野田秀樹
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野田 秀樹(のだ ひでき、1955年12月20日-)は日本の俳優、劇作家、演出家。長崎県生まれ(三菱炭坑勤務の父の転勤先。すぐ東京に引っ越した)。小学校の同級生に映画監督の金子修介がいる。東京教育大学附属駒場高等学校卒業。東京大学法学部中退。2005年12月に女優・歌手の藤田陽子と入籍。
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[編集] 来歴・人物
高校2年生の時に処女戯曲『アイと死をみつめて』を発表。東京大学入学後は演劇研究会に所属。それを母体に劇団夢の遊眠社を結成。その後東大を中退。1981年、『野獣降臨』(のけものきたりて)で第27回岸田国士戯曲賞を受賞。
1983年、スコットランドのエディンバラで開催されるエディンバラ国際芸術祭に、『野獣降臨』で参加。この時のカーテンコールは、駒場小劇場での『快刀乱魔』初演、『贋作 桜の森の満開の下』の京都・南座の公演と並んで、野田が印象に残る公演にあげる。その反面、「言葉遊び」を中心とする自らの作風の限界を痛感する機会になり、「物語」を重視する作風の変化や、後の海外での作品製作につながる公演になった。エディンバラ国際芸術祭には1990年『半神』で、ニューヨーク国際芸術祭には1989年『彗星の使者』で参加している。
1992年に『ゼンダ城の虜――苔むす僕らが嬰児の夜』を最後に夢の遊眠社を解散。創立から解散までは、公演回数43回、総ステージ数1,205回、総観客数は812,790名を動員した。
その後1年間文化庁芸術家在外研修制度の留学生としてロンドンに留学。台詞の分析が重視されるロンドン演劇界で、身体の動きを重んじるフィジカルシアターに分類される演出家サイモン・マクバーニー主宰のテアトル・ド・コンプリシテのワークショップに参加。この時の交流が後の『赤鬼』の俳優の出演につながる等、
帰国後、演劇企画制作会社野田地図(NODA MAP)を設立。ワークショップを基盤に、劇団の枠にとらわれず俳優を集めて上演するプロデュース公演のさきがけとなる。小スペースで少人数で上演する番外公演にも積極的に取り組んでいる。これまで12回の本公演、
彼の作品の大きな特徴は「言葉遊び」と「リメイク」である。使い古された言葉、古典と呼ばれる作品に新しい命を吹き込み、(本人は「皿を洗う作業」と称している)独創的でスペクタクルな舞台を作り上げている。俵万智は、彼の作品について「これは古典と呼ばれることになるだろう」と評している。
また、歌舞伎俳優の中村勘三郎 (18代目)とも組み、歌舞伎の演目である「研辰の討たれ」や「鼠小僧」を『野田版』として補・演出している。
[編集] 受賞歴
- 1983年 『野獣降臨』で第27回岸田國士戯曲賞受賞
- 1986年 紀伊國屋演劇賞
- 1990年 『三代目、りちゃーど』で文化庁芸術祭賞受賞
- 1994年 第19回テアトル演劇賞受賞
- 1998年 『キル』の演出で第23回菊田一夫演劇賞受賞
- 1999年 『Right Eye』で第2回鶴屋南北戯曲賞受賞
- 2000年 『パンドラの鐘』の戯曲で第34回紀伊國屋演劇賞個人賞、第50回芸術選奨文部大臣賞(演劇部門)。第7回読売演劇大賞最優秀作品賞受賞。
- 2001年 『野田版 研辰の討たれ』で第1回朝日芸術賞グランプリ
- 2003年 NODA MAP第9回公演『オイル』で第10回読売演劇大賞最優秀作品賞受賞
- 2004年 『赤鬼(3バージョン)』『走れメルス』の作、演出、演技で第4回朝日舞台芸術賞受賞
- 2005年 『赤鬼(3バージョン)』で第12回読売演劇大賞演出家賞、作品賞受賞
- 2006年 第1回安吾賞受賞 同年10月15日の新潟市「りゅーとぴあ」での授賞式では、即興で坂口安吾長男・綱男氏と『贋作・桜の森の満開の下』の一節を朗読するパフォーマンスを披露している。
- 2007年 『ロープ』の戯曲で第58回読売文学賞受賞
[編集] 主な作品
[編集] 戯曲
※ほとんどの作品に自らも俳優として出演している。
- 『アイと死をみつめて』
- 『贋作 ひかりごけ』
- 『白馬童子』
- 『一本丸太助』
- 『咲かぬ咲かんの桜吹雪は咲き行くほどに咲き立ちて明け暮れないの物語』
- 『走れメルス――燃える下着はお好き』
