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ストリートファイターII

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

この項目の本来の表記は「ストリートファイターⅡ」です。一部の日本語環境で表示できない文字があるため、仮名・略字または代用文字を用いています。

ストリートファイターII』(-ツー、本来の数字表記はローマ数字)は、カプコン制作の対戦型格闘ゲームで、1987年に登場した『ストリートファイター』の正統続編。通称『ストII』(ストツー)。1991年アーケードゲームとして登場し、爆発的ヒットを記録した。

目次

[編集] 概要

今日の対戦型格闘ゲームの雛形となり、多くのフォロワーを生み出した。また、多くの続編、ゲーム機への移植が行われ、対戦型格闘ゲームブームを引き起こした。特にスーパーファミコン版は販売本数約288万本で、対戦型格闘ゲーム史上売り上げ1位を記録。ゲーム以外には、アニメや実写の映像化やコミカライズ、CDドラマなどの幅広い展開をしている。

大きく描かれたキャラクターが1対1で対戦する。各キャラクターはプレイヤーの操作により生き生きと動き、また、キャラクター間のバランスは綿密に調整され(IIダッシュ以降)、対戦を奥深いものとした。スパIIXは、そのすばらしいバランスと、スーパーコンボの奥深さで現在も筐体はよく置かれている。

[編集] 操作方法

操作系は、各3個のボタンが上下2列に並んだ6ボタン+8方向スティック。各ボタンには、強[1]・中・弱のパンチおよびキックが割り当てられている。ボタン入力により、多彩なパンチ・キックなどが出せるほか、スティックの方向入力と組み合わせて、コマンド入力技を繰り出すことができる。後に登場した2D対戦型格闘ゲームのほとんどが、本作で確立されたコマンド入力方法を踏襲しているため、このゲームで使用された波動拳コマンドや昇龍拳コマンドは、他格闘ゲームにおける同様の技コマンドを説明する時にも使われることが多い。

また、キャラが右向きのときに左方向(後)にレバーを入れることにより「ガード」でき、基本技はダメージを受けず、必殺技はダメージを軽減できる(キャラクターの位置が左右逆になり、左向きになった場合は入力方向も左右逆になり、レバー右方向でガード。ガードに限らず、必殺技などの入力コマンドも左向きの場合は左右逆になる)。ガードにはレバーを真左に入れる「立ちガード」と左下に入力する「しゃがみガード」の2種類があり、立ちガードは足元を狙う「下段技」をガードすることは出来ない。逆にしゃがみガードではジャンプしながら繰り出される攻撃や特定のコマンド入力による「中段技」をガード出来ない。

また、ガードを崩す方法として「投げ技」がある。相手と密着している状態でレバーを右または左方向に入れたまま中ボタンか強ボタンを押すことで相手を投げ飛ばすことができる。相手が立ちガードをしていても、しゃがみガードをしていてもダメージを与えることができるため、ガードばかりしている相手には有効だが、相手とかなり密着しないと出すことが出来ず、不用意に近づこうとしても打撃技で簡単に反撃されてしまうため、簡単に決めることは出来ない。

それまでのコンピューターとの対戦から人間との対戦に主眼が置かれ、ガードの導入により一方的な攻撃でなく防御も有効な手段となり、多彩な駆け引きと攻防を楽しむことができる。

