電脳戦機バーチャロン
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電脳戦機バーチャロン(でんのうせんきバーチャロン)は、セガの発売するコンピューターゲームのシリーズ。
戦闘用の巨大ロボット(バーチャロイド)を操って敵と対戦する対戦アクションゲームである。アーケード機での提供が主だが、家庭用ゲーム機版も発売されている。
プレイヤー対プレイヤーの対戦アクションゲームはストリートファイターIIシリーズ以来対戦型格闘ゲームが主流で、前進・後退・ジャンプのみという狭い自由度でしか移動できないものであった。しかし、バーチャロンシリーズの特徴は、プレイヤーは自機の後方の視点から3Dの戦闘フィールドをみて、前後左右空中と自由な機動を楽しめるようになっていることである。
カトキハジメによるバーチャロイドのデザインや高速で機動しながらの射撃戦、痛快な近接格闘戦などの魅力は多くのファンを熱狂させ続けている。
ロボットゲームの草分け的存在というわけではなく、以前からバトルテックやサイバースレッドなどのロボットゲームのタイトルは存在したが、これらのゲームは「ロボットの操作」が大前提であり「対戦」はそれに付随するものでしかなかった。「ロボットの操作」が前提ということで操作は複雑でアクション性に乏しく、地味な印象は拭えなかった。このことから「ロボットものは売れない」という評価がゲーム業界では一般的であった。毎年入社してくる新人に企画書を作らせるとロボットものを上げてくる者が多くおり、売れないことを分からせるために「あえて失敗させるためのプロジェクト」としてバーチャロンの開発は始まった。
バーチャロンは3D格闘ゲームとそれまでのロボットゲームをミックスしてよいとこ取りをしたようなゲームで、操作系を対戦前提にシェイプアップしたことによって、格闘ゲームにあるスピーディさと緊迫感を手にしたロボットゲームである。今でこそロボット対戦ゲームは一般的になったが、それはバーチャロンの功績によるものである。このバーチャロンのシステムを模倣したゲームも多く、例えばカスタムロボやアーマードコアがあげられる。 またマーズの場合、古参のファンと新参のファンで評価が真っ二つに分かれた。
目次 |
[編集] シリーズ構成
バーチャロンシリーズは、大きく分けると4作品(※)だが、さらに移植作品やマイナーチェンジなども多数存在するため、シリーズにおける統一的なバージョンであるM.S.B.S.Verが設定されている。
- ※ オラトリオ・タングラム ミレニアムエディションを別カウントとして5作品とする場合もある。
[編集] 電脳戦機バーチャロン
ジャンル | 3D対戦アクションシューティング |
対応機種 | アーケード(MODEL2) セガサターン Windows |
開発元 | AM3研 |
発売元 | セガ |
人数 | 2人(対戦) |
デバイス | ツインスティック |
シリーズ第1作。バーチャロイドと呼ばれる8種のロボットが登場する。操縦桿2本という斬新な操作インターフェースを採用した。バーチャロイドはこの操縦桿の操作に応じてダッシュやジャンプ、攻撃などを行う。全体的に荒削りだが、爽快感を第一とした調整には根強いファンがおり、本作(アーケード版)がシリーズ中最高傑作であるとする意見もある。
次作以降と区別する場合、背景設定の「オペレーション・ムーンゲート」に因み「OMG」と呼ばれる。
- M.S.B.S.Ver.3.3c - オリジナルのアーケードゲーム。
- M.S.B.S.Ver.3.3b - 回収バージョン。攻撃を受けた時の無敵状態がしゃがみ攻撃を続けることにより永久に持続した。視点切り替えに上視点、横視点などもある。少数ながら存在。
- M.S.B.S.Ver.3.3s - セガサターン移植作。スタンドアローン版とX-BAND対応版がある。ダッシュ攻撃時の振り向きウエイトが少ない等ゲームバランスがアーケードと大幅に異なる。
- M.S.B.S.Ver.3.3w - Windows移植作。MMX専用版とPC-3Dエンジン2(PowerVR)専用版がある。当時隠し要素として入れられていた60フレーム/秒表示などが現在では実用的な速度に達しアーケードと遜色ないゲーム環境になった。通信対戦やユーザー主催のインターネット大会などがいまだに行われている。
[編集] 電脳戦機バーチャロン オラトリオタングラム
ジャンル | 3D対戦アクションシューティング |
対応機種 | アーケード(MODEL3) ver5.2 5.4 アーケード(NAOMI) ver5.66 ドリームキャスト |
開発元 | AM3研/ヒットメーカー |
発売元 | セガ |
人数 | 2人(対戦) |
デバイス | ツインスティック、ビジュアルメモリ |
1対1を追求したシリーズ2作目、通称「オラタン」。バーチャロイドの種類も増え、機体毎の防御力の差の表現に「Vアーマー」が導入された。動作パターンも大幅に追加され「クイックステップ」「バーティカルターン」「空中ダッシュ」「スライディング(しゃがみダッシュ)攻撃」「ダッシュ近接」などの操作が可能となり、攻撃も左右ターボボタンの使い分けにより多彩なものとなった。またシステム基板の性能向上により、エフェクトもシンプルだった第1作に比べ派手なものになった。ファンの間では、続編がリリースされた後もなお高い人気を誇る。
- M.S.B.S.Ver.5.2 - 初期型。
- M.S.B.S.Ver.5.4 - ゲームバランスを調節した改良型。バーチャロイド背中のVコンバータが、セガサターン風からドリームキャスト風に変更された。
- M.S.B.S.Ver.5.45 - ドリームキャスト移植作。
- M.S.B.S.Ver.5.66 - 通称ミレニアムエディション。シュタインボック、10/80sp、アファームド・ザ・コマンダーの3機が追加され、ビジュアルメモリによってVer.5.45でエディットしたオリジナルカラーのバーチャロイドを使用できるようになった。 筐体に使用する基板がNAOMI基板になった事で、前Verと比べてグラフィックとBGMの質が若干違っている。
- バーチャロン・スペシャル-ジョイポリスに設置されたシミュレータ型筐体、ゲーム内のバーチャロイドの動きに合わせて筐体が振動する。M.S.B.S.Ver.5.2を元に作成された。
[編集] 電脳戦機バーチャロン フォース
ジャンル | 3D対戦アクションシューティング |
対応機種 | アーケード(HIKARU) |
開発元 | ヒットメーカー |
発売元 | セガ |
人数 | 1人~4人(対戦) |
