クラムボン
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クラムボンとは、
クラムボン(Clammbon)は、原田郁子、ミト、伊藤大助の3人による日本のバンド。 1999年にメジャーデビュー。ジャンルに捕らわれない楽曲スタイルが、コアな音楽ファンから支持され、現在まで6枚のアルバムをリリースしている。俳優の竹中直人が彼らのファンで、ライブにも度々(観客として)姿を現している。
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[編集] メンバー
- 原田郁子(はらだ いくこ、1975年10月20日-)福岡県出身。ボーカル、鍵盤担当。
- 詳しくは原田郁子の頁を参照のこと。
- ミト(みと、1975年5月6日-)東京都出身。ベース、ギター、鍵盤、口笛、その他担当。
- バンドリーダー。ソフト・マシーンやCANなどのプログレッシブ・ロックやパンク/ニューウェーブをこよなく愛する。そのためか、近年の楽曲の中にはどこかプログレッシブ・ロックを連想させる展開やパンキッシュな雰囲気をもつものが多い。最近ではSUEMITSU&THE SUEMITHのTHE SUEMITHのベーシストとしても活動している。また、その昔TM NETWORKのファンで「Fanks」であったこともラジオでカミングアウトしている(くるりの岸田 繁も同様)。両親は以前「カコとカツミ」という名前で音楽活動を行っていた(雑誌『クッキー・シーン』のインタビューにてミト本人が発言)。
- 伊藤大助(いとう だいすけ、1975年12月1日-)北海道出身。ドラム担当。
- ジャズ・ドラマーのような技巧派なドラムを叩く。ある意味、バンドにとって大黒柱的な存在である。インタビューではあまり発言しない。読書が趣味で、休みの日は公園で読書をしているらしい。
[編集] ヒストリー(バンド名義の活動)
- 1996年 同じ専門学校に通っていたメンバー3人が、授業内の演奏会でキャロル・キングの「君の友だち」を演奏するために一時的にクラムボンの原型となるバンドを結成。しかし、演奏会終了後もこのメンバーで着々とオリジナル曲を作り始め、南青山Ojasなどでライブ活動をスタートさせる。
- 1997年 恵比寿みるくでのライブがプロデューサーS-Kenの目に止まり、後に発売されるS-Kenプロデュースによるコンピレーション『Soup-Up Vol.2』に「どれだけでも」、「森渡り」という2曲のオリジナル曲で参加。
- 1998年 2月25日、ワーナーミュージック・ジャパン内のインディーズ・レーベルマージナル・ラインよりミニアルバム『くじらむぼん』をリリース(ちなみに、このアルバムのテープをミト(ベース)が青山のライブハウスで高野寛氏に渡した。以後、氏とは交友を続けていく事になる)。
- 1999年 3月25日、シングル「はなればなれ」でメジャーデビュー。かつての矢野顕子を彷彿とさせる演奏スタイルやフィッシュマンズの影響がうかがえる浮遊感のあるサウンドがコアな音楽ファンの間で話題となり、全国のFM局でヘビーローテーションとなる。同年4月23日には下北沢club Queにて初のワンマンライブを決行。7月14日には、『くじらむぼん』に収録されていた「パンと蜜をめしあがれ」を再録し、セカンド・シングルとしてリリースした。そして、10月16日、1Stアルバム『JP』リリース。このアルバムに収録された「雲ゆき」は現在でもライブで演奏される事の多い人気の高いナンバーである。同年10月24日からは、このアルバムを引っさげてのツアー『JP Jump Japan Tour』をスタート。主要都市、4ヶ所4公演を行う。アンコールにはメンバー全員が、当時の所属レコード会社WARNER MUSIC JAPANのロゴ入りトレーナー(黄色)に着替えて登場した。最終日となった渋谷公演ではミトが勢い余ってベースを破壊。また、マネージャーであるa.t氏がギターで参加し、ファンの間では伝説的なライブとなっている。
- 2000年 3月18日、3000枚限定のアナログ盤『苦楽無凡』をリリース。このアイテムは現在、インターネットオークションなどで高値で取引されている。4月19日には初の両A面シングル『シカゴ/246』をリリース。こちらも全国のFM局や、スペースシャワーTVなどの音楽専門チャンネルでヘビーローテーションとなる。このシングルリリース後、ボーカルの原田郁子が急病のため一時活動停止となるが、同年8月9日発売のシングル『君は僕のもの/090』で活動再開。10月25日には2ndアルバム『まちわび まちさび』をリリース。その後、12月3日からは『clammbon tour 2000 まちわび まちさび』をスタート。前回のツアーで訪れることの出来なかった地方公演も含む全8ヶ所9公演を実施。
