小野谷信号場
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小野谷信号場(おのたにしんごうじょう)は、滋賀県甲賀市の信楽高原鐵道信楽線・貴生川駅~紫香楽宮跡駅間にある信号場。現在は使用されていない。
[編集] 概要
国鉄信楽線 は特定地方交通線に指定され1987年に第三セクター鉄道の信楽高原鐵道となったが、1991年に、滋賀県甲賀郡信楽町(現・甲賀市)で「世界陶芸祭」が開催されるに当たって、JR西日本から直通運転が実施されることになった。そのため、同線の閉塞方式を特殊自動閉塞に改めるとともに、輸送力増強のため行き違い箇所を増やす目的で設置されたのがこの小野谷信号場である。
同年3月16日、従来の本線に側線を貼り付ける形で信号場が完成し、供用が開始された。線形からすれば一線スルーの構造であったが、それぞれが上下列車の主本線とされた単純な行き違い用のものだった。
だが、JR西日本と信楽高原鐵道が無認可でそれぞれこの信号の制御機を改造したことや、信楽高原鐵道が赤信号にもかかわらず列車を強引に出発させたことが原因で、同年5月14日にJR西日本から乗り入れる臨時快速列車世界陶芸祭号と線内の普通列車がこの信号場の信楽寄りで正面衝突する大事故(信楽高原鐵道列車衝突事故)を起こし、42名の死者と614名の負傷者を出した。
事故後、信楽線は約7ヶ月間運休し、滋賀県警察による信号場の作動調査などが行われた。その後12月8日に運転を再開したが、このとき閉塞方式をスタフ閉塞に変更したため、信号場の使用は停止された。しかし現在でも分岐器を始めとする線路や信号機など設備は残されている。
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