ロリータ・ファッション
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ロリータ・ファッション(Lolita Fashion)は、日本で生まれたファッションカテゴリーの一種。また、それと結びついたさまざまな文化現象を指す場合に用いられる語。端的にいえば、少女趣味的な要素を極端に強調した、装飾的な服装の事を指す。
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[編集] 概要
性的嗜好の「ロリータ」と区別するためにしばしばロリィタとも表記される。旧字体を使用する場合はロリヰタ。
「ロリータ」と呼ばれるファッション自体は、1980年代後半にはすでに存在していた。一般にも広く知られるようになったのは、1994年から2000年の間にかけての事である。
後年に派生した、このファッションの亜流ではないかと思われるゴシック・アンド・ロリータファッションとは愛好家同士の間でも別ものとして扱われる事が多い。また、一部のロリータ・ファッションの女性にはゴシック・アンド・ロリータと混同されることを嫌う傾向がある。
「ロリィタ」という言葉は「ロリータ」をインターネットで検索にかけた際などにポルノのロリータとファッションや精神としてのロリータを区別するためという一面もあるが、それ以外にロリータやゴシックロリータとしてのファッション性・精神性を「旧字体」を使用することで高めるという理由もある。
ロリータファッションは一般的に装飾過多な服装のゴシックロリータを甘めにしたスタイルという認識が強いが、本来のロリータファッションはシノラースタイルにガーリーなアイテムを強調した、現在のロリータファッションとは別の傾向の派手さを持ったファッションであった。現在もそれらを好む女性は存在する。(「MILK」「Jane Marple」「Emily Temple cute」など。)これらのブランドを好んでいる女性には「あれはロリィタではない。」という人も多い。
[編集] 発祥と展開
ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』に由来することばであり、性的嗜好の一種である「ロリータ・コンプレックス」という用語の影響を受けて発祥した語ではないか、と考えられる。しかし、同じ「少女」との関連性はあるにせよ、まったくの別ものであるといえる。
この「ロリータ・ファッション」という服装を着用する側の年齢はさまざまであるが、身体は成人に近いものである場合が多い。しかし、一般的に知られている範囲で、幼児性という記号を孕んだ形体と装飾がなされている衣服を採用していることから、大体は極端な服飾として認知される。
「ファッション」とは通常、時代や社会的役割、組織など他者からの期待や判断の対象となる場合が多い。だが、そのすべてをこの「ロリータ・ファッション」は拒絶する場合が多いとされる。なお、ここでいうファッションの定義はそのような服装および現象のことを指す。
歴史的に見れば、現在のロリータ・ファッションの原型は1980年代中頃にDCブランドから発表され流行が始まった「ドール・ファッション」と呼ばれたものと推測される。当時の代表的なブランドは、現在でもカントリーテイストで知られる「Pink House」、「田園詩」。当時アイドル的で音楽傾向の強い服作りをしていた「MILK」などがある。その後、MILKのデザイナーのひとりだった村野めぐみが立ち上げた「Jane Marple」、同じくMILKのデザイナーのひとりだった柳川れいが立ち上げた子供服ブランド「Shirley Temple」から生まれた大人向けの姉妹ブランド「Emily Temple cute」。さらに同名の小説を原作とした日本の映画『下妻物語』の成功で注目される事となった「Baby, The Stars Shine Bright」などのブランドが加わったものと思われる。
また、ここで名前の挙げられている「MILK」「Jane Marple」「Emily Temple cute」などのブランドは、あからさまにロリータ・ファッションであることを掲げてはおらず、「Baby, The Stars Shine Bright」などのロリータ・ファッションと呼ばれる他のブランドと比較しても、その装飾は幼児性を孕んでいるとも、また極端であるとも言えない。しかし、その装飾やコンセプトにロリータ的な精神を見出すことは不可能ではない。