通称「フォース」または「VO4」。ロゴマークは数字の「4」であるもののシリーズ3作目(ただし、オラトリオ・タングラムをVer5.2/5.4系とVer5.66で分け、フォースを4作目とする見方もできる)。1対1の対戦だった前作とうってかわり、2対2の最大4人対戦となる。当時の対戦ゲームとしては珍しい、磁気カードによる継続プレイシステムを採用している。このカードには名前、使用中の機体、戦績、ゲーム状況、オプションの記録が行え、カードの発行と内容確認は別の筐体で行う。このカードを作らないと大半の機体が使えない(カードを用いない場合、各系列ごとに1機種存在する基幹機種のみが選択可能となる)
大型筐体のみ出荷され、1P&2P、3P&4P、ターミナル(ターミナルを改造し1P専用筐体として使用した店舗も存在する)が必要であったため、設置スペース及びコストの関係上導入した店舗が少なかった。また前作より動作スピードを落としたこと、左右ターボ攻撃の区別が無くなったこと、およびVアーマーが廃止されたことはファンの間では賛否両論である。
- M.S.B.S.Ver.7.5 - 初期型
- M.S.B.S.Ver.7.6 - 747テムジンの追加、707テムジンが基幹機種から外される
- M.S.B.S.Ver.7.7 - アファームドT、景清、ガラヤカ追加
[編集] 電脳戦機バーチャロン マーズ
ジャンル | 3Dロボットアクション |
対応機種 | プレイステーション2 |
開発元 | ヒットメーカー |
発売元 | セガ |
人数 | 1人~2人(対戦) |
メディア | DVD-ROM1枚組 |
発売日 | 2003年5月29日 2004年2月26日(PS2 Best) |
価格 | 6,800円 2,800円(PS2 Best) |
対象年齢 | CERO全年齢 |
デバイス | DUAL SHOCK 2 |
家庭用向け専用にプレイステーション2で発売されたシリーズ最新作、通称「マーズ」。フォースのレギュレーションをベースにして、ミッションクリア型のアクションゲームに仕立て上げている。
戦闘はほぼフォースと同じであるが、ストーリーモードでは敵2-3機を同時に相手にしたり、軍事施設や輸送トレーラーを破壊するミッションなどもある。ステージについても迷路ステージや地雷ステージもあったりと、家庭用機ならではの要素が追加されている。回復アイテムや一定時間能力が上がるアイテムが追加されており、アクション性が重視される。また、従来基本的にゲーム内では触れられることのなかった背景設定が、随所でおおまかに語られている。
もちろん通常の対戦モードも備わっており、2人で対戦することも可能ではあるが、4人プレイには対応していない。
「テムジン系列が優遇されすぎている」「景清系列が1機も出てこない」「ツインスティックが発売されない」「データロードが長い」等々、シリーズのファンからは不満の声も多い。バーチャロンを知って間もない人や、設置数の少なかったフォースを満足にプレイしていない旧来のファンなどが対象となっている。
- M.S.B.S.Ver.8.5
[編集] 操作方法
バーチャロンシリーズは基本的に、攻撃ボタンとダッシュボタン(『オラトリオ・タングラム』以降はターボボタンという呼称)のついた操縦桿が一対(ツインスティック)による操作となっている。なお、セガサターンやドリームキャストおよびWindowsにも専用のツインスティック・コントローラが用意されている。『マーズ』は専用ツインスティックが用意されておらず、プレイステーションのコントローラーでの操作になるため操作が異なるが、方向キー又は左アナログを左スティック(ターボ:L1、左攻撃:L2)、十字に並んだ4つのボタン又は右アナログを右スティック(ターボ:R1、右攻撃:R2)に見立てるモードが用意されている。
[編集] 移動
- 2本の操縦桿のどちらか一方或いは両方を同じ方向へ倒すことで前後左右への移動ができ、後者の方が移動速度が速い。操縦桿は8方向にしか動かないが、左右の操縦桿の倒す方向をずらすことによって16方向への移動が可能となる。
- 移動しながらダッシュボタン(ターボボタン)を押すことで高速移動(ダッシュ)となる。
- 『オラトリオタングラム』以降ではダッシュ中に一度操縦桿をニュートラルに戻し、直前の進行方向に向かって左右90度の範囲内で異なる方向へレバーを倒すと方向転換が可能となる(バーティカルターン)。
- 2本の操縦桿を前後互い違いに倒すと旋回、左右外側に開くとジャンプ、ジャンプ中に左右内側に倒すとジャンプキャンセル(急降下)となる。
- 『オラトリオタングラム』ではさらにジャンプ中に左右外側に開くと2段目のジャンプが発生する。ターボボタンを押して旋回するとすばやく旋回する(ターボ旋回)。
- ダッシュ中は動きの自由度が少なく隙ができるが、ダッシュ攻撃を行っていなければ急停止(ダッシュキャンセル)ができる。ダッシュ中に攻撃をしてしまうとキャンセルはできなくなり、大きな隙ができることになる。また、キャンセルした後やダッシュ攻撃後に機体が停止するまでに惰性で動いてしまうことを「滑り」といい、この距離が長いと隙が大きい。なお、ダッシュキャンセルの方法は『初代(OMG)』では「進行方向と反対側にレバーを倒し、それと同時にダッシュボタンを押す(反対側にダッシュするイメージ)」という方法であったが、『オラトリオ・タングラム』以降は再度ターボボタンを押すことでダッシュ移動が解除される。
- ジャンプ中も同様に、ジャンプ中に攻撃をしてしまうと急降下はできなくなる。これも隙が大きい。
[編集] 通常攻撃
- 右操縦桿の攻撃ボタンを使う右手攻撃(Right Weapon/RW)、左操縦桿の攻撃ボタンを使う左手攻撃(Left Weapon/LW)、両方の攻撃ボタンを使う両手攻撃(Center Weapon/CW)がある。
- 敵を視界内に捉えていると自動的にロックオンする。ロックオンした状態であれば攻撃は自動的に敵を追尾する。(ロックオンの是非に関わらず無誘導の武器もある)
- バーチャロイドの状態(「立ち/通常移動」「しゃがみ中」「ジャンプ中」「ダッシュ移動中(前・後・左右)」)によって武器の特性や攻撃のパターンが変化する。
- 『オラトリオ・タングラム』以降、「空中ダッシュ中(前・後・左右)」「しゃがみダッシュ移動中(前・後・左右)」の状態が加わったため、武器も多彩になる。
- なお、ダッシュ移動中攻撃は自動的に相手の方向を向きながら攻撃を行う。
- 『オラトリオ・タングラム』以降、「立ち」「しゃがみ」「ジャンプ中」でターボボタンを押しながら攻撃するとターボ攻撃となる。さらに『オラトリオ・タングラム』では左右のターボボタンで右ターボ攻撃と左ターボ攻撃に別れている。機体によっては両ターボ同時押しというパターンもある。『フォース』以降は左右ターボの区別はなくなる。
- 実際にどのような攻撃が繰り出されるかは各バーチャロイドによって異なる。
[編集] 近接格闘
- 敵が至近距離にいるとき、ロックオンサイトが二重になってダブルロックオンとなる。この状態で攻撃ボタンを押すことで格闘戦を仕掛けられる。
- やはり近接格闘戦でも左手攻撃・右手攻撃・両手攻撃で別れている。『オラトリオ・タングラム』以降は通常攻撃と同様、ターボボタン同時押しでターボ近接攻撃が出せる。
