長谷部恭男
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長谷部 恭男(はせべ やすお、1956年10月22日 - )は、憲法学者。東京大学大学院法学政治学研究科教授。広島市中区堺町出身。
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[編集] 人物
広島大学附属高校、東京大学法学部卒。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授。 政治思想史、法哲学、経済学、社会学などを通じての幅広い学識を駆使して憲法学を全く新しい角度から構築しようとするその学風は、特に若手の憲法学者に大きな影響を与えている。『憲法と平和を問いなおす』のヒットをきっかけに一般にもその名が浸透した。民事訴訟法学者で学習院大学法学部教授の長谷部由起子は妻である。
長谷部の憲法学で特徴的なことのひとつとして、判例理論をあえて「読み替え」ることによる正当化が挙げられる。 石川健治のつっこみに対して、「シヴィル・ソサイエティ」の維持が目的だと述べた。
また、石川による「長谷部の議論は狭義の説明(erklaren)であって了解(verstehen)ではない、外的説明に終始している」との指摘に対しては、「外的と言われようと説得できると思っている」と述べている(法律時報69巻6号57頁など)。
近年は、NHK不祥事に際し、副会長と共に「お詫び番組」に出演し、公共放送の重要性を強調したことでも知られる。
[編集] 学歴
- 1979年 東京大学法学部卒業
[編集] 職歴
[編集] 著書
[編集] 単著
- 『権力への懐疑――憲法学のメタ理論』(日本評論社、1991年) ISBN 4-535-57956-3
- 『テレビの憲法理論――多メディア・多チャンネル時代の放送法制』(弘文堂、1992年) ISBN 4-335-35122-4
- 『憲法』(新世社、1996年) ISBN 4-915787-67-2
- 『憲法学のフロンティア』(岩波書店、1999年) ISBN 4-00-022706-8
- 『比較不能な価値の迷路――リベラル・デモクラシーの憲法理論』(東京大学出版会、2000年) ISBN 4-13-031166-2
- 『憲法(第2版)』(新世社、2001年) ISBN 4-88384-023-9
- 『憲法と平和を問いなおす』(筑摩書房(ちくま新書)、2004年)
- 『憲法(第3版)』(新世社、2004年) ISBN 4-88384-067-0
- 『憲法とは何か』(岩波書店(岩波新書)、2006年)
- 『憲法の理性』(東京大学出版会、2006年)
[編集] 共著
[編集] 編著
- 『リーディングズ現代の憲法』(日本評論社、1995年)
- 『憲法本41――改憲・護憲をいうまえに学んでおくべきこと』(平凡社、2001年)
[編集] 共編著
- (舟田正之)『放送制度の現代的展開』(有斐閣、2001年)
- (宇賀克也)『法システム(3)情報法』(放送大学教育振興会、2002年)
- (中島徹・赤坂正浩・阪口正二郎・本秀紀)『ケースブック憲法』(弘文堂、2004年)
- (金泰昌)『公共哲学(12)法律から考える公共性』(東京大学出版会、2004年)
- (ダニエル・フット)『融ける境 超える法(4)メディアと制度』(東京大学出版会、2005年)
- (堀部政男)『メディア判例百選』(有斐閣、別冊ジュリスト、2005年) ISBN 4-641-11479-X
[編集] 共訳書
- J・ウォルドロン(愛敬浩二・谷口功一)『立法の復権――議会主義の政治哲学』(岩波書店、2003年) ISBN 4-00-025557-6