- 2001年 5月23日、プロデュースに亀田誠治氏を迎えた5枚目のシングル『サラウンド』をリリース。ストリングスを導入した心機一転のサウンドがファンを驚かせる(この曲は発表から3年後の2004年に山田優出演のボーダフォンのCMソングとして再登場し、視聴者から問い合わせが殺到したとか)。夏に短いツアーを挟み、続く8月22日には6枚目のシングル『残暑/のんびり』をリリース。「のんびり」はJR東日本のCM曲に起用され話題となった。(同ラジオCMでもオンエアされた)そして、約3ヶ月後の10月11日、プロデュースに亀田誠治氏を迎えた3rdアルバム『ドラマチック』をリリース(余談だが、このアルバムのマスタリング作業に立ち会ったのはリーダーであるミトと、ミトから連絡を受けてわざわざスタジオに駆けつけた高野寛と坂本美雨の3人)。前作にまでなかった弾けるようにポップでアバンギャルドな一面が前面に押し出された力強いサウンドとなっており、このアルバムでクラムボンは完全に生まれ変わった感がある。特にこのアルバムに収録された「便箋歌」、「ララバイ サラバイ」といった楽曲はファンの間でも非常に人気が高い。11月17日からはこのアルバムを引っさげたツアー『ドラマチッカーズ・ツアー』をスタート。サポートには、原田郁子が「キーボードの神サマ」と慕う皆川真人を迎える。過去最高の15箇所16公演を実施。感動のあまり涙を流すオーディエンスも現れる文字通り「ドラマチック」なステージを繰り広げ、この頃から様々な音楽雑誌などで「ライブで本質が見えるバンド」などと言われ始める。
- 2002年 4月23日、過去の楽曲をリ・アレンジしたアルバム『Re-clammbon』をリリース。ゲストに坂本美雨、TOKU、元NUMBER GIRLの田渕ひさ子などが参加。春にはアースデイのライブイベントに出演し、トリを勤める。さらに、7月28日には彼らの夢であった日比谷野外音楽堂でのワンマンライブを実現。オープニングでは感激のあまりボーカルの原田が涙ぐむ一面もあった。そして10月23日には4thアルバム『id』を発表。共同プロデュースとしてアダム・ピアースとアンディ・チェイスが参加している。この作品以降、彼らは楽曲製作及びレコーディングを小淵沢での合宿で実施するようになり、シングルのリリースも一切無くなる。
- 2003年 1月22日、4thアルバム『id』を引っさげたツアー『Clammbon Tour 2003』をスタート。サポートメンバーに皆川真人(キーボード)、福原将宣(ギター)迎えての5人でのライブ。全6ヶ所8公演を実施。ステージには、2001年のフジロック・フェスティバルでのニール・ヤングのステージセットを手がけたキャンドルジュン氏によるキャンドルがディスプレイされ話題となった。この年の春には、8ヶ所8公演の『Spring Tour』を実施。その後、7月13日には2度目の野音ワンマンを決行。大雨の中行われたこのライブは、セットリストを一切決めずに行い、約3時間もの長さになった。またこの年、彼らは初めてフジロック・フェスティバルにも出演した。同年9には、チェコのアニメ、クルテクのオープニング曲に「アホイ!」、エンディング曲に「ドブロノッツ」という楽曲を提供。共に当時未発表の新曲。11月19日、5thアルバム『imagination』発表。テクノ、ジャズ、AORなど、幅広いジャンルの楽曲が並んだ意欲作となった。
- 2004年 2月28日、ライブツアー「imagination tour 2004」をスタート。4ヶ所4公演。携帯電話の着メロを演出の一つにするという試み(鬼サウンド)を実施。その後、7月17日には大阪、7月19日には日比谷野外音楽堂でライブ。この年の野音ではライブ終盤に流れ星が現れ、ファン及び関係者から「奇跡のライブ」と言われる。その後も様々のサマー・フェスティバルに参加。この夏以降、メンバーはソロ活動に入ることになるが、12月19日にはリキッドルーム恵比寿にて、矢野顕子との対バンを実現させている。
- 2005年 3月6日、6thアルバム『てん、』リリース。同じ作品のモノラルヴァージョンとステレオヴァージョンを2枚組でリリースするというこだわりを見せる(モノラルヴァージョンのミックスはmito、ステレオヴァージョンのミックスはROVOの益子樹)。その後、4月9日から『ライブツアー 2005 てん、』をスタート。14ヶ所17公演。9月4日には大阪城野外大音楽堂にて野外ライブ『残暑お見舞い申し上げます』を実施(ラストには真心ブラザーズの「サマーヌード」をカヴァー)。そして、11月12日には渋谷O-Eastとduo MUSIC EXCHANGEの2会場にて、初のクラムボン主催のオールナイトイベント『sound circle』を開催した(出演・toe、manual、ヤベミルク、FOSSA MAGNA、おおはた雄一、半野善弘、cjammbon)。