- 『オラトリオ・タングラム』では、しゃがみ攻撃動作を行うことによりガード不能のしゃがみ近接攻撃が可能である。これも右手・左手・両手の区別がある。
- 更に『オラトリオ・タングラム』にはクイックステップ中に各トリガーを引くことによりクイックステップ近接攻撃も可能である。
- ダブルロックオン時に両方のレバーを内側に倒すと相手の近接攻撃をガードできる。
- ダブルロックオンになる距離は各バーチャロイドによって異なる。一般的に、近接格闘能力の低いバーチャロイドはこの距離が短く(=ある程度密着してからでないと攻撃できない)、高いバーチャロイドはこの距離が長い(=少し離れていても近接攻撃が出せる)。
[編集] 勝利と敗北
お互いに攻撃しあい、先にヒットポイントをすべて失った方が敗北となる。『フォース』のレギュレーションでは隊長機のヒットポイントが先になくなったチームが敗北となる(『マーズ』もこれに準ずる)。また、制限時間内に決着がつかなかった場合は、残りヒットポイントの多い方の勝利となる。これを(設定によって変更できるが)3セット行い、2本先取した側の勝ち抜きとなる。またドローの場合ある。
[編集] ストーリー
ゲームの舞台は巨大企業群が行政レベルまで運行するようになっている架空の未来世界であり、暦は電脳暦(Virtual Century:V.C.(電脳暦は16進数表記であり、電脳暦の"100年"は西暦の"256年"分に相当))と呼ばれるものになっている。
この時代、社会活動の全てが商業ベースで運行されるようになった事、そして人類共通の認識としての自分たちの限界──限りある地球圏でひしめき合うように生きていかざるをえないという事実は、紆余曲折の末お互いを潰しあう従来型の戦争を放棄させ、その役割の大部分を情報戦争へと推移させていった。しかし物理的戦争、闘争という形への欲求・需要を放棄するには至らず、代替として共存的闘争を旨とする「見世物」「戦争ゴッコ」たる限定戦争という概念が提出され、社会に組み込まれていった。
本作品の設定・ストーリーはこの限定戦争に投入されることとなった巨大人型戦闘兵器「バーチャロイド(Virtuaroid)」と、バーチャロイドをもたらしたオーバーテクノロジー及びその周辺を中心に展開されていく。
[編集] 初代(OMG)
月で発見された遺跡(ムーンゲート)から得られた技術(Vコンバータ)によって画期的な人型ロボット兵器(VR)が開発され、実際に限定戦争に投入されるようになった。そのなかで、月の遺跡が暴走を開始、バーチャロイドを駆って月遺跡破壊に挑むのが第1作である。第1作の筐体は、月遺跡破壊作戦(オペレーション・ムーンゲート)の兵士を募集するための端末であり、ゲームを通じて実際のバーチャロイドを遠隔操作しているという設定であった。前半のステージは適性検査、後半が実戦という設定なのである。
[編集] オラトリオ・タングラム
オペレーション・ムーンゲートによって月遺跡の暴走の危機は免れた。しかし実際には、月遺跡の破壊作戦も仕組まれたものであった。この陰謀が発覚したことから、バーチャロイドを開発していた企業国家DN社は崩壊し、DNAを擁するフレッシュ・リフォー陣営とRNAを擁するTSCドランメン陣営に分裂した。抗争の中で勃発した、因果律を支配するプラントタングラムの争奪戦(大戦役「オラトリオ・タングラム」)を描いたのが、第2作「オラトリオ・タングラム」である。この戦役も「マーズ」の中で真相が明かされる。
[編集] フォース
オラトリオ・タングラム開幕より4年後のVCa8年、火星と木星でVコンバータの原料となるVクリスタル(各々マーズ・クリスタル、ジュピター・クリスタルと呼ばれる)が発見された。これらの所有権を巡り火星と木星で大規模な限定戦争が企画、実行された。後に、「木星継承戦争」と呼ばれるこの戦争を描いたのが、第3作「フォース」である。しかし、同時にジュピタークリスタルからリバースコンバートしてくるアジムとゲランを水際で撃破、現実世界への侵入を阻止する作戦も展開されており、真意は明らかではない。
[編集] マーズ
木星継承戦争の開幕後、火星戦線は限定戦争としての管理ができなくなり、混乱の一途をたどり始めた。やがてそれらを裏で操っている組織の存在が確認され、彼らは「ダイモン」と呼ばれることが明らかとなった。タングラム消失にまつわる一連の事件も、全て彼らが原因であったといわれる。フレッシュ・リフォー盟主の座を引退したリリン・プラジナーはダイモンを討伐すべく、特務機関「MARZ」を設立した。MARZとダイモンの戦いを描いたのが、第4作「マーズ」である。
[編集] バーチャロイド
ゲーム中、プレイヤーが操作することになる巨大人型兵器。略称VR。正確には、戦闘バーチャロイドという。また、OMGで活躍するVRを基準として第1世代、第2世代、第3世代がある。
- 第1世代VR
- 『OMG』で活躍するVR群、および『オラトリオ・タングラム』『フォース』『マーズ』に登場している10/80系列のことを指す。
- 第2世代VR
- 『オラトリオ・タングラム』で活躍するVR群。Vアーマーと呼ばれる障壁を装備しており、第1世代VRに比べて圧倒的な性能を有する。地球圏での活動に特化しているため、マーズクリスタルの影響下にある火星圏では機能不全に陥る。地球圏でもVクリスタルの影響による機能不全が発生した後は、第3世代VRへ主力の座を譲る。
- 第3世代VR
- 『フォース』『マーズ』で活躍するVR群。Vクリスタルの影響による機能不全に対応したVコンバータを搭載する。火星圏で使用されていたが、地球圏でもVクリスタルの影響による機能不全が発生したため地球圏でも使用された。
[編集] テムジン系列
ヒーロー然とした外見の主役級バーチャロイド。
標準的な機体で、機動性・射撃能力・防御力・近接格闘能力すべてが高いバランスでまとめられているため、初心者から上級者まで幅広く使うことができる。また、「テム」などの愛称で多くのバーチャロンプレイヤーに親しまれている。『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』に登場するテムジン747Jのパイロットは自らを『チーフ』と名乗り、「指導、終了!」等の教官らしい台詞でプレイヤーに大きな印象を与えている(CV:谷昌樹)。 OMGではビームランチャーとビームソードが一体となった武器を主に使っていたが、オラトリオ・タングラムから、ビームランチャー形態の「ニュートラルランチャー」、高出力ビームランチャー形態の「ラディカルザッパー」、ビームソード形態の「ブリッツセイバー」、突撃形態の「ブルースライダー」と4つの形態に変形する「スライプナー」を使用している。 ブルースライダーはスライプナーをサーフボードのような形状に変形させ、その上に乗り突撃する。ラディカルザッパーは機種により威力やフォルムが異なる。