[編集] キャンセル技

必殺技キャンセル
ユーザーにより、通常技の動作をキャンセルし必殺技を出す方法が発見された(実はプログラムバグにより生み出された副産物)。後の対戦格闘ゲームでは、システムとしてキャンセルが組み込まれることが多くなった。当時の雑誌等のインタビューにより開発の段階ですでに発見されていた。通常は予期せぬ機能のために修正をしなければならないが、最終的にキャンセルが存在するほうが面白いと判断し存在を伏せたまま販売に至った。この英断がなければ驚異的なヒットをするゲームにはならなかったと言っても過言ではない。本来は必殺技のコマンドでレバー入力よりも先にボタンを入力してしまった場合でも通常技の出掛かりを省いて必殺技を優先させて、コマンド入力を補助する機能だったが通常技の攻撃判定が出てからでも機能してしまったためにこのような現象になったと思われる。
連打キャンセル
通常技同士でもキャンセルは存在する。一部キャラクターの弱攻撃は連打することでモーションの引き際がキャンセルされる。しゃがみ弱パンチ→立ち弱パンチの様な連打キャンセルも成立する。また、弱→弱の連打キャンセルを行った場合は必殺技でキャンセルできなくなる。リュウの場合しゃがみ弱キックは必殺技でキャンセル可能だが、しゃがみ弱パンチ→しゃがみ弱パンチ(連打キャンセル)→必殺技(必殺技キャンセル)といった動作はできない。ただししゃがみ弱パンチ→立ち弱パンチ(連打キャンセル)→必殺技(必殺技キャンセル)というようなケースは成立する。
同時押しキャンセル
連打キャンセルとパンチとキックを同時に押した際にパンチが優先される現象を複合した技。しゃがみ弱キックの後に立ち弱キックと強パンチを同時押しするとしゃがみ弱キック→立ち強パンチと連続で繋がる現象がもっとも有名。しゃがみ弱キック→立ち弱キックの連打キャンセルにパンチが優先させる機能で割り込みをかけ成立させていると思われる。パンチボタンを変えることによってしゃがみ弱キック→立ち中パンチや弱キック→立ち弱パンチなども可能。また立ち弱キック→しゃがみ弱キックとしゃがみ強パンチ(弱パンチor中パンチ)の連携も可能。広まりだしたのはダッシュの後期からダッシュターボの初期で当時のコンシューマに移植された機種ではメガドライブ版のダッシュプラスのみ可能。リュウ、ケン、ガイルでよく使用されたが、バイソンでも可能。またスーパー以降のバージョンでは使用不可。

[編集] コンボ技

ストリートファイターシリーズの特徴として、連続技が強力なことが挙げられる。各キャラの連続技はどれもゲージの半分からひどい場合は3分の2を奪う上に確実に気絶させるようなものばかりで一発決まればそれで勝負が決まってしまうことも多々ある。それ故に「ターボ」から徐々に攻撃力が低くなったというのも特徴の1つである。

[編集] 登場キャラクター

第一作の『ストリートファイターII』でプレイヤーが使用可能なキャラクターはリュウケンエドモンド本田春麗ブランカザンギエフガイルダルシムの8人。プレイヤーキャラが8人もいることもさることながら、その自分が選んだキャラ以外が敵キャラとして登場するというアイデアも画期的であった。

プレイヤー選択可能キャラ7人を勝ち抜くと、M・バイソンバルログサガットの三人が地図に表示される。サガットのみ前作にも登場したキャラであり、プレイヤーにはサガットがまた最終ボスだなと思わせておき、サガットを倒すと真のボスである「四天王」の長、ベガが登場する。あらゆる格闘ゲームの元祖的存在でありながら、すでに「隠しボス」的要素(出現条件は普通に進めれば100%出るとはいえ)も持っていたことは注目に値する。これら四天王は続編の『ストリートファイターII'』でプレイヤーキャラとしての調整を加えた上で使用可能になった。

『ストリートファイターII' TURBO』までは上記の12人であったが、『スーパーストリートファイターII』以降の作品から、新キャラクターが4人追加された(サンダー・ホークフェイロンキャミィディージェイ)。『スーパーストリートファイターIIX』で隠しボスとして豪鬼が追加された。

[編集] エピソード

このゲームがアメリカで稼動した際、M・バイソン→バルログ、バルログ→ベガ、ベガ→バイソン将軍と名前が変更された。この名称変更の理由はマイク・バイソンが実在するプロボクサー、「マイク・タイソン」にあまりにも酷似しているので肖像権に配慮したためと、「ベガ」が欧米では女性的な名前(英語圏では織姫にあたること座の一等星をイメージさせる)であるため敵の親玉には相応しく無いとされ、中性的なバルログにこの名前があてられた。

