NHKラジオ第2放送

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NHKラジオ第2放送（らじおだいにほうそう）は、日本放送協会（NHK）の中波ラジオ放送局の一つである。全国放送を行っている。

[編集] 概要

NHKの教育テレビと同じく教育専門局である。このため、各NHK放送局の教育テレビとラジオ第2放送のコールサインは同一（例：東京はJOAB）となっている。

主に放送しているのは語学番組と高校講座である。また、気象通報、株式市況、NHKワールド・ラジオ日本の外国語ニュース（英語、中国語、ハングル、ポルトガル語、スペイン語の5言語）も放送している。また、毎年12月31日から1月3日の間は通常編成をほぼすべて休止して、年末年始特別編成を組んでいる。

1980年代前半位までは「ラジオ農業学校」、「漁村の皆さんへ」（この番組は教育というよりは、ラジオ第1の「昼の憩い」に似た、漁村に住む視聴者からのお便り等を紹介したり、船舶の海上試験の模様をリポートするという様な番組であった）等、風変わりの番組もあった。

1980年代から1990年代にかけて、第2放送の廃止が度々検討されたようだが、聴取者からの反対意見もあって見送られている。

[編集] 沿革

NHKのラジオ放送は1925年3月に開始されたときは1チャンネルだけだったが、1931年からこれを2つに分けた。スタート当初から講座番組など教育放送を主とした番組編成だったが、ラジオ第2放送の普及が東京・大阪・名古屋の3都市にとどまったため、1939年7月に「都市放送」と改称し、都市知識層向けのより高度な教養・講座番組や文芸・音楽番組に力を入れた編成に改められた。その後、1941年12月の太平洋戦争開戦により、第2放送（都市放送）は一時休止されたが、終戦直後に再開。全国各地での第2放送の開設も進み、全国共通の教育・教養番組専門のチャンネルという性格が確立された。

[編集] 放送形態

放送開始は長年5:30だったが、2007年4月からは30分繰り下がり6:00となり（4日より。2日と3日は5:40だった）、5時台の放送はなくなった。1995年3月までNHKではラジオ第1や衛星2波（ともに5時）に次いで放送開始時間が早かったが、1999年4月に教育テレビが5時開始に繰り上がってからはもっとも遅い放送開始時間となった。
放送終了は、2000年9月までは毎日24:00だったが、10月から教育テレビと同様、高校講座のアンコール放送を行うため、日曜～月曜深夜を除き24:00以降も放送することになった。2007年3月までは火曜は25:35、水曜～土曜は25:40だった。さらに2007年4月からは開始時間が繰り下がった分、毎日24:00を過ぎて放送するようになり、日曜～月曜は24:40、火曜～土曜は25:00となった（但し4月6日～7日は25:40、8日は25:20まで放送していた）。なお、これまでテレビの放送設備のメンテナンスによる期間などを除き、NHKでは最も早く終了していたが、日曜に限り教育テレビより10分後に終了するようになった。
2000年4月から2006年3月まで、NHKでは唯一24時間放送を行われなかったチャンネルだった（2006年4月より教育テレビとBSハイビジョンが24時間放送を中止したため。なおBSハイビジョンはデジタル放送開始の2000年12月より24時間）。放送時間は2000年9月までは18時間半、同年10月～2007年3月は火曜～土曜は20時間余（火曜は20時間5分、水曜～土曜は20時間10分）だったが、2007年4月より日曜～月曜は18時間40分、火曜～土曜は19時間となり、放送時間が短縮された。
2007年3月までは日曜・月曜でも放送終了時間を24:00以降に延長する場合があった。これは地震（津波警報）のニュースの関係で放送できなかった番組を振り替え放送するためである（2006年11月19日の番組表では翌20日2:00近くまで放送時間を延長　2007年1月15日の番組表では翌16日2:30まで放送時間を延長）。
12月31日～翌年1月3日の年末年始特別編成時は編成内容によって終了時間が異なり、2005年～2006年は25:30、2006年～2007年は24:45までだった。またかつて終了時間が通常24:00までだった2000年以前にも、年末年始のみ終了時間が24:00を過ぎることがあった（もちろん編成によるもの）。
放送設備のメンテナンスが実施される週は、24:00で放送終了となる（年に数回。ラジオ第1放送は各局任意により1時から5時に休止する）。また、放送設備のメンテナンスが実施される週でもラジオ第1放送より後に終了するケースも稀にある。

ラジオ第2は全国共通編成であるため、原則として地域放送を実施する必要が無い（コールサインの呼び出しのみ差し替える程度、その他高校野球の地方大会をまれに放送する場合もある）。そのため、500kWという国内最大出力で放送している地域が東京、札幌、秋田、熊本の4か所に存在し、大阪でも300kWで放送を行っている。この措置により、三大都市圏以外でも徳島と佐賀では、ラジオ第2が廃止された。また、京都でも、以前はラジオ第2があった（徳島、佐賀とともに廃止）。

中継局の開局は1972年に沖縄での放送開始と同時に宮古島と石垣島（いずれもラジオ第1と同時）に設置されたのを最後にAMでの中継局開局はなく、2003年に同じく沖縄の西表島西部と与那国島にいずれも中波混信対策としてFMでの中継局開局が最後である（与那国島はラジオ第1と同時）。

気象通報がNHK第2放送で放送されているのは、500kwの高出力だからである。かつて、日本近海で操業している漁船にとって、NHK第2放送は気象を知る「命の電波」であった。今は、通信衛星を装備している船が増えたが、NHK第2放送の気象通報が依然重要であることには変わりがない。NHKワールド・ラジオ日本の外国語ニュースが放送されているのも、高出力であり、より遠くに伝播するからである。

[編集] 緊急時の放送体制

ラジオ第2放送は教育・教養番組主体となっており、番組編成の差し替えは行わないのが原則だが、地震・津波災害が発生した場合（緊急警報放送含む）は、在日外国人用に英語を使って（テレビジョンは副音声）情報を提供するため、番組差し替えが行われる。津波警報解除まで通常放送は中断され、この間で放送できなかった番組は後日、放送休止中の時間帯などを使って振り替え放送される（但し、気象通報は放送中止となる）。また、各番組の本編終了直前にも振り替え放送に関するお知らせを放送する。昭和天皇崩御の1989年 1月7日の放送では、特別ニュースを7:55ごろからの数分間放送した以外は通常編成で行われたが、放送終了時の君が代の演奏は中止されている。（1月8日、並びに2月24日の大葬の礼が行われたときも同じ）

[編集] 津波警報発令時の自動音声の例

「津波警報が出ました。NHKでは、津波警報についての緊急ニュースを、英語でお伝えしています。日本語による緊急ニュースは、ただいまお聞きの放送以外の、NHKのテレビとラジオでお伝えしています。

Please stay tuned for an emergency broadcast in English. This is an emergency warning about tsunami tidal waves. The meteorological agency has announced that tsunami tidal waves are expected to strike in following areas. (津波が予想される地域) In the area mentioned, tsunami tidal waves are expected to strike. The waves will be up to (予想される津波の高さ) meters high in some areas. Everyone near the coast must evacuate to higher ground. Please follow the instruction of police and fire officials.」

（以上のものが、繰り返して放送される。）