ヤザン・ゲーブル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヤザン・ゲーブル(Yazan Gable)は、アニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場する架空の人物。ティターンズのモビルスーツ(MS)パイロットで階級は大尉(声:大塚芳忠)。サラ・ザビアロフ曰く『野獣』。キャラクターデザインはイギリスのロック・ミュージシャン、スティングを模している。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
目次 |
[編集] 劇中での活躍
ニュータイプではない人間(オールドタイプ)でありながら、MSパイロットして卓越した操縦技能を持つ。そのため一年戦争時にも戦闘経験があると思われるが、過去の経歴は不明。
登場時は戦艦アレキサンドリアに配属されてギャプランを駆っていたが、上官であるジャマイカン・ダニンガンとは折り合いが悪かった。そんな中エゥーゴとの戦闘中、ジャマイカンが自分の方に向かって艦砲射撃を行ったことが引き金となり、エマ・シーンのスーパーガンダムを誘導してアレキサンドリアのブリッジを狙撃させ、殺害に成功する。
その後、パプテマス・シロッコが指揮を執るドゴス・ギア所属のパイロットとなる。シロッコとは不思議と調子が合ったらしく、シロッコもヤザンに最新鋭MSを与えて、厚遇を約束している。服装もティターンズ制服から胸元の大きく開いた専用スーツ(永野護デザイン)に変わっている。その後、ダンケル・クーパー、ラムサス・ハサをグリプスから呼び寄せハンブラビ隊を結成。隊長のヤザンを中心に抜群のチームワークを発揮し、Ζガンダムに乗るカミーユ・ビダンをはじめ、エマやファ・ユイリィ、クワトロ・バジーナでさえも窮地に追い詰めた。
グリプス戦役の最終局面において、隕石に衝突して操縦不能となったカツ・コバヤシのGディフェンサーを撃墜し、エマを庇って向かってきたラーディッシュも沈め、戦闘と殺戮を愉しむような高笑いを上げる。その後、レコア・ロンドと連携しカミーユも追い詰めるが、エマが戦闘に介入し、レコアのパラス・アテネが撃破される。その時ヤザンは破壊されたパラス・アテネの残骸を攻撃して、不用意にコクピットを出ていたエマに致命傷を負わせ、野獣のごとき勢いをもってカミーユに襲い掛かる。多くの人の死を見て感情を極度に張り詰めていたカミーユは、命を軽んじるヤザンに怒りを爆発させ、人の意思を吸収したΖガンダムのバイオセンサーの力を解放する。ヤザンは赤いオーラに包まれて無敵となったΖガンダムに逆に追い詰められる立場となり、巨大化したΖガンダムのビームサーベルにハンブラビを真っ二つにされる(小説版ではグレネードランチャーで機体を破壊されている)。普通なら助かりそうにないが、ヤザンは恐るべき悪運の強さを発揮し、脱出ポッドで戦闘宙域から離脱している。
戦後、脱出ポッドはサイド1のコロニー「シャングリラ」に辿り着き、ジュドー・アーシタ達によって拾われる。そこに、偶然傷ついたアーガマが入港したため、ジュドー達をけしかけてΖガンダムを盗ませようとするが、その最中アーガマのクルーであったサエグサに重症を負わせたことで反発したジュドーが操るΖガンダムに倒される。町に潜伏中、マシュマー・セロの駆るズサを見つけ、スクーターを盗んで追いかけるが、飛び立つΖガンダムに見とれて瓦礫の壁に突っ込み、崩れた瓦礫の下敷きになるというオチに使われた。最後はジャンク屋のゲモン・バジャックと協力し、ジャンクの寄せ集めMSであるゲゼで再び戦いを挑むが、ジュドーに完全敗北してしまう。その後の消息は不明である。小説版ではネオ・ジオンに協力し、地球までジュドー達を追いかけたものの、マシュマーとロンメルの死後、ゲモンと共に砂漠の民としてしばし休息の時を過ごすという幕引きとなった。
[編集] パイロットとしての腕前
戦闘自体を好む激しい性格で、ティターンズの理念には関心を持っていない。また、自分の戦闘を邪魔する存在は誰であろうと(それが例え味方であっても)容赦しない。
