矢吹真吾
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矢吹真吾 プロフィール
矢吹 真吾(やぶき しんご)は対戦型格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ」シリーズに登場するキャラクター。担当声優は子安武人。
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[編集] キャラクターの設定
草薙京が通う高校の後輩で、テレビで放映された彼の活躍(KOF'96)を見て、その強さに憧れ京の元に弟子入りする事を決心した高校生。だが、元々弟子を取る気のなかった京には「面白半分の弟子」かつ「いいパシリ」扱いされている(ただし、京も覚えの良さは評価している模様。また、KOF2001のエンディングでは「自分の仲間を見つけろ」とアドバイスしている)。KOF2001エピローグ以降は京の父・草薙柴舟にも師事する事になった。
KOF'97では一般個人予選大会を勝ち進み、決勝大会出場を果たした(実力的には京に遠く及ばないものの、この時点で格闘技を始めて一年未満である事を考えれば、初出場でここまで勝ち進んだ真吾の格闘センスは天才的とも言える)。また、京から教えてもらった草薙流古武術は未完成の技だらけであるものの、自分流にアレンジしたり、打撃投げの「錵研ぎ」や当て身打ちの「月肘」など、自分でも新技を編み出している。
短ランに白いバンダナと京の格好まで真似している。KOF'98以降はKOF'97エピローグで京に「ほうび」として貰った日輪の紋入りグローブを着用し(それまではリストバンドを着けていた。ちなみに、小説版では京からグローブを貰ってないので小説版'98までは挿絵でもグローブを付けていなかった。小説版'99からは挿絵でもグローブ着用)、宝物にしている。シリーズを通して格好が変わらないのは本人がよほど気に入っているか、京と同じく留年中か、単に年月が経っていないだけ(KOF'95以降、キャラクターの年齢が止まっている事から)のいずれかと思われる。
いつか京のように炎を出す事が夢であるが、草薙の血を引いていない自身にはそれが不可能であるという事に未だに気付いていない。ただし柴舟に師事して以後の2003とXIでは、毒咬みや未完成を連発しているとたまに少々だが発火が起き、「あっ、なんか出た!」と言いながら慌てるポーズをとる。プレストーリーやエンディングを見る限りでは、これは真吾本人の思いこみ・気のせいといった演出と受け取れる。
京の宿敵である八神庵については、京の敵は自分の敵と一方的に宿敵としている。しかし、XIのストーリーで神楽ちづるの頼みを快く受け入れ(ゲーム本編では2人に繋がりは全くないが、後述のドラマCDでのエピソードや小説版の'98でチームを組んだ事からの繋がりと思われる)、京と庵を組ませようと付きまとったりもしており、ちづるに代わって京と庵の後見人になろうとしている(当の京と庵はそう思ってはいないだろうが)。
パシリとして、普通の人間が歩いて30分、走って10分かかる距離のコンビニをわずか3分で行ってきたというエピソードがあるという。場合によってはこの距離を2分で行った事も。京曰く「陸上部に向いている」という(真吾の行動力の凄まじさにさすがに呆れたようである)。
嬉野秋彦作の小説版では、'97では京達の足元にも及ばない実力(庵に一蹴され重傷を負う)→'98(「遺された者たち」)にて紅丸に実力を酷評されるもユリ・サカザキに勝利(ユリが真吾を侮っていた事もあったが)→'99では紅丸からも「弱くはない」と評される(K'には実力を疑問視されていたが)→2001ではそれなりの成長が本文中に言及される…と言うように作品を追う毎にある程度の成長を見せている。'98(「遺された者たち」)では京になりきろうとする戦闘スタイルが紅丸と大門からは逆に京を思い起こさせる結果となり、我慢の限界に達した紅丸に激怒されたが、最終的にはそれを受け入れていつか自分の草薙流で京に追いつく事を誓っている。
'98で嫌いなものに「恐そうな人」として七枷社・山崎竜二・八神庵を挙げているが、'97において、ドラマCDでは神楽ちづるを庇って山崎に刺され重傷を負い(ちなみに、このCD内で真吾はちづるに一目ぼれしている)、小説版では前述のように庵に挑み重傷を負わされるという憂き目に遭っている(これが偶然の一致なのか、それともスタッフの遊び心なのかは不明である)。
京と同じく彼女がいるが、背景すら全く登場していない。スタッフの話によれば、実は幼馴染みで真吾本人が「彼女」と思い込んでいる模様。
家族は父・母・姉・妹がおり、妹以外の身内は格闘に関して呆れているが、妹だけは応援している。
[編集] 子安武人との関係
声を担当する子安武人は、かねてから格闘ゲームでの仕事を希望していて、この真吾役で初めて格闘ゲームのキャラを演じる事になった。
