白夜行
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『白夜行』(びゃくやこう)は、東野圭吾の小説。集英社「小説すばる」1997年1月号から1999年1月号に連載され、1999年8月に刊行され、ベストセラーになったミステリー長篇。
連作短篇として連載されていたが、単行本では長篇に構成しなおして刊行された。
目次 |
[編集] 小説
[編集] 特徴
1973年から1992年までの19年の年月を多くの人物や、伏線を用いて描いていく長編小説。主人公の心理描写や、具体的な真実の描写をなるべく排し、読者に多様な解釈が出来るような作りにしている。そのためか掲示板上でも、様々な考察が飛び回っている。
[編集] あらすじ
19年前(1973年)、大阪で起きた殺人事件。何人もの容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま事件は迷宮入りに。被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂は、その後別々の人生を歩んでいくかに見えた。だが、二人の周囲には不可解な凶悪犯罪が次々と起きる…。
人の心を失った故の悲劇を、叙事詩的スケールで描くミステリー長篇。
[編集] 舞台
- 2005年9月~12月、劇団Studio Lifeにて2部構成で舞台化された。
[編集] 出演
キャストは4チームに分かれる
[編集] スタッフ
- 脚本・演出:倉田淳
[編集] 劇場
[編集] テレビドラマ
2006年1月12日から3月23日までTBS系列で放送。放送時間は毎週木曜日21:00~21:54(JST)。初回は1時間拡大。平均視聴率12.3%。 日本テレビ系列の秋田放送でも、9日遅れの毎週土曜日の午後に放送されていた。
出演は2004年のテレビドラマ『世界の中心で、愛をさけぶ』で共演した山田孝之と綾瀬はるかのコンビ。また、脚本・プロデューサーも同じメンバーで、主題歌も柴咲コウが担当する。
[編集] あらすじと考察
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
幼少時、初恋の少女を助けるために父親を殺した少年と、その少年を庇うために母親の命を奪った少女の残酷な14年間の愛の軌跡を描いた物語。2人はただ太陽の下で手を繋いで歩きたかっただけなのだ…。
原作ではほとんど描かれていなかった亮司と雪穂の関係を映像化し、2人の葛藤や成長などの心理的部分を中心に描く。いきなり原作のネタバレや、登場人物の性格の大きな相違などで原作読者の間で話題を呼ぶ。また、主要キャストに対する強い違和感を訴えたり(過去の出演作品の実績などから)、中には映像化そのものに反対する意見もあった。その結果関東地区の1話ごとの平均視聴率は、一度も15%を超えることなく終了した。熱心なドラマファンからは、録画率の高さが視聴率低迷の原因という声が上がったが、原作の持ち味を生かし切れなかったことが最大の要因とする意見も多い。原作者は内容の改変に寛大な作家としても知られているが、本作では「原作とドラマでは、主人公の性格が180度違う」という異例の発言を行なって周囲を驚かせた。
石丸彰彦プロデューサーは雑誌のインタビューで、上記のように原作から大幅に手を加えたことについて「亮司と雪穂をモンスターにしたくなかった」と語っており(『ザ・テレビジョン』より)、その製作意図が第10話での笹垣潤三と谷口真文とのビジネスホテルでのやり取りのシーンの中に表れている。環境に物心を蝕まれた男女の、底辺からの脱却を描こうとした原作者の執筆企図とは大きく乖離した解釈を持っていたと言えそうだ。こうしたいきさつからテレビドラマ版の『白夜行』は「ミステリー」ではなく「社会派ドラマ」であるとの評価が存在し、原作ファンの一部はドラマ終了後もその点に批判的な見方をしているとの誤解が生まれた。原作の読者は、ミステリー色も社会派色も失った「恋愛ドラマ」と受け止めており、批判の矛先も、ドラマオリジナルの死生観・宗教観といった、製作サイドの理念が優先された点に向っていた。一方で、今作品で雪穂を演じた綾瀬に対して、演技力の高さを評する声も根強い。
本作で亮司役を演じた山田は、同じ東野圭吾原作の小説を映画化した『手紙』への出演が決まり、ドラマの終了後に撮影に入る(公開は2006年11月3日)。さらに言えば、その映画で共演した沢尻エリカと、TBS金曜ドラマ『タイヨウのうた』(2006年7月~9月放送)でも共演を果たした。
[編集] キャスト
- 桐原 亮司 - 山田孝之(18歳~25歳)、泉澤祐希(幼少時代)
