ビーストウォーズII 超生命体トランスフォーマー
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ビーストウォーズII超生命体トランスフォーマー(-せかんどちょうせいめいたい-)は、前作『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』に引き続き制作されたトランスフォーマーシリーズのアニメ作品。前作の続編を彷彿させるタイトルだが、ストーリーには直接の繋がりはなく、前作と同じ時代に別の場所で起こった物語とされている。またフルCGの前作と異なり、セルアニメとして日本のアニメプロダクションの一つの葦プロダクションで制作された(よって東映動画製作のヘッドマスターズ~Zまでの設定は受け継がれていない)。主題歌歌詞に「トランスフォーマー」という単語が登場しない初の作品でもある。1998年(平成10年)4月~1999年(平成11年)1月までテレビ東京系列で放映。全43話。
後番組の『ビーストウォーズネオ 超生命体トランスフォーマー』はストーリー続編にあたる。
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[編集] ストーリー
小惑星からのSOSを受け、コンボイとアパッチはサイバトロン宇宙基地から救出に向かった。だがその途中爆発に巻き込まれ、コンボイ1人が行方不明になってしまう。そのころデストロンは、惑星ガイアのアンゴルモアエネルギーを用いてガイアを宇宙侵略の前線基地にしようと企んでいた。そこに惑星ガイアのアンゴルモアエネルギーを調査しに、コンボイ不在のコンボイ部隊がやってきたのだ。
ガイアに近づいたサイバトロンの宇宙船はガイアからのデストロンの攻撃にあい、サイバトロンはそれぞれの脱出ポッドで無事ガイアに不時着したのだった。しかしガイアの大気はトランスフォーマー達にとって非常に危険であったため、全サイバトロンは惑星の動物をスキャンし、身体を惑星の環境に合わせたのだ。
行方不明だったコンボイも実はこの惑星ガイアに不時着していた。コンボイは白いライオンをスキャンしてライオコンボイとなり、無事に部隊と合流したのだった。一方のデストロンは、ガイアの過去に存在していたマシーンをスキャンして、サイバトロンに戦いを挑んできたのである。ライオコンボイ率いるサイバトロン軍は惑星ガイアと宇宙の平和を守るため、悪の軍団デストロンと戦うのであった。
[編集] キャラクター
※名前の前の<総司令官>などの表記は、玩具版のカードに記載されていた肩書きを表しています。
[編集] サイバトロン宇宙警備隊
- <総司令官>ライオコンボイ(ホワイトライオン)(声優:郷田ほづみ)
- 総司令官。惑星ガイアに不時着した際に自分を助けてくれた白いライオンの姿をスキャニングしてこの姿になった。常に冷静かつ的確に状況を判断し部下に命令を下す。やや頑固な面も。「ライオンクロー」「ライオンタイフーン」が必殺技。ライオジュニア登場後、ダイアトラス以来となる「子持ちのTF」となったわけであるが、一部ファンの間で「隠し子がいた総司令官」と話題になった。コミック版では酒乱と言う設定。
- <副司令>アパッチ(マンドリル)(声優:小高三良)
- 副官。軍人気質で、語尾に「〜であります」と付ける。生真面目で落ち着いた性格だが、怒りが頂点に達するとアングリーモードと呼ばれる砲撃形態へ変身する。ただし、この姿のときの記憶は元に戻った際は何故か全て忘れてしまう。
- <陽動員>タスマニアキッド(タスマニアデビル)(声優:石塚堅)
- お調子者の見習い戦士。最初は大鷲をスキャンしようとしたが、たまたま近くにいたタスマニアデビルの子供を誤ってスキャンしてしまい、この姿になってしまった。周囲に認めてもらいたいがゆえに無茶な行動をすることも。一度だけ、ビーストモードでヨーヨー遊びに興じていた場面が描写された。
- <突撃員>ビッグホーン(バッファロー)(声優:岩崎征実)
- 怪力自慢。猪突猛進な性格でやや暴走気味。赤い色と花が好きで自分の体も赤く塗っている。尻尾を引っ張られると、ロボットモードの頭が出現し、その口からミサイルを発射する荒業を持っている。