設定的に第1世代はDN社内部の0プラントが、第2世代はフレッシュ・リフォーの全面協力によってリファレンス・ポイントが、第3世代はフレッシュ・リフォー自ら開発・生産している。DNA専用機(ゲームでは両陣営で使える。以下のVRでも同様)。
登場シリーズ:全作品
[編集] 10/80系列
第1作で登場したテムジンの簡易量産型という設定のバーチャロイド。読み方は「テンエイティ」。OMG後にバーチャロイドの頭数をそろえるために量産されたが、性能は必要最小限度しかないうえに過剰に生産していたため、オラトリオタングラムの時点で不良在庫化していた機体を改修した10/80sp(1.5世代VR)が登場した。フォースでは火星にVクリスタルの影響への対応のテストヘッドとして使用された機体を(違法ではあるが)戦闘に投入した10/80adv(2.5世代VR)が登場する。
オラトリオ・タングラムでの登場時にはバーティカルターンが不可能等の制限を持っていた。強くなるには努力を要する。
登場シリーズ:オラトリオ・タングラムMSBS Ver.5.66、フォースMSBS Ver.7.7、マーズ
[編集] ライデン系列
両肩に強力なレーザー砲(通称ライデンレーザー/正式名バイナリーロータス/型番:Ali-02r)を装備したバーチャロイド。第1世代ライデンは第1世代テムジンのサポートを勤めるため0プラントにより開発されたが、開発上のトラブル(Ali-02rは元々倒産した会社の不良在庫であり、破格の値で入手できたものの、Ali-02rの生産ラインが既に無くなっていた為ライデンの生産数は限られていた)があり、更に1機でテムジン20数機分の製造費がかかることが判明し、結果として26機しか量産されず、その代替機としてベルグドル、ドルカスが開発された。第2世代ライデンは生産元であるデッドリーダッドリーの裏取引によりDNA・RNA双方に供給されDNA・RNA双方の形式番号を持つが、その制裁のために生産元が戦場となり、廃墟となった。故に第1.第2世代型バーチャロイドとしては双方とも希少な機体である。第3世代ライデンではVOX系と同じアダックスが開発・生産をおこない、VOK系及びVOX系の技術を取り入れたため、生産性が向上しているという設定がある。
全世代通して(第3世代はバリエーション次第だが)誘導は効かないが圧倒的な破壊力を持つ両肩のレーザー、威力と連射性、誘導性のバランスが良いバズーカ、低機動力を補う重厚な装甲をもち、火力と耐久力の高さから初心者にもある程度使いやすい機体であるが、良くも悪くもレーザーの使い方次第で勝負か決する。
また、オラタン登場時(第2世代ライデン)ではヒットポイントの9割とVアーマーの全てと引き換えに全機種で最高クラスの機動性能を得る技(装甲排除 : アーマーブレイク)が存在した。レーザーは片方のトリガーを引いたままにすることで片方のみの射出が出来、歩き中の機体の方向により正面以外への射出(左右45℃程度)も可能であった。また特定の条件(ダッシュ攻撃後のスライド状態の硬直中にある一瞬のタイミング)で本来平行に射出されるはずのレーザーが、V字型に射出できる(通称Vレーザー)、バズーカの発射モーションを弾が発射される前にレーザーでキャンセルでき、しかも通常よりも発生が早いレーザーが発射できる等、多くの小技が存在した。
登場シリーズ:全作品
[編集] バイパー/サイファー/マイザー系列
スピード重視、特に滞空運動性能に優れたバーチャロイド。強行偵察型としてテムジンをベースにして開発されたが問題(S.L.C.現象)が発生、機体を再設計。全世代総じて装甲は「紙」同然であり、ライデンのレーザーが当たると装甲のほとんどを削られる。第1世代VR「バイパーII」の通称は「紙飛行機」だったが、第2世代VR「サイファー」以降、変形して飛行形態をとるようになると揶揄ではなく比喩となってしまった。第3世代VR「マイザー」では多数のバリエーションが存在するようになる。
高い機動力と標準的な攻撃力をもってしてヒットアンドアウェイ戦法で戦う機体。しかし防御系の装備が殆どなく、中級~上級者向きな機体である。とはいえ初心者にとっても使い勝手は決して悪くは無く、武器に頼らない回避テクニックの基礎を身に付けることができる機体でもある。
また、ここぞというときに使いたい「S.L.C.ダイブ(S.L.Cとは「she's lost control(制御不能)」の略)」という特殊必殺技がある。OMGではライデンのレーザーさえも無効化する最強技だったが、オラタン以降は迎撃可能となった。さらにサイファーは旧新含めた全VR中、空中2回攻撃ができる唯一の機体である。
設定ではサッチェルマウスが開発・生産を担当し、RNA専用機である。同じサッチェルマウスが開発したスペシネフはバイパーIIから派生した機体である。
フォースに登場したマイザーシリーズはサイファーの機能をそれぞれ特化させた機体構成となっている。
- マイザーΗ(イータ):射撃戦に特化
- マイザーΓ(ガンマ):近接戦・特殊射撃に特化
- マイザーΔ(デルタ):バランス型(ただし、SLCダイブの使い分けが可能)
登場シリーズ:OMGロケテ(バイパーI)OMG(バイパーII)、オラトリオ・タングラム(サイファー)、フォース(マイザー系列)、マーズ(マイザーΔとその派生機)
[編集] アファームド系列
第1世代テムジンとは違って近接能力重視のバーチャロイド。ダブルロックオン距離が第1世代VR中もっとも長く、前ダッシュの距離と速度に優れる反面、後ダッシュと空中ダッシュは遅い(これらは後の機体に継承されている)。装甲と火力はテムジンより若干高めであるが、テムジンと違い攻撃を当てるにはそれなりの鍛錬が必要。
オラタンでは第2世代VRであるアファームド・ザ・バトラーとアファームド・ザ・ストライカーの2種類(設定ではその他多数のバリエーション)が登場し、前者が近接攻撃、後者が射撃攻撃を強化した機体となっている。MSBS Ver.5.66では、2つの中間的な機体「アファームド・ザ・コマンダー」が追加された。 第3世代ではバトラーから発展したジャガー(J)系列とストライカーから発展したタイガー(T)系列があり、それぞれで機体の派生がある一大系列となった。なおコマンダーを継承した機体はジャガー系列の中にある。火星戦域ではテムジンより早く第3世代機が登場したため、一時的火星戦線での主戦力となった。
マーズでは登場キャラクター「イッシー・ハッター軍曹」(CV:光吉猛修)の専用機であるアファームド・ザ・ハッター(通称ハタームド)が登場。格闘戦での性能は高いが、射撃武器は頭のテンガロンハットとナパームしか持たないため、格闘戦を行わない場合は何もできないに等しい。その姿はまさに漢の機体である。
尚、フォースでのハッター機はアファームドJ type HC、ハタームドはTのフレームで作ったMZVで別物。念のため。
登場シリーズ:全作品
[編集] ドルカス/ドルドレイ
