菊地凛子
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菊地 凛子(きくち りんこ、1981年1月6日 - )は、日本の女優。本名、菊地 百合子(きくち ゆりこ)。血液型はA型
神奈川県出身。anore所属。アメリカでの代理人はクリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー社。
身長168cm。体重47kg(2007年2月現在)。趣味は音楽鑑賞。特技は馬術、日本舞踊、手話。
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[編集] 略歴
[編集] ハリウッド進出
カンヌ国際映画祭に出品され、監督のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督賞を受賞した映画『BABEL』に耳の聞こえない日本の女子高生役で出演。その演技力からハリウッドで注目を浴びたほか、自身が初めて演じたヘアヌードシーンについて「たいした事じゃない」と発言したことも話題となった[1]。
撮影に挑むにあたってオーディション前から手話を習い、撮影中には殆ど習得していたという。女子高生の役を演じる為、10代特有の体型(ムチムチとした感じ)を出すのにあたって、5キロ増量した。撮影の途中で監督が本物の聾唖の人を使いたいと言い出した時は、相当へこんだそうだが、コンビニでは聾唖者に成りきって買い物をしてみたり、地下鉄では風の感覚で列車が入ってくるのに気付く感覚を養うなどの訓練を積み、役作りに励んだ。結局、適当な聾唖の女優が見つからなかったのと(元々、日本には聾唖の女優があまりおらず、一般に認知されているのは忍足亜希子ぐらいしかいない。彼女は、オーディションを受けていない。)、菊地の熱意と意欲が監督に伝わった為、菊地は最後まで演じられた。
ローリングストーン誌の毎年恒例の話題の人や物を紹介する「ホットリスト」で、今年ブレイクするホットなパフォーマンス部門の1人に選ばれる(こちらでは、映画の為に手話を習った訳では無く、元から手話を習っていたと掲載されている。)。掲載された記事面積は少ないが注目度は高く、第79回アカデミー賞の最優秀助演女優賞候補にノミネートされた。日本人女優がノミネートされたのは『サヨナラ』のナンシー梅木以来49年ぶりで2人目、男優を合わせても、2003年度に『ラスト・サムライ』で助演男優賞候補になった渡辺謙に続き日本人では5人目。しかし、受賞には至らず、『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソンが受賞した。受賞は逃したが、次回作(ライアン・ジョンソン監督『ブラザーズ・ブルーム(原題)』)への出演が早速決まるなど、『バベル』が菊地にとって大きな転機となったといえるだろう。
カンヌ映画祭で、金髪でモヒカン風の髪型に着物というファッションが話題になり、それを見たシャネルの関係者が非常に気に入ってくれた。その為、『バベル』の関連イベント(映画賞授賞式など)には、ほぼすべてシャネルが提供した衣装で登場している。ゴールデングローブ賞授賞式で着用したポンポン付きのドレスやメイクは米国のメディアに酷評されたが、アカデミー賞の授賞式のマーメイドラインの黒のシャネルのドレス姿は、米国の新聞のアカデミー賞授賞式のファッションチェックで、「エルテの絵の人物のようだ」と好評だった[2]。
[編集] 出演
[編集] テレビ
- 可愛いだけじゃだめかしら(1999年、テレビ朝日)
- 花村大介(ゲスト出演)(2000年7月 - 9月、関西テレビ)
- NHK朝の連続テレビ小説 ちゅらさん(2001年4月 - 9月、NHK)
- バカヤロー!スペシャル2(第2話)(2001年)
- 私立探偵 濱マイク(第6話)(2002年)
- 愛と資本主義(2003年)
- 宇宙に一番近い場所(2003年)
- 理由(2004年)
[編集] 映画
- 生きたい(1999年、監督:新藤兼人)
- 三文役者(2000年、監督:新藤兼人)
- Paradice(2001年、監督:森山達也・ハル)
- 赤い芝生(2001年、監督:梅内美江子、短編映画)
- 空の穴 (2001年、監督:熊切和嘉)
- DRUG (2001年、監督:菅原浩志)
- 八月の幻(2002年、監督:鈴木浩介)
- 17才 (2003年、監督:木下ほうか)
- 理由(2004年、監督:大林宣彦)
- SURVIVE STYLE5+(2004年、監督:関口現)
- トーリ(2004年、監督:浅野忠信)
- 69 sixty nine (2004年、監督:李相日)
- 茶の味(2004年、監督:石井克人)
- 誰がために(2005年、監督:日向寺太郎)
- ナイスの森 ~The First Contact~(2006年、監督:ナイスの森(石井克人+三木俊一郎+ANIKI)きくち(委員長) 役
- 笑う大天使(2006年、監督:小田一生)桜井敦子 役
- BABEL(2006年、監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)
- 恋するマドリ(2007年、監督:大九明子)
- 図鑑に載ってない虫(2007年、監督:三木聡)
- GENIUS PARTY II「BABY BLUE」(2007年、監督:渡辺信一郎)
- The Brothers Bloom (2008年、監督:Rian Johnson )
[編集] ラジオ
- 虹を操る少年
- フルネルソン
[編集] 舞台
[編集] CM
- キリンビール 円熟
- ローソン おかいどくん
- エステー化学 ムシューダ(2005年)
- ロッテ グリーンガム(2005年 - ) - よしこ役。千葉ロッテマリーンズの選手、ボビー・バレンタイン監督と共演。本作品はロッテがスポンサーに就く試合の中継と「Marines.tv」の「Weekly Marines News」のみで観られる。
- 東京三菱銀行 スーパーICカード 妹も篇(2005年) - 江口洋介と共演
- 富士通 FMV ウサタクの話 変身編(2006年) - 木村拓哉と共演
- NTTドコモ FOMA テレビ電話(2006年) - おぎやはぎと共演
など
[編集] その他
[編集] 受賞歴
- 映画 BABEL
- ゴッサム賞 ブレイクスルー演技賞
- ナショナル・ボード・オブ・レビュー ブレイクスルー演技女優賞
- シカゴ映画批評家協会賞 助演女優賞
- ユタ映画批評家協会賞 助演女優賞
- オースティン映画批評家協会賞 助演女優賞
- セントラルオハイオ映画批評家協会賞 助演女優賞Runner-Up
- シネマラティ賞 助演女優賞第5位