板尾創路
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板尾 創路(いたお いつじ、1963年(昭和38年)7月18日 - )とは、大阪府富田林市出身のお笑いタレント、俳優である。血液型はA型。漫才コンビ130Rのボケ担当。吉本興業所属。吉本総合芸能学院(NSC)の4期生。既婚。
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[編集] 来歴・人物
ケーキ店「パルナス」三国ヶ丘店(堺市北区)に勤める両親の息子として生まれる。十代の時にケーキを持って島田紳助の家までいきなり押しかけ、弟子入りを志願したことがある。紳助にはすでに弟子が一人いたため断られるが、NSC入りを勧められた。結局、弟子にはなれなかったが紳助は板尾の才能を高く評価しているらしい。
130R結成以前に、「ホンコン・マカオ」というコンビを組んでおり、その時の芸名が“ホンコン”であった。解散後、同期の蔵野孝洋(現・ほんこん)に“ホンコン”の名を譲り渡し、蔵野が2代目「ホンコン・マカオ」を結成。2代目「ホンコン・マカオ」解散後に、板尾と蔵野で130Rを結成した。
1991年よりフジテレビ系「ダウンタウンのごっつええ感じ」にレギュラー出演したのを機に、全国区にその名を知られるようになる。また、「イッツジー」と呼ばれるようになった。代表作は「板尾係長、課長、部長、人事部長、社長シリーズ」や「神さん」、「シンガー板尾」など。以後、ダウンタウンがメインを務める番組を中心に様々な番組に出演。また「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」では、しばしば嫁と称する外国人女性とその子供と共に登場し、番組に様々なクレームをつけては、ゆすりのようにお金をせびるキャラを演じている。板尾の嫁に扮する女性の「もちろんそうよ」「その発想は無かったわ」は一部の若者の間で流行した。設定は離婚経験者で、前々妻はブラジル人であった(契約完了後にヌード写真を掲載した)。今現在設定上の妻はインド人である。ちなみに彼は既婚者で本当の妻は日本人である。この企画はシナリオに基づいて制作されているものであるが、板尾とその妻役の演技が余りにもリアルであったため、企画の意図を理解できていない視聴者がこれを事実であると誤認し、苦情が殺到してしまったという。かつては「嫁」の顔にモザイクがかけられており(現在は無し)、この設定にいっそう真実味を持たせる結果になった。今の嫁は80年代の洋楽に合わせてダンスを行い、それが非常に人気を博し「罰ゲーム」シリーズでは必ず登場しダンスを踊る。
しかし、このシリーズでの怪演ぶりが各方面からの注目を集め、後にドラマやVシネマ、舞台など、俳優業でもその才能を発揮する事となる。現在は深夜枠のバラエティ番組中心に出演している。特に、「虎の門」(テレビ朝日系列)のしりとり竜王戦では彼の芸風が生きており、歴代最多の優勝回数を誇っている。
1994年に14歳の中学3年生を相手に淫行をした為、大阪府青少年健全育成条例違反容疑で、警察に逮捕された過去を持つ。その為、芸能活動が困難になるが、松本人志らが事務所などに働きかけ1年後復帰した。しかし松本は表では芸人として板尾をいじるため、復帰早々「よ!犯罪者!」と掛け声をあげた。これは彼流の激励の表現である。事件は相手の少女が別件で補導された際に発覚したもので、事件としては相手が18歳と自称したこと、合意だったことなどがあり解雇までは至らず、仕事的には松本の強力なバックアップの存在などがあり、復帰も一定期間の謹慎後果たすことが出来た。ごっつええ感じのネタ「いたぴー」の中で、休憩中にたまりで「女子高生カタログ」を読んでいたことを取り上げられ、YOUに「またなの?また半年休むの?あんたにとってレギュラーって何なのよ!」と罵倒された。