- 唐沢 雪穂 - 綾瀬はるか(18歳~26歳)、福田麻由子(幼少時代)
- 松浦 勇 - 渡部篤郎(特別出演)
- 篠塚 一成 - 柏原崇
- 古賀 久志 - 田中幸太朗
- 園村 友彦 - 小出恵介
- 菊池 道広 - 田中圭
- 唐沢 礼子 - 八千草薫(特別出演)
- 栗原 典子- 西田尚美
- 西口 奈美江 - 奥貫薫
- 榎本 宏 - 的場浩司
- 川島 江利子 - 大塚ちひろ
- 藤村 都子 - 倉沢桃子
- 秋吉 雄一 - 尾上寛之
- 小竹 亮子 - 春日井静奈
- 高宮 誠 - 塩谷瞬
- 三沢 千都留 - 佐藤仁美
- 桐原 洋介 - 平田満
- 桐原 弥生子 - 麻生祐未
- 西本 文代 - 河合美智子
- 谷口 真文 - 余貴美子
- 笹垣 潤三 - 武田鉄矢
[編集] ゲスト出演者
- 西布施警察署刑事部長(第1話) - 五代高之
- 清華女子学園高校生徒(第2話) - 西田奈津美
- 藤村都子の母(第2・3話) - 大塚良重
- 大江図書館職員(第2・4・5・7話) - 山内奈央
- 古賀久志の妻(第2・5・6・8話) - 西山繭子
- 警察官(第3話) - 藤森祥平(TBSアナウンサー)
- 西布施警察署刑事部長(第3話) - 水森コウ太
- 花岡夕子(第3話) - 朝岡実嶺
- 川田和子(第3話) - 川崎葉子
- アナウンサー(第4話) - 鈴木順(TBSアナウンサー)
- 倉橋香苗(第4・5話) - 奥田恵梨華
- 川島江利子の母(第6話) - 原田千枝子
- 西布施警察署刑事部長(第7・11話) - 須永慶
- ソフトウェア会社「メモリックス」クライアント(第8話) - 矢柴俊博
- ソフトウェア会社「メモリックス」社長(第8話) - 藤重政孝
- 秋吉雄一(桐原亮司)直属の部下(第8・11話) - 平田裕香
- 唐沢礼子の近所のおばさん(第9話) - 青木和代
- アナウンサー(第11話) - 向井政生(TBSアナウンサー)
- 「R&Y」2号店の店員(第11話) - 大村彩子
[編集] スタッフ
- 原作:『白夜行』東野圭吾著(集英社刊)
- 脚本:森下佳子
- プロデュース:石丸彰彦
- 演出:平川雄一朗、那須田淳、石井康晴、高橋正尚
- 音楽:河野伸
- 音楽プロデュース:志田博英
- 制作協力:オフィスクレッシェンド
- 制作:TBSテレビ
- 製作・著作:東京放送(TBS)
[編集] 主題歌
- 柴咲コウ 『影』(ユニバーサルミュージック)
[編集] サブタイトル・放送日・視聴率
話数 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|---|
第一話 | 2006年1月12日 | 東野圭吾記念碑的名作奇跡のドラマ化!!少年はなぜ父を?少女はなぜ母を?14年間の壮大な愛と絶望の物語 | 14.2% |
第一話(再放送) | 2006年1月15日 | 9.8% | |
第二話 | 2006年1月19日 | 閉ざされた未来に | 13.4% |
第三話 | 2006年1月26日 | さよならの光 | 11% |
第四話 | 2006年2月2日 | 罪と罰 | 10.7% |
第五話 | 2006年2月9日 | 決別する二人 | 11.8% |
第六話 | 2006年2月16日 | 白夜の終わり | 10.7% |
第七話 | 2006年2月23日 | 美しき亡霊の決意 | 12.3% |
第八話 | 2006年3月2日 | 泥に咲いた花の夢 | 12.3% |
第九話 | 2006年3月9日 | こぼれ落ちた過去 | 12% |
第十話 | 2006年3月16日 | 開く過去の扉 | 12.6% |
最終話 | 2006年3月23日 | 白夜の果て | 14.1% |
[編集] 提供スポンサーについて
主人公が殺人犯である設定のため、花王が若竹色の提供クレジットを自粛した。
TBS 木曜9時枠の連続ドラマ | ||
---|---|---|
前番組 | 白夜行 | 次番組 |
ブラザー☆ビート | 渡る世間は鬼ばかり |
[編集] 関連作品
- 2004年に刊行された姉妹作品。続篇であるという推測もあるが、著者は明言を避けている。
- シンデレラ白夜行
- 集英社「小説すばる」2004年4月号に掲載され、2005年刊行『黒笑小説』に収録されている短篇小説。どことなく雪穂を思わせるキャラクターが登場している。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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