- 2006年 5月31日、初のカバーアルバム『LOVER ALBUM』リリース。続く7月12日には約5年ぶりとなるシングル「THE NEW SONG」を発売。そして11月22日には、初のライブアルバム『3 peace ~live at 百年蔵~』がリリースされた。
[編集] ソロ活動
- 原田郁子(ボーカル、キーボード)
- ミト(ベース)
- 様々なアーティストへの楽曲提供がメインだが、近年では、ドラムの伊藤大助、Nathalie Wiseの斉藤哲也と共にFOSSA MAGNAというピアノ・トリオを結成した。最近の楽曲提供では木村カエラの最新アルバム「Circle」の表題曲のプロデュースを担当している。
- 伊藤大助(ドラム)
- ミュージシャンASHとともに、LOTUS GUITARの名前でライブ活動を行っている。他にも、旧友のドラマー・オータコージと共にインプロビゼーション・バンドThe Sun calls Starsを結成。こちらも盛んにライブ活動を行っており、音源の発売が待たれるところである。
[編集] 発表作品
[編集] シングル
- はなればなれ(1999年3月25日)
- パンと蜜をめしあがれ(1999年7月14日)
- シカゴ/246(2000年4月19日)
- シカゴ:BS-2「BEAT MOTION」エンディングテーマ
- 君は僕のもの/090(2000年8月9日)
- サラウンド(2001年5月23日)
- フジテレビ系「赤ちゃん金ちゃんしゃべる部屋」エンディングテーマ/松下電器産業「37・M・D」CMソング
- 残暑/のんびり(2001年8月22日)
- THE NEW SONG(2006年7月12日)
- アホイ!:カートゥーンネットワークアニメ「クルテク」オープニングテーマ
- ドブロノッツ:カートゥーンネットワークアニメ「クルテク」エンディングテーマ
- ジャケットは造形作家大槻あかねの作品
[編集] アルバム
- JP(1999年10月6日)
- まちわび まちさび(2000年10月25日)
- ドラマチック(2001年10月11日)
- id(2002年10月23日)
- imagination(2003年11月19日)
- てん、(2005年3月2日)
- 2枚組CD。Disc 1はオリジナル音源、Disc 2はDisc 1収録曲すべてのダブヴァージョン
- Musical(2007年5月23日 発売予定)
[編集] ミニアルバム
- くじらむぼん(1998年2月25日)
[編集] リ・アレンジアルバム
[編集] ベストアルバム
- best(2003年7月24日)
- 初回限定版のみDVD付。
[編集] カバーアルバム
- LOVER ALBUM(2006年5月31日)
[編集] ライブアルバム
- 3 peace~live at 百年蔵~(2006年11月22日)
- 2006年7月10・11日、博多百年蔵でのライブを収録。
[編集] アナログ盤
- 苦楽無凡(2000年)
- ダブミックス集、3000枚限定プレス
[編集] DVD
- id tour 2003(2003年7月16日)
- 2003年1月26日SHIBUYA-AXでのライブを収録。
- クラムボン 日比谷野外音楽堂(2005年1月26日)
- 2004年7月19日日比谷野外大音楽堂でのライブを完全収録。
[編集] 参加作品
- 「どれだけでも」
- 「森渡り」
- Various Artists「SOUP UP vol.2」(1997年)3、10曲目
- 「カルアミルク」
- Various Artists「どんなものでも君にかないやしない 岡村靖幸トリビュート」(2002年4月17日)4曲目
- 「dovrou noc」
- Various Artists「TRIBUTE TO WALKMAN」(2003年12月10日)10曲目
- 「ナイト・クルージング」
- Various Artists「Sweet Dreams for Fishmans」(2004年4月21日)3曲目
- 「以心電信~You've Got to Help Yourself」
- Various Artists「TRIBUTE TO YMO」(2004年9月8日)4曲目
- 映画「サヨナラCOLOR」
- 「雲のいびき」
- Various Artists「HUSKING BEE」(2007年3月21日)17曲目
[編集] ラジオ番組
- 『クラムボンをめしあがれ』-広島FM(1999年)※終了
- 『CROSS FM BON』 - CROSS FM(2000年)※終了
- 『クラムボン コンセルヴァトワール』 - Inter FM(2001年)※終了
- 『Radio Imagination』 - FMヨコハマ(2003年)※終了
- 『原田郁子の胡麻味噌ズイ』 - i-radio(2003年)