AH-K3001V
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AH-K3001Vは、ウィルコム(旧社名DDIポケット)向けに供給された京セラ製PHS(AIR-EDGE PHONE)端末である。ユーザーにより「京ぽん」という愛称がつけられた。
AH-K3002Vは、AH-K3001Vからカメラ機能を取り除き、リモートロック・リモート消去機能を追加し、若干のデザイン変更をしたものである。[1]
なお、「京ぽん」という愛称はその後、2005年4月京セラにより商標登録が出願された。これは、他社によりこの愛称が商標登録されることを防ぐ意味合いがあるとされ、京セラは「これまで通り愛称を自由にユーザーが使って欲しい」としている[2]。
目次 |
[編集] 概要
日本国内で発売された携帯電話・PHSとしては初めてWebブラウザにOperaを搭載(海外ではすでにノキア社製のGSM方式携帯電話などに搭載されていた)しており、主に携帯電話用としてCompactHTMLで記述されたウェブページに加え、通常のHTMLで記述されたPC向けのウェブページも表示することができる。
またOperaはJavaScriptをサポートしており、それを利用したブックマークレット・スケジューラなどの簡易アプリケーションや、自作着うた作成ツールまでもが有志の手により開発された。他にもMSNWeb Messengerの利用も可能となっている。こうした情報をまとめた『京ぽんの本』などの本が数社から出版されている(下記『#参考文献』参照)。
さらに、パケット定額制の料金コースを選択した場合は、端末上でのWEB閲覧・Eメール送受信だけでなく、PCなどに端末を接続しての通信も使い放題になる(ただし、別途プロバイダの接続料が必要)ため、他キャリアのパケット定額制に比べ料金面で優位に立っている。
「ケータイでパソコンのサイトが定額で閲覧できる」という今までに無いコンセプトと、PCとの高い親和性がコアなユーザ達の人気を博し、発売後数ヶ月間にわたって品薄の状態が続くなど、PHSとしては異例のヒット商品となった。他キャリアの携帯電話におけるフルブラウザ機能導入の火付け役でもある。
発表後、1年半近くにわたってDDIポケット(ウィルコム)音声端末のフラッグシップ機であったが、後継機種のリリースに伴い、製造終了となった。
2005年11月にK3001Vのマイナーチェンジ版のWX300Kが発売になった。
エアーエッジの項目も参照。
[編集] 沿革
- AH-K3001V
- 2003年8月20日 JATE(財団法人電気通信端末機器審査協会)による審査を通過。(9月16日公表)
- 2003年9月17日 WPC EXPO 2003にて、「カメラ付きAirH"PHONE端末」として参考展示される。
- 2004年4月22日 発表
- 2004年5月14日 発売
- 2004年5月18日 不具合発覚により販売一時中断
- 2004年5月21日 ファームウェアVer.1.1公開、販売再開
- 2004年6月11日 ファームウェアVer.1.4公開(同日中に不具合が発覚して公開中断~同月15日再公開)
- 2004年9月24日 ファームウェアVer.1.5公開
- 2004年11月5日 新色「ネイビーブルー」発売
- 2004年12月27日 インプレス「ケータイWatch」で「読者が選ぶ ケータイ of the Year 2004」を受賞 [3]
- 2005年2月2日 DDIポケット、WILLCOMに社名変更。同時に新色「シルキーレッド」発売、「AIR-EDGE PHONE高速化サービス」開始。ファームウェアVer.1.7公開
- 2005年7月13日 ファームウェアVer.1.8公開
- AH-K3002V
[編集] 各種仕様
- 機種名 AH-K3001V/AH-K3002V
- 基本性能は同じであるが、前述の通りAH-K3002Vはカメラ機能が省かれ、リモートロック・リモート消去機能が追加される。
- 大きさ 約98×48×20.8mm(高さ×幅×厚さ)
- 重さ 約97g (AH-K3002Vは96g)
- 色
- AH-K3001V シルバー/ホワイト/ネイビーブルー/シルキーレッド
- AH-K3002V シルバー
- 連続通話時間 約4時間(240分)
- 連続待受時間 約400時間
- 充電時間 充電台 約3時間 / USBケーブル経由 急速約4時間&標準約18時間
