国際博覧会
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国際博覧会（こくさいはくらんかい）は、国際博覧会条約（BIE条約）に基づいて行われる、複数の国が参加する博覧会である。通称、万国博覧会またはその略称として万国博・万博。あるいは博覧会の英語表記expositionの略で、EXPO（エキスポ、エクスポ）とも呼ばれる。 BIEが認めれば国際博覧会（万博）と称する事ができ、例として国際園芸博覧会やミラノ・トリエンナーレがある。
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[編集] 目的
国際博覧会条約によれば、国際博覧会とは、「複数の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであり、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは複数の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」とされている。
[編集] 歴史
様々な物品を集めて展示する博覧会（国内博覧会）は、1798年、フランス革命期のパリで初めて開催された。1849年までにパリで11回開催され、徐々に規模が大きくなっていった。同様の博覧会がベルギー・オランダなど各国でも開催されるようになると、1849年、フランスの首相が国際博覧会を提唱し、1851年に第1回国際博覧会がロンドンで開催される事になった。
初期の万博ではクリスタル・パレス（水晶宮）が造られた1851年のロンドン万国博覧会（第1回）やエッフェル塔が建設された1889年の パリ万国博覧会（第4回）などが著名である。
その他、万博のリストは国際博覧会一覧を参照。
[編集] 国際博覧会の区分と手続き
国際博覧会条約に基づく博覧会を行うには、開催を希望する政府が博覧会国際事務局（BIE:The Bureau International des Expositions）」に申請（立候補）し、総会で承認される必要がある。
国際博覧会は会場の規模やテーマなどから、主に「登録博覧会（登録博）」と「認定博覧会（認定博）」の2つに大別されている（以前は「一般博」と「特別博または国際博」に区分されていた）。
国際園芸家協会が認定した国際園芸博覧会のうち大規模なものでBIEが認めたものと、ミラノ・トリエンナーレでBIEが認めたものは、「認定博（以前は「特別博」）」として、国際博覧会と称することが出来ることとなっている。
一般的に、国際博覧会は開催国政府が主催する事が多いが、政府以外が主催者になっても良い。ただし、国際博覧会条約の事務局である「博覧会国際事務局（BIE）」に国際博覧会開催を申請（立候補）出来るのは各国政府のみである。政府以外の団体が主催者となった場合、その主催者はBIE条約上、政府機関とみなされる。具体的には、愛知万博主催者の財団法人 2005年日本国際博覧会協会などがこれにあたる。BIE条約非加盟国も、国際博覧会に参加する事は出来る。大規模な国際博覧会の場合、参加国はBIE条約加盟国数よりも多くなる事が多い。又、BIE条約非加盟国が国際博覧会開催を申請する事も制度上は可能である。ただし、その場合、申請と同時にBIE条約に加盟する事が多い。日本は大阪万博開催申請直前にBIE条約を批准した。 詳しくは、国際博覧会条約（博覧会国際事務局）を参照のこと。
[編集] 日本と国際博覧会
幕府及び薩摩藩・佐賀藩が出品したのが1867年のパリ万国博覧会（第2回）である。日本政府が公式参加をしたのは、1873年ウィーン万博からである。明治・大正頃の博覧会では、日本の芸妓が接待役を務め、このとき紹介された浮世絵はモネらフランスの画壇に影響を与えたことは広く知られる。これらはジャポニズムと呼ばれた。日本の展示館は、シカゴ万博では宇治平等院風のもの（フランク・ロイド・ライトに影響を与えたという説もある）、1900年パリ万博では法隆寺ふうのものなど、伝統的様式で建設され、エキゾチックな印象を与えて好評を博したという。しかし1900年パリ万博では日本の出品物は酷評され、明治政府は輸出振興のためにデザインの必要性を認識し『図案』誌を発行するなど、日本の芸術・産業にも大きなインパクトを与えた。
1928年には、国際博覧会条約を締結し、博覧会国際事務局（BIE）が設置された。