防御力と近~中距離の攻撃力が高いバーチャロイド。ベルグドルと同じムーニーバレー製。高コストのライデンと低コストだが重量バランスの悪いベルグドル、これら重戦闘バーチャロイドの代替機として開発された。テムジンより少し高いコストの割に攻守のバランスが良く、ライデンに次ぐ装甲を持つ戦闘支援機体である。火力増強/コスト低減は光学兵器ではなく実弾兵器を搭載することで解決している。攻撃面の内容としても面の攻撃ができるファランクス、高誘導のハンマー(というより、とげ鉄球)、攻撃力があり連射の効くファイヤーボール、と火力のバランスがとれている。また重量級ながら機動力もあり、テムジンとは違ったアプローチで走攻守のバランスがよい。弾切れを起こしにくく、中級者以上には非常に扱い易いが、実体弾武器に起因する弾速の遅さや決定打不足は避けては通れない。
第2世代VR「ドルドレイ」はドルカスの直接の後継機ではないが(ドルドレイはトランスヴァール製)、ドルカスの特徴を一番濃く受け継いでおり、後継機として見る向きが多い。第2世代バーチャロイドでは最高の防御力を誇る。
これらの機体はフォース以降はVOX系列に統合されている。
登場シリーズ:OMG(ドルカス)、オラトリオ・タングラム(ドルドレイ)
[編集] ベルグドル/VOK(ボック)系列
両肩に装備された高誘導性能ミサイルが特徴のバーチャロイドとその派生系。
ベルグドルは設定上、コストが高騰したHBV-05(第1世代ライデン)の代替機として開発されたが、費用と期間が絞られたこととそれに帰属する設計の見誤りから全体的に重量バランスが悪く操安性に致命的な欠陥を持った機体となった。結局ドルカスの開発・正式採用において当初の目的は解決したものの、その生産コストの安さから引き続き生産され、第1世代で最も大量に生産された機種となる。 ゲームにおいては被弾ですぐ転倒したり、重戦闘系のクセに装甲がテムジン並だったり、近接戦闘能力も低く、武器も直線的な軌道のため決して使い勝手は良くないものの、武器のダメージは総じて高く、横移動速度がどのVRよりも高いので、使いこなせば相当の戦闘能力を発揮する。
VOK系列は小型VR「ボック」を中心に、「ボック」の頭上やや後ろに武装ユニットをかぶせるように装備する「ユニット・スケルトン・システム(USS)」構造となっており、見た目は二人羽織をしたような形状である。かぶせる武装ユニットは多種類存在し、ドルカスのコンセプト(低価格・高火力・高汎用性)をUSSという形で実現した第2世代VRである。この構造故か、USS装着時のボック自身はプレイヤーに「中の人」と呼ばれたりする事がある。 ゲームでは基幹機種であり実弾で固めた後方支援系のSAV-326「グリス-ボック」が登場する。ベルグドルの後継機というよりも、ベルグドルで行っていた運用を可能とするオプションを装備したVRと見るべきである。Ver.5.66では光学系兵器で武装を統一したSBV-328「シュタイン-ボック」が追加され、グリス-ボックと似せつつも異なる機体となっている。 その外見(特にグリス-ボック)と多種のミサイルを垂れ流す戦闘スタイルから通称「歩く武器庫」ともいわれている。先代と目されるベルグドルと違い、他機種にくらべ特に転倒しやすいというわけは無く、特にver5.2のグリス-ボックはドルドレイ並に転倒しにくかった(が、それが悲劇でもあった)。近接戦闘能力はやはり高くなく、ビームソード装備で若干リーチが伸びたシュタイン-ボックもそれは同じである。
その後、高い汎用性を持つUSSのコンセプトは第3世代VR「VOX」系へと引き継がれ、火星戦域で猛威を振るうことになる。
登場シリーズ:OMG(ベルグドル)、オラトリオ・タングラム(グリスボックのみ)、同 MSBS Ver.5.66(グリスボック、シュタインボック)
[編集] VOX(ボックス)系列
アファームド系列に並ぶ多数の系列機を擁する系列。第2世代VRであるVOK系列とドルカス/ドルドレイシリーズが統合する形で誕生しているが、基本コンセプトがVOK系列の正常進化型である点から見てVOK系列がドルカス/ドルドレイシリーズを呑み込んだという表現が正しいようである。汎用性、量産性が高く、大部隊に打ってつけの戦力として重宝されている。
小型VR「リー」を中心にオプションパーツを着込むことによって各系列機が存在する点は先代のVOK系列と変わらないが、先代が武装を変更する程度であったのに対してVOX系列では機体構造を一部変更する機種さえ存在し、機体の運用法は機種によっては全く違う場合がある。とはいえこれは部隊をVOX系列のみで構成できるよう意図されたものである。
火星戦域に投入された初めての第3世代VRであり、デビュー当初は機能不全に陥っていた第2世代VRを駆逐し、火星戦域の戦力図を大きく塗り替えることとなる。この事態に危機感を抱いたDNAは当時地球圏最強を謳っていたテムジン(第2世代)の大部隊を火星戦域に投入するも機能不全によって本来の性能を発揮出来ずに敗退、部隊は壊滅的な被害を被ることになる。これによってVOX系列は火星戦域の主戦力として定着することとなった。なお、マーズの時点でも定番戦力として活躍しており、眼にすることの多い系列である。
ちなみに、後にデビューするアファームドJ系列との相性が非常に良かったため、コンビを組むことが多いようである。
登場シリーズ:フォース、マーズ
[編集] バル系列
E.R.L(Ejectable Remote Launcher)という遠隔操作兵器を装備したバーチャロイド。元はCISに入るための装置「BBB(3B)」、そしてVコンバータを使った初めてのVRでもある試験用の機体で、その名も「バル・バス・バウ」。後に実戦投入されるが、時期的にOMG後期とかなり後になってからであった。
E.R.Lは「バル・バス・バウ」の腕から切り離された後は自動で敵を追尾・攻撃を仕掛けるが、本体はそれによって攻撃手段を失う諸刃の刃であった。このことは、この機体は実戦投入に至っても完成されていなかったことを示しているが、無脚浮遊型にして遠隔操作型の兵器を搭載しているのはOMG当時はこの機体のみであった。
その後、フレッシュリフォーで第2世代VR、第3世代VRそれぞれの開発が行われることになるとテストヘッドとしてバル系列が使われた。第2世代VR「バル・バドス」は脚部にもE.R.Lを仕込み、2対4個のE.R.Lを同時に展開することによる多彩かつトリッキーな攻撃が行えるようになると同時に、E.R.Lからビームクローを展開できるようにして格闘戦もこなせるようにするなど、大幅にポテンシャルを上げた。第3世代VR「バル・シリーズ」はフレッシュリフォーの(ひいてはDNAの)VRにとって未開の地である火星で無脚・2脚・4脚がテストされ、第3世代テムジンの開発に寄与している。もちろん通例通り、データ収集後は実戦投入された。
バル系列はE.R.Lを使用した多彩かつトリッキーな攻撃をするため、攻撃方法の把握が困難であることと、特定の攻撃時に空中で独特の踊りを踊り、攻撃をキャンセルしないと回避すら出来なくなるなど、癖のある機体であり、完全な上級者向けの系列となっている。
