トラ
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トラ
- ネコ目(食肉目)ネコ科の最強哺乳動物。本項で記述。
- 主に中東からインド・パキスタン周辺までの地域で使用される重量の単位(Tola, Tolas)。約11.664g。金製品などの取引で使われる。
- 男性用の下着、トランクスの別名・俗称。
- かつて使用されていたオートレースの競走車用エンジン「トライアンフ」の略称。詳細はトライアンフ (競走車)を参照すること。
- 積載量17t~19tの無蓋車。
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トラ | ||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Panthera tigris |
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和名 | ||||||||||||||||
トラ |
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英名 | ||||||||||||||||
トラ(虎)はネコ目(食肉目)ネコ科の哺乳動物。体長はライオンと並んでネコ科最大である。黄色の毛に黒色の縞模様があるのが特徴である。密林の王者と言われ、アジア生態系の食物連鎖の頂点にある。
目次 |
[編集] 生態
全部で8亜種(内、3亜種は絶滅)が知られ、中でも最大の亜種シベリアトラ(アムールトラ)のオスは体長2.5m、体重300kgに及ぶものもある。インド産のベンガルトラはオスで体長2m内外、体重200kg強。また、スマトラトラは、これらの大型トラの半分しかない。いずれもメスは一回り小さい。生息域はアジアの広い地域に渡り寒冷地帯から熱帯地帯にまで及んでいる。
群れ(プライド)を形成するライオンと異なり、交尾期以外は単独で行動する。
おもにシカ類やイノシシやウシを主食にするが、生息地域により食性は多種多様で、小はイナゴなどの昆虫から、大はゾウやサイの成獣まで捕食する。また同じ食肉目のヒョウやクマなども捕食することが報告されている。特にクマはヒョウやオオヤマネコに較べて好物であり、頻繁に捕食する。
トラは狩りを行う際、獲物のなるべく近くまで忍び寄る。森林では縞模様が格好のカモフラージュになっている。小型の獲物に対しては、首の後ろに噛み付き、脊髄を砕くことで仕留める。大型の獲物に対しては、のどぶえに食らい付くことで、窒息させて倒している。
繁殖期は熱帯地帯では明確ではないが、インドでは雨季が明けたころに、シベリアなど北方では11月から4月に訪れる。発情している2日ほどの期間に100回以上交尾する。100日程度の妊娠期間を経て、体重約1kgの子を平均3頭程度出産する。トラは非常に手厚く子育てをすることで知られており、このことから非常に大切なものを指す「虎の子」という言葉が生まれた。
毛皮を採るためや漢方薬の材料にするための乱獲、自然破壊などに伴って生息数が減少し絶滅が危惧されている。現在生息している野生のトラは、下記亜種を合わせても5,000頭前後しかいないといわれている。しかし、アメリカ国内でペットとして飼われているトラは5000頭以上といわれている。
[編集] 亜種
- シベリアトラ(アムールトラ、P.t.altaica)
- アモイトラ(P.t.amoyensis) - 絶滅寸前
- バリトラ(P.t.balica) - 絶滅
- マレートラ(P.t.corbetti)
- ジャワトラ(P.t.sondaica) -絶滅
- スマトラトラ(P.t.sumatrae)
- ベンガルトラ(P.t.tigris)
- カスピトラ(P.t.virgata) - 絶滅
[編集] トラを用いたことわざ・慣用句
- 「虎の威を藉る狐」
- 「前門の虎、後門の狼」
