ハリー・ポッター (架空の人物)
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ハリー・ポッター(Harry James Potter)は、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズ、及びその派生作品に登場する架空の魔法使いであり、本作の主人公である。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 人物
[編集] 属性・年齢等
ホグワーツ魔法魔術学校の生徒。寮はグリフィンドール。第6巻現在で6年生 (16歳) 。誕生日は1980年7月31日。(第1巻第3章P.67参照) ミドルネームはジェームズ。
髪の毛はまっ黒で、瞳の色は深緑。同年代に比べ小柄で痩せている(3巻では5,6cm、5巻で背は約10cm伸び、6巻では30cm伸びる)。額に稲妻の形の傷があり、丸い眼鏡をかけている。糖蜜パイが好物である。
魔法界では「生き残った男の子」 (The Boy who Lived) と呼ばれている。また六巻から「選ばれし者」(The Chosen One)と呼ばれるようになる。
[編集] 出身・家族等
ゴドリック谷の魔法族のポッター家に生まれる。父親は魔法族(純血)のジェームズ・ポッター、母親は「マグル生まれ」の魔女リリー・ポッター。いわゆる「混血」 (half-blood)。名付け親(キリスト教における宗教上の親、後見人)は父の親友で同じく魔法族のシリウス・ブラック。
1歳の頃、両親がヴォルデモートに殺害されたため、リリーの妹・ペチュニア・ダーズリーの家に預けられる。しかし自身が魔法使いであることを知らされず、ダーズリー家にとって厄介者であった両親は自動車事故で死んだと聞かされ、魔法使い嫌いのマグル (非魔法族) のダーズリー家で冷遇され、叔母ペチュニアとその夫バーノンの息子 (ハリーの従兄) ダドリーに虐められながら育った。
11歳の誕生日に、ホグワーツ魔法魔術学校への入学案内書を手にやってきたルビウス・ハグリッドから初めて真実を知らされ、ホグワーツ入学と同時に魔法界へ戻ることとなった。夏休みには必ずダーズリー家に帰省することになっている。
ハリーの両親は多額の遺産を残しており、それらは魔法界唯一の銀行グリンゴッツの貸し出し金庫に預けられている。そのためハリーは、魔法界でホグワーツの学費や小遣いに困ることはない。 また名付け親シリウス・ブラックの死亡とともに、シリウスの遺言によりブラック家の遺産も相続した。
[編集] 性格・才能
勇敢で思慮深い。しかし頑固で意地っ張りな面もあり、不満が募ると感情が爆発してしまう。たまに無鉄砲な行動を取って周囲を巻き込んでしまうが、基本的に友達想いの優しい少年。
14~15歳ごろ(第4巻、第5巻)には、思春期であることとヴォルデモートとの精神的な絆とで、情緒不安定で捉えどころのない性格も見られたが、16歳(第6巻)になってヴォルデモートとの絆が遮断されてからは落ち着きを取り戻した。
父親の血を受け継いで、箒の飛行に関する才能は誰よりも優れている。得意なスポーツは、クィディッチ、ポジションはシーカー(6巻で兼キャプテン)。
また、3年生の時13歳という若さで、一人前の魔法使いにも困難とされるパトローナス・チャーム(守護霊の呪文)を成功させ周囲を驚かせた。
ヴォルデモートがハリーを殺そうとした際、彼の能力がハリーに移った。そのためハリーは、蛇語使い(パーセルマウス)になった。
[編集] 周囲との関係
かつて非魔法界では、自己中心的いじめっ子でガキ大将だった従兄ダドリーのせいで学校でも孤立しており、叔母一家以外に親しい人物は全くいない。その一方、魔法界では赤ん坊のとき史上最凶の闇の魔法使いヴォルデモートを倒し、暗黒時代を終わらせた伝説の魔法使いとして有名。ハリーが赤ん坊だった当時、一家がヴォルデモートに襲われ両親は殺されたが、ハリーは額の傷ひとつだけで生き残り、その直後ヴォルデモートは失踪した。彼に関する書物や報道記事も多い。
ヴォルデモートが他人を殺すのに特別な理由を必要としなかったため、一般に、ヴォルデモートがハリーを殺そうとした理由について深く追求されることはあまりない。両親がヴォルデモートへの対抗組織「不死鳥の騎士団」の一員であったことから、単に邪魔なポッター一家の抹殺をヴォルデモートが自ら行っただけと考える者もいる様子。
- 真実は、ヴォルデモートが予言を盗み聞きしたセブルス・スネイプを通して「自分を倒す者」についての予言を知り、予言された人物として赤ん坊だったハリーを殺そうとした。父ジェームズはそれを阻止するためにヴォルデモートと戦い、死亡。母リリーも身を挺して息子を護ろうとし、ヴォルデモートに殺される。しかし母の愛情に基づいた自己犠牲が、呪いに対する強力な防御魔法として作用し、ハリーを襲ったヴォルデモートの呪いを跳ね返す結果となった。