初代『ストII』のベータテスト版は船水紀孝ひとりの手によって作られたという。

初代『ストII』の作曲は当時のALPH LYLAの「P♪」(下村陽子)と「Oyaji」(阿部功)が担当していた。

作中のキャラクターの声や、ナレーションの声は声優ではなく全てカプコンの社員によって吹き込まれたもの。しかし、その独特の声や発音などからファンの間での人気は高い。

[編集] シリーズ(アーケード版)

ストリートファイターII -The World Warrior-(1991年
発売当時は今までのゲーム同様CPU戦がメインで制作されており、対戦はそれほど考慮されていなかった。そのためゲームバランスが甘く、キャラの相性が極端であったり、ガード状態から投げることも出来たり、小技がピヨり状態になるまで連続して入り続けたりした。
また、勝利&エンディングのメッセージがすべてひらがな(濁点も1文字扱い)だったり、エンディングのグラフィックが妙に味わいのあるテイストになっていたり、スタッフロールで流れるBGMがコンティニュー時のものだったりと粗もあった。
ストリートファイターII'(ダッシュ) -CHAMPION EDITION-(1992年
四天王がプレイヤーキャラクターとして使用可能になり、同キャラクター対戦も可能になった。四天王のアニメパターンの増加に伴いボーナスステージ(樽壊し)の機械やサガットステージの椰子の木のグラフィックがカットされる。また、各キャラの顔グラフィックとステージの背景色が微妙に変わっている。5作中最もバランスが良いというファンもいるが、あいかわらずやりやすいハメが健在。また、お互いが別々の筐体同士で戦う「対戦台」が普及したのもこの作品からである。エンディングのグラフィックも多くのキャラで修正が入った。
ストリートファイターII' TURBO(ダッシュターボ) -HYPER FIGHTING-(1992年)
後述の海賊版を一掃するために作られたバージョンと言われている。開発開始は次のスーパーストリートファイターIIの方が先であったとゲーメスト増刊スーパーストリートファイターIIムックの開発者コメントに書かれていた。また開発は日本で行われたが販売は海外の方が先であった。これも海賊版対策のためと考えられる。ゲーム内容は一部キャラクターに必殺技を追加、キャラクター間のバランスが調整され、ゲーム全体のスピードが高速化された。なお、この作品のみ2Pカラーがデフォルトとなっている(ベガのみ1Pカラーがデフォルト)。
スーパーストリートファイターII -The New Challengers-(1993年
新キャラクターが4人登場(サンダー・ホーク、フェイロン、キャミィ、ディージェイ)。このゲームからシステム基板CPS-2(Capcom Play System 2)を採用し、それに合わせグラフィック・サウンドなども改めて作り直されており、BGMは1~2ラウンド間は止まらずに通しで流れるようになった。リュウ、ケンなど前作まで殆どの男性キャラクターで共通になっていたボイスが差別化された。ファーストアタック(ラウンド開始後に最初に攻撃をヒットさせた側にスコアが加算される)やヒット数の表示が導入されたのはこの作品から。ゲームスピードは『ダッシュ』の頃のように低速に戻った。また、専用の基板を4枚接続し設定を行うことで、CPUを含めて8人でのトーナメント戦を行うこともできたが、席移動をしなければいけなかったり、最高でも3回戦っただけでゲームオーバーになってしまう等の理由でほとんど普及しなかった。
スーパーストリートファイターII X -Grand Master Challenge-(1994年
スーパーコンボ(いわゆる超必殺技、行動により溜まるゲージが最大になると1度だけ発動できる)が追加された。新キャラクター豪鬼が登場。ゲームスピードは選択式になった。また、定番であった樽壊しや車破壊などのボーナスゲームは、この作品で削除されている。豪鬼の存在はさておき、バランスに関してはシリーズ最高傑作と評されることが多く、現在でもゲームセンターでよく稼動している。プレイヤーのカラーパターンが過去最大の10色(うち2色は、前作『スーパーストリートファイターII』仕様のキャラクターで、スーパーコンボなどが使用できない。実際には『スーパー』のものとも微妙に異なる)。
ハイパーストリートファイターII -The Anniversary Edition(2004年
システムは『II X』に準拠、『初代』から『II X』までの全シリーズの最終バージョンにおけるキャラクターを使用できる。