2001年には木村祐一との漫才コンビ「イタキム」でM-1グランプリに出場、準々決勝で敗退したが、木村とはTBSラジオ「ブジオ!」等で共演している。フジテレビ系「FNSオールスターズ27時間テレビ夢列島」にはその木村や松本人志らと「お笑い能力開発ゼミナール」のコーナーに出演し、優勝。そこで、司会を務めた松本からは「まさか最後、前科者に(1位を)くれてやるとは思わんかったわ」とここでも事件をネタにされた。
映画・テレビドラマにも脇役ながらもしばしば出演するようになった。2005年9月にはMALCOの「男はバカなのか 俺がバカなのか」をはじめ、以降同アーティストのジャケット写真とプロモーションビデオへの出演をするなど、お笑い以外でも活躍の場を広げつつある。俳優の原田芳雄氏に「板尾は良すぎる。」と評価されている。
近年、虎の門の1コーナーしりとり竜王戦で、永世竜王の座を手にし、しりとりキングとしても知られるようになった。特に「せつない言葉」での「クルージングの途中だがさらばじゃ」というフレーズは、しりとり竜王戦史上、名言中の名言として一部では語り継がれている。
2006年11月よりGyaOにて放送中の『キムサウンドストーリー』ではアニメになって出演中。キムサウンドというレコード会社で働く警備員の設定で出演者に占いをするなどしてアドリブで絡むらしい。
母親のさよ子には「いつじ」が言いにくいため、創路の読み換えで「いちろう」と呼ばれている。父親である章はこの事を「まぁええやないか」と納得している。
板尾は母親に顔がそっくりで、母親も天然が入っているため天然ボケも遺伝だと思われる。
章氏の趣味は川柳と登山。
- 代表作
- 好きな人 よそ見してたら 奪われる
- エマニエル 夫人を知らぬ 山の肌
- 十二月 三十一日 山に行く
嫁からは「いーちゃん」と呼ばれている。
独特の発想力とシュールな芸風で、バラエティ番組では一癖のあるスパイスを加えてくれる貴重な存在である。だが芸風に似合わず、素は天然で数々の板尾伝説を残している。
[編集] 逸話
- 本人は気がついていないらしいが、かなり天然が入っているらしい。
- 中学生の修学旅行団体が勝手に写真を撮り始めると、カメラを取り上げ、放り投げた。
- トラックの運転手をしていた(放送室 (ラジオ番組)より)。実際に観光バスを運転する姿がぐっさん家で確認されているので、大型自動車の免許を持っているのは間違いない。
- 元ヤンキーで、街中でからんでくる輩には一歩も引くことがない。
- 劇団「大人計画」主宰・松尾スズキが、自著の中で「お笑い芸人の中で圧倒的に芝居が上手い」という趣旨の絶賛をしている。
- 「ガキの使い」の罰ゲーム『笑ってはいけない高校(ハイスクール)』で、オートバイに乗ろうとしたとき三段シートに足が引っかかり、遠藤を除く全員を笑わせた(遠藤は見ていなかった)。松本いわく「板尾の天然出たんやって!」
- 新潟中越地震が発生し、東京もある程度揺れた。そのときルミネtheよしもとで新喜劇をやっていた板尾は、動揺して焦って急いで帰ったが、劇で顔につけていた付けボクロをそのままつけたまま帰ってしまったという話もある。
- ある舞台に出演した際の本読みの時に、脚本に書いてあった「ミライ(未来)」をずっと「ミイラ」と読んでいた。あまりにも間違え続けるので、一緒に出演した後輩の宮川大輔が見かねて注意した。しばらくは治まったが、最後にまた「ミライ(未来)」を「ミイラ」と間違え、宮川に指摘されると舌打ちして「なんでカタカナやねん」と呟いた。
- 前述の舞台の打ち上げで居酒屋に行った際、テーブルに置いてあったポケットティッシュを見て「おう、とろけるチーズ置いてあるやんけ」と呟いた。
- 楽屋のエアコンの調子が悪かったとき、ずっとエアコンにたいしてメンチを切り続けていた(千原ジュニア談)。
- 楽屋で流れていた音楽がうるさかったとき、ずっとスピーカーと間違えエアコン吹き出し口にたいしてメンチを切り続けていた(千原ジュニア談)。
- 顔が母親に似ている。
