JR四国1500形気動車
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1500形気動車(1500がたきどうしゃ)は四国旅客鉄道(JR四国)の気動車。
老朽化が進んでいる経年30年以上の28両の通勤用気動車(キハ28形・キハ58形・キハ65形)を置き換える目的で8両が製作され、2006年5月25日に徳島線や高徳線など徳島地区に導入された。
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[編集] 概要
- 単行運転ができる様に車両の両端に運転台が付いている両運転台構造。
- ワンマン運転に対応するためワンマン設備を設置。
- ブレーキシステムは、1000形気動車同様の電気指令式で、キハ58系などの国鉄型気動車との併結はできない。
- 1000形との併結に対応しているが、連結器が異なる(本形式は電気連結器付き密着連結器、1000形は小型密着自動連結器)ため、1000形に対して併結対応改造を実施している。併結対応工事を行った1000形は、1200形に形式変更され、車体塗装を本形式と同じものに変更している。
- 車内の座席は転換式クロスシートで、補助いすがある。
- 車いすスペースや車いす対応トイレ、ドアステップなし、ドアチャイムなどバリアフリーにも対応。
- JRグループでは初めて環境負荷軽減エンジン(SA6D140HE-2 450PS×1)を搭載、窒素酸化物(NOx)の排出量は1000形と比較し約60%削減。
- 運転台のマスコンは、5000系と同様に横軸ツインレバー型を採用。
- 床面高さが低いので、1000形よりもホームとの段差がなくなっている。
- JR四国の一般型気動車としては初めて車内に次駅案内用等のLED表示機、タッチパネル式のモニター装置、側面行先表示装置を装備。
- 直結3段式液体変速機を導入。
- この環境にやさしいという功績からJR四国の新型気動車としてはかなりスピーディーに2006年8月1日にオレンジカードが発売された。
- ワンマン運転時に使用する運賃表示機の表示コマ数が増え、高徳線・牟岐線・徳島線の各駅がすべて表示されている。
[編集] 運用路線
- 高徳線
- 徳島線
- 牟岐線(徳島~阿南間):阿南以南は、ホームの嵩上げがされていないため運用できない。
- 鳴門線:徳島~鳴門間に運転された臨時快速列車に運用された。しかし、鳴門線の途中駅はホームの嵩上げがされていないため停車できなかった。
[編集] 補足事項
- 運賃表示機はレシップ製。バス用部品の流用だが、駅名が印刷されている。また、次駅案内用のLED表示機を設置しているので、「この列車は○○行きです」や「次は○○です」の○○を表示するプラズマ式文字表示装置部分が割愛された。徳島地区用の1000系の運賃表示機には、標準では徳島線・牟岐線用の駅名が印字されており、高徳線で使用するときは駅名部分だけが異なるマグネット付のプラスチック板を貼り付けて使用していたが、運賃表示機のコマ数を増やしたことで、高徳線での運用に板を取り付ける手間が省略されている。
- 車両側面に配置され、ワンマン運転時の出入り口を示す表示機が、1000系の横型から縦型に変更された。
- 室内の全体に木目調のパネルを使用し、落ち着いた色調になっている。
- 照明は蛍光灯による直接照明。カバーは装備されない。
- 直結3段の導入により、従来の1000・2000系と比較して、かなり早いタイミングで切替が行われるようになった。また、運転士が停車状態からフルノッチを投入しても、段階的にエンジン回転数が上がるように自動制御される。このシステムにより、発車時のNOxや黒煙の発生を抑えることが可能になった。
- 運転士用の時刻表掲示装置に白色LEDを導入。視認性とメンテナンス性の向上に寄与している。
[編集] 関連項目
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