子安は自身のラジオ番組で真吾の新技の名前(下記参照)を募集した事もある。これは'98のアフレコ当時技の名前が未定だった事から、アドリブで「名前募集中!」と入れたことが受けたためだといわれる。その他にも、KO時の「俺って進歩ねえ~」もアドリブであった(そのためか、一部の攻略本ではKO時の台詞が'97同様「草薙さんごめんなさ~い!」になっている)。子安曰く「心の叫びです」との事。
[編集] キャラクターの特徴
性能的には当然オリジナル・草薙京よりも劣るものの、クリティカルという不確定要素や、飛び込みからの安定した威力の連続技(それ故か、逆にシリーズが進むにつれ少しずつ威力が低下している傾向にある)、草薙京のそれに準拠した総体的には使い易い通常技等々、その登場作品毎の他のキャラクターよりも何段かは劣るものの腕前次第ではなかなかに渡り合えるという、いわゆる「上級者向け」のキャラクターに仕上がっている。
ちなみにお笑い要員である事、そして他キャラより意図して性能を低く設定されている…という、同じようなスタンスのキャラクターにカプコンの同系統のゲーム『ストリートファイターZERO』シリーズの火引弾がいるが、あちらは上級者向けというよりも敗北を前提とした「お遊びキャラ」「さらし者」といった具合で、その扱いや存在意義は根本から異なる。同社の『ストリートファイターIII』シリーズに登場するケンの弟子ショーンの方がその設定からもかなり真吾に近いコンセプトであるといえよう。
[編集] 必殺技
「未完成」のついた必殺技は草薙流古武術も参照。
- 百拾四式・荒咬み 未完成
- 百拾五式・毒咬み 未完成
- いずれも技後の追加入力は無い。但しランダムでクリティカルが発生し、その時は若干技の攻撃力が高くなる。
- 百式・鬼焼き 未完成
- オリジナルと異なり、無敵時間やガードポイントは無い。但し技の判定がそこそこ強いので、通常の同系統の技よりも心持ち早めに技を出すと中途半端な、もしくは判定の弱い飛び込み技に対し競り勝てる事もある。
- 百壱式・朧車 未完成
- 前方上方へ飛び蹴りを放つ。本家は強で出すと二段蹴りから空中カカト落としで叩きつけるが、真吾の場合カカト落としに失敗して頭から墜落(この落下時にも攻撃判定あり)したり、二段蹴りではなく弱の朧車を2連発するなどの違いがある。
- 弐百壱拾弐式・琴月 未完成
- 肘打ちの後、ハンマーパンチで相手を地に叩きつける。その性質上、草薙流よりも八神流の琴月に近い仕様になっている。
- 真吾キック
- 飛び込み回し蹴り。やや京のR.E.D.KicKに似ている。2000のノベライズ(コメディ版)「STRIKERS STRIKE BACK」では R.E.D.KicKとの関連を否定した上で「タイガーマスクの技を見てコピーした」と言っているが、これは猪木7番勝負の猪木対タイガー戦でタイガーが出したキックのことを指していると思われる。なお、子安慎悟の「子安キック」にも似ている(ネーミング含め)。
- 真吾キック・エアー
- 空中からの真吾キック。2003から使用可能になった。
- 真吾謹製 オレ式・錵研ぎ
- 回転しながらの二段肘打ちから、飛び上がり背中でふっ飛ばす打撃投げ。勿論、その際浮かんだ相手に追撃が可能。なお、XIで投げ失敗ポーズが付いたため、リスクが大きくなってしまった。
- 真吾謹製 オレ式・月肘
- 肘を打ち下ろす。その前に攻撃を受けると、仰け反ってその拍子に蹴り飛ばす(但し、ほぼ相手の立ち通常技に対してのみ発動)。
- 前述の通りアーケード版'98当時は「ひじ落とし(仮)」と言う名称で名前を募集しており、ボイスも「名前募集中!」という特異なものだった。家庭用'98から現在の名称になり、ボイスも「月肘!」と技名をそのまま言うものに変わっている。
- 移動避け
- 緊急回避・前転と同じ動作。キャンセルで出せるのが利点。
[編集] 超必殺技
- バーニングSHINGO
- 「荒咬み 未完成」から始まる連続打撃。2000までと2003以降では構成が異なっている(2001、2002、NEOWAVEでは以下の「オレ無式」が取って代わり使用しない)。
- 外式・駆け鳳燐
- ダッシュしてからふっ飛ばし攻撃の「外式・鳳麟」(肩での体当たり)を繰り出す。なお、勝手に「外式」と付けたのは真吾の勘違いである。これを喰らって浮かんだ相手に対し追撃が可能。
- 真吾謹製 オレ無式
- 京の無式を動作だけ真似したもの。当然火柱は出せないので、いきなり打撃から始まる。
- 真吾謹製 オレ式・朧火車(リーダー超必殺技)
- 朧車の強化版。どんどん上昇していって最後に頭から落ちる。これを使える作品に限って、通常の朧車が使えないという事態になっている。
[編集] ストライカー動作
- やっちゃって下さい
- 走って突進した後、相手の両足を掴んで動きを封じる。元ネタはADKの格闘ゲーム『痛快GANGAN行進曲』の草薙条がGANGAN必殺技で呼び出す子分・カツオの動作。