[編集] 海賊版

大ヒットに伴い、違法にコピー・改造された基板が多数出回った。対象となったのは『ストリートファイターII'』で、その中でも「レインボー」と呼ばれるものが代表的(タイトルが虹色に見えることから)

ゲーム全体の高速化のほか、全ての必殺技が空中で出せる(例:空中波動拳~ジャンプ~空中波動拳~ジャンプ~が可能)。

飛び道具が画面中に何個でも出せる(必殺技を必殺技でキャンセル可能な為)。上下へのホーミングをするほか、速さもボタン対応。

ゲーム中にスタートボタンを押す度にキャラクターが順に変わる。

敵体力減少と共にゲームスピードUP&四天王に順に変化など、ゲームとしては理不尽な部分がある。

のちに『II' TURBO』が発売され、それとともにほぼ淘汰されたが、個人経営のゲームセンター等では現在でもまれに見ることが出来る。

[編集] コンシューマー移植版

[編集] スーパーファミコン

ストリートファイターII1992年6月10日)販売本数約288万本
スーパーファミコンで初だった16メガROMで発売。当時としては非常に素晴らしい移植度で、カプコンの技術度の高さを感じさせた。多少カットされている要素はあるものの、アーケード版のエッセンスは十二分に詰め込まれている。当時家庭用開発チームと仲の悪かったアーケード開発チームも完成度にうなったという逸話がある。また、隠しコマンドでアーケードでは不可能だった「同キャラ対戦」が可能になっており、2Pキャラの色はすでに稼動していた「ダッシュ」に準じているというサービスもあったが、四天王は使うことはできなかった。アーケード版との違いは以下の通り。
  1. タイトルデモの殴りあう白人と黒人のアニメーションがない(「ターボ」も)
  2. 各キャラパターンと必殺技等の声の微妙な省略
  3. 必殺技の強弱によって声の高さが違う
  4. 積んであるドラムカンを破壊するボーナスステージが、レンガを破壊するものに差し替え。また、本作のみ樽を破壊するステージが入っておらず、ボーナスステージは4ステージ間となっている。
  5. BGMの違い(音色がアレンジされているだけでなく、ピンチ時専用BGMがアーケード版では原曲をアレンジした専用曲なのに対し、原曲のスピードを上げただけのものになった。以降の移植作に共通)
このゲームはコンシューマ向けの本格作品ということで、実写で俳優が専用のCM映像を撮影。当時としては珍しいことで、しかもゲームに配慮した渋い内容の実写映像だったため話題になった。春麗を当時新人の水野美紀が演じていたことは有名な話であるが、相手役のリュウを演じていたのは坂口憲二に似ているRYOという当時無名の新人俳優である。ベガは軍司眞人、ガイルはジェフ・ライベングッドが演じた。
なお、ポーズをかけたときに流れる謎の効果音も話題になっている。
ストリートファイターIIターボ1993年7月11日)販売本数約210万本
基本的に前作のマイナーチェンジ。商品名は「ターボ」だが、アーケード版の「ダッシュ」「ダッシュターボ」両方が遊べる。「ノーマルモード」を選ぶとダッシュ仕様、「ターボモード」を選ぶとダッシュターボ仕様に。速度が変えられるのはターボモードのみ。隠しコマンドで速度設定が増えたり、必殺技が使えなくなったり、対戦モードで技を使えるようにするかしないかの設定ができる。なお前作の「必殺技の強弱によって声の高さが違う」仕様は今作で撤廃され、前作で削除されていた樽のボーナスステージや国名の音声読み上げなどが復活した。
スーパーストリートファイターII1994年6月25日)販売本数約129万本
メガドライブ版と同時に発売。アニメ映画とのタイアップで、パッケージはアニメ映画の絵で描かれており、アーケード版のイラストは使われなかった。XBANDというスーパーファミコン用のアナログモデムで、通信対戦することができた。後述のストリートファイターコレクション収録の同タイトルにはない、グループバトル・トーナメント・タイムチャレンジが収録されている反面、ハード性能の限界でBGMや効果音が無くなっていたり貧弱なものに差し替えられている。