- 『走れメルス(改訂版)』
- 『つっぱれ!おじょうず2万7千光年の旅』
- 『愛の嵐(親不知篇)』
- 『怪盗乱魔――亭主と間男の共存できる家族制度を求めて』
- 『走れメルス――少女の唇からはダイナマイト!』
- 『少年狩り――末はあやめも知れぬ闇』
- 『二万七千光年の旅』
- 『赤穂浪士――昆虫になれなかったファーブルの数学的帰納法』
- 『ゼンダ城の虜――苔むす僕らが嬰児の夜』
- 『野獣降臨(のけものきたりて)』
- 『大脱走――太田幸司さん、いががおすごしですか』
- 『小指の思い出』
- 『瓶詰めのナポレオン』
- 『回転人魚――あなたのお名前なんてーの?』
- 『白夜の女騎士(びゃくやのワルキューレ)』
- 『彗星の使者(すいせいのジークフリート)』
- 『宇宙蒸発(ワルハラじょうはつ)』
- 石舞台星七変化(ストーンヘンジ)
- 『野田秀樹の十二夜』
- 『半神』
- 『野田秀樹のから騒ぎ』
- 『明るい冒険――見よ、ポロロッカ空に逝く!』
- 『贋作・桜の森の満開の下』
- 『半神――リニューアル・バージョン』
- 『三代目、りちゃあど』
- 『野田版 国戦爺合戦』
- 『目に青葉ヤマホトトギス・赤穂浪士』
- 『透明人間の蒸気(ゆげ)』
- 『野田秀樹の真夏の夜の夢』
- 『キル』 1994年(第1回、第4回)
- 『贋作・罪と罰』 1995年(野田地図 第2回、第11回)
- 『し』1995年(野田地図 第1回番外公演)
- 『TABOO』1996年(第3回公演)
- 『赤鬼』1996年(第2回番外公演)
- 『ローリング・ストーン』1998年(第5回公演)
- 『Right Eye』1998年(第3回番外公演)
- 『パンドラの鐘』1999年(第7回公演)
- 『カノン』2000年(第8回公演)
- 『農業少女』2000年(第4回番外公演)
- 『2001人芝居(にせんひとりしばい)』2001年
- 『野田版 研辰の討たれ』2001年
- 『売り言葉』2002年
- 『RED DEMON(ロンドンの小劇場ヤングヴィックで上演された「赤鬼」の英語版)』2003年
- 『オイル』 2003年(野田地図第9回公演)
- 『野田版 鼠小僧』 2003年
- 『The Bee』(2006年7月ソーホー劇場上演。主演キャサリン・ハンター)2006年
- 『ロープ』 2006年(野田地図第12回公演)
[編集] 著作本
- 少年狩り 而立書房
- 赤穂浪士 而立書房
- 二万七千光年の旅 而立書房
- ゼンダ城の虜 白水社
- 怪盗乱魔 新潮社
- 空見た子とか 北宋社・初の小説
- 野獣降臨-『大脱走』併録- 新潮社
- 少年狩り-『赤穂浪士』併録- 角川書店・文庫版
- 当り屋ケンちゃん 新潮社(戯曲「小指の思い出」の原作小説)
- 小指の思い出 而立書房
- 瓶詰ナポレオン 新潮社
- ゼンダ城の虜・走れメルス 角川書店・文庫版
- 野田秀樹シンドローム 而立書房・エッセイ集
- ミーハーこの立場なき人々 講談社・書き下ろしエッセイ
- 美談 東京書籍・対談集
- 空、見た子とか 角川書店・小説文庫版
- 人類への胃散 角川書店
- 怪盗乱魔 新潮社
- 回転人魚 新潮社
- 白夜の女騎士 新潮社
- 野獣降臨-『大脱走』併録- 新潮社・文庫版
- 彗星の使者 新潮社
- 宇宙蒸発 新潮社
- ミーハー この立場なき人々 講談社・文庫版
- 怪盗乱魔 新潮社・文庫版
- 当り屋ケンちゃん 新潮社・文庫版
- 半神 小学館・戯曲/萩尾望都共同著
- 体でっかち マガジンハウス・ターザン連載<頭で体操>
- おねえさんといっしょ 新潮社・'82~'91全雑文 文庫版
- 贋作・桜の森の満開の下-『野田版・国性爺合戦』併録- 新潮社
- 誰にも気づかれずに大バカが治る 光文社・'89~'91JJ連載
- この人をほめよ 新潮社・文庫版'89~'91
- 定本・野田秀樹と夢の遊眠社 河出書房新社
- ぼくが20世紀と暮していた頃 中央公論社・'92~'93 マリ・クレール連載
- 廻をしめたシェークスピア-『真夏の夜の夢』『から騒ぎ』『三代目、りちゃあど』収録- 新潮社
- キル-『透明人間の蒸気』併録- 新潮社
- 解散後全劇作 新潮社
- 向こう岸に行った人々 ぴあ
- 20世紀最後の戯曲集 新潮社
- 二十一世紀最初の戯曲集 新潮社
- 野田秀樹 赤鬼の挑戦 青土社(鴻英良との共著)