機動戦士ガンダム THE ORIGIN
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機動戦士ガンダム THE ORIGIN | |
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漫画 | |
作者 | 安彦良和 |
出版社 | 角川書店 |
掲載誌 | ガンダムエース |
発表期間 | 2001年6月 - 連載中 |
巻数 | 既刊14巻 |
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『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(きどうせんしガンダム ジ・オリジン)は、安彦良和作の漫画作品。原案は矢立肇・富野由悠季、メカニックデザインは大河原邦男。アニメ『機動戦士ガンダム』(アニメ版で安彦はキャラクターデザインと作画監督を担当した)をベースに、設定の見直しや外伝的エピソードの追加など独自のアレンジを施した作品である。ガンダムシリーズ専門誌「月刊ガンダムエース」創刊号より連載。
目次 |
[編集] 概要
作者は『ファーストガンダム』とも呼ばれる原作アニメに、作画ディレクターおよびキャラクターデザイナーとして深く関わっており、また歴史上の人物や神話を元にした漫画作品を数多く手がけた実績もある。それらで得た経験を元に『ガンダム』という半ば神話化した作品を再構築する作品であるともいえる。
本作はTVアニメ版をベースにしており、劇場版でカットされたルナツー攻防戦やセント・アンジュのエピソードなども描かれている。また見せ場であったシーンや決め台詞なども多くが生かされ登場している。一方で、後から見ると不自然であった設定や現実世界の変化に合わなくなった設定などの変更や、新規キャラクターの追加、既存キャラクターの設定見直しが行われている。そのため作品として矛盾が大幅に少なくなってより現実味を帯び、また後述するオリジナルエピソードもしっかり構成されているために、正史として扱いたがるファンも多い。
掲載誌ガンダムエースが季刊から隔月刊、月刊へと刊行ペースを早めた際には安彦のファンから歓迎されたが、他の漫画・記事の増加により(ORIGIN以外を除いた場合の)ORIGINのページ単価が増えた事、ページ急増により蒐集・保存が厳しくなった事、ORIGIN自体のページ増により質が一時的に低下した事、などが非難された時期もしばらくあった。その結果、購入を控えるようになった者、安彦に関するページのみ切り取り収集する者もいたが、掲載誌の発行部数自体は増加。現在も同誌の看板作品である。
一部アニメ関係者などからは、ガンダム生誕30周年に向け「リニューアル版ファーストガンダム」を、本作の設定を元に制作することも検討されているようである。アニメ版当時の声優も何人かは既に亡くなっており、その早期の実現がファンの間でも渇望されているが、実際にガンダム生誕30周年となる作品は、福井晴敏の機動戦士ガンダムUC(安彦がキャラクターデザインと挿絵を手がけている)のアニメ化となるのではという見方をしているファンも多い。
[編集] 巻
- 始動編
- 単行本第1巻 ISBN 4047134538
- 激闘編
- 単行本第2巻 ISBN 4047135038
- ガルマ編
- 単行本第3巻 ISBN 4047135038
- 単行本第4巻 ISBN 4047135453
- ランバ・ラル編
- 単行本第5巻 ISBN 4047135577
- 単行本第6巻 ISBN 4047136115
- ジャブロー編
- 単行本第7巻 ISBN 4047136476
- 単行本第8巻 ISBN 4047136808
- シャア・セイラ編
- 単行本第9巻 ISBN 4047137146
- 単行本第10巻 ISBN 4047137464
- 開戦編
- 単行本第11巻 ISBN 4047137715
- 単行本第12巻 ISBN 4047138053
- ルウム編
- 単行本第13巻 ISBN 4047138509
- 単行本第14巻 ISBN 4047138835
[編集] アニメ版との差異
[編集] 物語の変更点
物語の主な舞台となる宇宙戦艦ホワイトベースにおける最大の変更点は、物語開始時点においてガンキャノンおよびガンタンクが量産化され、それぞれ複数が稼動可能な状態で搭載されているという点である。アニメ版において地球連邦軍側にモビルスーツがわずか3機しかなく、それらばかりが活躍しているという点は不自然であるとしばしば指摘されていたが、これを見直したものである。ガンタンクは10年以上前に量産化された大型主力戦車、ガンキャノンはザクIに対抗して開発された地球連邦軍初のモビルスーツとして設定し直され、デザインはその設定を前提に原作のメカデザイナーであった大河原が見直し、安彦に提供した。主役機ガンダムや、ジオン軍側のモビルスーツについても安彦の考えを元に、大河原がアレンジを施したデザインに変更されている(なお安彦は、必ずしも大河原のデザインをそのまま使っていない)。