フォース以降の二人協力プレイではタングラム召喚などの珍技を使う。
登場シリーズ:全作品
[編集] フェイ・イェン系列
ツインテールで、ハートがモチーフの少女のようなフォルムをしたバーチャロイド。 耐久力と火力に難があるが、機動力・瞬発力は申し分なく、格闘戦はバイパー/サイファー/マイザー系列どころか格闘戦を得意とするアファームド系列と互角以上ともとれる戦闘を繰り広げる(もちろん腕次第だが)。また、ヒットポイントが半分を切ると機動力・武装性能が大幅にアップする「ハイパーモード(エモ―ショナルモード)」となるがオラトリオ・タングラムではプレーヤーが任意でハイパー化が可能になった、近接格闘時にカメラアングルが何故か足もとからのアングルに変更される特殊仕様であった。フェイ-イェンには自我を持ったオリジナルが存在し、VRとして活躍するフェイ・イェンは全てレプリカもしくはレプリカを強化・発展・改良したものである。
プラジナー博士が完成させたオリジナル・フェイ-イェン、僅かなオリジナルのデータ基に戦闘用VRとして複製した第1世代型(レプリカ・フェイ-イェン)、プラントに保管されていたVコンバータをRNAが解析・開発した第2世代型(フェイ-イェン・ザ・ナイト)、リリン・プラジナーがプラントを独自に設立、そこで限定モデルとして販売された第3世代型(フェイ-イェン・シリーズ)がある
・オリジナル・フェイ-イェン(VR-014) プラジナー博士が独自に開発・完成させたオリジナルVR群の1つでその他にVR-017エンジェランとVR-011ガラヤカが存在する、オリジナルVRには共通して自我を持っておりフェイ-イェンのそれは束縛を嫌い大雑把で移り気な性格、その性格が災いしてか現れる度に周囲をトラブルに巻き込んでいたようだ。装備されいるVコンバータは戦闘用VRとは別次元の物で実空間⇔CISへ自由に往来出来る機能や人間にも変換出来るという能力を持っている、彼女が好んで変身していたのは14歳の少女の姿と言われている。
武装は一切無く敢えて挙げるとすれば「エモーショナル・アタック」と呼ばれるビーム照射であるが物理的な破壊をする訳ではなく対象物と中の人間に対してに「おぼつかない」反応を引き起こすだけの効果しか発生しない、その反応も一定時間が過ぎれば正常に回復する。後に観測された「ハイパー化」現象は機体全体が黄金色に輝きその影響範囲あるものは「エモーショナル・アタック」と同様の効果が発生する。「自己進化」と呼ばれる機能もあるようで危機が訪れる等が引き金になり新たな能力が付加されるというものである、「ハイパー化現象」はそれによって付加された能力である。
当然その性能ゆえにDN社から常に身柄を狙われる立場にあり、遂にDN社最高幹部会は虎の子の特殊重戦闘VR大隊(現S.H.B.V.D.)を投入するまでに至った。
この様子についてはドラマCD(COUNTERPOINT 009A EPISODE#16)を参照
現在その後の消息は不明で009f年に実空間に現れた記録やCIS(cyber imaginary space 電脳虚数空間)に存在しているとされている。
『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』ではフェイ・イェン・ザ・ナイトが登場するドラマCD同様CVは樋口智恵子。
登場シリーズ:全作品
[編集] エンジェラン系列
紫色の神官服をまとい紫色のポニーテール、人工Vクリスタルの杖を捧げた少女のような外観を持つバーチャロイド。第1世代が存在しないVR。フェイ・イェン・オリジナルの姉妹機VR-017エンジェランのレプリカ。駆動力の大半はVR-017によって供給され、制御のイニシアチブもVR-017が持つ。パイロットはVR-017の認める範囲内で戦闘行動を取れるに過ぎない。一見不便なこのシステムだが、対アジム戦ではパイロットの精神に大きな負荷が掛かり、人間による制御では戦闘力の維持にも事欠く状況が珍しくなかった為、かえって安全である。多彩な氷属性の技を華麗に操る。ダッシュ距離が非常に長く、Vアーマーは厚いが装甲は脆い(Vアーマーと装甲については後述)。なお天使の様な翼を展開する(エクロージョンモード)ことも出来るがヒットポイントとVアーマーが犠牲になる(そのかわり機動力・攻撃力が格段に上がる)。
一部に誤解されているが、『アイスドール』とはVR-017が機能を強制的に凍結して第4プラント内に監禁保存されていた時の処置状態を指して付けられた通称であり、VR-017の正式名称ではない。
敵を凍らせる、氷の竜を召還するなど攻撃も魔法的。機体性能はさほどでもないが、滞空時間はバイパー、サイファー、マイザー系列の次に長く、敵の攻撃を無効化する武器を有効に使うと強力。
第3世代VRでは、レスキューダッシュ以外にヒットポイントを分け与えることの出来る手段を持つ機体(エンジェラン慰撫/TCW)がある。 フォースでは派生機体の指揮官専用機のデザインが全VR中一番凝った物となっている。
- 慈愛→神官帽を被る
- 慰撫→天使の輪(エンジェルハイロウ)が頭上に光臨
- 治癒→髪がショートカットの二股になり、ナースキャップを被る
登場シリーズ:オラトリオ・タングラム、フォース、マーズ
[編集] スペシネフ系列
大鎌を持った死神のようなフォルムのバーチャロイド。バイパーIIから派生したVR、第1世代VRはないことになっている。人の恨みなどのマイナスエネルギーを吸収し、エネルギーに変換するEVLバインダー(イビルバインダー)を持ち、パイロットにも精神的な負担を強いる。反面、バランスはともかく突出した性能が多い。
攻撃方法・機動力・スピードなど、どれをとってもアクが強く好き嫌いが別れる。ゆっくり執拗に追尾する武器や、高速で相手に到達する武器、相手の武器を一定時間封じる武器など攻撃のバリエーションは多いが、エネルギーを大量に消費するため連射しにくい。また移動速度自体は高速だがダッシュ距離が短かく、外見だけでなく性能にも非常に独特の雰囲気を持つ機体である。 13秒後に自爆する事と引き換えに無敵(転倒するが、ダメージは無し)となる技(デスモード)も存在する。デスモード発動後は敵機(フォースでは敵リーダー機)を13秒以内に撃破しない限りHP差で勝利していても一方的に敗北となる。使い所としては、残り時間が13秒を切っており、HP差で負けている場合、残りHPが限りなく0に近い場合などに一発逆転・短期延命措置として使用するのが効果的。
第3世代VRになると、武器封印に特化したタイプ、攻撃力を重視したタイプ、標準タイプに別れるが移動能力は全機体変わらず受け継いでいる。
登場シリーズ:オラトリオ・タングラム、フォース、マーズ
[編集] 景清系列
