一人ごっつ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一人ごっつ(ひとり-)は、1996年10月7日から1997年3月28日にかけてフジテレビ系列で放送されていたバラエティ番組。
お笑いコンビダウンタウンの松本人志によるお笑い番組で、相方の浜田雅功や多数のタレントと共に出演していた『ダウンタウンのごっつええ感じ』に対し、松本人志がたった一人で全てを行う事からこの名称がつけられている。
また、後に『新・一人ごっつ』、『松ごっつ』というタイトルで続編番組も放送されている。
目次 |
[編集] 一人ごっつ
[編集] 概要
寺のような内装のセット内で、「師匠」と呼ばれる、松本の座る背後に鎮座する大仏との掛け合いのみで番組が進行する。基本的には大仏から出されるお題に対し、手元にあるフリップもしくは顔や体の一部を使いボケ回答をしていく、という大喜利形式。
[編集] 放送期間
- 1996年10月7日~1997年3月28日(全120回) ※1996年12月31日のみスペシャル
- 毎週月曜日~金曜日/10分
- フジテレビ系列
[編集] 出演者
[編集] 主なコーナー
- お題
- 師匠から出題される問題に手元にあるフリップを用いて松本が珍妙な答えを出していく。答えを書いている松本自身が爆笑していて客やADがあまり笑っていないこともよくある。
- 写真で一言
- 一枚の人物や動物などの写真に対し、松本が台詞や言葉で笑いに導く。
- 出世させよう!
- 一つの言葉を段階を経て出世させていく。途中から脱線して間違った方向に走り、最後にオチをつけるのが定番。
- 顔
- 師匠の出題する「~な時の顔」というお題に対して、松本が顔で表現する。
- 日本語で返そう!
- 何を言っているか理解できない外国語の音声に対し、日本語でそれっぽく返答をする。
[編集] スタッフ
[編集] 新・一人ごっつ
[編集] 概要
前作とは一変し、コント、ものまね、紙芝居などあらゆるジャンルの笑いに挑戦する。また、直接画面に映る事はないが、お笑いタレントの木村祐一や板尾創路が参加しており、より広がりのある番組となった。
[編集] 放送期間
- 1997年10月14日~1998年3月24日(全22回)
- 毎週火曜日/30分
- フジテレビ系列
[編集] 出演者
[編集] 主なコーナー
- アートのコーナー
- 美術室のような空間で松本が単純ながら捻りのきいた物を製作。題名は最後に紹介される。
- イカせよう
- あらゆる日用品に対して卑猥な言葉を投げかけ、アダルトビデオ風に展開していく。よく聞くとバックに本物のAVの音声が聞こえる。深夜枠ならではの下品な笑いの追求。
- 紙猫芝居
- 猫の行動を紙芝居にしたものを、松本のナレーションでくり返し行う。一回目、二回目と内容は同じなのだが、ナレーションを繰り返すごとに語りが少しずつ変わっていく。絵のいい加減さ、語りのゆるさが見物。
- 合成しよう
- 合成写真を作るコーナー。それに対して松本がコメントをする。
- 作詞しよう
- 突然割り当てられたメロディーに対して、松本が即興で歌詞をつけていく。即興にしては完成度も高いものもいくつかあり、ニヤけながら「紅白やな」と発言したこともある。
- 新婚さん聞きなっしゃい!
- 桂三枝に扮した松本が、あらゆる日用品を大袈裟な言葉を売り文句に紹介していく。最初は「どうも皆さんこんにちは、窓辺のマーガレット桂三枝です」から始まり、紹介の途中に「およよ」とギャグを飛ばす。商品の効能はどんどん意味不明なものにエスカレートしていった。格言めいた言葉で締める。
- タイムスリップショッピングダンス
- 様々な商品の現在と過去の値段を、松本がダンスをしながら比較していく。なぜか外国人の格好をしている。キレがいいのか悪いのか微妙なダンスを熱演している。
- 電話
- ナース松本
- 思春期の少年、少女(の姿をしたマネキン)にナース松本がオナニーのやり方を教える、というコント。下品ながらそのやり方の発想は多角的である。
- 発見のコーナー
- 走行中の自動車から撮影した車外の映像に対し、松本が強引な妄想やこじつけで昔のドキュメンタリーのようなナレーションを行う。最終的に発見するもの自体は常に微妙である。
- ピー助
- 昼の帯番組の司会者「ピー助」のコント。スタッフの横暴ぶりに対してピー助が一つ一つツッコミを入れていく。コントの最初は番組のエンディングから入り、スタッフのオッケーが入ったとたんに指摘を始める。ADの「あ~」と納得する声と「ヘヘヘ」という笑い声が流される。見方によってピー助の立場の悪さが非常に切なく思えるコント。
- 松ちゃんポリスのヘタなら!グズなら!アホなら!乗るな!のコーナー
- 婦警に扮した松本が車をかたどったダンボールを用い、日常で出くわした不快な運転マナーに対してハイテンションで毒づいていく。大概後半でキレ、ダンボールを蹴飛ばしたり壊したりする。ミニスカの松本は股間を触りまくる、胸を揉みまくるなど、発言の正当さとギャップが激しい。
- マネキンとコント
- 松本が単独でマネキンを相手に一人芝居を行う。回を追うごとに笑いの方向性を広げていったが、最初のコントは松本の作家性を感じさせる、非常にドラマとしての完成度の高いもの。
- やっさん
- 松本が世間話をしながら横山やすしの扮装をして行く。話の最後に扮装は完成し、やっさんの物真似でキレる。
- お笑い共通一次
- 様々なお題を問題とした試験を全国に配布、それに対する視聴者の解答を紹介していく大きな企画。センター試験の問題解説のような形で、面白いもの、サブイものを紹介。問題は発想の飛躍を求められるものが多く、いわゆるベタは敬遠されていた。
[編集] スタッフ
[編集] 松ごっつ
[編集] 概要
この番組では共演者として正式に木村祐一と板尾創路が参入。ロケで行うコーナーやゲスト出演者を迎えてのコーナーなど、よりバラエティに富んだ番組となった。
[編集] 放送期間
- 1998年4月14日~1998年9月22日(全24回)
- 毎週火曜日/30分
- フジテレビ系列
[編集] 出演者
[編集] 主なコーナー
- 教えよう!