[編集] PCエンジン

ストリートファイターIIダッシュ1993年6月12日NECホームエレクトロニクス
かなり前から予告されていたが大幅に発売が遅れ、すでにスーパーファミコンでターボが発売されようかという時期にようやくダッシュとして発売された。コンシューマーでは「ダッシュ」としての移植は唯一の作品で、この作品のためにそれまでは2ボタンしかなかったPCエンジンのパッドが、6ボタン仕様の物も発売された。一応2ボタンパッドでもプレイすることは可能だが、その場合RUNボタン・Iボタン・IIボタンにパンチ・キックを2種類ふりわけ、セレクトボタンを押すことで切り替えるというシステムであった。このため、おおよそ現実的にはプレイ不可能な状況であり、6ボタンパッドが不可欠という意見と、PCエンジンGTなどの携帯型機でもプレイできる上、2ボタンパッドではまた変わった操作方法が楽しめるという意見とに大きく分かれ、賛否が分かれている。当時はすでにCD-ROM全盛だったPCエンジンだがHuカードでの発売で、20Mもの大容量ROMを使っているだけあり移植度はかなり高い。基本的にスーパーファミコン版を改良移植している。

[編集] メガドライブ

ストリートファイターIIダッシュプラス1993年9月28日
メガドライブでは初のストIIシリーズ。家庭用オリジナルの商品名で、パッケージ絵もダッシュのものだが、内容はほとんどスーパーファミコン版「ターボ」と同じ。ライセンス問題で同じ商品名が使えなかったための措置と思われる。スーパーファミコン版での「ノーマルモード」を「ダッシュモード」、「ターボモード」を「エキサイトモード」と呼ぶ以外はほぼ同じ。スーパーファミコン版「II」発売からしばらくしてメガドライブ用6ボタンコントローラーが発売され、多くのメガドライブユーザーは「メガドライブ版ストIIの発売」を予感した。ターボまでの家庭用への移植では唯一、オープニングデモのストリートファイトのシーンが再現されているが、海外版ではオリジナルで白人が黒人を殴っていたのに対し白人同士になっている。また、この当時の家庭用移植で唯一「同時押し」(弱攻撃と強攻撃を同時に押すことで強攻撃を連打キャンセルで出すことができる)が再現されている。
スーパーストリートファイターII1994年6月25日
スーパーファミコンと同日発売。ハード性能が違うので一長一短あるが、基本的に仕様はほぼ同じ。ただし、日本ではメガドライブ版XBANDは出なかったので通信対戦は不可能(アメリカでは通信対戦をサポートしていた)。スーパーファミコン版の容量32メガに対し、こちらは40メガで国名や試合前の音声などが増えているが、ボイスがクリアでないのが欠点。オプション内のスーパーモードをエキスパートにすることで一人用で戦う人数が12人ではなく16人全員になる。

[編集] 3DO

スーパーストリートファイターII X1994年11月13日
シリーズ最高傑作と言われたXの移植は当時3DOのみだったので、マイナーハードだった3DOをこれのために買う人もいた。移植度としては、画面の鮮明さはよいが、連続技による点数加算方法やCPUモードでのキャラの登場順などの完全再現はされていなかった。またBGMもオリジナルの物に変更されている。これも、標準パッドではスタートなどのボタンを総動員しても5ボタンなので、専用スティックが発売された。当時、他機種版が出なかった理由は松下電器がXの移植に関して独占契約を結んでおり、契約が切れた頃にはXはすでに時代遅れだったからといわれる。

