体の形態が昔の貨幣のように見えることから幼体はゼニガメと呼ばれるが、近年ではペット用に多く流通するクサガメの幼体に用いられ狭義のゼニガメを見かけることは少ない。大型のカメではないが神経質で、また飼育にあたっては清涼な水と日光浴を必要とする。
環境破壊による生息地の減少で個体数は減少しており、地方自治体によっては本種を環境省レッドデータブックに選定している。
[編集] 参考
内山りゅう 『田んぼの生き物図鑑』(2005年) 山と渓谷社
[編集] 関連項目
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