ロマネスコ
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?ロマネスコ | |||||||||||||||||||||
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![]() Brassica oleracea |
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Brassica oleracea var. botrytis f. botrytis | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Broccoflower |
ロマネスコ(Romanesco)はカリフラワーの一種で、特徴的な形態の野菜である。名前はイタリアのローマ近郊で開発された事に由来する。カリフラワーと同様、未成熟の花序と茎を食用にする。アブラナ科の野菜の中では比較的穏やかで微かに甘い芳香を持つ。
ロマネスコは2種類あり、一つはブロッコリーの色(つまり緑色)をしたカリフラワーである。もう一方がいわゆるロマネスコとして知られている野菜で、花蕾群がフラクタル形状(写真参照)を示すものである。本記事では後者について記述する。
目次 |
[編集] 歴史
名前の通りイタリアで開発されたとされているが、オランダ原産であるという意見もある。ドイツでは16世紀から既に栽培の記録がある。他のヨーロッパ諸国では1990年頃から流通し始め、フランスのブルターニュ地方などでは大規模な栽培が行われた。1993年以降は冷凍品が広く市場に出回るようになったが、野菜全体に占める取引額はさほど大きなものではない。
[編集] 形状
ロマネスコの花蕾は幾何学的な配置となっており、個々の蕾が規則正しい螺旋を描いて円錐を成している。円錐はさらにそれ自体が螺旋を描いて配列し、これが数段階繰り返されて自己相似の様相を呈する。また、配列した蕾や円錐の数はフィボナッチ数に一致する事も知られている。
[編集] 購入・保存・調理
ロマネスコは健康食品を扱う店や、大型のスーパーマーケット等で手に入る。花蕾が固く締まって小さく、色の綺麗なもの(先端が茶色に変色していないもの)を選ぶと良い。保存する場合は洗わずにきっちりと包装して冷蔵庫に保存し、4、5日を目処に消費する。調理する前に良く洗い、花蕾の塊ごとに切り分けて柔らかくなるまで加熱する。裏漉ししてピュレにし、牛乳や豆乳と合わせてスープにするのも良い。栄養価もおおよそブロッコリーなどと同じであるが、ビタミンCの含量はブロッコリーを凌ぐ。
- ロマネスコ1株(93g)あたりの栄養価:
[編集] 分類
一般に植物分類学者は「ロマネスコ」という括りに否定的であり、単にカリフラワーあるいはブロッコリーの変種として扱う研究者もいる。起源すら定かでないロマネスコの位置付けを巡っては、しばしば学者たちの対立が起きた。ちなみに、ロマネスコはあくまでブロッコリーないしはカリフラワーの一種であり、これが両者の雑種であるという意見は誤解である。ブロッコリーとカリフラワーの雑種は遺伝子組み換え作物として別途作られている。 [1].
[編集] 写真
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[編集] 参考文献
- ^ Designer Foods: Enhancing Nutrition with Biotechnology, American Medical Association, Briefing on Food Biotechnology, 2001