ホワイトベースの乗組員も、冒頭の奇襲攻撃によりアニメ版ではブライト・ノア以外の士官が全滅しているという極端な状況であったが、本作では中尉(なお、原作では少尉だったブライトは中尉に階級が見直されている)以下の士官が相当数生存し、相応の役割を担っているという設定になっている。またホワイトベースの進路も、北米大陸からアジア、ヨーロッパへと地球を一周して南米を目指すのは不自然なので大陸沿いにジャブローに入ってから他を目指すよう変更されている(そのためオデッサ・ディやミハル・ラトキエのエピソードは後に描かれる事になる)。そのジャブローの位置も、アニメ版で設定されたアマゾン川流域は地盤が軟弱なため、シェルターを兼ねられる様な固い岩盤があり、且つそこに地下基地を作るのには無理があると、考証の上ギアナ高地の地下に再設定がなされている。ジャブローの後、ホワイトベースはベルファストに入港し、ミハルが潜入した後、ジブラルタルへ向かっている。
登場人物の階級も見直され、先述のブライトの他、ルナツー司令ワッケインが少佐から少将に、ジオン軍地球侵攻軍総司令マ・クベが大佐から中将に、といったように相当の階級に設定されている。
主人公アムロ・レイがガンダムの詳細を知ったのはアニメでは地面に落ちていた極秘マニュアルからであったが、本作では自宅にあった父テム・レイのパソコンをのぞき込んでいて偶然見つけ出したことになっているなど、アニメ版制作後に一般化した機器が劇中で活用されている。
[編集] エピソードの追加
ジャブローから出発する直前の時点で本編は一旦中断され、シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹の過去を追う形で、アニメ版のみならずそれ以外の作品でもほとんど描かれることの無かった過去の物語が、作者独自の解釈によって描かれている。
ジオン・ズム・ダイクンの遺児、キャスバル(=シャア)、アルテイシア(=セイラ)の兄妹とランバ・ラル親子との関わり、ザビ家がダイクン家にかわりサイド3の実権を掌握する過程、公国制をしいたジオンと地球連邦間の確執からくる緊張感、キャスバルが公国軍のエース「シャア・アズナブル」となった経緯、モビルスーツ開発前史、開戦からルウム戦役に至る一年戦争前半期などのエピソードが表現豊かに描かれている。
これらのオリジナルエピソードでは、安彦漫画で頻繁に見られる政治劇や陰謀などの人間ドラマが緻密に描かれており、低年齢層向けであったアニメ版を基にして描かれたジャブロー編以前のパートよりも、更に作者本来の持ち味が反映されている。
[編集] 執筆の経緯
本作は当初、サンライズによって海外向けに『機動戦士ガンダム』を紹介するためのコンテンツとして企画された。作者・安彦良和は残りの人生を漫画家として送るつもりであり、また安彦自身の弁によれば「そもそもガンダムと言う物語は、自分が関わったとはいっても富野さんの作品だという意識も強かった」ため、当初この企画に難色を示していた。しかし、病気で入院する事となり、手持ちぶさたに『ガンダム』の物語のネームを切り始めたところ一気にガルマ・ザビ戦死のくだりまで描き進められた事、さらに富野由悠季本人からも「自分も楽しみにしてるから好きにアレンジして欲しい」と言われた事で、本作の執筆を決めたとのことである。
本作は当初、一気に100ページを超える分量を掲載するというスタイルであった。それも、この100ページが終わってなおアムロがガンダムに乗り込んでいないというほどの分量である。しかしこれでは既存の漫画雑誌には連載が出来ないという事情から、ガンダムを専門とする雑誌『ガンダムエース』が創刊された。当初は季刊であったが、その後ペースが若干上がり隔月刊となり、ガンダム関係のコンテンツが十分揃った時点で月刊化された。また当初の企画どおりに、海外向けにも翻訳・発行されている。
[編集] 参考文献
- 角川書店「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 公式ガイドブック」, 2004 ISBN 4-04-713644-1
[編集] 関連項目
- 機動戦士ガンダム0079-同時期に電撃大王で連載されていた、同じくファーストガンダムを原作とした漫画。
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