気象情報 (NHK)
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気象情報 は、NHKの気象情報番組と、ニュース番組の気象情報コーナーの総称である。
本項ではNHK総合テレビの気象情報を中心に扱い、NHK衛星第1テレビ、NHKラジオ第1放送の気象情報に関しては補足的に触れる。
NHKラジオ第2放送については、気象通報の項目を参照のこと。
目次 |
[編集] 概説
NHK総合テレビの気象情報(天気予報)は、1953年のテレビ放送開始当初より放送が行われており、日本のテレビ局としては最も長期にわたる放送実績を持つ。民放各局の気象番組と同様に、NHKの「気象情報」では気象庁が発表する情報のうち、気象に関する情報のみを扱い、地震・火山情報については扱わない。
[編集] 名称について
かつては「天気予報」という名称だったが、1988年4月から気象キャスターによる解説を伴うコーナーを「天気情報」と呼称するようになり、さらに1990年4月には「天気情報」のコーナーを「気象情報」へと改称した。その後、解説を伴うコーナーの改廃によって「天気予報」と「気象情報」の区分が煩雑になったことから、1997年4月までに東京発の天気・気象に関するコーナーは全て「気象情報」の名称に統一された。ただし地方局では放送上「天気予報」の呼称が便宜的に使用されることがある。なおラジオ第1放送では「天気予報」の名称を現在も使用している。
[編集] 情報提携
NHKでは気象業務法に基づく気象予報業務許可を受けておらず、独自の予報を行っていない。このため「気象情報」では原則として気象庁の予報をそのまま放送し、気象庁が十分にカバーしていない世界各地の天気予報や花粉情報、予想湿度、細かいポイント予報などについては日本気象協会や民間気象会社の情報を補完的に使用する。また近年は民間の気象予報士を積極的に気象キャスターに起用し、気象庁が発表した予報についてもより掘り下げた解説を行い、情報性を高める方向にある。首都圏においては、首都圏向けの気象情報においても気象キャスターが出演するケースが多いが、地方局では、アナウンサーが気象庁の発表原稿をそのまま読むケースも多い。気象キャスターが地方都市に少ないことによる、地域間の情報格差を指摘する意見もある。
[編集] 放送形態
報道系の番組枠内で様々な形態で放送が行われるが、概ね以下の形態に大別される。
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- 「気象情報」 11:53や19:58の気象情報が独立した番組の扱いを受ける場合。
- ニュース番組の気象コーナー 気象キャスターが出演する場合が多い。定時のニュースの多くはアナウンサーが原稿を読む。
- 特設ニュース内の気象コーナー 台風、大雨などの大規模な気象災害の時は、特設ニュース枠内に気象コーナーが設けられる場合がある。東京発のものに関しては、通常気象キャスターが出演、解説を行う。
- 字幕スーパー 画面左上の時刻表示下部に気象マーク(天気ループ)が表示されることがある。「おはよう日本」など早朝に放送され、機動的な運用がなされる。また、災害・地震時の緊急報道や特別編成で気象情報が放送できない場合にもその代わりとして行われる。ただし、地上アナログ放送のみの表示で地上デジタル放送(一部地域では表示あり)や衛星放送、NHKワールドでは一切表示されない。
- 気象警報の速報 気象警報(暴風、大雨、暴風雪、大雪、高潮、洪水、波浪)が発表された場合、テレビでは総合テレビで速報スーパーを行い、ラジオではラジオ第1放送で通常番組を中断して放送する(FM放送は各局の定時ローカルニュース放送時と「ラジオ深夜便」で同番組のスタジオから気象警報を伝える以外は一切、番組の途中での気象警報は放送されない ラジオ第2放送もFMと同様。ただ、「ラジオ深夜便」はFMでも該当する地域で番組の途中で放送されることがある)(いづれも該当する地域のみでの放送)。ただし波浪警報については各地域の実情に基づき実施する(地震・津波に関しては規模に応じて下はローカル速報スーパーから(体制は気象警報と同じ)、上は全13波〈AM・FMラジオ、地上波・BSテレビ、国際放送の全波〉での臨時ニュースに至るまでレベルごとの対応が定められている)。
- NHK BSニュース内の気象情報
- BS-1では2005年度に気象キャスター出演による単独枠「BS気象情報」が設けられたが、1年で放送を終了し、以後はBSニュース内のアナウンサー読みコーナーのみとなっている。全国の天気と時間帯によっては世界の主要都市の天気も放送。但し、放送時間が5分以下の場合は放送されない。
- NHKラジオ第1放送の天気予報
- アナウンサー読みがほとんどだが、ラジオのみの気象キャスターが出演するコーナーもある。
- NHK教育テレビジョンの天気予報
- 「NHK手話ニュース」では「きょうの天気」として今日の全国の天気予報画面を、「NHK手話ニュース845」では「あすの天気」として明日の全国の天気予報画面、予想最低気温、予想最高気温、週間予報を放送する。ちなみに予報画面は総合テレビと同一のものだが、総合テレビの予報画面はアニメーションで表示されるのに対し、教育テレビではなぜか静止画で表示される。また、2007年4月より地上デジタル放送のマルチ編成(023ch)のみであるが、後述にあるNHKワールドで英語放送による全世界の気象情報「ワールドウェザー(World Weather)」もすべての曜日ではないが放送されている。
- NHKワールドTV、NHKワールド・プレミアムの国際放送独自の気象情報
- 英語放送による全世界(国内の放送では一切取り上げていない南極も含む)の気象情報「ワールドウェザー(World Weather)」で英語字幕による天気画面とBGMのみ流すのと女性キャスターが英語による気象解説を行なう2つのパターンがある。日本では東京と大阪(立体CG映像のリニューアル版は東京、大阪に加えて札幌、福岡も追加された)の天気について放送している。NHKワールド・プレミアムでは英語だけでなく、日本語放送による「ワールドウェザー」も放送されている。
