Grand Theft Auto: Vice City Stories
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ジャンル | アクション |
対応機種 | PSP |
開発元 | Rockstar Leeds Rockstar North |
発売元 | Rockstar Games |
人数 | 1人 |
メディア | UMD1枚組 |
発売日 | PSP![]() 英国版:2006年11月3日 ![]() ![]() PS2 ![]() ![]() NZ版:2007年3月9日 |
価格 | 北米版:$49.99 |
対象年齢 | BBFC:18 ESRB:M OFLC(オーストラリア):MA15+ OFLC(ニュージーランド):R18 PEGI:18+ USK:16 |
Grand Theft Auto: Vice City Stories(グランド・セフト・オート・バイスシティストーリーズ)は米国Rockstar Games社からPSP版が2006年10月31日に発売されたゲームソフトである。本作はGrand Theft Auto IIIシリーズ第6弾、そしてPSP版第2弾にあたる。PSP同梱版も発売され、2007年3月6日にはPS2版がリリースされた。なお、日本語版の発売予定はない。
目次 |
[編集] ストーリー
ヴィクター・ヴァンスは病弱な弟の医療費を稼ぐべく陸軍兵として兵役に就いていた。しかし1984年、バイスシティのフォートバクスター基地に着任早々、上官ジェリー・マルチネスの策略によって除隊処分に追い込まれてしまう。ヴィクターは弟を養うため、そして自らが生き延びるために様々な仕事をこなしていく。
[編集] 概要
本作は『Grand Theft Auto: Vice City(以下VC)』の2年前にあたる1984年のバイスシティが舞台となる。主人公は同作に登場したキャラクター、ランス・ヴァンスの兄ヴィクター・ヴァンス。本作ではヴァンス兄弟のバイスシティにおける成功の軌跡と、『VC』へと繋がる様々な人間模様が描かれている。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ゲームシステム
システムの概略は前作『Grand Theft Auto: Liberty City Stories(以下LCS)』を継承しているが、細部の操作性等に変更が加えられている。また、後述の「エンパイアビルディング」等、実験的な要素もいくつか盛り込まれている。本作では、クリアした殺戮ミッションに再度挑戦することができる(報酬は無い)。また前作同様、マルチプレイも実装されている。別の意味での前作とも言える『VC』とは、マップが若干異なり、入れる店が大幅に増えているが買い物などはできない。
乗り物では、シリーズ初となるジェットスキーが登場。その他には水陸両用6輪駆動車、消火用ヘリ、患者搬送用ヘリ、小型ヘリなどが新たに追加された。また『Grand Theft Auto: San Andreas(以下SA)』と同じく自転車(バニーホップの跳躍は小さい)やホバークラフト、ブルドーザー、小型飛行機等にも乗ることができる。
アクションでは『SA』で好評であった水泳が可能(潜水は不可)となっている。また格闘システムも『LCS』より進化し、ガード・掴み攻撃や倒れた相手への顔面パンチ、後からの羽交い絞めや首絞め等が追加され、『SA』に近い仕様となっている。なお、『SA』のように壁や障害物をよじ登ることはできない。
武器は前作『LCS』とほぼ同じだが、コルトパイソンに代わってイコライザーが追加され、またM60に代わってM249が使用可能になった。また、本作ではモロトフ(火炎瓶)で車両等を一発で爆破することができ、使い勝手が向上している。
また、本作では隠しパッケージに代わるものとして99個の赤い風船を割る、というものがあり、割った個数に応じて特典が貰えるシステムとなっている(1983年発表の楽曲「99 Red Balloons 原題:99 Luftballons(Nena)」に因んだものと思われる)。
[編集] エンパイアビルディング "Empire Building"
本作の新システムとして採用されたビルの経営ミッション。バイカーギャング等他のマフィア・ギャングが所有する物件(総数は30)を襲い、制圧後に Ionic Real Estate という不動産会社から土地を購入して自分の事業用建物(業種は6種類)を建設し、活動資金を稼ぐ。事業の規模は「Small Time」「Medium Venture」「High-Roller」の三段階で、事業規模を大きくするほど高額な投資が必要になるが、収入も比例して大きくなる。6つの事業それぞれにミッションが存在し、クリアする毎にその仕事におけるランクが高くなり、収益もアップする。また、購入したビルはセーブポイントの代わりとして利用することもできる。