[編集] セガサターン

ストリートファイターコレクション1997年9月18日
スーパーストリートファイターII、スーパーストリートファイターII X、ストリートファイターZERO2’がセットになったもの。「スーパーストリートファイター」二種と、「ZERO2ダッシュ」の二枚組。Xについては移植度は非常に良好であったが、一部のステージで接近戦になると微妙な処理落ちが起こり、操作性が少々悪化することがあった。またCDというメディアの都合上、BGMの開始がワンテンポ遅れたりもする。ファンが多いわりに家庭用への移植は3DOというマイナー機種のみだったX目当てに購入するファンも多かった。セガサターンは2D格闘ゲームがかなりリリースされていたが、ストリートファイターシリーズの発売は実写版映画とのタイアップソフト「ストリートファイター リアルバトル オン フィルム」や当時ゲームセンターで稼動していた「ストリートファイターZERO」が先となり、既に旧作であったストIIシリーズは後回しとされていた。
カプコンジェネレーション・第5集~格闘家たち~1998年12月3日
カプコンの旧作タイトルを当時の現行機種で低価格リリースするシリーズで、第5集はストリートファイターII、ストリートファイターIIダッシュ、ストリートファイターIIダッシュターボの三作がセット。前述したスーパーファミコン版等で再現できなかった要素(ガイルの真空投げ)も完全再現されている。ストリートファイターコレクションと合わせると全種類の「ストII」が移植されたことになる。

[編集] プレイステーション

ストリートファイターコレクション1997年10月23日
カプコンジェネレーション・第5集~格闘家たち~1998年12月3日
共に基本的にはセガサターンの物と同様。ただし前者に関しては一部セガサターン版との相違点がある。

[編集] ドリームキャスト

スーパーストリートファイターII X for Matching Service2000年12月22日・Dダイレクト専売ソフト)
アナログ回線専用通信対戦システム「マッチングサービス」に対応した商品で、通販のみの販売。通信対戦サービスは2003年9月1日に終了しているが、単体で遊ぶことは現在も可能。

[編集] プレイステーション2

ハイパーストリートファイターII ~アニバーサリーエディション~2003年12月18日
アーケード版「ハイパーストリートファイターII」の移植(家庭用の方が先に発売しており、この後にアーケード版が稼動)。PS2版だけのおまけとして、アニメ映画「ストリートファイターII MOVIE」がまるごと収録されているが、ゲームソフトの一部としてのオマケなので、ソニーのゲームガイドラインに従い劇中の春麗のシャワーシーンはカットされている。CEROレーティング15歳以上対象。
カプコン クラシックス コレクション2006年3月2日
プレイステーション及びサターンで発売された「カプコンジェネレーション」シリーズ5作に6タイトルを追加した計22タイトルを収録しているソフト。22タイトルの中にストリートファイターII、ストリートファイターIIダッシュ、ストリートファイターIIダッシュターボが収録されている。

[編集] Xbox

ストリートファイターアニバーサリーコレクション2004年10月28日
ハイパーストリートファイターIIとストリートファイターIII3rdSTRIKEが一本にまとまったソフト。ともにネット通信対戦対応。

[編集] Xbox360

Street Fighter II’ Hyper Fighting 
北米のXbox Live アーケードで配信されているソフト。DL数はLiveアーケード1位の3万本を記録。日本では配信中止となってしまったため、日本在住のゲーマータグを使用している場合はダウンロードできない。ネット通信対戦対応。

[編集] Wii

ストリートファイターII2006年12月2日
バーチャルコンソール機能にてスーパーファミコン版が配信された。オリジナルと異なり、最初から同キャラ対戦が可能である。(オリジナルは隠しコマンドを必要とする)要Wiiポイント800。

[編集] ゲームボーイ

ストリートファイターII1995年8月11日
キャラクターがリュウ・ケン・春麗・ガイル・ブランカ・ザンギエフ・バイソン・サガット・ベガしかいない。キャラ絵はスーパーストリートファイターIIのものだが、内容的にはかなり寂しい出来。2ボタンのため、パンチとキックの強弱はボタンを押している時間の長さで変化する。色分けされていないため、スーパーゲームボーイなどで同キャラ対戦すると大変なことになる。

[編集] ゲームボーイアドバンス

スーパーストリートファイターII Xリバイバル2001年7月13日
キャラ選択画面のグラフィックやタイトル画面などが新作だが、基本的にII Xの移植作品。ハードが4ボタンなので、4ボタンで遊びやすいようにカスタマイズされている。携帯ゲーム機とはいえ、移植度は非常に良い。ただし、リュウ・ケン・ガイル・春麗・バイソン・ベガの各ステージの背景がオリジナル版とは異なる。
なお、Xで元々スーパーコンボが用意されていなかった豪鬼も彼の代名詞とも言うべきスーパーコンボ「瞬獄殺」が使用可能となり、異常に高い性能を誇る真・豪鬼も使用可能である。