彼の卓越した能力はギャプラン(強化人間仕様と同じタイプと言われているが、操縦系統を改良してある改良型説もある)を強化人間のロザミア・バダム以上に使いこなし、Ζガンダム搭乗のカミーユさえも圧倒した点に強く裏付けられる。
目的の為には決して手段を選ばない類の人間ではなく、戦いに対しても独自の美学を持っており、弱者に対する残虐な作戦(コロニー落としやサイド2への毒ガス攻撃など)に対しては反対している。「互いの腕を競ってのフィジカルな殺し合い」こそが望むところであろう。また、アドルの出撃前に緊張をほぐしてやったり色々とアドバイスし、ラムサス戦死時に彼の名を叫び激昂する意外な一面も見せた。
戦術家としても一流で、ハンブラビの海ヘビを応用した「蜘蛛の巣」を使いカミーユを危機に陥れたり、ダミーのマラサイを囮に使ってアーガマ隊を罠に嵌めたりした。
ニュータイプが圧倒的な強さを見せる宇宙世紀を舞台とした「ガンダムシリーズ」において、ハマーン・カーンと互角以上に渡り合いパプテマス・シロッコを撃墜した「ニュータイプ能力は最も高い」といわれるカミーユ相手に、第32話「謎のモビルスーツ」では撃墜寸前に追いやった。第49話「生命散って」においてはバイオセンサーの暴走という反則に近い形のΖガンダムに敗れはしたが、その強さ、しぶとさはガンダムシリーズ史上最強のオールドタイプであると言っても過言ではない。これは、ニュータイプと戦った者が皆戦死している中、唯一彼だけが生き残ったことに裏付けされる。また、OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』のアナベル・ガトーも「最強のオールドタイプ」と呼ばれているので、インターネット上で論戦されることは少なくない。
因みに、少数だがヤザンの強さへの反論もあり、「ヤザンは確かに強いが彼のここまでの活躍はギャプランとハンブラビ自体の性能のおかげ」と評する者も存在する。ただし、この説では矛盾点も生じるため支持者は少ない。
余談であるが、『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場した際はプチ・モビを使ってΖガンダム強奪を企て、サエグサに重症を負わす野獣ぶりが健在であったが、酸素欠乏症のせいか、番組序盤のノリのせいか、お笑いキャラに近い役回りを演じるようになってしまった。
[編集] 撃墜・謀殺した人物
ヤザンはΖの中ではカミーユに次いでメインキャラクターを殺している。以下は彼に撃墜または謀殺された人物。
- 彼の乗るドゴス・ギアを守る意思が無く、直接手を下したのはレコア。劇場版ではヤザンが直接手を下す。
- 劇場版ではヤザンは直接手を下しておらず、隕石に衝突死した形となっている。小説版ではラムサスを撃墜されたことに激昂し、コアファイターを叩きのめしている。
- ヘンケン・ベッケナー及びラーディッシュクルー
- エマ・シーン
[編集] 主な搭乗機
[編集] 主な関連人物
[編集] 関連項目
ガンダムシリーズ (カテゴリ) | ||
シリーズ一覧: | ガンダムシリーズ一覧 - ゲーム作品一覧 - SDガンダム | |
世界観: | 宇宙世紀 - 未来世紀 - アフターコロニー - アフターウォー - 正暦 - コズミック・イラ - SDガンダム | |
ガンダムシリーズの映像作品 | ||
テレビシリーズ: | 機動戦士ガンダム - Ζガンダム - ガンダムΖΖ - Vガンダム - Gガンダム - ガンダムW - ガンダムX - ∀ガンダム - ガンダムSEED - SEED DESTINY - SDガンダムフォース | |
OVA: | 0080 - 0083 - 第08MS小隊 - Endless Waltz - MS IGLOO - SEED STARGAZER - SD外伝 ジークジオン編 - - GUNDAM EVOLVE | |
劇場版: | 逆襲のシャア - ガンダムF91 - G-SAVIOUR - GUNDAM THE RIDE - グリーンダイバーズ - SD外伝 聖機兵物語 | |
ガンダムシリーズの劇中項目 | ||
劇中項目一覧: | 人物一覧 - 機動兵器一覧 - 艦船及びその他の兵器一覧 - 用語一覧 | |
テンプレート |