- 基本的な流れでは、雲の動き→世界各地域ごとの天気(最後に南極が入る)→世界主要地域の1週間の天気の順になっている。気温については北米地域のみ摂氏(C)のあとに華氏(F)も表示している。
- 2007年度より一部時間帯において他の海外放送局と同様、地球に見立てた立体CGの映像にリニューアルされ、天気および最高・最低気温(摂氏のみ)の表示もリニューアルされた。従来どおり(リニューアル前)の天気画面での放送も継続されている。
[編集] 演出形態
主に概況と天気予報の2本立て。地域ごとの放送になると警報・注意報の案内も含まれる。
テレビ放送では概況を伝える「雲の動き(気象衛星画像)」「現況天気図」「予想天気図」「気象レーダー」「アメダス観測情報(雨・気温など)」などが、予報を伝える「きょうの天気」「あすの天気」「3時間ごとの天気」「降水確率」「雨(雪)・寒気等の予想」「予想最高気温」「予想最低気温」「風・波の予想」「週間予報」「世界の天気」「週末行楽地の天気」「海上予報」、それに「警報・注意報」があり、気象庁の発表時間帯、天気の傾向等を踏まえて組み替えや追加が行われる。また春先には「花粉情報」、夏季には「紫外線情報」が放送される。
アナウンサーは原則気象画面のみで進行し、気象キャスターの解説がある場合は気象画面をスタジオ内のモニタに表示して、指示棒やマークなどを用いて解説を加えるケースが多い。1990年代以降、一部の主要なニュース番組の気象コーナーにおいては、クロマキー処理によるヴァーチャルスタジオ、またはヴァーチャルセットを使用するケースもある(「NHKニュース10」(2000年~2006年)、「ニュースウォッチ9」(2006年~)など)。
[編集] 年表
- 1925年 ラジオ放送開始に伴い、「天気予報」の放送開始
- 1953年 テレビ放送開始に伴い、「天気予報」の放送開始。当初は1日1回、夜間の放送のみ。
- 1960年 従来の天気図への手書き方式にかわり、天気マークを導入
- 1963年 日本気象協会の気象キャスター出演開始。キャスター第1号は大塚龍蔵
- 1964年 天気マークに明滅効果をつける「ポラシーン」を導入(後にNHK放送博物館に展示)
- 1967年 天気予報の放送を拡充。放送時間が1日30分を超える。
- 1974年 気象庁アデスシステムとオンライン化完了
- 1977年 気象衛星「ひまわり1号」の打ち上げに伴い、雲画像の放送利用開始
- 1980年 アデスデータの自動作画化スタート。当初は天気予報画面のみ。
- 1981年 降水確率予報画面を導入
- 1983年 アメダス画面(当初は雨分布のみ)を導入
- 1987年 気象警報・注意報を自動作画化。波高・風向予報画面を導入
- 1988年 番組名「天気情報」に。花粉情報の放送開始
- 1990年 番組名「気象情報」に。
- 1993年 ひまわり画像と一体化した台風画面を導入。女性気象キャスターの出演開始
- 1994年 従来気象庁予報官が出演していた台風解説を、気象キャスターの担当に変更
- 1995年 気象画面を一部動画化。ポイント予報放送開始
- 1996年 東京発気象情報の放送時間が1日60分を超える。
- 1997年 時系列予報放送開始
- 1998年 降雪量予報画面を導入
- 2000年 GPVデータ画面を導入。紫外線情報放送開始。民間気象会社のキャスター出演開始
- 2002年 落雷情報放送開始
- 2004年 ブラウザ方式の解説画面導入
- 2005年 BS-1で気象キャスター出演による「BS気象情報」放送開始。1年で打ち切り。
[編集] 気象キャスター (東京・1993年度以降)
[編集] 1. 朝~夕方
NHKニュースおはよう日本
(含おはよう5) |
ニュース・気象情報
(10:00) |
気象情報(正午前) | ニュース・気象情報
(15:00) |
(17時台) | |
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1993年度 |
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(出演枠なし) |
1994年度 | |||||
1995年度 |
(出演枠なし) |
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1996年度 |
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(月-木、祝除く) (金、祝除く)
(土日祝) |
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1997年度 |
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1998年度 |
(出演枠なし) |
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首都圏いきいきワイド | ||
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1999年度 |
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NHK週刊ニュース | |||
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2000年度 |
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2002年度 | |||||
2003年度 |
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お元気ですか日本列島 | 首都圏ネットワーク(17時台) | |
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2004年度 |
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2005年度 |
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2006年度 |
