Sバーン
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Sバーン(えす-)S-Bahnはドイツ語圏において、各国の国有鉄道、国営鉄道、またはこれに準ずる公的機関などが運行している都市内・都市近郊鉄道のことであり、地下鉄 U(ウー)バーンU-Bahnに対する語である。元々はベルリンの東西を走行する高架軌道シュタットバーン Stadtbahn を走行する列車のことを指した。日本語における国電(国鉄電車)ないしE電・アーバンネットワークに近い概念であり、旅行用ガイドブックなどでは国電と訳されることもあるし、またドイツ語においてはドイツ語圏以外にある同種の鉄道をS-Bahnと呼ぶことがある。近年ドイツやスイスでは中小規模の都市において、第三セクター鉄道等が近郊列車をSバーンと称して運行する例が見られる。
なお、Sバーンは必ずしも電車だけで運転されるものではなく、都市や路線によっては、気動車や客車が使用される場合もある。
Sバーンは、上記の"Stadtbahn"以外に、"Schnellbahn"(高速鉄道)の略称という意味も持つ。ドイツで"Stadtbahn"という場合、LRT等日本で言う路面電車を指すことが多く、都市近郊型電車の"Schnellbahn"とは区別している。
[編集] Sバーン のある都市・地域(ドイツ)
[編集] ベルリン(S-Bahn Berlin)
- 「Sバーン」と言えば、まずベルリンのSバーンが連想されるほど、ドイツでは代表的なSバーンである。現在はドイツ鉄道の子会社であるS-Bahn Berlin社による運営である。
- ドイツ鉄道における電化路線は、大多数が交流15kV 16 2/3Hz架空線方式の電化であるが、ベルリンのSバーンは、ドイツでは数少ない、直流750V第三軌条方式による電化である。そのため、専用の電車(485/480/481型)が使用される。
[編集] ハンブルク(S-Bahn Hamburg)
- 主要都市として、ハンブルクがある。
- ドイツ鉄道の子会社であるS-Bahn Hamburg社による運営である。
- S1,S2,S3,S11,S21,S31の6系統がある。現時点でハンブルク国際空港へのアクセスはないが、2007年中にS1系統がハンブルク国際空港まで延長される予定となっている。
- ハンブルク運輸連合(HVV:Hamburger Verkehrsverbund)の一員である。
- ドイツでは数少ない、直流1200V第三軌条方式による電化である。そのため、専用の電車が使用される。ただし2008年の予定で、S3系統が延長されることになっているが、延長区間は、交流15kV 16 2/3Hz架空線電化区間が含まれている。
- 上記の理由により、専用の電車が使用されている。西ドイツ国鉄時代に製造された472型電車と、1990年代に入り製造された474型電車が使用されている。474型電車の一部に、交直流化・パンタグラフ取付改造が実施されている。
- ドイツのSバーン網としてはベルリンに次いで古く、1934年に創設された。第二次世界大戦前にSバーン網が構築されたのはベルリンとハンブルクのみである。
[編集] ミュンヘン(S-Bahn München)
- 主要都市として、ミュンヘンやダッハウがある。
- S1,S2,S4,S5,S6,S7,S8,S20,S27,Aの10系統がある。S20,S27,Aを除く系統は、市中心部の地下線を経由する。S1,S8系統は、ミュンヘン国際空港へのアクセス機能を有する。
- ミュンヘン運輸連合(MVV:Münchner Verkehrs- und Tarifverbund)の一員である。
- ドイツ鉄道で一般的に使用されている、交流15kV 16 2/3Hz架空線方式による電化である。
- 車両は423型電車が使用される。ただしA系統のみ、628型気動車が使用される。
- ミュンヘンオリンピックに合わせた都市交通整備の一環として、1972年にSバーン制度がスタートした。
[編集] ドレスデン(S-Bahn Dresden)
- 主要都市として、ドレスデンやマイセンがある。
- S1,S2,S3の3系統がある。S2系統は、ドレスデン空港へのアクセス機能を有する。
- オーバーエルベ運輸連合(VVO:Verkehrsverbund Oberelbe)の一員である。
- ドイツ鉄道で一般的に使用されている、交流15kV 16 2/3Hz架空線方式による電化である。
- 車両は、電気機関車とダブルデッカー客車による、プッシュプル方式の列車が使用される。
- 旧東ドイツ時代の1973年にSバーン制度がスタートした。
[編集] ハノーファー(S-Bahn Hannover)
- 主要都市として、ハノーファー、ミンデン、ハーメルンがある。
- S1,S2,S3,S4,S5の5系統がある。S5系統は、ハノーファー空港へのアクセス機能を有する。
- ハノーヴァー広域運輸(GVH:Großraum-Verkehr Hannover)の一員である。
- ドイツ鉄道で一般的に使用されている、交流15kV 16 2/3Hz架空線方式による電化である。
- 車両は、424型電車が使用される。
- 2000年のハノーヴァー万国博覧会に合わせて、2000年にSバーン制度がスタートした。
[編集] ライプツィヒ-ハレ(S-Bahn Leipzig-Halle)
- 主要都市として、ライプツィヒ、ハレがある。
- S1,S2,S7,S10,S11の5系統がある。S1,S2,S11の各系統はライプツィヒを、S7系統はハレを、それぞれ走り、S10系統は両都市間を結んでいる。空港連絡鉄道は存在するが、Sバーンの系統で空港に乗り入れるものはない。
- ドイツ中部運輸連合(MDV:Mitteldeutscher Verkehrsverbund)の一員である。
- ドイツ鉄道で一般的に使用されている、交流15kV 16 2/3Hz架空線方式による電化である。
- 車両は、電気機関車とダブルデッカー客車による、プッシュプル方式の列車が使用される。
- もともとは、旧東ドイツ時代の1969年に、ライプツィヒ("S-Bahn Leipzig")とハレ("S-Bahn Halle")で個別にSバーン制度がスタートした。2004年に両都市間を結ぶSバーンが設定され、"S-Bahn Leipzig-Halle"として一元的に運用されるようになった。
[編集] マクデブルク
[編集] ニュルンベルク
[編集] ライン川-マイン川 (フランクフルト・オッフェンバッハ・マインツ・ヴィースバーデン・ヴォルムスなど)
[編集] ライン川-ネッカー川 (マンハイム・ハイデルベルクなど)
[編集] ライン川-ルール地方-ジーク (ケルン・デュッセルドルフ・デュイスブルク・エッセン・ドルトムント・オーバーハウゼン・ヴッパータールなど)
[編集] ロストック
[編集] シュトゥットガルト
[編集] Sバーン のある都市・地域(オーストリア)
[編集] Sバーン のある都市・地域(スイス)
[編集] 関連項目
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