- 視聴者からの、日常の行動をいかに面白く出来るかという投書に松本が答える体裁のコーナー。幾つも紹介されるネタは何故か静止画像が多用される。
- 面雀
- さまざまな語句が書かれた木の板を麻雀のように10個ずつもち、場に出した語句の上か下のいずれかに手持ちの札からひとつを出し、合わせて笑いの取れる言葉を作る。4組で行い、4組が出し終わると相談してどれが面白いか決める。最終的に、最も面白かったネタを作った人が勝利。三組は松本・板尾・木村で、残りの1枠はゲスト。奥田民生やパフィーなどの大物ゲストから、山崎邦正・リットン調査団などの芸人ゲストまでバラエティーに富んでいた。
- オヤジ関係あらへんがな!まで10分
- 普通の会話を続け、10分後に「オヤジ関係あらへんがな」というワードを導き出す。必ず十分後に来るオチまでの経過を楽しむ企画。
- この際、一度鬼ババになってみようのコーナー
- 鬼ババのメイクをして一般家庭のダイニングで暴れる、という企画。芸能人を呼んでやらせようとしていたが、芸能人からの応募が来ないのでなんとか勧誘、鬼ババの格好をさせようとする体。様々なバリエーションに発展する。後に以下の様々な芸能人がゲスト参加した。なお、ゲストの中で原田龍二のみが自ら参加を申し出て出演した。
- サウンド・オブ・クリーニング
- 第一回目:新宿中央公園(新宿区)
- 第二回目:西戸山公園(新宿区)
- 第三回目:恵比寿公園(渋谷区・建て直しのため番組で出たトイレは現存せず)
- 第四回目:大蔵運動公園(世田谷区)
- 師匠のボケろや!!
- 着ぐるみの師匠が、一向にボケようとしない市井の人々をボケさせようとしては失敗、逆ギレする映像に松本のナレーションをかぶせた作品。大暴れする師匠と、松本のテンションの高いナレーションが絶品。
- 絶妙の間とタイミング
- さまざまな設定を松本が用意し、板尾と木村がボけ、それに対し絶妙の間とタイミングで松本が突っ込む。上記「オヤジ~」の逆の発想。いつ来るか分からないオチまでの展開を注視させ展開を楽しませる狙い。
- 力の抜ける服でおはよう
- それぞれの、力の抜ける服を着て喫茶店に松本、板尾、木村の三人が集合する。
- 寝言
- 松本、板尾、木村が雑魚寝し、それぞれの寝言で笑いを取ろうとする実験企画。
- 別れ話のコーナー
- 師匠に「お笑い一筋にせぇ。もう色恋沙汰やっとる場合ちゃうで、番組内で別れえ。」といわれた松本が板尾、木村に呼びかけ、喫茶店で別れ話をする。木村はバーのママ、板尾は中学生、松本は老婆と別れ話をしていた。
[編集] スタッフ
[編集] 松本人志24時間大喜利
[編集] 概要
一人ごっつシリーズの集大成とも言える特別企画。鎌倉市にある妙本寺という寺を借りきり、百人前後の客を入れてその前で24時間答えを出し続けた。数問のお題は板尾・木村の二人が担当したり、三人で行ったりもした。芸能人からのお題にも答えた。
夜中にしとしとと冷たい雨が降ったり、夜明け後は強風が吹いたりと過酷なコンディションであったが、見事に乗り切ったあと松本は「ガキとかCXとかで色々24時間やりましたけど、これホンマ辛かった」とため息交じりの感想を述べた。後にインタビューで「今まで誰もやった事のない、未知の領域に踏み込んだ感じがしてわくわくした」と語り、この仕事をやり切った事を誇りに思っている事がうかがわれる。
なお、お題と答えは松本人志の24時間大喜利のコーナー(非公式データベース)で全て見ることが出来る。
[編集] 放送期間
- 1998年12月24日~28日深夜
[編集] 外部リンク
- 松本人志の一人ごっつ 非公式データベース