- ナインティナインのオールナイトニッポンで「ビートたけしのまったく新しいものまね」を振られ、苦し紛れに『グラッチェ!!』と言ったが、数日後の生放送特番でたけしが本当に『グラッチェ』発言をしたため「予知笑い」という言葉が上がった。
- 中学の時たまたま火災現場を見かけた際、すぐさま119番通報をし、消防署から感謝状をもらった事がある。
- 2006年から2007年にかける年越10時間にも及ぶ番組の生放送中に、待ち時間が長かったせいか、帰ってしまった。司会の今田耕司が気付き、千原ジュニアが弁明した。
- 映画の撮影で田舎の旅館に泊まり、共演していた千原ジュニアと近所の居酒屋にいくことになった。鍵を近所なので預けず持っていくことにし、ご飯を食べ終わり旅館に帰ってくると板尾はなぜかフロントに鍵を置き部屋へ帰っていった。だが2階の踊り場で気づき「あ、ちゃうわ」と戻っていった(千原ジュニア談)
- 家では黒いシルクのパジャマを着ている。
- 「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」の罰ゲーム「笑ってはいけない温泉旅館」でガンマンとして現れたが、撃たれてハケる時にドアの位置を間違えた。
- 靴紐を結んでいて何の力も加えられてないのにそのまま後ろに倒れたことがある(今田耕司談)。
- 甲子園に野球を見に行き、7回の表で飛ばされた風船が9回の表になって板尾の頭の上に落ちてきた。が、本人は全く動揺せず、顔色一つ変えず髪をかき上げていた(千原ジュニア談)
- 透明のガラスによく当たるが、当たっても顔色を変えることなく髪をかき上げる。
- ヨシモト∞の千原靖史司会の「靖史のこだわり番長!!」というコーナーでコレクションのこだわりを聞かれフリップに「シッターチャンスの失敗」と書いた。(正しくは「シャッターチャンスの失敗」)同じく出演していたフットボールアワーは「これが噂に聞いていた!」「伝説の一部や」と板尾の天然ぶりを間近で拝見し喜んだ。
- 目を瞑ってしまって失敗したスナップ写真を集めている。
- ルミネtheよしもとで地震が起こった際、マジシャンの設定で大きな箱に入っていた。揺れているのでほっしゃん。も入れてもらおうとしたら、蓋を閉じてしまった。
- なんばグランド花月で新喜劇をやった際、カーテンコールでファンの女の子がプレゼントを渡そうと板尾の所にやってきた。板尾はそれに気づき受け取りに行こうとするが、緞帳が下げられてる途中で緞帳に背中をぶつけた(ほんこん談)
- ルミネtheよしもとで130Rが忍者の役をやった際、出番を間違えて暗転中で真っ暗な中を「あ~!」と言いながら走り抜けた(ほんこん談)
- 楽屋で何かを書いていた際、間違えたのかその紙を丸めて後輩が買ってきたサンドイッチの袋に入れた。その後また書いていたが2、3分後間違えに気づき、「あ、ちゃうわ」と呟いた(ほんこん談)
- コンタクトをしていた時期、舞台の日にコンタクトをし忘れたのでほっしゃん。が「暗転中は自分が引っ張っていくのでつかまって下さい」と伝えに行くと、「全然大丈夫やで」と言っていた。しかしいざ暗転で暗くなるとほっしゃんの腕にしがみつき、腰を抜かしそうになっていた(ほっしゃん。談)
- ネタの最中台詞が飛んでも顔の表情を変えないため、相方のほんこんが間違えたような空気になる。
- ほんこんが当時ワンルームマンションに住んでいた板尾の家へ遊びに行った際、バズーカ砲のTVゲームを部屋が狭いため廊下に出て、遊んでいた。ほんこんが「おう板尾!」と呼ぶと「おうもうすぐや!」と構えながら言った。(ほんこん談)
- 東野幸治が板尾の家へ遊びに行った際、プロ野球のTVゲームをコンピューター同士で対戦させて見ていた。それをほんこんに暴露されると「いい試合しよんねん」と弁明した。
- 虎ノ門のしりとり竜王戦のコーナーで生放送中にも関わらず寝てしまったことがある。