その流れと並行し、海外のブランド「ヴィヴィアン・ウエストウッド」が1980年代後半にアンダーバストを極端に細くしたクラシックなテーラード・ジャケットや、コルセット、19世紀風のクリノリンスカートをミニ丈に仕立てた「ミニクリニ」スカートをロンドン・コレクションで発表している。 ヴィヴィアンの提案したスタイリングは「少女=ロリータ」というよりも、ハイヒールを履き大人の女性の姿をした「妖婦=ヴァンプ」だった。しかし、日本では「可愛い」ことが重要とされる土壌のため、そこから意識的に成熟性を排除し採用していったのではないかと思われる。こうしたロリータ・ファッションを取り巻く日本の環境は、ファッションの発生とそのディテールに少なからず影響している可能性がうかがえる。しかし、「エロロリ」や「クラシカルロリータ」などのロリータ・ファッションには、表面の愛らしい少女性の隙間からヴァンプの成熟性が垣間見られなくもない。
[編集] 『下妻物語』
小説・映画『下妻物語』中でのロリータ・ファッションとロリータ(以下ロリィタ)の定義は、冒頭で主人公の竜ヶ崎桃子によって語られている。現実に存在する前述のファッションを提げるブランド「Baby, the stars shine bright」を愛好する彼女は、このファッションを簡潔に言えば「ロココな精神を持つ者」であると語っている。彼女にとってフランスのロココ文化は、彼女の愛する時代、芸術、思想、美学であり、同時にそれを体現することが彼女の生き甲斐であるといえる。この作品中での「ロリィタ」は、いわば彼女の生き方そのもののような存在であり、この物語の主人公がロリィタから見出だしたように、「生産性を持たない装飾過剰さ」「反社会的な享楽性や刹那的な思想を自他ともに感じさせる」という点においては、このファッションと一部のそれを着用する者には、確かに「ロココの精神」を認められると言える。
しかし、服装自体は、ロココの時代以外の装飾が施されていることが多い。(甘ロリやクラロリといったロリータ・ファッションのスタイルは、ヴィクトリア朝時代の貴族の子供服がモデル(原型)になっている。)そのため、実際のロリィタは必ずしも「ロココな精神を持つ者」「ロココの復刻」であるとはいいがたく、また、この作品の著者である嶽本野ばら(連想される著名人:下記参照)は、エッセーなどの他作品では「ロリィタの定義は個々により違うものであり、明確な定義はない。」というようなことを述べている。これらはあくまでも竜ヶ崎桃子にとっての「ロリィタ」の定義であり、ロリィタの定義は必ずしも「ロココ」でなければならない訳ではなく、実際に現実のロリィタがそうであるとは限らない。
[編集] ロリータ・ファッションの特徴
下記は日本のロリータ・ファッションの一般的に多くみられるとされる特徴であるが、ロリータとされるファッションは多様であり、以下の項目の特徴から外れるものもある。
- 類型的な髪型はストレートヘアーの姫カット、巻き髪(縦ロール)、緩いウェービーヘアであることが多い。前髪はまっすぐに切り揃える、あるいは額を出すのどちらかである場合が多い。頭に大きなリボンカチューシャ、ヘッドドレス、ボンネットなどを着用する場合もある。
- 「甘ロリ」は主にピンクを多用して化粧する場合が多い。「クラロリ」だと化粧は前述よりも幾分、落ち着く。
- ロマンチックな王冠、十字架、リボン、トランプ柄、サクランボ、薔薇、イチゴ、お菓子などの図柄や不思議の国のアリスなどの童話モチーフを身につける場合が多い。
- 主な装飾品は金属製の物を使用する。
- 靴下は、主にフリルやレース付きの長いハイソックス(膝中程度の長さ)、オーバーニーソックス(膝上程度の長さ)、アンクルソックス(足首までの長さの靴下)、タイツを履く。横縞などの柄や、アーガイルチェックなどの格子模様が多い。その下にウッドソールの厚底靴、バレリーナシューズ形のパンプスなどの靴を履く。
- スカートの長さは膝辺り(ミディスカート)まで。バッスルスカート、ギャザースカート、フレアスカートの下には、パニエを着用してさらにボリュームを出す。更にその下にはドロワーズを穿き、パニエによって膨らんだスカートから下着が見えるのを防ぐ。
[編集] ロリータ・ファッションの種類
このファッションは現在、着用する個人の嗜好に伴い細分化され変遷している。種類が拡散しているため、ロリータ・ファッションの対象は膨大なものとなり、リストアップする意味も薄れているといえる。一方で、ロリータ・ファッションと一括りにされている愛好者の間でも、同じロリータ・ファッションにカテゴライズされる、甘ロリやエロロリなどの種類を嫌悪する人びとが存在することも言及しておく。
以下はその主だった傾向を種類別に挙げたものである。
[編集] 代表的な種類
- 甘ロリ (Sweet Lolita)
- その名前の通り、甘い雰囲気のロリィタファッションである。「Angelic pretty」「BABY,THE STARS SHINE BRIGHT」などが代表的なブランドとされる。町中で見かけるロリータ・ファッションは大抵がこの甘ロリに分類される。最も知られているロリータ・ファッションの典型的なスタイル。前述の「下妻物語」の主人公もこの甘ロリであるとされる。徹底的にこのスタイルで決めることをコテコテのロリータという意味で「コテロリ」と呼ぶ。
- 白ロリ / 黒ロリ / ピンクロリ / 水色ロリ
