AFCチャンピオンズリーグ
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AFCチャンピオンズリーグ(AFC Champions League) は、アジアサッカー連盟(AFC) が主催するクラブの国際大会。略称はACL。2002年-2003年シーズンに発足した。それまでは各国のリーグ優勝クラブによるアジアクラブ選手権、カップ戦優勝クラブによるアジアカップウィナーズカップと、この2大会の優勝クラブによるアジアスーパーカップの3大会があったが、これらを統合してアジアの実力ナンバー1クラブを決定する大会として行われるようになった。優勝クラブには50万USドルの賞金が贈られると同時に、同年度12月に開催されるFIFAクラブワールドカップの出場権が与えられる。
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[編集] 歴史
1967-68年度シーズンにアジアチャンピオンクラブズトーナメントとして第1回大会が開かれ、以後1969-70年度シーズンを除いて1971-72年シーズンまでの4回開かれたが、その後一時中断。1985-86年度シーズンにアジアクラブ選手権として再開されるようになった。
大会の発想としては、UEFA主催のチャンピオンズカップをモデルに、アジア各国のクラブチームのレベルアップを図る目的があった。出場資格は各国リーグ戦の前年度シーズン(日本は日本サッカーリーグ→Jリーグ)の年間優勝チーム並びに、前回の当大会優勝チームがエントリーできた。但し、1993-1994年・第13回に出場したヴェルディ川崎については、1992年が日本リーグからJリーグへの移行期間でレギュラーリーグが行われなかったので、その年に唯一開催されたJリーグの公式戦・ナビスコカップの優勝チームが、そのまま国内リーグ戦優勝チームと見なされて出場した。
2002-2003年度シーズンよりアジアカップウィナーズカップ、アジアスーパーカップと共に統合され、大会名もAFCチャンピオンズリーグとなった。
ACLとしての第1回はSARSやイラク戦争の影響もあって決勝戦が当初予定から半年も延期されたが、アル・アイン(UAE) がBECテロ・サーサナ(タイ)を得失点差の末に下して記念すべき初代チャンピオンの座を獲得した。
[編集] 大会形式
[編集] 出場条件
大会に出場できるのは基本的に前年度の国内1部リーグ、及び国内カップ戦で優勝したクラブと、前回の当大会の優勝クラブ(予選免除)だが、2002年-2003年シーズンに、一部の国のクラブが参加辞退したケースが目立ったため、2004年シーズンにはAFC所属国の中の国別ランキング(通称AFCランキング、UEFAランキングと同様にクラブの成績によって算出)上位14ヶ国・地域にそれぞれ2クラブの出場権を与える形となった。ちなみに、AFCランキング15位~28位の国に所属する優勝クラブはAFCカップ、更に29位以下の新興勢力国の優勝クラブについてはAFCプレジデントカップにそれぞれ出場する。
[編集] 2007年現在の大会システム
[編集] グループリーグ
東部地区(東アジア・東南アジア地域)では12チームを3グループに、西部地区(中央アジア・西アジア・中東地域)では16チームを4グループにそれぞれ抽選によって振り分ける。 東西ともに、それぞれのグループでホーム・アンド・アウェー(H&A)による総当たり戦を行い、各組1位が決勝トーナメントへ進出。
[編集] 決勝トーナメント
各組1位の7チームに前回の優勝チームを加え、決勝まで一貫してH&Aでのトーナメント方式で行われる。
[編集] 過去の大会結果
[編集] アジアクラブ選手権時代
シーズン | 優勝 | 決勝スコア | 準優勝 |
---|---|---|---|
1967-1968 | ハポエル・テル・アヴィヴ | 2 - 1 | セランゴールFA |
1968-1969 | マッカビ・テル・アヴィヴ | 1 - 0 | 陽地 |
1970-1971 | タジ | 2 - 1 | ハポエル・テル・アヴィヴ |
1971-1972 | マッカビ・テル・アヴィヴ | (アル・ショルタが棄権) | アル・ショルタ |
1985-1986 | 釜山大宇 | 3 - 1 | アル・アハリ |
1986-1987 | 古河電工 | (グループステージのみ) | アル・ヒラル |
1987-1988 | 読売クラブ | (アル・ヒラルが棄権) | アル・ヒラル |
1988-1989 | アル・サード | 3 - 3 (合計) (アウェーゴールによりアル・サード勝利) |
アル・ラシード |
1989-1990 | 遼寧 | 3 - 2 (合計) | 日産 |
1990-1991 | エステグラル | 2 - 1 | 遼寧 |
1991-1992 | アル・ヒラル | 1 - 1 PK戦 4-3 | エステグラル |
1992-1993 | パス | 1 - 0 | アル・シャバブ |
1993-1994 | タイ・ファーマーズ・バンクFC | 2 - 1 | オマニ・クラブ |
1994-1995 | タイ・ファーマーズ・バンクFC | 2 - 1 | アル・アラビ |
1995-1996 | 天安一和天馬 | 1 - 0 | アル・ナスル |