- <水中工作員>スクーバ(イカ)(声優:岸祐二)
- 主に偵察などを担当。イカだが地上でも行動でき、地下にも潜れる。飄々とした性格。クールに見えるが、意外と天然ボケ。
- <守備隊員>ダイバー(カエル)(声優:中野健治)
- のんびりしているが、慎重な性格。なぜか関西弁で放す。タスマニアキッド、スクーバと良くコンビを組んでいる。
- <宇宙偵察員>イカード(イカ)(声優:内藤玲)
- スクーバのいとこで同型。色は青く、関西弁。サイバトロンにタコ型戦車「タコタンク」を届ける。
[編集] インセクトロン
- <昆虫指令>ビッグモス(カ(蚊))(声優:渡辺健)
- 宇宙の風来坊・インセクトロンのリーダー。デストロンに騙され最初はサイバトロンと対立するがすぐに和解。攻撃形態のアリジゴクモードにもなる。オートローラーズとは宿敵同士。
- <柔術家>パワーハッグ(ダンゴムシ)(声優:松山鷹志)
- 柔術家。九州弁で話す。戦いを通じてビッグホーンと友情を結んだ。
- <強行偵察員>トンボット(トンボ)(声優:田鍋謙一郎)
- テラザウラーに良く似た話し方をする。口から吐く溶解液が武器。
- <忍者>マンティス(カマキリ)(声優:高橋広樹)
- 忍者。クールな性格だが寝起きが相当悪く、初めはなかなかサイバトロンを信用しなかった。
- <地底工作員>ドリルナッツ(ゾウムシ)(声優:岸祐二)
- チーム一の発明家だが、よく分からないものばかり造る。
- <謀略員>シザーボーイ(ハサミムシ)(声優:森訓久)
- 陽気な少年。キッドと親友になった。
[編集] ジョイントロン/<合体巨人>トリプルダクス
ライオコンボイらとは別にガイアにやってきた部隊で、いつも陽気。3体が合体して「トリプルダクス」になる。合体時のセリフは「三位一体、トリプルダクス!」
- <音波工作員>DJ(セミ)(声優:内藤玲)
- 「~だミー」が口癖。驚くとオイルを漏らす癖がある。
- <力士>モーターアーム(カブトムシ)(声優:石川大介)
- 「~でアーム」が口癖の力士。高熱を発する角は合体時でも武器になる。
- <局地工作員>ギムレット(ロブスター)(声優:前田剛)
- メキシコ訛りで「ムチャス」「アミーゴ」が口癖。陸上では飛び跳ねながら移動する。仲間のDJやモーターアームに抱えられて、移動することもある。
[編集] <合体戦士>マグナボス
3体が合体して「マグナボス」になる。
- <野生闘士>ライオジュニア(ライオン)(声優:小林由美子)
- アンゴルモアエネルギーとライオコンボイのマトリクスの力が反応して生まれた戦士。少年のようなメンタリティを持ち、ライオコンボイを父と慕う。純粋に惑星ガイアで生まれたせいか、普通見る事ができないムーンの姿も見る事ができる。
- <音速教官>スカイワープ(ワシ)(声優:岩尾万太郎)
- 冷静な性格で、ライオジュニアの後見人。ライオジュニアを「若」と呼ぶ。
- <医学博士>サントン(ゾウ)(声優:原川浩明)
- 温和な性格。医者であり、博愛主義者。「~だゾウ」が口癖。
[編集] その他
- ナビちゃん (声優:寺田はるひ)
- サイバトロン戦士達をサポートするコンピューター。最初は船での情報収集等が仕事だったが、番組後半は小型のボディを与えられ、戦場に赴くこともあった。少々生意気な性格だが、仕事に対する責任感は強い。
[編集] デストロン機甲部隊
- <新破壊大帝>ガルバトロン(ドリル戦車・ドラゴン)(声優:小村哲生)
- 破壊大帝。前半は眠りについていたり暴走して巨大化したりとパワーが安定しなかったが、後半では完全にアンゴルモアエネルギーのパワーを己のものとして復活。「力による平和」を目標としている確信犯である。かなりの野心家だが、兄弟愛は深く、部下思いという意外な一面を持つ。酒(オイル)癖が悪い。
- <破壊公爵>メガストーム(戦車(M1エイブラムス))/<破壊大公>ギガストーム(恐竜・要塞)(声優:松山鷹志)