- 甘ロリの分類語。その時に応じたファッションの基調色に分け、着る服の色目によって分類される。白ロリや黒ロリはゴスロリと重なる部分も多いが、ゴスロリではない。また、ピンクや水色といったパステルカラーはゴスロリファッションでは着ることはない。
- 姫ロリ / 王子ロリ(Princess Lolita & Prince Lolita)
- 姫ロリとは、甘ロリとほぼ同じものとして扱われる。甘ロリとの相違点を列挙すると、薔薇が主な図柄で使われる事が多い様である。中世風、あるいはブルボン王朝風のドレスファッションでワンピースを着用する場合が多く、頭には王冠、お姫様のようなティアラを付ける場合もある。「甘ロリ」よりもドレスアップした感があり、クラロリと甘ロリを中和したような雰囲気がある。
- 王子ロリとは、ボーイッシュに作られたロリータ・ファッションのこと。男性というよりも少年を意識したデザインである。ミニハットやシルクハットを頭に被り、裾の膨らんだ別珍のズボンに細身のタキシードなど紳士的な装いであることが多い。姫ロリの対義語であると思われる。代表ブランドは「MIHO MATSUDA」など。
- クラシカル系ロリータ(Classical Lolita)
- 単に「クラシカル系」ともいわれる。甘ロリよりも落ち着いた雰囲気のファッションであり、一般的に考えられているロリータファッションよりもシンプル。1950年代のお嬢さまのようなファッション(オードリー・ヘップバーンの映画に出てきそうな服を想像してください)を多少甘めにしたもの。フリルやレースは控えめで、スカートもひざ下くらいが多い。代表ブランドは「victorian maiden」「juliette et Justine」「Mary Magdalene」「innocent world」など。「エレガントロリータ」とも。
- パンクロリ(Punk Lolita)
- ロリパンとも。パンクファッションの意匠を取り入れたロリータ。チェーン、安全ピン、ネクタイ、スカルなどをアクセサリーに反逆的なイメージを取り入れる。エロロリの要素も多く、ミニスカートや囚人服のような横縞模様なども多い。ロックバンドのライブなどで見かける。代表ブランドは「PEACE NOW」「MILK」など。なお、実際の装飾はパンクという程に反逆的ではなく、「ロックテイスト」程度のレベルであることが多い。甘ロリよりも早くに生まれた、元祖ロリータスタイルのひとつ。単に甘ロリよりもカジュアルなロリータに対してもこう呼ぶことがある。ゴスロリ寄りだとゴスパンと呼ばれる。
- エロロリ(Erotic Lolita)
- コケティッシュロリ、露出系ロリとも言われ、ミニスカートに胸元が大きく開いた上着などを着ることが多い。アイテム的にはレースが施された、ベビードール、コルセットやボンテージなどのランジェリー系のアイテムを選ぶことが多い。パンクロリの要素も含んでいる。文脈から悪趣味に思われがちだが、少女趣味的なロリータではなくニンフェット的なロリータを強調した装いである。代表ブランドは「Baby Doll」(ロリータ系ではなくゴシック系の小物ブランド)、その姉妹ブランド「Blue Bird Black bird」。h, NAOTOの「h.Jelly」「h.jelly&honey」など。ギャルロリと混同されて使われることが多く、区分するためには決して上品さを失わないよう、注意が必要であると言われている。ある種ゴスロリ以上にゴシック・ファッションの影響が強いが、なぜかロリータ・ファッションのひとつとして扱われることが多い。
[編集] 関連性の高いファッション傾向
- カントリーロリータ / カントリー・ファッション(Country Lolita)
- 主な代表ブランドは「Pink House」「田園詩」(このブランドは現在はない)など。カネコ系とも。ロリータ・ファッションが知られる以前からあり、ロリータ・ファッションの源流としばしばみなされるが、ロリータ・ファッションとは一線を画している。が、近年h, NAOTOのレディースライン「h,NAOTO FRILL」がカントリーロリータ(牧歌的な雰囲気のロリータ・ファッション)を掲げている。
- ゴスロリ(Gothic&Lolita)
- ロリータ・ファッションとの共通点を含んでおり、ロリータ・ファッションと混同されがちである。原色やパステルカラーはほとんど使わず、モノトーンをベースにしている。ゴシック・ファッションのように怪奇性を含んだ意匠が多い。ロリータとの違いは、よく例えられる天使に対しての悪魔というよりも、ロリータをベースにゴシック的な、小悪魔っぽさを出したファッション、と言った方が近い。黒ロリ・白ロリと混同されやすい。白ロリと区別するためか、白いゴスロリは白ゴスと呼ぶ。
- 詳細は項目ゴシック・アンド・ロリータを参照。
- グロロリ(Grotesque Lolita)