- 木村祐一が普段の生活が謎に包まれている板尾に「休みの日何してるんですか?」と聞いた際、「家におるよ」と言うので、さらに「嫁さんとですか?」と聞くと「嫁と一緒に、おるな。まあ、あの、好きやからな。」と答えた。板尾は「家が好きだというつもりで言ったけど、嫁が好きだという風に思われてる」と思ったのか4秒くらいしてから顔が真っ赤になった。
- 虎ノ門の生放送SP終了後松本人志の楽屋へ来て「すいません。なんか、思ったとおり調子よくなかったですわ」と言いながら楽屋のテーブルを一周回って出て行った。
- 松本らと鍋を食べた際、何度も昆布を掴んでいた。5回目でついにしびれをきらし「こぶばっか掴んでしまうわ・・」とイラつきながら呟いた。
- 未だにセカンドバッグを持っていて中には携帯妨害機が入っている。
- その妨害機が鍋をしてる最中もONになっていて電話が全然入らないので松本が「板尾OFFにしてーな」というと「・・・あ、そうか」と呟いた。
- 年末「ガキの使い」の撮りが最後の日、両手を挙げながら「それでは皆さん!よいお年を!」と言い帰っていった。その20分後置き忘れたセカンドバッグを取りに戻ってきて、うっすら顔を赤らめながら「カバン忘れた」と呟いた。
- 板尾の嫁は毎年松本の家にお歳暮を贈っている。2002年はコーヒーだった。
- 吉本興業の副社長である大崎洋の奥さんが飼っているマルチーズを連れてルミネを見に来た際、「あ、可愛いですねー」と言いながら撫でていたら噛まれた。だが犬は好きなのでその後小声で「おー、なんやさっき怖かったんか?」と犬に話しかけていた。
- 木村祐一と千原ジュニアがデパートで買い物をしていた際、寝具売り場で50歳くらいの女性とダブルベットを見ている板尾を目撃した。ジュニアがその話を東野にし、番組で東野がその事を追求すると、笑いながら「それはなぁ、人違いや」と答えた。(千原ジュニア談)
[編集] テレビ
[編集] バラエティ
現在
- 西川きよしのご縁です!(東海テレビ放送)
- ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!(日本テレビ系)※不定期
- 虎の門(テレビ朝日)※不定期
- タモリ倶楽部(テレビ朝日)※不定期
- 着信御礼!ケータイ大喜利(NHK総合テレビジョン)
- ヨシモト∞(ヨシモトファンダンゴTV)※不定期
- 淀川★キャデラック(テレビ大阪)
過去
- ダウンタウンのごっつええ感じ(フジテレビ)
- あざーっす!(TBS)※不定期
- 水野キングダム(東京MXテレビ)
- キムサウンドストーリー(GyaO/USEN)
- Neo Happy系教育テレビ(テレビ大阪)
- DIVA(テレビ東京・テレビ大阪)
ほか
[編集] テレビドラマ
現在
過去
- 古畑任三郎(フジテレビ)
- カバチタレ(2001年、フジテレビ)
- ナニワ金融道5(フジテレビ)
- 明日があるさ(2001年、日本テレビ)
- THE WAVE!(2005年、フジテレビ)
- 牙狼<GARO>(テレビ東京)
- 愛の劇場 あっとほーむ(2000年、TBS)相馬拓也 役
ほか多数
[編集] インターネット配信
- ザッサー (2006年、第2日本テレビ)
[編集] ラジオ
[編集] 映画
- 幸福の鐘(2002年)
- ジョゼと虎と魚たち(2003年)
- ナイン・ソウルズ(2003年)
- スペースポリス(2004年)
- 妖怪大戦争(2005年)
- 空中庭園(2005年)
- ワースト☆コンタクト(2005年)
- 真夜中の弥次さん喜多さん(2005年)
- 魁!!クロマティ高校THE★MOVIE(2005年)
- 仮面ライダー THE FIRST(2005年)
- 着信アリFinal(2006年)
- オトシモノ(2006年)
- デスノート the Last name(2006年11月3日、金子修介監督)
- ユメ十夜 第十夜(2007年1月27日公開)
- 大日本人(2007年6月2日公開)
ほか多数
[編集] 舞台
[編集] 書籍
- 板尾日記(2006年11月)
- 板尾日記2(2007年3月)