佐藤優 (外交官)
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佐藤優(さとう まさる、1960年 - )は日本の外交官である。2007年現在、起訴休職外務事務官。ロシアで情報活動を行い、「異能の外交官」、「外務省のラスプーチン」などの異名をとる。
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[編集] 来歴
[編集] ノンキャリア外交官
東京都生まれ。埼玉県立浦和高等学校、同志社大学神学部卒業。同大学院神学研究科修了後、1985年にノンキャリアの専門職員として外務省に入省。1988年から1995年まで在露日本大使館三等書記官。モスクワ大学留学を経て、旧ソ連での外交情報収集・情報分析を担当する。
[編集] 鈴木宗男との関係
この頃、鈴木宗男と関係を築く。その威光を背景にその後国際情報局分析第一課で主任分析官(課長補佐級、佐藤優のために急造されたポストといわれる)として活躍したとされる。が、彼の著作などから類推すると、反鈴木宗男キャンペーンなどによりつくられた話、という見方もできる。
[編集] 逮捕
2002年2月22日、外交史料館へ異動。2002年5月14日、背任容疑で逮捕。同年7月3日、偽計業務妨害容疑で再逮捕。2004年10月、保釈。2005年2月に執行猶予付き有罪判決を受け控訴していたが、2007年1月31日、二審の東京高等裁判所は一審の地裁判決(懲役2年6ヶ月 執行猶予4年)を支持し控訴を棄却。一審判決で執行猶予がついたことを機に、捜査の内幕や背景などをつづった『国家の罠』を出版し大きな反響を呼んだ。
[編集] 容疑
- 支援委員会をめぐる背任
[編集] 文献
外交官としての経験と知識を生かし、新聞・雑誌などに外交評論を執筆している。現在の連載は『SAPIO』に「SAPIO intelligence database」、『月刊現代』に「外務省『犯罪白書』」。
2005年には著作『国家の罠』が新潮ドキュメント賞および講談社ノンフィクション賞の最終候補作となるも落選したが、第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞する。続く2006年に『自壊する帝国』で第5回新潮ドキュメント賞の受賞を果たした(講談社ノンフィクション賞にもノミネートされたがこちらは受賞を逃している)。
[編集] 著書
- 2005年3月 『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』新潮社、ISBN 4104752010
- 2005年9月 『国家の自縛』産経新聞出版、ISBN 4594050239
- 2006年3月 『国家の崩壊』にんげん出版、ISBN 4931344119
- 聞き手:宮崎学(作家)
- 2006年5月 『自壊する帝国』新潮社、ISBN 4104752029
- 2006年7月 『日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く』小学館、ISBN 409389731X
- 2006年9月 『北方領土「特命交渉」』(鈴木宗男と共著)講談社、ISBN 406213666X
- 2006年11月 『インテリジェンス――武器なき戦争』(手嶋龍一と共著)幻冬舎(幻冬舎新書)、ISBN 4344980115
- 2006年12月 『獄中記』岩波書店、ISBN 4000228706
- 2006年12月 『ナショナリズムという迷宮-ラスプーチンかく語りき』(魚住昭と共著)朝日新聞社、ISBN 4022502452
[編集] 翻訳書
- 1996年6月 ゲンナジー・ジュガーノフ『ロシアと現代世界 汎ユーラシア主義の戦略』(黒岩幸子と共訳)、自由国民社、ISBN 4426752000
- 1997年1月 J.L.フロマートカ (Josef Lukl Hromadka、日本ではロマドカの名称でも知られる) 『なぜ私は生きているか J.L.フロマートカ自伝』(解説の執筆も)、新教出版社、ISBN 4400520293
- 1997年9月 アレクサンドル・レベジ『憂国』(工藤精一郎、工藤正広、黒岩幸子と共訳)、徳間書店、ISBN 419860715X
[編集] 関連人物
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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