- 少女趣味的な要素とグロテスクなホラーの要素を過剰に付随している。ゴスロリのようなゴシックで耽美的な要素よりも、残虐性の強い血糊や包帯、化粧などで施した傷などのグロテスクな猟奇的モチーフを多用する。そのホラー的なイメージから「ゴスロリ」や「ロリータ」とは区別される。語源は一部のロリータ・ファッションの支持者がゴシックロリータを差別的にこう呼んだ事から来ているともいわれている。
- 和ロリ(kimono Lolita)
- 和服をロリータ調にアレンジしたファッション。また、和服の要素を取り入れたロリータ・ファッションの種類。帯の代わりにコルセットを着る事もある。柄はロリータなモチーフを和柄風にアレンジしたものが多い。ゴスロリのテイストを含む場合は和ゴスと呼ばれる。一部のロリータ・ファッションの愛好者の間では和ロリはロリィタではない、という意見もある。代表的なブランドは存在しないが、「Metamorphose Temps de Filles」などがこの種類のものをよく企画する。
[編集] その他
語尾にロリータのロリをつけて単語は随時増えてゆく。主にロリータ・ファッションの内容だけではなく、「ロリータ・ファッション」を着ている人間に対しての状態や蔑称として使われることが多い。ロリータファッションの一部としてゴスロリの女性を指しても使われる。
- 双子ロリ
- 同じブランドのロリータ服を揃えて着用すること。また、それを着て一緒に出歩くことをこう呼ぶ。似たような語に「三つ子ロリ」「親子ロリ」「姉妹ロリ」などがある。また、このような使われ方をする場合、実際に家族関係である場合もある。
- オバロリ
- その他、「ママロリ」「主婦ロリ」など。要は、一般的に連想される、ロリータ服を着る人に対して思われやすい「年若い年齢」ではないということ。しかし、ロリータファッションの歴史は長く、最近は周囲から称するよりも自虐的に言う場合で使われる。
- 痛ロリ
- (若者言葉での)「痛い」ロリータ。本人に服が似合っていない、相応しいとは思えない未熟なロリータ。自虐的に使う場合も多いが、周囲からの蔑称として使用される場合も多い。似たような語としてコスロリがあり、これはコスプレのロリータやゴスロリという意味でも使われる場合があるが、「まるでコスプレのような」服装のロリータ、ゴスロリという意味でも使われる。言動や雰囲気がおたく、腐女子っぽいロリータはオタロリ、ヲタロリと呼ばれる。また、やりすぎな見た目、表面的な恐ろしさばかりを追求し、上品さに欠けるゴスロリはグロロリと呼ばれる。
- ドスロリ
- 「ドスコイ」+「ロリータ」で生まれた造語。ふくよかな(悪く言えばデブな)体型の女性がロリータ服を着ている場合に使われる蔑称。スーパードルフィーなどの人形を愛好する人たちに、こうした女性が目立つことから、主に人形愛好家の間で広まったとされる言葉。似たような語にデブロリ、ブスロリなど。なお、黒系の服を着たドスロリの女性が大勢で行動する事を「黒い三連星」と呼ぶことがあるらしい。
2004年頃にできたと思われる用例を以下に挙げる。
- 下妻ロリ
- 下妻物語を見てロリータ・ファッションを着始めたが、「ロリィタ」をよくわからないまま、変な風に解釈してしまっている、または嶽本野ばら作品の影響を受けすぎてしまっているロリィタ。決して下妻好きのロリィタ、嶽本野ばら作品を愛好するロリィタという意味ではない。別名「深キョンロリ」とも。「深キョン」は映画版「下妻物語」の主人公を演じた深田恭子がマスコミなどでよく使われるあだ名。
- ギャルロリ
- ギャルとロリィタが混ざっている。元来はネットの掲示板や携帯電話のメール文などで、実際の外見には関係なく「ロリィタ」としては本来ありえないギャル文字・小文字などを使用するロリィタをこう呼んでいた。最近はその他にも、雰囲気や言動などがどうみても「ギャル」であるのにロリィタ・ファッション(大抵は甘ロリである場合が多い。)を着用したりなど、他のロリィタらからみて「下品な」外見のロリィタに対して使われる。その文脈からエロロリと混同されて使われることも多くなっている。
[編集] 連想される著名人
- 雨宮処凛
- 小説家、エッセイスト。かつてはパンクファッションで右翼活動に身を投じ、「ミニスカ右翼」と呼ばれた。その後は右翼活動から距離を置き作家活動に重点を移す。現在はロリータ・ファッションで「ゴスロリ作家」を自称している。
- 嶽本野ばら
- 小説家。「乙女」を読者対象としてそれを中心とした文学作品を世に送る、ロリータ・ファッションの男性小説家。黒を好んで着ることが多く、よくゴシック・アンド・ロリータと間違われることが多い。代表作は映画化もされた『下妻物語』、デビュー作『ミシン 世界の終わりという名の雑貨店』など。極端な作風からロリータファッションの支持者の間でも好む人もいれば嫌う人もいる。
- 田村ゆかり
- 声優。ロリータ・ファッションの愛好家である。性格や服装の趣味も落ち着いている。声は甘いおっとりとした声で知られているが、演技の幅は広い。