- メイン液晶 2.2インチ 320×240ピクセル (QVGA) 半透過型TFT 262,144色
- 背面液晶 モノクロ 97×17ピクセル バックライト26色&レインボー
- カメラ 11万画素CMOS 320×240ピクセル(撮影後160×120に縮小可)JPEG形式
- 外部端子 miniUSB TypeB(USBデータケーブル同梱) CDC非準拠
- 外部メモリ なし
- CPU SH-Mobile/ARMのデュアル(SH-MobileはSH7290の120MHz)
- バッテリ 630mAh/3.7V auのA1012(13)Kのものと同等品
- 音源 32和音175音色(PCM) MIDI再生可
- アドレス帳 500件 (メールアドレス×3・電話番号×3・住所・血液型・星座・誕生日・趣味・メモ・画像・グループ)
- 発信・着信履歴 各20件
- ブックマーク 100件(20個のフォルダに分類可能)
- メモ帳 20件
- 伝言メモ 15秒×3件
- データフォルダ 1.5MB(メール・アドレス帳・データフォルダで共有)
- アラーム 20件
- スケジュール ×
- カレンダー ○(壁紙画像に重ねられる)
- Eメール 送受信 合計最大1000件
- 送受信文字数20,000文字(Shift_JIS換算40,000バイト)
- 表示可能文字数 6×6(36文字)/ 9×8(72文字)/ 12×11(132文字)/ 18×16(288文字)
- 添付ファイル 約350KB以下
- メールフォルダ 20個
- ライトメール 送信履歴30件・受信履歴100件
- 日本語変換 オムロン「モバイルWnn V2」
- ポケベル打ち ×
- フォント NEC「FontAvenue 丸ゴシック」
- ブラウザ Opera for SmartPhone ver.7.0
- HTML・CompactHTML・JavaScript ver.1.5(仕様書)・Cookie・SSL 2.0/3.0対応
- スモールスクリーンレンダリング対応
- データ通信方式 32kパケット・32k/64kPIAFS・フレックスチェンジ
- ダイバシティアンテナ ×(高速ハンドオーバー機能の「ツインウェーブ機能」は搭載)
- TCP/IP エルミックシステム「KASAGO」
- 自営モード ×
- グループモード ×
- αPHS ×
- Macintosh対応 ×(有志の作ったドライバで対応)
[編集] 参考文献
- 魚輪タロウ 『京ぽんの本』 毎日コミュニケーションズ、2004年。ISBN 4-8399-1581-4
- 武井一巳 『京ぽんの本当に使える本』 ソシム、2004年。ISBN 4-88337-425-4
- 有馬岳彦、小板橋英一 『京ぽんマニアックス!使いこなし裏マニュアル』 マガジン・ファイブ、2004年。ISBN 4-4340-5122-9
- 『私が京ぽんを使う50の理由』製作チーム 『私が京ぽんを使う50の理由』 株式会社アスキー、2005年。(非売品)
- PR用として、AH-K3001V購入者に店頭で配布された。
- 久保内信行、タブロイド 『無料PHS携帯 WILLCOM 使いこなし(極)マニュアル!』 マガジン・ファイブ、2005年。ISBN 4-434-06197-6
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
データ通信端末: | AX510N - AX420S - AX520N - AX420N - AX530IN |
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音声端末: | AH-K3002V - WX300K - WX310K - WX310SA - WX310J - WX220J - WX321J - WX320K |
W-SIM: | RX410IN - RX420AL - RX420IN |
W-SIM STYLE: | "TT"(Tiny Talk)/ WS001IN - "DD"(Data Driver)/ WS002IN - W-ZERO3 / WS003SH, WS004SH nico. / WS005IN - W-ZERO3 [es] / WS007SH - WS008HA - 9 (nine) / WS009KE |
W-SIM STYLE: (その他) |
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