ピアノ協奏曲第9番 (モーツァルト)
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ピアノ協奏曲第9番変ホ長調は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの作曲したピアノ協奏曲。ケッヘル番号271番。
この協奏曲は、フランスの女流ピアニスト、ジュノーム嬢がザルツブルクを訪れた際に、彼女に献呈されたといわれてきた(注参照)ため、『ジュノーム』というニックネームがついている。この曲の新鮮さ・大胆さとこれまでにない規模の大きさは、彼女の影響によるものとされている。
年代的に第6番、第8番、第9番が近いが、3曲の中で最後にあるこの第9番は内容、形式ともに特に優れた曲として高く評価されている。
第1楽章の冒頭で、オーケストラによる第1主題の呼びかけに応えていきなり独奏ピアノが登場するところなどは、型破りなスタイルである。このスタイルは、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、第5番「皇帝」の先駆とも言えるであろう。
第2楽章のヴァイオリンが弱音器をつけて最低音域で歌うハ短調の旋律や、第3楽章の大規模で貴族的なロンドも魅力的である。
カデンツァは、第1楽章、第2楽章用にそれぞれ2種類書かれている。第3楽章用のカデンツァ(アインガング)は2箇所あり、それぞれ3種類書かれている。この曲のカデンツァが数多く残されている理由は、モーツァルト自身がこの曲をよく演奏していたためであるとされる。少なくとも、1777年10月4日ミュンヘンで、1781年4月3日と1783年の春にウィーンで演奏されたことが知られている。
目次 |
[編集] 作曲年代
1777年1月、ザルツブルク
[編集] 楽器編成
[編集] 曲の構成
- 第1楽章 Allegro 変ホ長調 4/4拍子 ソナタ形式
- 第2楽章 Andantino ハ短調 3/4拍子 ソナタ形式
- 第3楽章 Rondo (Presto) 変ホ長調 2/2拍子 ロンド形式
- A-B-A-C-A-B-Aの大ロンド形式。ただしロンド形式とメヌエット形式の組合せ。
[編集] 注:曲の成立に関する研究
「ジュノーム嬢」が誰であるかはモーツァルトの研究者の課題となってきたが、2004年3月15日に音楽学者のマイケル・ローレンツはモーツァルトの友人でフランス人のジャン・ジョルジュ・ノヴェルの娘ヴィクトワール・ジュナミ(Victoire Jenamy)であることを発見した。
[編集] 関連項目
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトのピアノ協奏曲 | |
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少年時代: | 第1番 へ長調 K. 37 | 第2番 変ロ長調 K. 39 | 第3番 ニ長調 K. 40 | 第4番 ト長調 K. 41 |
ザルツブルグ時代: | 第5番 ニ長調 K. 175 | 第6番 変ロ長調 K. 238 | 第8番 ハ長調 K. 246 | 第9番 変ホ長調 K. 271 『ジュノーム』 |
複数ピアノのための: | 第7番 ヘ長調 K. 242 | 第10番 変ホ長調 K. 365 |
ウィーン時代初期: | 第11番 ヘ長調 K. 413 | 第12番 イ長調 K. 414 | 第13番 ハ長調 K. 415 |
ウィーン時代: | 第14番 変ホ長調 K. 449 | 第15番 変ロ長調 K. 450 | 第16番 ニ長調 K. 451 | 第17番 ト長調 K. 453 | 第18番 変ロ長調 K. 456 | 第19番 ヘ長調 K. 459 | 第20番 ニ短調 K. 466 | 第21番 ハ長調 K. 467 | 第22番 変ホ長調 K. 482 | 第23番 イ長調 K. 488 | 第24番 ハ短調 K. 491 | 第25番ハ長調 K. 503 |
後期: | 第26番 ニ長調 K. 537 『戴冠式』 | 第27番 変ロ長調 K. 595 |