宇部駅
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宇部駅(うべえき)は、山口県宇部市際波にある西日本旅客鉄道(JR西日本)及び日本貨物鉄道(JR貨物)の駅である。
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[編集] 概要
宇部市における鉄道の“玄関口”である。炭鉱で栄えた頃は、駅前に競馬場や映画館などがあり、娯楽施設が充実したエリアだった。現在は、住宅地や近隣商業施設が並ぶ閑静なエリアである。市街地から西に離れた場所に位置するため、市の中心部にある宇部新川駅が実質的な代表駅とされる。このこともあって、一時期、宇部新川駅が宇部駅となり、当駅は“西宇部駅”と改称されたこともあった。現在の乗降客数は、宇部駅が宇部新川駅を上回っている。
以前は、山陽本線宇部駅~厚狭駅間は旅客用複線に加え、単線の貨物線が並走。計3線となっていた。これは美祢線から宇部線宇部港方面への貨物(主に石炭・石灰)輸送が盛んであることに加え、本数の多かった山陽本線を平面交差することがダイヤ上困難であったことによる。石灰輸送を目的にした道路(宇部興産専用道路)の完成で需要が減り、貨物線は廃止。現在、貨物列車は旅客用複線を走行している。
かつては旧楠町と宇部を結んでいた軽便鉄道である船木鉄道の始発駅でもあった。1961年に廃線となっている。
[編集] 利用可能な鉄道路線
[編集] 駅構造
3面6線構造をもつ。
0 | ■宇部線 | 居能・宇部新川方面 |
---|---|---|
1 | ■宇部線 | 居能・宇部新川方面 |
■山陽本線(下り) | 厚狭・下関・九州方面(宇部線からの直通) | |
3 | (旅客列車未使用) | |
4 | ■山陽本線(下り) | 厚狭・下関・九州方面 |
5・6 | ■山陽本線(上り) | 新山口・防府・徳山方面 |
- 2番乗場は存在しない。
- 3番乗場は山陽本線下り待避線であるが、現在は定期列車の発着はない。上り待避線である6番乗場は、1日1本のみ貨物列車待避のために使われる。
- 山陽本線上りのホームに、すでに廃止された寝台特急の号車案内が残っている。
[編集] 駅構内
[編集] 貨物駅
JR貨物の貨物駅は、旅客駅南口の西側に位置する。
- 取扱貨物
- コンテナ貨物
- 12ftコンテナ、20ft大型コンテナを取り扱う
- 産業廃棄物・特別産業廃棄物の取扱許可を得ている。
- 駅構造
- 2面のコンテナホーム、2本の荷役線、その他数本の側線を有する。
- 営業窓口であるJR貨物宇部営業を併設する。
[編集] 利用可能なバス路線
[編集] 駅周辺
- 宇部鴻城高等学校
- 山口県立宇部西高等学校
- 山口県立宇部商業高等学校
- おくりもの乃店 幸屋(老舗の土産物店)
- 宇部ステーションホテル
- パルティ・フジ西宇部(複合型ショッピングセンター)
[編集] 利用状況
- 1日平均の乗車人員は1,922人である(2005年度)
[編集] 歴史
- 1910年(明治42年)7月1日 - 国鉄の宇部駅として開業。旅客・貨物の取扱を開始。
- 1914年(大正3年)1月9日 - 宇部軽便鉄道(後の宇部鉄道)当駅~宇部新川駅間が開業。
- 1916年(大正5年)9月16日 - 船木軽便鉄道(後の船木鉄道)当駅~船木町間が開業。
- 1943年(昭和18年)5月1日 - 宇部鉄道が国有化。西宇部駅に改称、同時に宇部新川駅が宇部駅に改称。
- 1961年(昭和36年)11月19日 - 船木鉄道線が全線廃止。
- 1964年(昭和39年)10月1日 - 宇部駅に改称。
- 1986年(昭和61年)4月1日 - 新駅舎完成。近代的な駅舎に改修される。記念切符も発売された。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR西日本・JR貨物の駅となる。