小笠原長国

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小笠原長国（おがさわらながくに、文化9年（1812年）－明治10年（1877年）4月23日）は、肥前国唐津藩の第5代藩主。信州松本藩主・松平光庸の次男。正室は土屋彦直の娘。子に娘（小笠原長行室）、娘（松平信庸室）。官位は従五位下、佐渡守、中務大輔。

幼名は賢之進。天保11年（1840年）10月に先代藩主の小笠原長和が死去したため、翌年4月5日にその養嗣子となって後を継いだ。飢饉などで破綻寸前となった藩財政を再建するために、捕鯨業や炭鉱業の育成・奨励に務めている。しかし初代藩主の小笠原長昌（長昌の死後、短命の養子藩主が続き、長国は4人目の養子藩主にあたる）の遺児である小笠原長行が成長したため、安政2年（1855年）頃からは長行に藩の実権を譲渡して、藩政改革を行なわせている。しかしこのため、長国を支持する大殿派と長行を支持する若殿派に藩内が分裂して、派閥対立を行なうようになる。長国はこれを鎮めるために長行を養嗣子としている。

長国は幕末期に老中を務めた長行の養父に当たるため、佐幕派であり、慶応4年（1868年）の戊辰戦争でも新政府に容易に与しようとしなかった。このため、唐津藩は近隣の諸藩から討伐対象となり、さらに朝敵の汚名まで着せられそうになったため、長国は佐賀藩の鍋島直正を通じて新政府に降伏を申し出たのである。このとき、最後まで幕府に忠義を尽くして函館まで転戦していた長行との養子関係を義絶している。

明治2年（1869年）、版籍奉還により藩知事となったが、明治3年（1870年）に藩内で一揆が起こっている。明治4年（1871年）の廃藩置県で免官となった。明治10年（1877年）4月23日、66歳で死去した。墓所：東京都台東区谷中の天王寺。