鎧武者のような外観を持つバーチャロイド。スペシネフから派生。戦国時代の落ち武者の浅はかならぬ怨念をVコンバータに蒸着したもので、EVLバインダーと似たシステムによって動作している。「風」、「林」、「火」、「山」、「凬(*…風の旧字体)」とバリエーションがあり、それぞれ持つ武器や特性が違う。近接格闘能力はアファームド系列以上と言われ、判定の発生速度、発生範囲に特有の癖が存在するため、慣れていないと景清系列の近接攻撃に返し技を合わせる事は困難。通称『漢モード』と呼ばれる近接格闘特化モードがあり起動時にHPが50%減り射撃攻撃が一切使用できなくなる代わりに、ワンセット終了時まで近接格闘攻撃力が大幅に上がる。
登場シリーズ:フォース MSBS Ver.7.7以降
[編集] ガラヤカ
とんがり帽子に杖をもった魔法少女のような外観を持つバーチャロイド。オリジナルはヤガランデの制御ユニット。操作できるのはレプリカである。フェイ・イェン・オリジナル、VR-017(正式名称不明)、そしてガラヤカ・オリジナルはCISの運命を握っていると言われている。
フォースでは敵に攻撃される事で溜まる画面端の「怒りゲージ」が満タンになると9秒間ではあるがヤガランデへ変身することが可能。変身時の言葉は「くるくるやがやがくるりんぱ♪」。変身時間終了後は画面中央に「つかれてとべましぇ~ん」の文字が表示され、ジャンプ系機動全てが使用不能になる。文字が消えるとジャンプ系機動封印解除。一見ふざけたネタ機体に見えるが、その実装甲が薄い反面機動性能に長け、前ダッシュRWの性能が軽量機体としては驚異的であり、CWは支援性能に長け、と実用に足る強力な機体である。大会でも上位に食い込む事が珍しくない機体である。
出現確率が極めて低く、一時期はガラヤカデータの入ったカードが一枚数万単位で取引された事もあった。レアリティーは全機体中最高。
MARZでも登場しプレイヤーキャラとして使うことができる(特定の条件で支給される)が、こちらはヤガランデへの変身は不可能。
登場シリーズ:フォース MSBS Ver.7.7以降、マーズ
[編集] ヤガランデ
オラトリオ・タングラム以外のシリーズに登場する中ボス。OMGでは前半の適正検査通過に時間がかかっていると現れる。フォースでも木星戦域に向かう前に現れるが、それはヤガランデの幻影とされている。マーズではTSCドランメンが管理する禁制領域シバルバー内にあるアースクリスタルか安置されている場所に現れる。
破壊の象徴として描かれており、装甲・武装・攻撃力すべてにおいて圧倒的な力(例えばライデンレーザーを一度にたくさん発射するなど)を誇示する。本来はプレイヤーキャラではないが、セガサターン版バーチャロンでは特定の条件でプレイヤーキャラとして選択することが可能。しかしプレイヤーが操作するヤガランデは恐ろしく移動スピードが遅い、見た目とは正反対の恐ろしく脆い装甲とCPU側と比べて激しく弱体化している。
ガラヤカも特定の条件で一定時間ではあるがヤガランデへ変身し、使うことが可能。
設定上、厳密に言えばバーチャロイドではないが、ある事情により極めてバーチャロイドに近い形状で実体化する。
登場シリーズ:OMG、フォース、マーズ
[編集] アジムとゲラン
戦闘結晶構造体と呼ばれる異世界からの来訪者。Vクリスタルを髣髴とさせる八面結晶構造体を頭部と腹部をもち、全身が半透明、人に近い形状をとる謎の物体。
当然VRではないが、設定では出現頻度が増えるにつれVRを模した人型形態をとる様になったとのことなので、そのあり方に何らかの影響を受けたということは想像に難くない。
オラトリオタングラムでは特定の条件でCPU戦開始時に出現する、極めて強力な性能を持つ謎の物体としてアジムが登場。特定条件でプレイヤーが使用することが出来るが性能が大幅に低下し、Ver5.4以降では時間が経過する毎にヒットポイントが減少する。機体選択画面では「CVT-001」という型番を与えられているが、これが何を意味しているかは謎。
フォースおよびマーズではジュピタークリスタルを介してCISから出現する謎の物体。外観上、男性型のアジムと女性型のゲランに分類できる。オラトリオタングラムで登場するアジムとジュピタークリスタルから出現するものが同一とは限らない。なお、打撃艦隊「フォース」がこれの迎撃任務に従事している。
登場シリーズ:オラトリオ・タングラム(アジム)、フォース以降(アジム、ゲラン)
[編集] 関連書籍類
バーチャロンシリーズはゲーム本編では語られない設定が多々あり、それらを補完する解説書やサイドストーリーも幾つか発表されている。
- 電脳戦機バーチャロン副読本 SCHEMATIC(ソフトバンク刊、ISBN 479730359X)
- 電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム「真実の璧」(ソフトバンク刊、ISBN 4797314907)
- CYBER NET RHAPSODY(東芝EMI、ドラマCD)
- COUNTERPOINT 009A(東芝EMI、ドラマCD)
- One Man Rescue(ホビージャパン連載)
- フラグメンタリー・パッサージュ(電撃ホビーマガジン連載)
- スクランブリング・コンチェルト (原作:亙重郎 作画:美夜川はじめ 月刊コミックドラゴン掲載 読切作品)
[編集] 関連用語
- DN社
- OMG以前は地球圏最大の企業国家。月面上で古代文明の遺跡であるムーンゲートを発見し、この遺跡由来のオーバーテクノロジーを利用するため各プラントを設立した。OMG後その影響を受け崩壊する。
- DNA
- 最も代表的なVR運用組織。元々はDN社所属の軍事組織(Corporate Army)であり、初めてVRが配備された組織。DN社瓦解後、その資産を吸収し受け継いでいったフレッシュ・リフォーがVRを不良在庫とみなしたため、それを大量に保有するDNAは放逐され、傭兵集団となった。RNAの出現により皮肉にもそのフレッシュ・リフォーよりテコいれを受け、大きく息を吹き返す。その組織の大きさゆえに人員の質には大きなばらつきがあり、単騎で戦況を左右するスーパーエースから事なかれサラリー傭兵までピンきりである。
- RNA
- OMG以降突如出現し、今やDNAと並ぶ代表的な、しかし今だ謎多きVR運営組織。それまで唯一のVR運用組織であったDNAの対抗勢力となり、戦争商品として問題視されていたVRの市場価値を爆発的に高める結果をもたらした。DNAに比べ組織規模としては小さいが、出現当初より非常に優れたVR運用システムを持っており、また所属員のモチベーションも総じて高いためその戦闘能力には高い定評がある。
- 0プラント
- DN社により最初に設立され、当初はオーバーテクノロジーの研究を一手に手がけていたが、CIS突入実験の失敗、第1世代ライデンの開発失敗、オリジナルフェイ・イェンの逃亡などの事件が原因となり解体された。オーバーテクノロジーの利用・研究は第1~第9の各プラントに引き継がれる。
- ダンシングアンダー
- 第1プラントとして設立された。OMG後ムーンゲートの管理を行っていた。アイザーマン博士のクーデター後、一時的にサッチェルマウスに占領された。(1st PLANT DU-01 Dancing Under)