[編集] プレイステーション・ポータブル

カプコン クラシックス コレクション2006年9月7日
プレイステーション2版と同じく「カプコンジェネレーション」シリーズ5作に新たな3タイトルを追加した計19タイトルを収録しているソフト。こちらにも19タイトルの中にストリートファイターII、ストリートファイターIIダッシュ、ストリートファイターIIダッシュターボが収録されている。当然のことながら、携帯ゲーム機の中では一番移植度が高い。

[編集] マスターシステム

ストリートファイターIIダッシュ
日本では未発売。キャラ選択の顔はスーパーストII、使えるキャラはリュウ・ケン・春麗・ガイル・ブランカ・バイソン・サガット・ベガのみという、どっちつかずの仕様だが、8ビット機で制約のある内容となっている。

[編集] X68000

ストリートファイターIIダッシュ
グラフィックなどのクオリティはアーケードとほぼ同様で、当時の最高峰であったが、キャラクターやステージが変わるたびにフロッピーディスク交換を強いられた(回避するにはハードディスクにインストールするかメモリーを6メガバイトほど増設すれば可能)。CPSアダプターと言うコンシューマー用の公式コントローラーであるCPSファイターを接続できるアダプタが付属していた。X68030以上で起動すると多重PCMドライバがインストールされAC版と同等のADPCM4和音で音声が再生される。MIDI対応(GM1レベル)、チェルノブアダプタ対応(非公式)
スーパーストリートファイターII
こちらもX680x0特有のグラフィックパワーを生かし、グラフィックレベルでは一部を除き完璧だった(求む対戦者の表示のアニメーションと、キャミィステージでオーロラの色の変わり方が違う)。音声はCPS-2独特のエコー処理や空間処理はすべてカットされている。ダッシュ同様にX68030以上で多重PCMドライバがインストールされる。またBGMなどのADPCMが収録されたファイル内にサウンドチームのメッセージの様な物が埋め込まれている。MIDI対応(GM1レベル)、CPSアダプター対応、チェルノブアダプタ対応(非公式)

[編集] FM TOWNS

スーパーストリートファイターII
プレイヤーキャラクターに関してはほぼアーケード版に近い再現度だったが、背景は多重スクロールがオミットされ再現度は低い。BGMはQサウンドが再現されており、オリジナル版とアレンジ版が選択可能だった。オプションにRGBによるカラーエディットモード搭載。FM-TOWNSに接続できる専用パッドを同梱したパッケージも発売された。

[編集] PC/AT互換機

ストリートファイターII
海外のみ流通。完成度は低い。1~2ボタン仕様で、後ろ方向、ニュートラル、前方向の組み合わせで弱中強の振り分けをする。DOS用。
スーパーストリートファイターII
詳細不明。DOS用。
スーパーストリートファイターII TURBO
北米版を移植したものなのでタイトルがターボとなっているが、内容はXと同等。移植の出来は比較的良好。3DO以外では当時唯一の移植で6ボタンにも対応している。また隠し要素のノーマルカラーや、3DOではメモリの関係で削除(統合)された技がすべて入っている。オプションメニューも充実していて、ロースペックの機種用に背景の多重スクロールを固定する機能なども用意されていた。いくつか相違点があるが最も目立つのは解像度の違いでAT/PC互換機版では320x200の解像度で製作されている、しかしグラフィックデータはAC版のまま使用しているので、全体的にキャラクターが大きく画面が狭い。その影響で試合開始時の間合いなども狭くなっている。さらに初期のバージョンではジャンプを基本技で落とすとダウンした(本来なら立て直して着地する)が、パッチが配布され1.5で修正された。パッチのバージョンは1.6まであった。DOS用。