宿敵ヴォルデモートとは、額の傷の呪いを通じて精神的に繋がっている。第5巻では、ダンブルドア校長がスネイプの個人授業「閉心術」を受けるように命じるが、さまざまな要因が重なって術の習得に失敗する。
ロン・ウィーズリーは、ホグワーツ魔法魔術学校入学前にホグワーツ特急のコンパートメントで一緒になって以来、ハリーにとって一番の親友であり続けている。 生粋の魔法族であるロンは、非魔法族(マグル)育ちのハリーにとって、魔法界の基礎知識・一般知識を教えてくれる良い先生でもある。
ハーマイオニー・グレンジャーはハリーにとってロンと並ぶ親友。ある事件がきっかけで親しくなり、以来、ロンも加えた3人で行動することが多くなる。ハーマイオニーについてはハリーのガールフレンドと新聞や雑誌で報道されたこともあるが、ハリーはこれを否定。いつでもハリーに適切なアドバイスをしてくれる頼れる友人。
レイブンクローの1つ年上の美少女チョウ・チャンのことを3年生の時から意識しており、5巻ではなんとかデートする仲までこぎつける。しかし考え方の違いやチョウの精神的な幼さなどからすれ違いが多くなり、結局自然消滅という形になってしまった。
6巻ではロンの妹ジニー・ウィーズリーを意識するようになり、二人は付き合いだす。ジニーはホグワーツ入学時からずっとハリーのことが好きだったが、彼の前では何もしゃべれなかったことからハリーが彼女を意識するようになるのにはある程度の時間を要した。また、彼女がロンの妹であることで、ロンから恨まれるかもと悩んでいた時もあった。結局6巻最後で、ヴォルデモートとの決着をつけるためにホグワーツに戻らないと決めたハリーはジニーに別れを告げるが、この後どうなるのかは気になるところである。
色恋沙汰に関しては妄想癖があるようで、自分の一番の見せ所になると、勝利した自分がチョウやジニーにお祝いされたり愛の言葉を紡がれたりするという妄想をしている場面もある。
[編集] 各学年でのできごと
- 1年生--ハリーポッターと賢者の石
- ホグワーツ魔法魔術学校入学。友人たちと出会う。賢者の石をヴォルデモートの魔手から守った。
- 2年生--ハリーポッターと秘密の部屋
- 「秘密の部屋」に潜むスリザリンの怪物を退治し、ジニー・ウィーズリーの命を救った。その功績で、ロンと共にホグワーツ特別功労賞を贈られる。
- 3年生--ハリーポッターとアズカバンの囚人
- グリフィンドール寮代表クィディッチ・チームを優勝に導く。また、共にハリーの両親の同級生でもあるリーマス・ルーピン教授と名付け親シリウス・ブラックに出会う。ルーピンから守護霊の呪文を教わる。
- 4年生--ハリーポッターと炎のゴブレット
- 「三大魔法学校対抗試合」にホグワーツ代表として参加し、同じくホグワーツ代表、セドリック・ディゴリーと同時優勝を果たす。復活したヴォルデモートに殺されそうになるが辛くも難を逃れる。
- 5年生--ハリーポッターと不死鳥の騎士団
- ヴォルデモートの復活を公表し警鐘を鳴らすが世間から白眼視される。しかし、周囲の助けにより彼の主張が正しいことを証明する。5年生の終わりにハリー自身に関する重大な秘密を知らされて衝撃を受ける。
- 6年生--ハリーポッターと謎のプリンス
- クィディッチチームのキャプテンとなる。ヴォルデモートの分割された魂をダンブルドアと共に取りに行くが、それは偽物であったことが判明した。最後には、両親の仇をとるため今年でホグワーツ魔法魔術学校を去ると発言している。
[編集] 交友関係
[編集] 肉親・尊敬する人物
- ジェームズ・ポッター(父)
- リリー・ポッター(母)
- シリウス・ブラック(名付け親)
- アルバス・ダンブルドア(恩師)
- リーマス・ルーピン(恩師)
[編集] 友人・親しい人物
- ロン・ウィーズリー
- ハーマイオニー・グレンジャー
- ネビル・ロングボトム
- ジャスティン・フィンチ・フレッチリー
- ルーナ・ラブグッド
- ルビウス・ハグリッド
[編集] ハリーに好意を抱いている人物
- チョウ・チャン(第四巻~第五巻)
- ジニー・ウィーズリー(第二巻~)
- パーバティ・パチル(第四巻)
- ガブリエル・デラクール(第四巻~)
- ロミルダ・ベイン(第六巻~)
- 嘆きのマートル(第二巻~第四巻)
[編集] 宿敵・嫌いな人物
[編集] ペット
ヘドウィグという美しい白ふくろう(雌)をペットにしている。ヘドウィグは天涯孤独のハリーを慰める心の友である。
[編集] 映画
ダニエル・ラドクリフが演じている。
[編集] 関連項目
- ネギ・スプリングフィールド
- 針生光太(はりう こうた)