- ガルバトロンの弟。陰謀をめぐらすがいつも失敗する。ことあるごとに兄を出し抜こうする野心家である反面、内心では兄を尊敬しており、困るといつも兄に頼ってしまうという気弱な一面も。ある程度機械系には通じているようだが、元々探知機として作ったものをダージとスラストに見せたところ、「彼の作った物だから下手に触ると爆発しそう」と言われた。(ちなみにこの後探知機は実際に爆弾に改良され、シーコンズとサイバトロンをターゲットに使用されたが、最後の1発がシーファントムを巻き込んだ以外すべて爆発を喰らったのは彼だけだった)アンゴルモアエネルギーの影響でギガストームへと強化される。
- <航空参謀>スタースクリーム(ジェット機)/<参謀総長>ヘルスクリーム(サイボーグサメ)(声優:高橋広樹)
- 航空参謀。冷酷な性格だが、何故かオネエ言葉で話す。ガルバトロンを尊敬しているが、メガストームを影では馬鹿にしている。BBとのコンビネーション攻撃は強力で、ジェット機形態で合体もできる。アンゴルモアエネルギーの影響でヘルスクリームへと強化される。同名の初代(ビーストウォーズにゲスト出演)とはかなり異なり、意外に仲間思いな一面もある(ただし、その対象は主にBB)。なお、彼とBBのトイは、G2時代に発売がキャンセルされた「メガトロンATB&スタースクリーム」と基本的に同じもの。
- <空爆兵>BB(ステルス爆撃機(B-2)・戦車)/<護衛隊長>マックスビー(サイボーグイヌ)(声優:渡辺健)
- スタースクリームの命令には忠実。無口で、普段は「ラジャー」としか話さないが、戦闘能力は高い。アンゴルモアエネルギーの影響でマックスビーへと強化される。
- <航空士官>ダージ(ジェット戦闘機(ラファール))/<航空隊長>ダージガン(サイボーグハチ)(声優:竹本英史)
- なぜか関西弁で喋る。スラストとのコンビではボケ役。スタースクリーム組より先に手柄を立てようと躍起になっている。ギガストームによりダージガンへと強化される。
- <航空士官>スラスト(ジェット戦闘機(F-22))/<突撃隊長>スラストール(サイボーグヴェロキラプトル)(声優:実近順次)
- ダージの相棒。彼同様に関西弁で喋り、ツッコミ役。ギガストームによりスラストールへと強化される。
[編集] オートローラーズ
- <親衛隊長>オートスティンガー(ダンプカー)(声優:宮澤正)
- デストロンに雇われた傭兵部隊・ガルバトロン親衛隊のリーダー。インセクトロンとは浅からぬ因縁がある。
- <陸上親衛隊>オートクラッシャー(ショベルドーザー)(声優:上別府仁資)
- 強固な装甲が特徴。歴戦の鬼軍曹。
- <航空親衛隊>オートジェッター(ホーネット)(声優:小和田貢平)
- 凶暴で好戦的な性格を持つ。
- <突撃親衛隊>オートランチャー(装甲車)(声優:高橋広樹)
- 目立ちたがりだが、本編で喋ったのはわずか数回だった。
[編集] 宇宙海賊シーコンズ/<合体海神>ゴッドネプチューン
エネルギーを求め、宇宙をさすらっていた海賊。5体合体して「ゴッドネプチューン」になる。ちなみに本編では単体で変形する事はあまり無い。ちなみに玩具はかつての「キングポセイドン」の流用である。
- <海賊頭領>ハーフシェル(カメ)(声優:西松和彦)
- シーコンズ頭領。部下からも慕われている。
- <海賊雷撃兵>テラマンダー(エイ)(声優:上別府仁資)
- シーコンズの空中戦力。のんびり屋な性格。
- <海賊奇襲兵>シーファントム(サメ)(声優:一ノ渡宏昭)
- シーコンズの切り込み隊長。密かにスキュウレの事が好き。
- <海賊参謀>シーラゴン(シーラカンス)(声優:宮澤正)
- シーコンズの老兵。いろんなお宝の情報を知っているがガセネタも多い。
- <海賊謀略員>スキュウレ(イカ)(声優:松本美和)
- シーコンズの紅一点。ビッグホーンに片思いされる。スクーバのことが好きで、ことあるごとに追い回していた。ロボットモードは結構美人なのだが…。
[編集] 月の監視者
- <ガイア監視員>アルテミス(声優:樋口智恵子)& <ガイア監視員>ムーン(声優:竹内順子)
- 少女型ロボットのアルテミスとウサギ型ロボットのムーン。常に月の裏側からトランスフォーマーの戦いを見守っていた。実は惑星ガイアの人々が残した監視プログラム。アルテミスはスクーバとスタースクリームのことが好きで、同じようにスクーバに好意をもつスキュウレをライバル視している。ムーンは玩具でも発売され、一般発売の前に懸賞の商品になっており一般発売のものとはカラーリングが異なる。
