有馬温泉
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有馬温泉(ありまおんせん)は、兵庫県神戸市北区(旧国摂津国)にある温泉。日本三古湯の一つであり、林羅山の日本三名泉、また枕草子の三名泉にも数えられる、全国有数の名湯。瀬戸内海国立公園の区域に隣接する。
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[編集] アクセス
有馬温泉は阪神間の裏山に当る六甲山の北側にあるので、南側より訪問するには山を迂回するか山を貫くトンネルを利用するか山を越える必要がある。
[編集] 徒歩
山越えルートは乗り物利用の他にも 六甲山中に網目状にある『登山道』をたどる脚力頼みのルートもあり、いずれも根強い人気がある。登山道には、交通機関が発達する前に 御影から有馬温泉に新鮮な魚介を運ぶ魚屋が利用したと言われる『魚屋道』(ととやみち)などがある。
[編集] 自家用車
車の場合、中国自動車道西宮北インターチェンジまたは、阪神高速北神戸線有馬口出入口、西宮山口南出入口よりすぐ。
[編集] 公共交通
- 神戸方面から 阪神電車・阪急電車・山陽電車で新開地駅まで乗り、神戸電鉄に乗り換え。有馬温泉駅下車すぐ。
または、三宮駅・新神戸駅より神戸市営地下鉄~北神急行電鉄に乗り谷上駅で神戸電鉄に乗り換える方法もある。
バスなら三宮バスターミナル(ミント神戸1F)4番のりばより神姫バス・阪急バス運行の路線バスがある。 - 大阪から 前述の神戸回りや後述の三田回りの他に、直接行く手段として大阪梅田阪急三番街より阪急バスの高速バスが運行されている。特急バスを含め、休日には15往復ほどが走っている。
- 芦屋、宝塚、三宮から 阪急バスの便あり。いずれも普通の路線バス、おおむね1時間に1本の運行となっている。芦屋からは阪神芦屋駅始発、JR芦屋駅、阪急芦屋川駅、芦有ドライブウェイ経由。宝塚からは蓬莱峡経由と西宮名塩駅経由がある。三宮からは新神戸駅経由で神姫バスとの共同運行となっている。
- 神戸市東部から 阪神御影駅・JR六甲道駅・阪急六甲駅から神戸市バス・六甲ケーブル・六甲山上バス・六甲有馬ロープウェーを乗り継ぐ六甲山越え観光ルートも楽しい。
- 神戸空港から ポートライナーで三宮駅まで出る。後は前述「神戸方面から」と同様。
- JR三田から 神戸電鉄を利用。途中有馬口駅で乗り換え、あるいは、阪急バス有馬温泉行きを利用。
[編集] 泉質
地質的には活断層の有馬高槻構造線の西端にあり、地下深くまで岩盤が割れており、その割れ目を通って地下深くから温泉水が噴出している構造。
泉質は、塩分と鉄分を多く含み褐色を呈する含鉄強食塩泉、ラジウムを多く含むラジウム泉(ラドン泉)、炭酸を多く含む炭酸泉があり、それぞれ、湧き出し口では透明だが空気に触れ着色する含鉄強食塩泉を「金泉」、それ以外の透明な温泉を「銀泉」と呼ばれているが、泉源により成分が若干異なる。
自噴している金泉のエネルギーは、地中で熱せられた炭酸ガスの圧力であることが知られているが、この熱源については諸説あり未だに解明されていない。
また、近年、含鉄強食塩泉の起源は瀬戸内海ではなくて太平洋(南海トラフ付近)の海水を起源とすることが放射性同位体の成分分析で解明されてきている。
- 金泉(金の湯):含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉
- 鉄分が多いため、タオルにかけ続けると赤く染まる
- 銀泉(銀の湯):炭酸ラジウム混合低温泉
- 泉源― 天神泉源、 有明泉源、 炭酸泉源、 太閤泉(飲泉場)、 極楽泉源、 御所泉源、 妬(うわなり)泉源
[編集] 温泉街
神戸市にありながら山深く、関西の奥座敷として知られており、旅館の宿泊料金は比較的高いとされているが、最近では一人一泊二食付1万円の宿も散見され幅広い客層がみうけられる。温泉街はかなりの急斜面にあり、街中を通る道も細い。大きな旅館やホテルは温泉街の周辺や少し離れた山中にある。公的な外湯は「金の湯」(金泉)、「銀の湯」(銀泉)があり、観光客や下山客でにぎわっている、また、最近では日帰り入浴を楽しめる旅館が増えてきている。温泉寺の周辺に上記外湯2箇所と特産品店や民家が密集しており、のんびり散策する客が多い。
- 湯本坂 - 旧大阪街道。昔の温泉街のメインストリートで、町家の佇まいが残る
- 外湯 - 金の湯、 銀の湯、 太閤の湯(温泉テーマパーク)
- 公園 - 瑞宝寺公園、 鼓ヶ滝公園、 愛宕山公園、ゆけむり広場
- 社寺 - 有馬稲荷神社、温泉寺、極楽寺、念仏寺、湯泉神社、妙見寺、寶泉寺、善福寺、林渓寺
- 博物館 - 神戸市立太閤の湯殿館、温泉寺御祖師庵、有馬の工房、有馬玩具博物館、有馬切手文化博物館
- 景勝地 - 有馬四十八滝、紅葉谷、地獄谷
[編集] 名産品
- 炭酸煎餅
- 炭酸饅頭
- 有馬籠
- 人形筆
- 松茸昆布
- サイダー(有馬温泉は日本のサイダーの発祥の地といわれている)
- 黒豆のタルト・黒豆のプリン・豆腐など黒豆を使った食品
- 山椒を使った食品。料理名で“有馬”と付くと山椒を使った料理
[編集] 歴史
有馬温泉の歴史は古く、昔から皇族・貴族・文化人らに愛されてきた。日本最古泉とも言われる。
- 631年に舒明天皇が約3ヶ月滞在したことが日本書紀に見られる。
- 奈良時代には僧行基が温泉寺を建立。
- 清少納言は枕草子で有馬温泉に言及している。
- 1192年に僧仁西が戦乱で荒廃した有馬温泉を復興して湯治場としての原型を作った。
- 豊臣秀吉は有馬を愛し何度も訪れ、更に温泉や周辺の改修を行い、今でも太閤○○と言う地名が残っている。
- 江戸時代に作成された温泉番付では、西大関(当時最高位)にランクされていた。また、姫路と京都を結ぶ街道の経由地としても栄えた。(参照:有馬街道)
- 谷崎潤一郎も有馬を愛し長期滞在して執筆を行うと同時に、作品中にも有馬温泉を度々登場させている。
- 1950年から毎年秋に「有馬大茶会」が開催されている。
- 1968年11月2日、温泉街の旅館池之坊満月城で火災。死者30人。
[編集] 有馬温泉に関連する有名な短歌
ありま山 ゐなのささ原 風ふけば いでそよ人を わすれやはする
- しなが鳥猪名野を来れば有馬山夕霧立ちぬ宿(やどり)は無くて
- 読み人知らず 万葉集巻七
- 花吹雪兵衛の坊も御所坊も目におかずして空に渦巻く
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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