宇部港駅
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宇部港駅(うべこうえき)は、かつて山口県宇部市小串に存在した日本貨物鉄道(JR貨物)宇部線貨物支線の貨物駅。貨物取扱量が日本一であった時期もあった。
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[編集] 駅概要
宇部港に面する、宇部興産の最重要拠点工場が付近にあり、当駅で取り扱う貨物も宇部興産向けの石灰石や石炭等が大半であった。工場へ多くの専用線が伸びていた。なお、当駅は工場の東半分へ続く専用線が分岐し、残りの西半分への専用線は隣駅の居能駅から分岐していた。
その他に貯炭所が設けられていた宇部港石炭埠頭へ続く専用線もあり、石炭の出荷に使用されていた。
[編集] 現状
1999年の貨物支線休止後しばらくして、踏切の線路側にガードレールが設置されたり、信号機の向きが横向きに変えられるなどされていたため、すでに当時から路線再開の意志は無いに限りなく等しかったと思われる。現在はほとんどの線路が撤去されているものの、それ以外は廃線跡は廃止当時に近い状態のまま残されている。
現在、居能~宇部港間の廃線跡に平行する国道190号から分岐する都市計画道路宇部湾岸線の建設工事が進められており、跡地が部分的に道路に改築されるものと推測されている。
また、宇部港駅であった敷地の一部は『TSUTAYA JRF宇部中央店』となっている。店舗名のJRFが示す通り、JR貨物が関連事業としてTSUTAYAのフランチャイジーとして運営している店舗である。
[編集] 現在の駅周辺
- 宇部興産ケミカル工場
- 宇部興産宇部セメント工場
[編集] 歴史
- 1929年(昭和4年)5月16日 - 宇部電気鉄道 新沖山駅~当駅間開通と同時に、沖ノ山旧鉱駅として開業。
- 1930年(昭和5年)4月29日 - 宇部電気鉄道 当駅~沖ノ山新鉱駅間が開通。
- 1931年(昭和6年)7月21日 - 宇部鉄道 宇部新川駅~当駅間の連絡線が開業。
- 1937年(昭和12年)10月1日 - 宇部鉄道連絡線の旅客営業が廃止。
- 1941年(昭和16年)11月29日 - 宇部鉄道が宇部電気鉄道を合併。
- 1943年(昭和18年)5月1日 - 宇部鉄道が国有化、宇部西線所属となる。同時に宇部港駅に改称。
- 1948年(昭和23年)2月1日 - 宇部西線が小野田線に改称。
- 1949年(昭和24年)3月1日 - 旅客営業を廃止。
- 1952年(昭和27年)4月20日 - 宇部新川駅~当駅間の貨物支線が廃止。同時に宇部線所属に変更。
- 1961年(昭和46年)11月1日 - 当駅~沖ノ山新鉱間が廃止、宇部興産専用線となる。
- 1975年(昭和50年)4月 - 宇部市~美祢市間に宇部興産専用道路が開通。
- 1982年(昭和57年)3月 - 興産大橋が開通し宇部興産専用道路が全通。以降、貨物取扱量が激減する。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR貨物の駅(宇部線所属)となる。
- 1998年(平成10年)4月1日 - 美祢線美祢駅からの石灰石輸送貨物列車が廃止。
- 1999年(平成11年)7月1日 - 宇部駅継走の濃硝酸輸送貨物列車が廃止。列車の設定廃止。
- 2006年(平成18年)5月1日 - 廃止。
[編集] 隣の駅
- 日本貨物鉄道
- 宇部線 貨物支線
- 居能駅 - 宇部港駅