[編集] その他
- ナレーション(声優:小村哲生)
- スターアッパー(カンガルー)
- コミックボンボンに連載されていた漫画版に登場したキャラクター。元々宇宙ボクシングの選手だが生まれついての気の弱さからタイトルマッチから逃げ出し、宇宙を放浪するうちにトランスフォームもまともにできなくなってしまう。故にサイバトロン、デストロンどちらにも属していない。ライオコンボイ不在時にアパッチからの救助要請を偶然キャッチし、「ちょっと司令官気分を味わえるかな」と思って惑星ガイアに着陸。サイバトロンの臨時司令官となる。気は弱いがそのパンチ力は絶大であり、ギガストームすら一撃で倒した。ライオコンボイ復帰後は自身もボクシング界に復帰。見事チャンピオンとなる。また、最初から彼を知っていたライオコンボイと正体を明かされたタスマニアキッド以外は最後までスターアッパーがサイバトロンからの助っ人だと信じていたようである。ゲームボーイのゲームにも隠しキャラとして登場。
[編集] 玩具
今回の変形はサイバトロンが動物、デストロンが兵器・機械にそれぞれ統一されており(変形時のかけ声も、両軍で「変身」「トランスフォーム」と違っていた)、前作には登場しなかった合体キャラクターも参戦した。玩具は、サイバトロンはおもに前作『ビーストウォーズ』にて海外発売されたがTVには登場しなかったキャラクター、デストロンはおもに旧トランスフォーマーシリーズ(G2など)で発売されたキャラクターを改修したものである(ライオコンボイ、ガルバトロンは日本オリジナル)。
なおダイバー、インセクトロン、ジョイントロンなどは、もともと海外ではデストロンとして販売されていた。
[編集] スタッフ
- 原案:沢玲子、STEVE DRUCKER
- エグゼクテイブプロデューサー:岩田圭介(TV TOKYO)・長沼孝一郎(nas)・可知秀幸(we've)
- 企画プロデューサー:松迫由香子(TV TOKYO)・山崎立土(nas)・東宏幸(we've)・佐藤俊彦(葦プロダクション)
- 企画協力:中村剛之(タカラトミートランスフォーマーチーム)
- シリーズ構成:武上純希
- キャラクターデザイン:児玉健二
- トランスフォーマーデザイン:大河広行(シンクポート)、山田高裕、小川浩
- 美術監督:坂本信人(ビックスタジオ)
- 色彩設定:梅田祐樹
- 撮影監督:大西弘悟(三晃プロダクション)
- 編集:田熊純(アクタス)
- 音楽:林有三
- 音響監督:高橋秀雄
- 音響効果:野崎博樹(サウンドガーデン)
- 録音制作:神南スタジオ
- キャスティング:ネルケプランニング 松田誠
- 音楽プロデューサー:前山寛邦
- 音楽制作/協力:コロムビアミュージックエンタテインメント、テレビ東京ミュージック
- 番組宣伝:末崎素子(TV TOKYO)
- アニメーションプロデューサー:平野謙一(葦プロダクション)、石坂透(アイムーブ)
- プロデューサー:川崎由紀夫(TV TOKYO)・南川茜(nas)・南喜長(we've)
- 監督:関田修(ドリーム・フォース)
- アニメーション監督:知吹愛弓
- アニメーション制作プロダクション:葦プロダクション、アイムーブ
- 製作:TV TOKYO・nas・we've
- 著作:(C)1998 タカラトミー・TV TOKYO・nas・ウィーヴ
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ
- 前期『GET MY FUTURE』
- 歌:Cyber Nation Network
- 作詩・作曲・編曲・演奏:Cyber Nation Network
- 後期『SUPER VOYAGER』
- 歌:Cyber Nation Network
- 作詩・作曲・編曲・演奏:Cyber Nation Network
- 前期『GET MY FUTURE』
- エンディングテーマ『夢のいる場所』
- 歌:米屋 純
- 作詩:許 瑛子
- 作曲:石川寛門
- 編曲:京田誠一
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