論理実証主義
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論理実証主義(ろんりじっしょうしゅぎ、Logical positivism)とは、20世紀前半の哲学史の中で、特に科学哲学において重要な役割を果たした思想。科学経験主義ともいう。
1920年代後半のウィーンでエルンスト・マッハの経験主義哲学を受けたシュリックを中心に結成したウィーン学団が提唱した。経験論の手法を現代に適合させ、諸科学の統一を目的に、オットー・ノイラート、A.J.エイヤー、ルドルフ・カルナップなどのメンバーで活動した。この思想には英のバートランド・ラッセルとオーストリア生まれのルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの影響が大きい。
ナチスの抬頭で学団のメンバーがアメリカに亡命した影響でその主張は英米で発展した。
経験論にもとづいて形而上学を否定し、実験や言語分析によリ厳正さを求める。
ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』にあるように、形而上学は問題化できないもの(神、世界の限界、自由)を問題化していると規定する。なお、本書は、論理実証主義の聖書のような扱いを受ける。「語りえぬものについては沈黙しなければならない」の言葉はあまりに有名。
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