池袋・竹ノ塚新線
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池袋・竹ノ塚新線(いけぶくろ・たけのつかしんせん)は、東京都豊島区の池袋駅から 北区王子駅等を経由し足立区竹ノ塚駅に至る、約10.5kmの鉄道路線計画である。
目次 |
[編集] 背景
[編集] 東武伊勢崎線から山手線西側へのアクセスの改善
東武伊勢崎線は関東地方の大手私鉄の持つ長大路線の中で、東京都特別区内を走らない相鉄本線を除いて唯一JR東日本山手線の駅に接続しない路線である。そのため知名度や人気の面で他路線より一歩劣る状況にある。
特に山手線の西側にある池袋駅・新宿駅等へは距離の割に遠回りになるため鉄道路線ではアクセスしにくく、ほとんど同じルートを通る伊勢崎線西新井駅~池袋駅を結ぶ都営バス王40甲は40分以上かかるにも関わらず昼夜問わず多くの利用者がいる。 顧客開拓に比較的消極的と言われがちな東武鉄道においても山手線西側からの需要は無視できるものではなく、日光アクセスをめぐって長年にわたってライバル関係にあったJR東日本と提携して池袋駅・新宿駅への直通をしたほどである。(詳しくはスペーシア#新宿~日光・鬼怒川相互直通特急を参考のこと)
仮に本路線が完成すれば、竹ノ塚駅において伊勢崎線と直通運転することによって大幅な速達効果が見込まれる。特に線内で優等運転(途中王子駅のみ停車)をした場合池袋~竹ノ塚間は12分程度と予想される。これは現状に比べ20分以上短縮され、半分以下の時間となる。
[編集] 鉄道空白地域の交通事情の改善
王子駅から竹ノ塚駅の間は鉄道空白地帯になっており、またこの地域には北区豊島五丁目団地等の中~大規模な団地が多い。 このため交通事情の改善が望まれる。 ただしこれは本路線とは別に平成19年度に日暮里・舎人ライナーが開通する予定であり、足立区内に関しては多少改善されるものと思われる。
[編集] 道路渋滞の改善
2つ前の項で同ルートの路線バスの利用者が多い状況を述べたが、現在朝晩を通して1時間に10本以上というバスにしてはかなりの高頻度輸送となっている。加えて日産通りの部分は豊島五丁目団地の住民の多くが利用するので、別のバス路線もあるためバスの総数はさらに増える。
一方で道路は日産通りの一部・江北バス通りがバスのすれ違いがなんとかできる程度の狭い片側1車線であり、またバスの停留所にも特に待避所は無い。このためバス停での乗降の間後続の車も止まらざるを得ず、道路は酷い渋滞となっている。江北バス通りの一部に至っては東京都道58号台東鳩ヶ谷線支線(都市計画道路補助91号)に迂回させ平日朝に路線バス以外の通行を禁止する有様である。
本路線が開通すればこれらのバスの本数を削ることができ、道路渋滞が緩和されると考えられる。
[編集] 路線ルート
具体的な路線計画は決まっていないものの、以下に挙げる道路・場所の地下を通ると考えられている。
伊勢崎線との合流地点は西新井~竹ノ塚の大カーブの北端、区道横柳通りと東武伊勢崎線が交差する栗原立体交差(足立区栗原)付近と考えられている。なお、池袋駅から合流地点までの距離は約9.6kmである。
また別ルートとして次のようなものも考えられる。
- 首都高速道路中央環状線王子線・隅田川(王子駅~豊島駅)
- 環七通り・尾竹橋通り(大師前~伊勢崎線合流地点)
いずれの場合でも大師前駅付近を除く大部分が道路・河川・公園といった公共の土地や大規模団地の下を通るので用地取得は比較的容易と見込まれる。 また大師前駅付近と王子駅付近を除いてカーブがほとんど無いため、高速走行ができると考えられる。
- 参考地図:ALPSLAB route
[編集] 建設上の問題点
[編集] 地下構造物(池袋)
明治通りの池袋駅付近には地下に大規模な地下街や通路、駐車場がある。したがって駅設置にあたっては干渉を防ぐため、地下深くまたは北側に造る必要がある。
[編集] 首都高との並行(滝野川~王子)
首都高速道路中央環状線王子線が北区滝野川から飛鳥山公園に至るまで明治通りを通っており、途中から地下となっている。さらに王子付近は東京地下鉄南北線も走っている。これらとの干渉を防ぐ必要があるが、かなり地下深い部分を掘らざるを得ないと推測される。