- トランスヴァール
- 第2プラントとして設立された。第1世代型アファムードの開発を行う。OMG後は第2世代型アファムードおよびドルドレイを開発し秘密裏にRNAに提供した。(2nd PLANT TV-02 Transvaal)
- ムーニーバレー/アダックス
- 第3プラントとして設立された。ドルカスの開発を行う。オラトリオ・タングラム後はVOK系列の開発により地球圏最大のバーチャロイド生産メーカーとなり名称をアダックスに変更した。(3rd PLANT MV-03 Moony-Valley)
- TSCドランメン
- 第4プラントとして設立され、南米にある本拠地にアースクリスタルが存在する。第2世代型エンジェランの開発元であるが、「エンジェランの略奪」と呼ばれる事件以後RNAの支援を行う。(4th PLANT TSC-04 TSC Drammen)
- デッドリーダッドリー
- 第5プラントとして設立された。第1世代型ライデンの開発者が移籍しており、彼らにより第2世代型ライデンの開発が行われた。しかし、DNAとRNA双方に第2世代ライデンを供給したことが問題視され、プラント本拠地が限定戦争の戦場と化し閉鎖された。(5th PLANT DD-05 Deadley-Dudley)
- サッチェルマウス
- 第6プラントとして設立された。OMG後マシュー大佐およびアイザーマン博士によるクーデターによりサイファー系列の提供と引き換えにRNAに対して支援を依頼する。(6th PLANT SM-06 Satchel Mouth)
- リファレンスポイント
- 第7プラントとして設立された。フレッシュリフォー直轄で第2世代型テムジンの開発を行う。(7th PLANT RP-07 Reference Point)
- フレッシュリフォー
- 第8プラントとして設立された。DN社崩壊後、他のプラントを含むDN社傘下の各企業を統括し地球圏最大の企業国家として君臨する。DN社参加企業統括当初はバーチャロイドの開発・販売に冷淡だったが、RNA出現後はバーチャロイドの開発を全面的に行う。(8th PLANT FR-08 Fresh Refoe)
- 第9プラント
- フレッシュリフォー直轄でタングラムの開発を目的として設立されたが、オラトリオ・タングラム開幕まではその業務内容は外部には公開されなかった。(9th PLANT final reactor TANGRAM)
- ムーンゲート
- 月面上に存在する人類以前の知的生命体を起源とする遺跡。この遺跡の最深部にムーンクリスタルが存在する。
- CIS
- 電脳虚数空間の略称。Vクリスタルを入り口として特異空間であり、アジム・ゲランはこの空間から発生すると言われる。
- M.S.B.S.
- 「Mind Shift-Battle SYSTEM」の略称。戦闘バーチャロイドの戦闘用OS。元々XMUプロジェクトと呼ばれる人型戦闘兵器開発計画において、人の精神と機械(兵器)の制御系を直結させて制御するためのオペレーション用ソフトウェアとしてに作られた。人の精神に戦闘時の興奮状態を強要させる機能があり、長時間の利用は人の精神にかなりの負担になる。またリバースコンバートに必要なマインドフォーマット用ソフトウェアでもあり、人類がリバースコンバートで作り出す建造物が戦闘バーチャロイドにほぼ限定される理由はこれにある。なお開発元はS.E社、供給元はG.A社(合わせてSEGA)である。
- バーチャロン現象
- 「virtual-on」現象。後にV.クリスタルと呼ばれる結晶体によって引き起こされる精神干渉現象。適性(耐性)のないものはその過程で精神が拡散し、精神異常を起こし最悪廃人となる。戦闘バーチャロイドの操作には実はこれが利用されており、それゆえに極めて高いレスポンスを発揮している。
- V.ポジティブ
- 「virtual-on positive」(バーチャロン適性)。バーチャロン現象に巻き込まれても自我を保ち無事でいられるかの適性度を相対的評価した値。バーチャロイドパイロットの場合、この適性値が高いほどメイン・ユニットであるV.コンバータの活性を上げて運用でき、バーチャロイドを高い性能で操縦できるということになる。
- V.クリスタル
- 「virtual-on crystal」。月面遺跡で発見された8面結晶構造体。バーチャロン現象をはじめとする不可思議な特性をもち、またC.I.S.(電脳虚数空間)の発見にも繋がった。真の能力は「事象の転送」。
その後、太陽系各地に同様のものが存在することが判明した。現在確認されているのは地球(アースクリスタル)、月(ムーンクリスタル)、火星(マーズクリスタル)、木星の衛星(ジュピタークリスタル)である。 - V.クリスタル質
- V.クリスタルが発見された遺跡付近で確認されるV.クリスタルとほぼ同じ性質を持つ物質。ムーンゲートでは壁に塗布されており、自然剥離したものが底部に大量に堆積していた(壁に塗布されているものは人の手で剥がすことは現状不可能)。TSCドランメン内の遺跡でも堆積、採取可能であることも確認されている。これらを粉砕、巨大ディスクに均等に塗布したものがV.ディスクであり、つまりV.コンバータの核となる材料である。
- V.コンバータ
- 月面遺跡で発見されたVクリスタルの機能を模して作られた装置。内部の円盤表面にVクリスタル(の粕)がコーティングされている。本来は、BBBユニットの補助装置として開発されたが、後にリバース・コンバート現象が発見され、戦闘バーチャロイド開発に繋がる。
- リバース・コンバート
- バーチャロイドの本体はコクピットとVコンバータからなる「C.I.S.突入艇」であり、あらかじめ記録されている機体の設計データを基にVコンバータによってバーチャロイドとして具現化される。この具現化現象をリバース・コンバートといい、その様子はドリームキャスト版オラトリオ・タングラムのオープニングムービーで見ることができる。また、任意の場所にある物体を、別の任意の場所にリバース・コンバートさせることを定位リバースコンバートと呼んでいる。
- Vアーマー
- 第2世代VRのみが持つ特殊装甲。射撃武器を無効化あるいは威力を減衰できる。Vアーマーが厚いものは装甲も厚いものが多いが、そうでないものもある。マーズクリスタルの影響下では機能が阻害されるため展開できない。
[編集] 関連項目
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ - 『オラトリオ・タングラム』/『マーズ』の主なバーチャロイドがゲスト的に数機種参戦(ストーリー面での絡みは無い)。グラフィックはゲームデザインに合わせて2D・SD化されたが、戦闘アニメーションではバーティカルターンやジャンプキャンセルなど細かい動作も忠実に再現されている。
- バーチャロイドの一覧
- ロボット競技 - 直感的に操作できる優れたインターフェイスとして、家庭用ツインスティックを操縦桿に転用する例が多く見られる。