- Protection Racket(ショバ代取立て)
- ミッション名 "Extortion"
- 自分のシマで保護している店から滞納中のショバ代を取り立てる。自分のシマにいる対立ギャングとの抗争も起こる。
- 称号: Nobody → Hoodlum → Ultimate Badass
- Loan Shark(高利貸し)
- ミッション名 "Loan Shark"
- 商品を満載した輸送車及び車両を強奪し、アジトに持ち帰る。
- 称号: Nobody → Lifter → Crim-Reaper
- Prostitution(売春)
- ミッション名 "Pimping"
- 売春婦と客との連絡役を行う(いわゆるポン引き)。売春婦達はしばしば客とトラブルを起こすため解決に奔走することとなる。
- 称号: Nobody → Panderer → Mack Daddy
- Drugs(麻薬取引)
- ミッション名 "Drug Running"
- バイスシティのあちこちにいる売人とヤクの取引をする。無論のこと取引は警察にマークされており、また取引と偽って金を奪おうとする売人もいる。
- 称号: Nobody → Dealer → Smack Daddy
- Smuggling(密輸)
- ミッション名 "Smuggling"
- 密輸入したブツを海上で極秘裏に受け取り、アジトに届ける。
- 称号: Nobody → Mule → Pirate Captain
- Robbery(強盗)
- ミッション名 "Robbery"
- 運び屋からブツや現金を強奪し、追っ手を振り切ってアジトに持ち帰る。
- 称号: Nobody → Larcenist → Heist Meister
[編集] 登場人物
斜体は英語名、()内は声優名を表す。
[編集] 主な登場人物
- ヴィクター・ヴァンス Victor Vance (Dorian Missick)
- 今作の主人公。愛称はヴィック "Vic"。『VC』に登場したランス・ヴァンスの兄にあたる人物。軍人で28歳[要出典]。家族のために新兵としてバイスシティのフォートバクスター基地に着任したが、不祥事が元で除隊処分を受けてしまう。その後は遅れてやってきた弟ランスとともにたった2人だけのマフィア「ヴァンスファミリー」としてバイスシティを駆け回る。生き延びるために犯罪を犯すことには吝かではないが、幼い頃から母親がヤク中であったことから、麻薬やコカインの類、又それらを使用する人間に対しては嫌悪感情を隠さない。
- ランス・ヴァンス Lance Vance (Philip Michael Thomas)
- ヴィックの弟。ヴィックがバイスシティにいるという知らせを聞いてドミニカからやってきた。ヴィックよりかなり背が高いがケンカは弱く、しっかりした兄とはまるで正反対のお調子者のヤク中男。様々なトラブルを引き起こしてはヴィックに尻拭いをして貰っている。なお、リカルド・ディアスに対しては「クエンティン」という偽名を使っている。『VC』にも登場。
- フィル・キャシディ Phil Cassidy (Gary Busey)
- 元軍人で武器に精通した専門家であり、現在は武器商人。ヴィックとは陸軍在籍時代の旧友。メアリーとルイーズという2人の妹がいる。かなりの酒乱であり、酒に酔うと銃を振り回す。ヒスパニック系ギャンググループ「チョロ "Cholos"」に仕事を邪魔され悩まされており、チョロを撃退すべくヴィックに仕事を依頼する。なお『VC』にも登場した密造酒「ブームシャイン」は健在で相変わらず派手に爆発する。『Grand Theft Auto III(以下III)』『VC』『LCS』に続き今作も登場。
- ジェリー・マルチネス軍曹 Sgt.Jerry Martinez (Felix Solis)
- フォートバクスター基地でのヴィックの上司。軍隊に所属しながら裏ではヤクの売買などを行っており、奸計によりヴィックを除隊に追い込んだ張本人。メンデス兄弟の依頼でヤクを保管していたところ、ヴィックとランスにそのヤクを強奪されてしまったため、メンデス兄弟の消去リストに入ってしまう。そのため一時バイスシティを離れていたがヴィックに復讐するために舞い戻り、ゴロツキを使ってルイーズに重傷を負わせる。ダウンタウンのオフィスビル屋上でヴィックと戦い、死亡。