- 「虎視眈々」
- 「虎穴に入らずんば虎児を得ず」
- 「虎は千里行って千里帰る」
- 「虎に翼」
- 「虎を養って虎に噛まる」
- 「虎は死して皮を留め人は死して名を残す」
- 「虎になる」
- 「虎の尾を踏む」
- 「虎の子」
- 「虎の髭をひねる」
- 「張り子の虎」
[編集] 雑学
- 豊臣秀吉の家臣加藤清正が朝鮮出兵中にトラ狩りをした逸話は良く知られている。これにあやかり、明治時代以降、多くの日本人がトラ狩りを行っている。中でも旧尾張藩主の徳川義親はシンガポールでトラ狩りを行い、「トラ狩りの殿様」として知られている。
- 「警戒ロープ」はその色(黄色と黒)から、「虎ロープ(トラロープ)」と呼ばれることがある。同様にセーフティーコーン(パイロン)間を繋ぐ縞模様の棒も「トラバー」と呼ばれる(工事現場などで使用されている)。
- 本文内でも記されているとおり、日本ではトラの体色は「黄と黒」と表わされるが、実物および写真を見ても厳密には黄色ではなく、ある程度誇張されたあるいは比喩的な表現である。アメリカではトラの体色はオレンジと黒、とされる。トラをモチーフにしたスポーツチームのチームカラーもNFLのシンシナティ・ベンガルズのようにオレンジと黒の2色となることが多い。日本での「黄と黒」の表現が何に由来するかは不明である。
- 現在、日本には生息していないが浅田美代子がさんまのSUPERからくりTVで「虎って日本にしかいないよね?」と関根勤に話しかけたことがあり、渡辺正行が日本では生息していないと説明すると中村玉緒が「そんなことはない。子丑寅卯と干支の中に入っている」と発言し、明石家さんまが大笑いをしたことがある。
[編集] トラをモチーフとしたキャラクター
- 子虎(コミックとらのあな)
- しまじろう(こどもちゃれんじ、しましまとらのしまじろう)
- タイガーたん(OSたん)
- ティガー(トラー)(クマのプーさん)
- ティグ、ティーラ(タイガー魔法瓶)
- トニー・ザ・タイガー(ケロッグ)
- 虎(動物占い)
- トラ吉(酔虎伝)
- 虎ちゃん(備後福山虎屋本舗)
- トラッキー、ラッキー(阪神タイガース)
- ホドリ(ソウルオリンピック)
- (不明)(サッカーメキシコリーグ・ティグレス)
[編集] 漫画
[編集] アニメ
- ゼンダコトラ(ゼンダマン)
- ガオウ(十二戦支 爆烈エトレンジャー)
- ゴーゴン大公(マジンガーZ)
[編集] ゲーム
- カゲトラ(pop'n music)
- クレイ(ブレス オブ ファイアIV)
- ブレードタイガー(アヴァロンの鍵)
- レイ(ブレス オブ ファイアIII)
- トラ系住民全て(どうぶつの森シリーズ)
[編集] 特撮
- アルテスタイガー怪獣イザク(イザクプラチアード)(ウルトラマンガイア)
- ガオホワイト(百獣戦隊ガオレンジャー)※厳密なモチーフはホワイトタイガー
- 仮面ライダータイガ(仮面ライダー龍騎)
- 仮面ライダー西鬼(仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼)
- キバレンジャー(五星戦隊ダイレンジャー) ※厳密なモチーフは四神の一つである白虎
- 原始タイガー(仮面ライダーV3) ※厳密なモチーフはサーベルタイガー
- タイガーアンデッド(仮面ライダー剣)
- タイガージョー(快傑ライオン丸、ライオン丸G)
- タイガーネロ(仮面ライダーX)
- タイガーレンジャー(恐竜戦隊ジュウレンジャー) ※厳密なモチーフはサーベルタイガー
- タイガーロイド(仮面ライダーZX)
- 鉄人タイガーセブン
- ムカデタイガー(仮面ライダー)
- トラ種怪人 メ・ガドラ・ダ(未確認生命体第25号)(仮面ライダークウガ)
- ゲキレッド(獣拳戦隊ゲキレンジャー)
[編集] トラを扱った作品
[編集] 児童文学
以上は全て、イギリス人作家による、インドを舞台とした作品。
[編集] 関連項目