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ゆうどきネットワーク | ||
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2007年度 |
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[編集] 2. 夜間
(18:30前後) | (19時前)(注1) | NHKニュース7 | 首都圏ニュース845 | (21-23時台)(注2) | きょうのニュース&スポーツ | |
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1993年度 |
(出演枠なし) |
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(出演枠なし) |
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(出演枠なし) |
1994年度 |
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1995年度 |
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1996年度 |
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(出演枠なし) |
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1997年度 | 首都圏ネットワーク
(18:30前後) |
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1998年度 |
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2006年度 |
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2007年度 |
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注1:
(平日)
1993年4月~1996年3月 イブニングネットワーク
1996年4月~1997年3月 気象情報(イブニングネットワークと分離)
1997年4月~1998年3月 気象情報(首都圏ネットワークと分離)
1998年4月~ 首都圏ネットワーク
(土日祝)
1993年4月~ 首都圏ニュース・気象情報(全国気象情報含む)
注2:
「N9」=NHKニュース9
「NW9」=ニュースウオッチ9
「N10」=NHKニュース10
「N11」=NHKニュース11
「21:58Z」=全国気象情報(21:58、月-金)
「21:58L」=関東甲信越気象情報(21:58、月-金)
[編集] その他
- 週刊こどもニュースの気象解説(1999年4月~2003年3月) 渡辺博栄
- BS気象情報(2005年4月~2006年3月) 高森いずみ(平日)、鶴田由香(平日)、檜山靖洋(土日祝)、辺見健一郎(土日祝)
- この他、ゆうどきネットワークの「中村次郎の天気歳時記」など、気象キャスターが出演する関連コーナーがある。
[編集] 備考として
- 上記に出てくる気象キャスターは台風や大雨・大雪などの時には深夜・未明の時間帯にもテレビに出演する場合がある。
- 尚、平日18:52の気象情報は一部地域では東京発のものを放送せず、地域独自のものを放送している地域がある(仙台・名古屋・大阪・広島・九州・沖縄地区等)。平日・祝日の18:52の気象情報アナウンサーも出演している。平日は池田達郎アナ、祝日は山本哲也アナが出演している。
- 月曜から金曜21:58の気象情報で放送していたオープニングでは、関西や九州・沖縄の様に関東・甲信越と同じBGMが流れる地域もあれば、東北・四国の様にいきなり予報に入る地域もある。これはアナウンサー不足により、21時55分から放送されるラジオニュースに飛び乗りの形で放送される為であると思われる。
[編集] 気象キャスター(首都圏以外・2007年04月現在)
[編集] 北海道
- 小川隆(気象予報士)
[編集] 東北
- 永井友理、厚木富美子(仙台局担当、2人は仙台局のキャスター。)
[編集] 甲信越
- 沢田浩次郎(新潟局担当、NHKアナウンサー兼気象予報士、担当番組は「沢田の天気」)
[編集] 東海・北陸
[編集] 関西
- 筒井幸雄(「おはよう関西」担当)、水越祐一(「もっともっと関西」、「かんさいニュース1番」担当)、吉村真希(土曜6:50、「ウィークエンド関西」担当)
- (いずれも日本気象協会関西支社所属気象予報士)
[編集] 中国
- 山口久美子(山口局担当、日本気象協会九州地区支配人管理組織所属気象予報士)
[編集] 四国
[編集] 九州・沖縄
- 松井渉、吉竹顕彰(以上福岡局担当、いずれも日本気象協会九州地区支配人管理組織所属気象予報士)
[編集] 参考資料
- NHK年鑑(各年度版) (日本放送出版協会)
- 改訂版NHK気象ハンドブック (日本放送出版協会、1996年) ISBN 4140110880
- 日本と世界の「お天気」おもしろ雑学 (高田齋、永岡書店、1992年) ISBN 4522215495
- 日本列島四季ごよみ (中村次郎、ホーム社、2000年) ISBN 4834250423
- 天気予報はこんなに面白い! (平井信行、角川書店、2001年) ISBN 4047040312
- そこが知りたい! 気象の不思議 (村山貢司、かんき出版、2001年) ISBN 4761259477
- Q&A天気なんでだろう劇場 (岩田総司、岩崎書店、2004年) ISBN 426582000X
- お天気歳時記 (田代大輔、日本放送出版協会、2005年) ISBN 4140810289
- 山岳気象入門 (村山貢司ほか、山と渓谷社、2005年) ISBN 4635043304
- 台風 気象報道の現場より (渡辺博栄、数研出版、2005年) ISBN 4410138987
- ステラ(各号) (NHKサービスセンター)......ほか