- リカルド・ディアス Ricardo Diaz (Luis Guzman)
- スターフィッシュ島に本拠を構える麻薬組織の頭。メンデスファミリーを警戒しており、バイスシティの裏世界を支配するためヴァンス兄弟に仕事を依頼する。
- アルマンド・メンデス Armando Mendez (Yul Vasquez)
- バイスシティを牛耳るマフィア「メンデスファミリー」のボス。プローン島に大邸宅を構える。当初ランスがジェリーの物だと思って盗んだヤクは実はメンデス兄弟の物だったため、ヴァンス兄弟を殺すつもりでいたが、ヴィックの能力に利用価値を見出し仕事を依頼することとなる。その後ヴァンス兄弟をバイスシティから放逐しようとするが交渉は決裂、2人を殺害しようとしたが失敗に終わる。ヴァンス兄弟を誘き寄せるために退院したばかりのルイーズを誘拐し、ヴァンス兄弟がメンデス邸に襲撃を仕掛けた際にルイーズを殺害。最後はヴィックに火炎放射器で立ち向かうも敗北し死亡する。
- ディエゴ・メンデス Diego Mendez (Ruben Trujillo)
- アルマンドの弟で、饒舌な兄とは対照的な無口な男。哲学書(プラトン)を愛読している。ヴァンス兄弟がメンデス邸に襲撃した際、その場に居なかった為アルマンドは死亡し、ディエゴは生き延びることになる。最期はジェリーとともにダウンタウンのオフィスビルの屋上でヴィックと戦い死亡する。
- ウンベルト・ロビーナ Umberto Robina (Danny Trejo)
- リトルハバナでキューバ系ギャング団を取り仕切る大柄な男。ギャング団「チョロ」と抗争している。男の中の男以外とは仕事をせず、他人にはやたらと男であることを求める。しかし本人は極めてヘタレであり、仲間にもそのことを薄々と勘付かれ始めている。フィル・キャシディとは友人。『VC』にも登場。
- マーティー・ジェイ・ウィリアムズ Marty Jay Williams (Jim Burke)
- ルイーズの夫で、白人貧困層が集まるトレーラーパークマフィア "Trailer Park Mafia" のボス。ヴィックにエンパイアビルディングを教えてくれる。親戚には人気があるようだが、妻であるルイーズとその赤ん坊に容赦がなく非情な一面を見せる。姉のもとに逃げ込んだルイーズを無理矢理連れ戻し、売春宿で働かせようとしたがヴィックに阻まれ、殺害される。
- ルイーズ・キャシディ・ウィリアムズ Louise Cassidy-Williams (Chesley Rives)
- マーティーの妻で一児(メアリーベス)の母。また、フィル・キャシディの妹でもある。夫のマーティーから娘共々邪険に扱われていたところ、ヴィックの助けによってマーティーから逃れ、自由を手にする。ヴィックに対しては友人以上の感情を抱いていたが、ジェリーの雇ったゴロツキに誘拐され、ヴィックに救われるも瀕死の重傷を負い入院。退院後もヴィックの命を狙うアルマンドに誘拐され、殺害されてしまう。
- ブライアン・フォーブズ Brian Forbes (Dan Oreskes)
- FBIの秘密捜査官。ランスの仕事仲間を装って秘密捜査を行っていたが、ランスに素性を見抜かれ、ヴィック達と金儲けをしたいと弁解するもリトルハイチの廃屋に拉致される。その後、2人の隙を見てスクーターで廃屋を脱出するがヴィックによって殺害される。
- ゴンザレス Gonzalez
- コルテス大佐の部下で不思議な髪型をした男。大佐のヤクの一部(とはいえ、トラック一台分)をネコババしている。最後は旅客機に乗ってバイスシティを離れた。『VC』にも登場している。
- レニー・ヴァッスルマイヤー Reni Wassulmaier (Barbara Rosenblatt)
- ドイツ系の映画監督。プローン島のインターグローバルスタジオで映画やCMを撮影している。自称天才で、曰く自らを「男であり女であり全てである」と表現。コカイン好きでその影響か目立ちたいのか容姿はかなり奇抜である(京劇役者と宝塚俳優を合成したような容姿)。生来の性は女性だが、これまでに3回の性転換手術を行っており、オーシャンビーチの病院で4度目の手術(男→女)を敢行する。ディエゴ・メンデスと関係を持っていたが、彼と敵対するヴィックとディアスを引き合わせたことにより命を狙われたため、ヴィックの助けを借りてバイスシティを離れ、ヨーロッパへ向かうことになる。ちなみに、彼女(彼)は『LCS』の1998年当時においてラジオ局「Flashback FM」でDJを務めている。
[編集] その他の登場人物
- メアリー・ジョー・キャシディ Mary-Jo Cassidy (Cathy Trien)