[編集] Amiga

ストリートファイターII
ケンの昇竜拳がしゃがみアッパーのグラフィックになっている他は詳細不明 1ボタン

[編集] 携帯電話アプリ

各機種向けに移植版が何作か配信されている。

[編集] 非認可版

アジアでは「ストリートファイターIII」(カプコンから出たものとは別物のストII移植)や「マスターファイター」など、カプコンの許諾を得ていない移植版が何作かファミコンNES)で発売されていた。このうちの多くは、同じキャラの色換えなどを別キャラと言い張ってキャラを水増ししていて、内容も取るに足らないものが多い。また、日本ではX68000用に同人ゲームでストIIをパロディにした対戦型格闘ゲームがいくつも出ていた。

[編集] 登場キャラクター

[編集] ゲーム以外のメディア展開

[編集] 映画

STREET FIGHTER1994年 アメリカ
興行成績は全米興行収入3300万ドル、日本配給収入3億円。
アメリカ軍人であるという理由でガイルが主役に据えられ、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが演じた。元々はヴァン・ダムとジャッキー・チェンとの共演作として企画され、ジャッキーがフェイロンを演じる予定だったが、契約上の問題により実現しなかった。この映画をさらにゲーム化したアーケードゲーム『ストリートファイター ザ・ムービー』も登場し、家庭用では前者とは別の作品『ストリートファイター リアルバトル オン フィルム』も発売された。
ストリートファイターII MOVIE1994年 日本
アニメ映画。この映画をさらにゲーム化したソフト『ストリートファイターII ムービー』も発売された。

[編集] テレビアニメ

ストリートファイターII V1995年 日本)

[編集] ドラマCD

ストリートファイターII 春麗飛翔伝説(1992年7月14日
ストリートファイターII 復讐の戦士(1992年12月16日
ストリートファイターII -魔人の肖像-(1993年7月14日
春麗を主人公としたドラマCD東芝EMIより発売されている。3巻のエンディングで4巻の発売を匂わせていたが、販売は全3巻で終了している。キャストは、春麗: 冬馬由美、リュウ: 島田敏、ケン: 関俊彦ほか。
ストリートファイターII外伝 ~キャミィ・闘いの序曲~
キャミィを主人公としたドラマCD。キャミィがゲーム中よりも人間的に描かれているなど、外伝の名を冠しているだけあってアレンジが効いた作品に仕上がっている。キャストはキャミィ:三石琴乃、ウルフマン大佐:内海賢二。ほかの人物は本作オリジナルキャラクターが占めている。

[編集] 漫画

ストリートファイターII -RYU
神崎将臣作。きちんとストーリーがあるのはこれだけ。リュウとケンの師匠の「剛拳」はこの作品が初出。後に増補版が発売。
ストII爆笑!!4コマギャグ外伝
ゲームのキャラクターを登場人物にした4コマギャグ漫画。橋口隆志作。コロコロコミックに連載。
ストII4コマ笑龍拳
4コマギャグ同様、4コマギャグ漫画。よしむらひでお作。コミックボンボンに連載。

[編集] その他

拳聖土竜
本作をモチーフにしたモグラ叩きゲーム。あちこちから顔を出すベガを叩くと、モニターに表示されるリュウや春麗が必殺技を出す演出がある。
CRフィーバーストII
本作をモチーフにしたパチンコ機。『ポケットファイター』に使われていた二頭身のキャラグラフィックを使用(ポケットファイターに登場していないキャラについては作り下ろし)している。PS用ソフトFEVER4 SANKYO公式パチンコシミュレーションでは、隆や春麗とこのパチンコで勝負することができる。
ストリートファイター2
本作をモチーフにしたパチスロ機。
よみがえる藤原京
1995年3月29日~5月21日の期間に奈良で開かれた「ロマントピア藤原京」というテーマパークのカプコンブースで放映されたアニメ。後に2004年3月30日に1992年に神崎将臣がファミリーコンピューターマガジンで連載していた漫画、『ストリートファイターII-RYU』と共に『ストリートファイターII RYU VS. よみがえる藤原京』に収録されて発売された。

[編集] 脚注

  1. ^ 本来はこの表記なのだが、のちに「大パンチ」という言葉が生まれ、これで定着している。また、初期の作品は強攻撃を食らったキャラクターが嘔吐吐血といったリアクションをする表現があった。この表現が用いられなくなった経緯・理由などは不明。

[編集] 関連項目

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