日本での国際博覧会の開催は、神武天皇即位紀元（皇紀）2550年にあたる1890年に最初の計画があったが、時期尚早ということで取りやめになり、続いて皇紀2600年にあたる1940年に、東京の月島（晴海）などを会場に「紀元2600年記念 日本万国博覧会」及びオリンピックを開催すべく準備が進められた。前売り券（10円）も販売され、勝鬨橋は整備の一環で造られた。日中戦争が激化したため、軍部の反対及び参加国の減少が確実になったことで、1938年中止が決定した。中止になった「紀元2600年記念 日本万国博覧会」の前売り券は、1970年の「日本万国博覧会」及び2005年の「2005年日本国際博覧会」で使用可能であった。
日本およびアジアでの開催は、1970年に大阪で開かれた日本万国博覧会（通称、大阪万博）が最初である。大阪万博では巨大なインフラ整備が行われ、会場跡地は万博記念公園や大阪大学の一部などになっている。国際博覧会は次のとおり。
- 1970年 日本万国博覧会（大阪万博）・・・一般博
- 1975年-1976年 沖縄国際海洋博覧会（沖縄海洋博）・・・特別博
- 1985年 国際科学技術博覧会（筑波科学博、つくば万博、科学万博）・・・特別博
- 1990年 国際花と緑の博覧会（花博、花の万博）・・・国際園芸博+特別博
- 2005年 2005年日本国際博覧会（愛知万博、愛・地球博）・・・特別博（国際博にも含まれる。新条約における登録博）
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- 大阪花博は国際園芸家協会認定による国際博覧会である。
- 国際園芸・造園博「ジャパンフローラ2000」（淡路夢舞台、2000年）、浜名湖花博（浜名湖ガーデンパーク、2004年）等の博覧会は海外からも参加しているが国際博覧会ではない。BIE条約に基づいて政府が開催申請し、BIEの承認を受け、政府およびその受託を受けた博覧会協会が中心になって運営するものが国際博覧会である。
- かつては国際博覧会には一般博・特別博（または国際博）の区別があったが、現在は登録博・認定博となっており、愛知万博は特別博として申請中に制度が変わり登録博になった。（詳しくは、博覧会国際事務局で説明）
- 国際博覧会の担当官庁は、基本的には開催国・地域を問わず、経済産業省である（総括は内閣が行う）。ただし、今まで国内で開催された特別博や今後開催される認定博の場合、テーマごとにその分野を担当する官庁が主導することになっている（例：2006年のチェンマイ国際園芸博は国土交通省と農林水産省が担当する）。なお、今まで国内で行われた総合的な博覧会（一般博・登録博）の場合は、経済産業省が責任を持つが、政府代表の派遣や博覧会国際事務局との交渉、参加国招致と参加各国との調整などは外務省と共同で行い、会場やパビリオンの建設は国土交通省や開催都道府県などが分担した。
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- なお、1970年の日本万国博覧会（大阪万博）以降、日本が参加・開催した主な国際博覧会は次のとおり（国際園芸博を含む）
- 1974年 スポーケン国際環境博覧会（特別博）
- 1975年 沖縄国際海洋博覧会（特別博）：沖縄海洋博
- 1982年 ノックスビル国際エネルギー博覧会（特別博）
- 1984年 ニュー･オルリンズ国際河川博覧会（特別博）
- 1984年 リバプール国際庭園博覧会（国際園芸博+特別博）
- 1985年 国際科学技術博覧会（特別博）：つくば万博、筑波科学博、科学万博
- 1986年 バンクーバー国際交通博覧会（特別博）
- 1988年 ブリスベン国際レジャー博覧会（特別博）
- 1990年 国際花と緑の博覧会（国際園芸博+特別博）：花博、花の万博
- 1992年 セビリア万国博覧会（一般博）
- 1992年 ジェノヴァ国際船と海の博覧会（特別博）
- 1992年 ハーグ・ズータメア国際園芸博覧会（国際園芸博+特別博）
- 1993年 大田国際博覧会（特別博）
- 1993年 シュトゥットガルト国際園芸博覧会（国際園芸博+特別博）
- 1998年 リスボン国際博覧会（特別博）
- 1999年 昆明世界園芸博覧会（国際園芸博+特別博）
- 2000年 ハノーヴァー万国博覧会（一般博）
- 2002年 ハールレマミーア国際園芸博覧会（国際園芸博+特別博）
- 2003年 ロストック国際園芸博覧会（国際園芸博+認定博）
- 2005年 2005年日本国際博覧会（登録博）：愛知万博、愛・地球博
- 2006年 チェンマイ国際園芸博覧会（国際園芸博+認定博）：2006年11月1日～2007年1月31日の予定
- なお、1970年の日本万国博覧会（大阪万博）以降、日本が参加・開催した主な国際博覧会は次のとおり（国際園芸博を含む）