- フィルの妹でルイーズの姉。スリムな妹とは似ても似つかない太りすぎた体型をしている。自意識過剰気味で、ルイーズがヴィックと親しかったためにアルマンドに誘拐されたことから、今度は自分が誘拐されると思っていた。
- アルベルト・ロビーナ Alberto Robina
- リトルハバナのカフェ「ロビーナ・カフェ」の店主で、ウンベルトの父。ここ20年の間一度も開店時間を遅らせたことがないのが自慢らしい。心臓が弱い。『VC』にも登場。
- ジャネット・ヴァンス Janet Vance
- ヴィックとランスの母で、極めて重度のヤク中。若いボーイフレンドのハビエル "Javier" を連れて登場する。バイスシティに訪れてから暫くの間はランスの家に暮らしていたが、ヴィックとランスがマルチネスから盗んだヤクを全て持ち逃げしてしまう。ヴィックとランスは彼女がヤク中であったため幼少時から叔母であるイーニッドの許で暮らしており、特にヴィックは彼女を嫌っている。
- フィル・コリンズ Phil Collins (Phil Collins)
- イギリス人ミュージシャンで、Grand Theft Autoシリーズ初の実在の有名人。コンサート開催のためバイスシティにやってきたが、マネージャーのバリーの借金のカタに何度も命を狙われる。そのため、レニーの紹介によってヴィックに身辺を警護してもらうことになる。作中ではハイマン記念スタジアムにて、見事なライブ(曲は「In The Air Tonight」)を披露する。
- バリー・ミッケルスウェイト Barry Mickelthwaite (Thimothy Spall)
- 作中でのフィル・コリンズのマネージャー(実在人物ではない)。自身がフォレッリファミリーに借金を負ったことが原因でフィルの命を危険にさらしているため、レニーの紹介によってヴィックにフィルの護衛を依頼する。
- スピッツ Spitz
- ゾンビ系ホラー映画で有名な映画ディレクター。自分の映画にヴィックを出演させた縁で、彼にレニー・ヴァッスルマイヤーを紹介する。
- フランキー Frankie
- プローン島のインターグローバルフィルムズでレニー・ヴァッスルマイヤーのアシスタントをしている。盛り上げが足りないことで一旦アシスタントをクビになるが、その後すぐに復帰。
- イーニッド Aunt Enid
- ヴィックとランスの叔母にあたる人物で、ヤク中の母親に代わり2人の面倒を見てきた。ポケベルで連絡をくれるだけなので顔は不明。
- ピート・ヴァンス Pete Vance
- ヴィックとランスの弟。病弱で、重い喘息を患っている。ヴィックが軍隊に入隊したのは彼の治療費を稼ぐためである。作中では名前のみ紹介される。
[編集] ラジオ局・サウンドトラック
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[編集] マルチプレイ
本作でプレイ可能なマルチプレイモードは以下の通り。
- Vice City Survivor
- Street Rage
- Taken for a Ride
- Protection Racket
- Tanks for the Memories
- Grand Theft Auto
- Hit List
- Empire Takedown
- Might of the Hunter
- V.I.P. R.I.P.
[編集] 問題点
本作には以下に掲げるような問題点(バグ)がある。
- テクスチャーの読み込みが遅く、高速で移動していると街並が消えてしまったように見える
- ラジオ音楽が途切れることがある
- ガレージに入れたはずの車が消えることがある
- 街を走るタクシーが最初から壊れていたり、壊れたタクシーが脈絡なく放置されていたりすることがある
- 高架の裏側に車が逆さまに張り付いていることがある
- ミッション "Light My Pyre" において、音声が聞こえなくなることがある
- ゲーム自体がフリーズすることがある
- 車のパーツの一部が変色することがある
[編集] 外部リンク
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メインタイトル | GTA - GTA2 - GTA3 - GTAVC - GTASA - GTA4 |
外伝的作品 | GTAAdv - GTALCS - GTAVCS |
舞台 | リバティーシティ - バイスシティ - サンアンドレアス |
サウンドトラック | GTA3st - GTAVCst - GTASAst - GTALCSst - GTAVCSst |