大宮総合車両センター
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大宮総合車両センター(おおみやそうごうしゃりょうセンター)は、埼玉県さいたま市大宮区にある東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道工場・車両基地である。
元々は同じ施設(国鉄大宮工場)だった、日本貨物鉄道(JR貨物)の大宮車両所が隣接している。
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[編集] 概要
2006年2月9日を以て鎌倉総合車両センター深沢地区(旧大船工場)が廃止されたため、その一部業務を引き継いだ。
旧名称「大宮工場」の名前の通り、鉄道工場専業であったが、3月18日より車両検査科東大宮センター(東大宮操車場構内)を新設し、高崎車両センターと小山車両センター所属車の一部を転属させ、車両配置が始まり、車両基地としての役割も持つ様になった(なお、17日までは小山車両センター東大宮派出所管轄だった。)。
毎年5月の第4土曜日になると「JRおおみや鉄道ふれあいフェア」という一般公開イベントが開催され、多くの鉄道ファンで賑わう。
車両解体線跡地には、2007年10月14日に、鉄道博物館と改称した上で交通博物館が移転する。
[編集] 配置車両の車体に記される略号
- 「宮オオ」・・・大宮支社を意味する「宮」と、大宮の電略「オオ」から構成される。
[編集] 歴史
- 1894年(明治27年) - 日本鉄道業務部汽車課として設立される。
- 1901年(明治34年) - 本工場初の新製蒸気機関車Obt2/4形(後の鉄道院5270形)落成。
- 1906年(明治39年)11月1日 - 鉄道国有法により日本鉄道が買収・国有化され、官設鉄道に移管される。
- 1919年(大正8年) - ED40製造開始。
- 1938年(昭和13年) - D51-187を竣工。
- 1949年(昭和24年) - 日本国有鉄道東京鉄道局大宮工機部が発足する。
- 1973年(昭和48年) - 新小岩・橋本工場を吸収合併する。
- 1987年(昭和62年) - 国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)大宮工場が発足、機関車部門はJR貨物が継承。
- 1988年(昭和63年) - D51-498とC58-363が動態復元される。
- 1991年(平成3年) - 組織改正により現在の8科体制となる。
- 1993年(平成5年) - 生産管理システム稼動が開始する。
- 1994年(平成6年) - 485系お座敷列車「宴」が落成される。「大宮工場100周年」が開催される。C12-66が動態復元される。
- 1997年(平成9年) - 485系お座敷列車「華」「ゆとり」が落成される。
- 1998年(平成10年) - C11-325が動態復元される。
- 1999年(平成11年) - C57-180が動態復元される。E26系が落成される。彩の国指定工場に指定される。台車・輪軸技術センターが発足する。
- 1999年6月25日 - ISO9001認証取得。
- 2000年(平成12年) - E26系の予備電源車「カヤ27-501」が落成される。
- 2001年(平成13年) - 485系お座敷列車「せせらぎ」が落成される。大宮工場ホームページが開設される(下の関連リンク)。車両設計資料室が開設される。大宮支社が設立される。
- 2003年(平成15年) - 189系観光用電車「彩野」が落成される。205系先頭改造車両の第一編成が落成される。
- 2004年(平成16年) - 大宮総合車両センターに名称変更される。
- 2006年(平成18年)3月18日 - 車両検査科東大宮センター(東大宮操車場構内)新設、高崎車両センターの185系9編成と183系3編成、並びに小山車両センターの189系1編成の車両メンテナンス業務を受け持つ様になる。
[編集] 配置されている車両
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- 6両編成3本(18両)が配置されている。編成番号はOM101~OM103で、101・102編成の高崎・宇都宮寄りクハは先頭車前面上部の特急シンボルマークがなくなっている。
- 冬の初詣輸送や夏の臨時列車「マリンブルーくじらなみ号」などで運用されている。
- 185系と共に、高崎車両センターに配置していた全編成が、2006年3月18日より転属されたものである。
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- 6両編成1本が配置されている。編成番号はOM201。
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- まだ大宮工場だった2003年に当センターにて、車両の内・外装をリニューアルした観光・多客期向け臨時列車用の車両(ジョイフルトレイン)、愛称名は「彩野」。快速「やすらぎの日光号」などに使用された。その後、東武直通特急「日光」「きぬがわ」の正規編成(小山車両センター所属485系6両編成)の代走用として塗装変更及び東武鉄道乗り入れ対応工事が施されたが、室内アコモデーションが正規編成より見劣りするため、同社との協定により、正規編成の代走には原則として東武100系「スペーシア」が充当されるが、同形式の準備もできない緊急時や増発によりこちらを充当する事もある。
- 塗装などが変更され、特に側面に書いてあった「彩野 AYANO」の文字(マーク)が消えた事から、鉄道ファンなどは『元彩野』などと呼んでいる。但し、JR東日本公式には今でも「彩野」の愛称を用いている。
- 上記の歴史の通り、2006年3月17日まで小山車両センターの所属だったが、翌18日に当センターに転配された。
[編集] 検査担当形式と所属区所
[編集] 電車
- 113系:幕張車両センター
- 115系:高崎車両センター・豊田電車区
- 211系:高崎車両センター・田町車両センター
- 205系:川越車両センター・京葉車両センター・中原電車区・国府津車両センター・鎌倉車両センター
- 251系:田町車両センター
- 253系:鎌倉車両センター
- 255系・E257系500番台:幕張車両センター
- 183系・185系・189系:幕張車両センター・田町車両センター・大宮総合車両センター・豊田電車区
[編集] 蒸気機関車
[編集] 電気機関車
[編集] 名称改称以前 かつて検査を受け持っていた形式
[編集] その他
- 車両基地内に、かつて京葉線でケヨ302編成として使われていた103系クハ103-713号車の車体半分が置かれている。
この車体を今後どのように展示するかなどの公式発表は2007年3月21日)現在、まだない。 車体を切断する以前には、所属表記が「千ケヨ」から「宮オオ」に変更され、「部品撤去禁止 この車両は保存車両です」という貼り紙が掲示されていた。
- DD16 26・34号機が、機械扱いで近年まで大宮工場内での車両入れ替えなどに利用されていた。この2両は度々塗色が変更されており、北斗星色や夢空間色などになったことがあった。現在は宇都宮運転所のDE11形ディーゼル機関車が入れ替えに利用されている
[編集] 関連リンク
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