砂遊び
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砂遊び(すなあそび)とは、主に幼児・児童などが砂場や砂浜で砂を掘ったり砂山を作ったりして遊ぶことである。
[編集] 概要
この遊びは、砂を掘ったり盛り上げたり、更にはそれで彫刻など造形を行ったりする。高度なものでは青少年や大人が主体となって行われるサンドアートという芸術活動もあるが、概ねこれらは戸外で砂と戯れる行為である。
土で同様の遊びをすると泥遊び(どろあそび)や泥んこ遊び(どろんこあそび)というが、砂に水を加えた状態でも泥んこ遊びと区別がつけにくくなる場合がある。
これらの遊びは砂に付いた雑菌にまみれるほか、着衣が汚れ易いことから嫌う保護者がいないでもないが、こういった遊びは戸外で日差しのもと、多少不衛生な環境にいることで免疫系を適度に刺激して健康的で丈夫に育つためには欠かせないと考える者もいる(→免疫・雑菌)。ただ、寄生虫の問題もあるため、遊んだら良く手や顔を洗わせるべきであろう。その意味では「自分で衛生を管理する」という躾や家庭教育の前駆ともなる遊びである。
『人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』(ISBN 4-309-46148-x)と1990年代にベストセラーにもなった本があるが、砂場では他人と協調して山を作ってトンネルを穿ったり、或いはお気に入りの玩具を貸し与えることで他人と仲良くなったり、または人の玩具を羨んで無理に取ろうとすれば喧嘩になったりと、様々な意味で社会性の初等教育に相応しいテーマが存在する。
[編集] 注意点
これらの遊びでは、幼児や児童の多くは非常に熱中し易い傾向がうかがえる。ただ熱中し過ぎるとお気に入りの玩具(スコップやバケツ、あるいは砂を穿るための木の棒など)を他の子と取り合いになって喧嘩してしまったり、または興に乗り過ぎて砂場にホースで大量注水、挙句に服を着たまま泳いでしまったりと、大人の想像もつかないことをしでかす傾向がある。
その一方で、砂に埋もれたガラスの破片や古釘などで怪我をする場合もあり、管理の悪い砂場で遊ぶことは危険ですらある。同様に、砂採取場など大規模に砂がある場所では、砂の倒壊による生き埋めという事故も起こりうるため、そのような地域では注意が必要である。過去にはすり鉢状になった穴に子供がはまり込むなどの事故も度々報じられており、また海岸護岸線でも工事の関係から流砂が起こり、子供が砂の穴に落ち込むなどの事故も報じられている。
こういった事故を予防するためにも、安全性の確認された砂場以外では遊ばせない、安全とされている場所でも、保護者が片時も目を離さないようにすべきであろう。
その一方で、あまりに熱中しすぎて日射病を起こすケースもある。特に夏場の海岸などでは日差しが強いため注意が必要だ。勿論、波打ち際で遊んでいる場合には、波にさらわれないようにするなどの注意も必要である。