1996-1997 | 浦項スティーラース | 2 - 1 | アル・アラビ |
1997-1998 | 浦項スティーラース | 0 - 0 PK戦 6-5 | 大連万達 |
1998-1999 | ジュビロ磐田 | 2 - 1 | エステグラル |
1999-2000 | アル・ヒラル | 3 - 2 | ジュビロ磐田 |
2000-2001 | 水原三星ブルーウィングス | 1 - 0 | ジュビロ磐田 |
2001-2002 | 水原三星ブルーウィングス | 0 - 0 PK戦 4-2 | 安養LGチータース |
[編集] AFCチャンピオンズリーグ
シーズン | 優勝 | 決勝スコア | 準優勝 | 3位 | |
---|---|---|---|---|---|
2002-2003 | アル・アイン | 2 - 0 | BECテロ・サーサナ | 大連実徳 | パフタコール |
詳細 | 0 - 1 | ||||
2004 | アル・イテハド | 1 - 3 | 城南一和天馬 | 全北現代モータース | パフタコール |
詳細 | 5 - 0 | ||||
2005 | アル・イテハド | 4 - 2 | アル・アイン | 深圳健力宝 | 釜山アイパーク |
詳細 | 1 - 1 | ||||
2006 | 全北現代モータース | 2 - 0 | アル・カラマ | アル・カディシヤ | 蔚山現代ホランイ |
詳細 | 1 - 2 | ||||
2007 | |||||
詳細 |
[編集] 日本での出場条件と過去の出場クラブ
[編集] 日本での出場条件
※2006年現在
上記が同一クラブの場合、J1の年間準優勝クラブが繰り上げ出場
[編集] 過去の日本の出場クラブ
[編集] アジアクラブ選手権時代
- 第1回 不参加
- 第2回 3位・東洋工業サッカー部
- 第3回-第5回 不参加
- 第6回 優勝・古河電気工業サッカー部(決勝戦で遼寧省を1-0で破る)
- 第7回 優勝・読売サッカークラブ(決勝戦で対戦相手のアル・ヒラルが棄権)
- 第8回 1次リーグ敗退・ヤマハ発動機サッカー部
- 第9回 準優勝・日産自動車サッカー部
- 第10回 1次リーグ敗退・日産自動車サッカー部
- 第11回 途中で出場辞退・読売サッカークラブ
- 第12回 4位・ヴェルディ川崎
- 第13回 3位・ヴェルディ川崎
- 第14回 準々決勝敗退・ヴェルディ川崎
- 第15回 準々決勝敗退・ヴェルディ川崎
- 第16回 準々決勝敗退・横浜マリノス
- 第17回 準々決勝敗退・鹿島アントラーズ
- 第18回 優勝・ジュビロ磐田
- 第19回 準優勝・ジュビロ磐田(決勝戦でアル・ヒラルに2-3で敗れる)、準々決勝敗退・鹿島アントラーズ
- 第20回 準優勝・ジュビロ磐田(決勝戦で水原三星ブルーウィングスに0-1で敗れる)
- 第21回 準々決勝敗退・鹿島アントラーズ
- ※第19回大会については前回優勝枠でジュビロが出場したため、2チームが日本からエントリー。
[編集] AFCチャンピオンズリーグ
年度 | J1リーグ年間優勝クラブ | 天皇杯優勝クラブ | ||
---|---|---|---|---|
クラブ名 | 結果 | クラブ名 | 結果 | |
2002-2003 | 鹿島アントラーズ | グループリーグ敗退(4位) | 清水エスパルス | グループリーグ敗退(3位) |
2004 | 横浜F・マリノス | グループリーグ敗退(2位) | ジュビロ磐田(※1) | グループリーグ敗退(2位) |
2005 | 横浜F・マリノス | グループリーグ敗退(2位) | ジュビロ磐田 | グループリーグ敗退(3位) |
2006 | ガンバ大阪 | グループリーグ敗退(3位) | 東京ヴェルディ1969 | グループリーグ敗退(2位) |
2007 | 川崎フロンターレ(※2) | ? | 浦和レッドダイヤモンズ | ? |
2008 | ? | ? | 浦和レッドダイヤモンズ | ? |
(※1)2004年大会では開催時期の変更により、2002年度のJ1年間優勝のジュビロ磐田が飛ばされてしまったこと、また天皇杯優勝の京都パープルサンガ(現京都サンガF.C.)がJ2に降格した事情もあるため、京都の代わりに磐田が出場した。
(※2)J1リーグと天皇杯を制したチームが同一であったため、J1準優勝チームが出場。
なお天皇杯に関しては、2シーズン前(2006年度の場合は2004年度の大会の優勝チーム)の優勝チームがAFCチャンピオンズリーグに出場することになっているが、選手コンディションや試合会場の調整、あるいはJ2以下のクラス所属が出場する場合の出場権の問題などが絡んでおり、出場チームの見直し(ナビスコ杯の優勝チーム、あるいはJ1の準優勝チームなどに出場させる案)が検討されている。
実際、2005年度のJ1リーグで17位以下となりJ2降格が決まった東京Vは本来なら今大会の出場資格を失うが、チーム側がJ2降格後のACL出場の意向を示し、2006年度J2日程を変更した上で出場した。
[編集] 外部リンク
- AFC Champions League - 公式サイト(英語)
- アジアサッカー連盟(AFC) - 公式サイト(日本語)
- Jリーグ - 日本でのテレビ放送予定(日本語)
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