しかしながらこの首都高との並行は必ずしも悪いことばかりとは言えない。地質状態の情報やトンネルを掘る際の経験を得ることができ、さらに用地取得が容易になっているということである。
[編集] 道路幅の狭さ(王子駅先~大師前)
日産通りの一部と江北バス通りはバスがなんとかすれ違える程度の片側一車線道路であり、特に後者に至っては歩道すら確保できないほどである。 このため建設にあたっては東京地下鉄千代田線町屋駅~根津駅のように上下線を別の深さにする必要がある。
[編集] 大河川の横断(豊島~江北)
荒川・隅田川は関東でも有数の河川であり、トンネル建設は難しいと考えられる。特に荒川は幅も広いため埼玉高速鉄道線を除いて地下を横断するトンネルは無い。 また王子~竹ノ塚の部分は沖積平野であり、地盤がしっかりしていないのでトンネルの建設は難しいと考えられる。
[編集] プラットホーム(竹ノ塚)
竹ノ塚駅は東武伊勢崎線の普通しか停車しないため、複々線のうち緩行線にしかホームがない。またその長さは日比谷線直通列車に合わせた18メートル級車両8両分となっていて、伊勢崎線の優等列車で主流となりつつある20メートル級車両10両の編成は停車できない。そのため有料特急のみならず、急行等の無料優等列車も通過せざるを得ない。
しかし、西新井駅~竹ノ塚駅にかけて連続立体高架化の計画があるので、これが完成した際には状況が一変する。現在竹ノ塚駅は両端に踏切があるためホームの延長ができない状況であるが、高架化すると延長できるようになる。また竹ノ塚駅は伊勢崎線内で3位の乗降客数を持つ(2005年度現在)ため、高架化した際には竹ノ塚駅の急行線にもホームができると考えられている。そのため竹ノ塚駅に関する問題点は解消される。
[編集] 駅一覧
具体的には定まっていないものの、考えられる駅は次のようなものである。全て東京都内。
駅名 | 接続路線 | 備考 | 所在地 |
---|---|---|---|
池袋駅 | 東日本旅客鉄道:山手線、埼京線、湘南新宿ライン 東武鉄道:東上線 西武鉄道:池袋線 東京地下鉄:○丸ノ内線(M-25)、○有楽町線(Y-09)、○有楽町新線(13号線)(Y-09) |
豊島区 | |
上池袋駅(仮) | 両隣駅との距離が短いため設置されない可能性もある | ||
西巣鴨駅 | 都営地下鉄:○三田線(I-16) | ||
滝野川駅(仮) | 両隣駅との距離が短いため設置されない可能性もある | 北区 | |
王子駅 | 東日本旅客鉄道:京浜東北線 東京地下鉄:○南北線(N-16) 東京都交通局:都電荒川線(王子駅前駅) |
||
豊島駅(仮) | 豊島五丁目団地付近。足立区宮城に出られる出口を作ることも考えられる(※) | ||
江北駅 | 東京都地下鉄建設:日暮里・舎人ライナー | 足立区 | |
大師前駅 | 東武鉄道:大師線 | ||
竹ノ塚駅 | 東武鉄道:伊勢崎線 | 東武伊勢崎線に直通運転 |
※隅田川の下を掘り進むルートになった場合、足立区宮城と北区豊島の間に駅ができることになるため、宮城側にも出口ができると考えられる。
[編集] 類似する鉄道路線との違い
[編集] メトロセブンとの違い
環七通りの下を通り、赤羽駅から足立区を東西に通って葛西臨海公園駅に至るメトロセブンが計画されていて、足立区西部の交通事情の改善や伊勢崎線から西方向へのアクセス改善という点では類似している。 しかしながら伊勢崎線からのアクセス改善という点では、本路線がほぼ一直線に池袋駅に向かうのに対してメトロセブンは赤羽駅に向かうため 需要が大きな山手線の西側方向への速達効果は少なく、また今のところ伊勢崎線と直通する見込みは薄いという点でもメリットは少ないと言える。
[編集] 東武西板線との違い
戦前に東武鉄道が西新井駅~東武東上本線上板橋駅の路線を計画したことがあった。(詳しくは東武大師線#東武西板線計画を参考のこと) これは一見伊勢崎線から西側への延伸計画という点で類似するように見える。 しかし東武西板線は浅草方面から東上本線へのアクセス改善のために計画されたものであり、 池袋方面から伊勢崎線へのアクセス改善のために構想される本路線とは似て非なるものだと言うことができる。